鬼神斬闘オー・ディーン
『鬼神斬闘オー・ディーン』(きしんざんとう-)はかざね氏制作の黒歴史。
スチームパンク的な多国籍・退廃的世界観を目指したロボ物である。
『鬼神斬闘オー・ディーン』(きしんざんとう-)はかざね氏制作の黒歴史。
スチームパンク的な多国籍・退廃的世界観を目指したロボ物である。
「人が朽ちるは因果の彼方。鬼が生きるは因果の螺旋。
神も悪魔も斬って捨て、修羅の荒野にいざ参らん。」
――オープニングナレーションより
神も悪魔も斬って捨て、修羅の荒野にいざ参らん。」
――オープニングナレーションより
1 あらすじ
24世紀・NEOマチダセントラル。
亡国の一都市に過ぎなかったこの土地は、今や巨大ロボットが生む軍需・重工・娯楽などの産業により世界でも有数の大都市に成長していた。
それらは現代の科学・工業技術の発展の延長上にはなく、すべて太古の大戦に用いられた未知の超技術によって作られており、世界に点在する遺跡から出土されるそれらは、超文明の遺産を意味する言葉「オー・パーツ」をもじり「オー・メック」と呼称されるようになる。
亡国の一都市に過ぎなかったこの土地は、今や巨大ロボットが生む軍需・重工・娯楽などの産業により世界でも有数の大都市に成長していた。
それらは現代の科学・工業技術の発展の延長上にはなく、すべて太古の大戦に用いられた未知の超技術によって作られており、世界に点在する遺跡から出土されるそれらは、超文明の遺産を意味する言葉「オー・パーツ」をもじり「オー・メック」と呼称されるようになる。
それらの技術を巡り、幾多の戦争が起きた。
だが、戦争が続けば続くほど、そこはオー・メックの有用さを示す絶好の場となっていく。いつしか戦争は大企業が擁するメックのアピールをするための手段と化し、メックのパーツのひとつに過ぎぬパイロットたちは次々と使い捨てられるようになった。
人類はその異常な状況を淡々と、ただ事実として受け止めた。人々はそれと知らぬうち、その精神を磨耗し切っていたのだった。
だが、戦争が続けば続くほど、そこはオー・メックの有用さを示す絶好の場となっていく。いつしか戦争は大企業が擁するメックのアピールをするための手段と化し、メックのパーツのひとつに過ぎぬパイロットたちは次々と使い捨てられるようになった。
人類はその異常な状況を淡々と、ただ事実として受け止めた。人々はそれと知らぬうち、その精神を磨耗し切っていたのだった。
そんな中、メック同士の戦い――メックデュエル――を見世物とし、日々の糧を得る者たちが現れた。
オー・メックを操る戦士にして自らをプロモートする商売人でもある彼らはオーナーと呼ばれる独自の職業体系を築き上げ、巨万の富を得るもの、それを夢見てまだ見ぬメックを掘り出そうとするもの、そんな彼らを補助するもの……と、オー・メックを取り巻く環境は数年の間に驚くほど変わっていった。
オー・メックを操る戦士にして自らをプロモートする商売人でもある彼らはオーナーと呼ばれる独自の職業体系を築き上げ、巨万の富を得るもの、それを夢見てまだ見ぬメックを掘り出そうとするもの、そんな彼らを補助するもの……と、オー・メックを取り巻く環境は数年の間に驚くほど変わっていった。
NEOマチダセントラル・下層バースト3、モリノエリア。
貧民層が集まる下層バーストにおいても、メックデュエルは熱狂的な人気を誇る娯楽であった。ひと家庭に一台のテレビとはいかぬ下層バーストでは、バーストを取り仕切る役所=センチネルの前に置かれた巨大テレビに人が群がる。そして、当然そこはメックデュエル目当ての住民達で常にごった返している……メックデュエルとは、今や政府にとっても都合のいい娯楽なのである。
貧民層が集まる下層バーストにおいても、メックデュエルは熱狂的な人気を誇る娯楽であった。ひと家庭に一台のテレビとはいかぬ下層バーストでは、バーストを取り仕切る役所=センチネルの前に置かれた巨大テレビに人が群がる。そして、当然そこはメックデュエル目当ての住民達で常にごった返している……メックデュエルとは、今や政府にとっても都合のいい娯楽なのである。
ここに夢見る一人の少年がいる。幼き頃よりメックデュエルに憧れ、いつの日か自分がスターオーナーになることを常に夢想してきた少年、名を獅堂一一一(ひいち)。
"天剣"と称された大剣豪・獅堂十鬼(とうき)を祖父に持つ一一一は、病弱ゆえに十鬼より疎まれた父・百真(どうま)に代わり、心技体全てを三度へし折ることで到達する超人の領域でのみ扱える剣術・獅堂流初刃心得(しどうりゅうういじんこころえ)を継ぐ宿命を背負っていた。
一切の妥協を許さぬ祖父の下で修行を積む一一一に許された唯一の娯楽こそがメックデュエルだった。一一一にとって、メックデュエルは単なるストレス発散の見世物ではない。いつしかそれは現実、というよりも祖父からの逃避の場となっていたのだ。
一一一にとっての祖父十鬼は、下層バーストでの辛い生活の象徴そのものであった。
"天剣"と称された大剣豪・獅堂十鬼(とうき)を祖父に持つ一一一は、病弱ゆえに十鬼より疎まれた父・百真(どうま)に代わり、心技体全てを三度へし折ることで到達する超人の領域でのみ扱える剣術・獅堂流初刃心得(しどうりゅうういじんこころえ)を継ぐ宿命を背負っていた。
一切の妥協を許さぬ祖父の下で修行を積む一一一に許された唯一の娯楽こそがメックデュエルだった。一一一にとって、メックデュエルは単なるストレス発散の見世物ではない。いつしかそれは現実、というよりも祖父からの逃避の場となっていたのだ。
一一一にとっての祖父十鬼は、下層バーストでの辛い生活の象徴そのものであった。
そして、ある日の稽古の帰り道。いつものように古戦場へと足を踏み入れたところから一一一の物語は幕を開ける。
2 メカニック
- オー・ディーン
モリノエリアの古戦場にて眠っていた騎士型オー・メック。現代においては既に製法が失われた古の流体金属・グングニウムによって作られた武装「斬鉄剣"無頼"」一振りのみを携え、立ちはだかるメック達を一太刀で斬り捨てる。
火器は内臓・携行ともに一切所有しない。全体的な性能は平凡であるものの、瞬間最高出力という一点においては他の一般的なメックを軽く五倍以上は凌駕する。斬鉄剣を振るい刹那のうちに敵メックを倒すことだけに特化した結果であり、ゆえに集団相手の持久戦は不得意。
かつてたった四機で日本を滅ぼした最強のオー・メックのうちの一体であったということが後に判明する。町田はオー・ディーンがその動きを止めた最後の決戦場であり、ゆえに良質なオー・メックが多く眠っているのだ。
この事実が判明する中盤以降、腕自慢のオーナー達と戦うことで自らの価値を証明していくという一一一の物語は政府との戦いへとシフトしていく。
火器は内臓・携行ともに一切所有しない。全体的な性能は平凡であるものの、瞬間最高出力という一点においては他の一般的なメックを軽く五倍以上は凌駕する。斬鉄剣を振るい刹那のうちに敵メックを倒すことだけに特化した結果であり、ゆえに集団相手の持久戦は不得意。
かつてたった四機で日本を滅ぼした最強のオー・メックのうちの一体であったということが後に判明する。町田はオー・ディーンがその動きを止めた最後の決戦場であり、ゆえに良質なオー・メックが多く眠っているのだ。
この事実が判明する中盤以降、腕自慢のオーナー達と戦うことで自らの価値を証明していくという一一一の物語は政府との戦いへとシフトしていく。
「獅堂流剣士、獅堂一一一! 鬼神斬機オー・ディーン、斬って参る!」
- オー・ガロード
獅堂十鬼が若かりし日に操った鬼型オー・メック。
身の丈の倍ほどもある長さの大剣「だいだらぼっち」を振り回し、数多くのメックを葬ってきた。しかし、百真が誕生し、獅堂流の伝承を真剣に考え始めた十鬼にとって、悪鬼羅刹の如き戦い方しかできぬオー・ガロードは最早不要のものであった。その為、道場の裏に掘られた大穴の中に埋められたガロードはそれから数十年の時を過ごすこととなる。
終盤、オー・ディーンと共に修羅の道へと足を踏み外さんとしていた孫の一一一を止めるため、羅刹は再び目覚める。豪雨の下の最終決戦。修羅と羅刹、二人の鬼が咆哮を上げる。
武装は大剣だいだらぼっちの他、右肩に備え付けられた電磁衝角(ショックラム)、左肘部に隠されたマグナムパイルなど、取り回しの悪いだいだらぼっちの内角に滑り込まれた際にサポートとして使われるものが多い。
身の丈の倍ほどもある長さの大剣「だいだらぼっち」を振り回し、数多くのメックを葬ってきた。しかし、百真が誕生し、獅堂流の伝承を真剣に考え始めた十鬼にとって、悪鬼羅刹の如き戦い方しかできぬオー・ガロードは最早不要のものであった。その為、道場の裏に掘られた大穴の中に埋められたガロードはそれから数十年の時を過ごすこととなる。
終盤、オー・ディーンと共に修羅の道へと足を踏み外さんとしていた孫の一一一を止めるため、羅刹は再び目覚める。豪雨の下の最終決戦。修羅と羅刹、二人の鬼が咆哮を上げる。
武装は大剣だいだらぼっちの他、右肩に備え付けられた電磁衝角(ショックラム)、左肘部に隠されたマグナムパイルなど、取り回しの悪いだいだらぼっちの内角に滑り込まれた際にサポートとして使われるものが多い。
「獅堂流剣士、"天剣"十鬼。ぶっ壊されたい奴から前に出ろ」
- 応麟(おうりん、オー・リーン)
チャイナタウンの闘機場を取り仕切るオーナー・蛮大人が操る獣人型オー・メック。正式名称はオー・リンガーツェン。
蛮大人は闘機場を運営しつつも不法者を自ら取り締まる武闘派で、伸縮自在の神珍鉄で出来た槍を得物としてかつての戦争でも活躍していたという。
また、得意とするのは槍術だけでなく、時に二挺拳銃を華麗に披露する。要はそんなカッコイイ中華要素を詰め込んだ機体。四足歩行の獣に変形することもでき、この形態時にのみ内臓のプラズマカノンを使用することができる。
メック乗りのごろつきと争っていた一一一の実力を見抜き、自身が運営する闘機場への参加を勧める。
蛮大人は闘機場を運営しつつも不法者を自ら取り締まる武闘派で、伸縮自在の神珍鉄で出来た槍を得物としてかつての戦争でも活躍していたという。
また、得意とするのは槍術だけでなく、時に二挺拳銃を華麗に披露する。要はそんなカッコイイ中華要素を詰め込んだ機体。四足歩行の獣に変形することもでき、この形態時にのみ内臓のプラズマカノンを使用することができる。
メック乗りのごろつきと争っていた一一一の実力を見抜き、自身が運営する闘機場への参加を勧める。
- オー・ドラゴンファング
龍型オー・メック。かつて日本を滅ぼした最強のメックの一体。
詳細は不明。
詳細は不明。
- オー・リュウ
近年オー・メック産業において確実に台頭しつつあるS.S(サイレンス・サンデー)社が発表したメック完全無人化計画「メサイア・プロジェクト」の試作二号機。
S.S社会長の小林詩流子(しるこ)氏は孫をメックデュエルで失っており、その悲劇を二度と繰り返さない為にこの計画を発案したという。
初の無人メックとして注目を集めている機体だが、その正体はかつて日本を滅ぼした最強のメックの一体であるオー・ドラゴンファングに四年前の最上層MDT(メック・デュエル・トーナメント)決勝戦の中で事故死した下層バースト出身の天才デュエリスト、小林善哉(ぜんざい)の死体から回収した生体脳を搭載した狂気の産物。
小林詩流子氏は愛孫が叶えられなかった夢を果たすために企業を私物化していたのである。
S.S社会長の小林詩流子(しるこ)氏は孫をメックデュエルで失っており、その悲劇を二度と繰り返さない為にこの計画を発案したという。
初の無人メックとして注目を集めている機体だが、その正体はかつて日本を滅ぼした最強のメックの一体であるオー・ドラゴンファングに四年前の最上層MDT(メック・デュエル・トーナメント)決勝戦の中で事故死した下層バースト出身の天才デュエリスト、小林善哉(ぜんざい)の死体から回収した生体脳を搭載した狂気の産物。
小林詩流子氏は愛孫が叶えられなかった夢を果たすために企業を私物化していたのである。
善哉は全下層バースト住民の英雄であり、憧れの対象であったが、一一一にとってもそれは例外ではなく、最強メック同士の対峙で覚醒したオー・ディーンの暴走によりオー・リュウを完膚なきまでに破壊し尽した一一一はこの事実を知って自己の所有する力の強大さを自覚し、また目標であった善哉を自分が殺めてしまったショックから心の均衡を失ったことにより修羅への道を歩み始める。
- オー・マルクファクト
下層バーストのひとつ、ツルカワエリア出身のオーナー・出雲八雲が操る天使型メック。
十字架型のバイザーを上げると現れる「真実の眼」は量子空間を感知するセンサーで、目に見えるものがこれから辿ろうとしているあらゆる可能性を見通すことができる。マルクファクトはディーンなどと同じく、平凡な性能の中で一点に特化した性能のメックなのである。
奇しくも八雲は一一一の十年来の親友であり、ディーンが発掘された古戦場でマルクファクトを先に掘り当てていた。その性能のお陰で瞬く間にスターオーナーとなった八雲だったが、しかし彼は心の奥に秘めた一一一への劣等感を拭えなかった。
幼い頃から鍛え上げられていた一一一は、八雲にとって尊敬の対象であると同時にあらゆる点で超えられぬ壁でもあったのだ。
十字架型のバイザーを上げると現れる「真実の眼」は量子空間を感知するセンサーで、目に見えるものがこれから辿ろうとしているあらゆる可能性を見通すことができる。マルクファクトはディーンなどと同じく、平凡な性能の中で一点に特化した性能のメックなのである。
奇しくも八雲は一一一の十年来の親友であり、ディーンが発掘された古戦場でマルクファクトを先に掘り当てていた。その性能のお陰で瞬く間にスターオーナーとなった八雲だったが、しかし彼は心の奥に秘めた一一一への劣等感を拭えなかった。
幼い頃から鍛え上げられていた一一一は、八雲にとって尊敬の対象であると同時にあらゆる点で超えられぬ壁でもあったのだ。
その因縁は、同じくスターオーナーとなった一一一との直接対決でもって終わりを告げる。既に修羅と化した一一一は、予測された可能性などものともせずに限界を越えた機動でマルクファクトを斬り捨てた。
メックの中に保存された記憶が流れ込む。かつての決戦場、斬鉄剣で両断されるマルクファクトのイメージ。この戦いが太古の昔にも行われていたことを知り、八雲は絶望する。ならば、自分はやはり一一一を超えられぬことを宿命付けられていたのではないか。自分は道化に過ぎなかった……。
八雲の絶望に応え、マルクファクトの白い装甲が文字通り反転した。現れたのは漆黒の装甲、そして血管のように走る赤い紋様。
「マルクファクト・フォルグレイス」。宿命の輪廻を断ち切り、第二ラウンドが幕を開けた。
メックの中に保存された記憶が流れ込む。かつての決戦場、斬鉄剣で両断されるマルクファクトのイメージ。この戦いが太古の昔にも行われていたことを知り、八雲は絶望する。ならば、自分はやはり一一一を超えられぬことを宿命付けられていたのではないか。自分は道化に過ぎなかった……。
八雲の絶望に応え、マルクファクトの白い装甲が文字通り反転した。現れたのは漆黒の装甲、そして血管のように走る赤い紋様。
「マルクファクト・フォルグレイス」。宿命の輪廻を断ち切り、第二ラウンドが幕を開けた。
唯一の武装である断罪の剣「オールオアノット」は自身に推力を持ち、スタンドアローンでの動作が可能。
- オー・ガルダン
俗に「TM(タンク・メック)」と呼称される、この世界でも希少なキャタピラ走行型メック。
ガルダンのオーナーである流良(ながれりょう)は数少ないTMオーナーの中でも唯一のスターオーナーであり、観客の視線を意識したTM特有のパワフルなパフォーマンスを盛り込んだ試合展開で高い人気を誇り、スターオーナーズカップ(ファン投票によるオールスターエキシビジョン)の連続出場記録を更新中である。
ガルダンのオーナーである流良(ながれりょう)は数少ないTMオーナーの中でも唯一のスターオーナーであり、観客の視線を意識したTM特有のパワフルなパフォーマンスを盛り込んだ試合展開で高い人気を誇り、スターオーナーズカップ(ファン投票によるオールスターエキシビジョン)の連続出場記録を更新中である。
圧倒的な積載量を活かし、息切れしない超火力をもって中距離から敵を粉砕する姿はしばしば要塞に例えられる。
また"上の下"ランクに位置することからオー・ガルダンを昇級戦の壁と見る向きもあり、ガルダンと好勝負をしてこそ、ファンにスターオーナーであると認められる傾向がある。
また"上の下"ランクに位置することからオー・ガルダンを昇級戦の壁と見る向きもあり、ガルダンと好勝負をしてこそ、ファンにスターオーナーであると認められる傾向がある。
3 用語解説
Q.ところで「スターオーナー」が何なのかって説明がないんだが…
上位ランカーみたいな意味でいいの??
上位ランカーみたいな意味でいいの??
A.いや別にスポーツでいうスタープレイヤー的な意味で使ってるだけだからあんま意味はwwwww
上位ランカーって考えていいんじゃね???
上位ランカーって考えていいんじゃね???
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