魔法少女 シルフィー・ルナ
『魔法少女 シルフィー・ルナ』(まほうしょうじょ-)はかざね氏制作の黒歴史。
「サガフロのブルー編から着想したバトル物。一片たりともなのはのことは考えていなかった」(後の制作者インタビューで)
『魔法少女 シルフィー・ルナ』(まほうしょうじょ-)はかざね氏制作の黒歴史。
「サガフロのブルー編から着想したバトル物。一片たりともなのはのことは考えていなかった」(後の制作者インタビューで)
1 あらすじ
いつも平和な魔法の国、ルナルキングダム。
この国は豊かな資源と温和な人々、そしてそれを治める優しい王様と女王様により、この上なく素晴らしい国として魔法界にその名を知られていました。
争いを知らぬみんなの心はとても穏やか。太陽や草木、物言わぬ動物たちもみんな笑顔で暮らしています。
しかし、この国の王家にはひとつの掟が受け継がれていました。
この国は豊かな資源と温和な人々、そしてそれを治める優しい王様と女王様により、この上なく素晴らしい国として魔法界にその名を知られていました。
争いを知らぬみんなの心はとても穏やか。太陽や草木、物言わぬ動物たちもみんな笑顔で暮らしています。
しかし、この国の王家にはひとつの掟が受け継がれていました。
――『王の血を継ぐ者が双子だったときは、片方を殺せ。さもなくば、王国には災厄の嵐が吹き荒れるであろう』
時は魔法統一暦387年。
ルナルキングダムの王が二人の子を授かったとき、物語の歯車は回り始めます。
血と涙、忘れえぬ絆の螺旋を巻き込んで。
ルナルキングダムの王が二人の子を授かったとき、物語の歯車は回り始めます。
血と涙、忘れえぬ絆の螺旋を巻き込んで。
2 登場人物
- シルファリア・ルナル
ルナル王家が授かった双子の一人。ルナル王家第十八代王位継承候補者です。
心優しい女の子で、愛と希望に溢れた暖かな魔法を操ることができます。
みんながずっと笑っていられるような楽しい世界が永遠に続くことを心から願っています。
心の魔法少女・シルフィールナに変身します。
心優しい女の子で、愛と希望に溢れた暖かな魔法を操ることができます。
みんながずっと笑っていられるような楽しい世界が永遠に続くことを心から願っています。
心の魔法少女・シルフィールナに変身します。
- ウィンファリア・ルナル
ルナル王家の双子の片割れ。もう一人のルナル王家第十八代王位継承候補者です。
気の強い女の子に育ち、シルファリアに対しては常に主導権を握ってきました。
しかし、全ては愛情の裏返し。誰よりもシルファリアのことを愛している彼女は、だからこそ彼女を全力で蹴落としにかかります。
破壊と再生、両極端の二つの力を使いこなし、シルファリアよりも圧倒的に格闘戦が得意です。
天地の魔法少女・ウィニールナに変身します。
気の強い女の子に育ち、シルファリアに対しては常に主導権を握ってきました。
しかし、全ては愛情の裏返し。誰よりもシルファリアのことを愛している彼女は、だからこそ彼女を全力で蹴落としにかかります。
破壊と再生、両極端の二つの力を使いこなし、シルファリアよりも圧倒的に格闘戦が得意です。
天地の魔法少女・ウィニールナに変身します。
- アエロー・ハルピュイア
ルナルキングダムとは現在敵対関係にある魔法王国「ハルピュイアン」の第一王女です。
彼女は楽しいことが大好きで、自分の気に食わないものは大嫌いというちょっとワガママな女の子。
ハルピュイアンのしきたりに則って、「他の魔法王国の後継ぎを殺す」という女王選抜試験を受けに地球界へと降りました。
好きなことは戦いと勝利。嫌いなものは平和と敗北。彼女に言わせれば、負けることは死ぬことに等しいそうです。
疾風の魔法少女・ブランディッシュアエローに変身します。
彼女は楽しいことが大好きで、自分の気に食わないものは大嫌いというちょっとワガママな女の子。
ハルピュイアンのしきたりに則って、「他の魔法王国の後継ぎを殺す」という女王選抜試験を受けに地球界へと降りました。
好きなことは戦いと勝利。嫌いなものは平和と敗北。彼女に言わせれば、負けることは死ぬことに等しいそうです。
疾風の魔法少女・ブランディッシュアエローに変身します。
- オキュペテー・ハルピュイア
ハルピュイアンの第二王女で、気の弱い女の子です。
彼女もまた女王選抜試験のために地球に来ていますが、このしきたりには少々懐疑的なようです。
シルフィーとはクラスメイトで、お互いの宿命を知らぬままに親友として日々を過ごしています。
それが悲しい結末に終わることはまだ誰も知りません。
韋駄天の魔法少女・ピアースオキュペテーに変身します。
彼女もまた女王選抜試験のために地球に来ていますが、このしきたりには少々懐疑的なようです。
シルフィーとはクラスメイトで、お互いの宿命を知らぬままに親友として日々を過ごしています。
それが悲しい結末に終わることはまだ誰も知りません。
韋駄天の魔法少女・ピアースオキュペテーに変身します。
- ケライノー・ハルピュイア
ハルピュイアンの第三王女で、とても嗜虐的な女の子。
彼女が砂場でうずくまっている時は大体蟻の巣を水攻めしています。
厄介ごとに巻き込まれたくないなら近付かないほうがいいでしょう。
独学によりマスターした呪術を得意としており、ハルピュイアンの王女としてはあまり相応しくない人物だと言われていますが、実力的には三姉妹の中で一番。
黒雲の魔法少女・カーシングケライノーに変身します。
彼女が砂場でうずくまっている時は大体蟻の巣を水攻めしています。
厄介ごとに巻き込まれたくないなら近付かないほうがいいでしょう。
独学によりマスターした呪術を得意としており、ハルピュイアンの王女としてはあまり相応しくない人物だと言われていますが、実力的には三姉妹の中で一番。
黒雲の魔法少女・カーシングケライノーに変身します。
- マリアンヌ・セントアラストル
魔法帝国セントアラストルの当代女王(セイクリッド)。
セントアラストルは侵略者が築き上げてきた国家で、一人一人が千人の兵に匹敵する力を持つ「魔法少女」を最も多く有する国です。
マリアンヌ自身も才能豊かで、強力な魔法少女。国家の威信をかけて、「最強」の看板を背負っています。
魔法世界は「魔法少女」の存在によってバランスが取られているのです。
物語途中、シルファリアたちと同じ学校に転校してきます。その真意や如何に。
セントアラストルは侵略者が築き上げてきた国家で、一人一人が千人の兵に匹敵する力を持つ「魔法少女」を最も多く有する国です。
マリアンヌ自身も才能豊かで、強力な魔法少女。国家の威信をかけて、「最強」の看板を背負っています。
魔法世界は「魔法少女」の存在によってバランスが取られているのです。
物語途中、シルファリアたちと同じ学校に転校してきます。その真意や如何に。
- ルフェイスト・ルナル
ルナル王家第十七代女王の座につく、シルファリア、ウィンファリアの母親です。
禁忌魔法・魔神蹂躙(カオテック=ルーン)を生み出し、ルナルキングダムを一大魔法王国としてここまで育て上げてきました。
強大な力と引き替えに身体をぼろぼろに蝕む魔神蹂躙の副作用により、今は魔法少女を引退しています。
禁忌魔法・魔神蹂躙(カオテック=ルーン)を生み出し、ルナルキングダムを一大魔法王国としてここまで育て上げてきました。
強大な力と引き替えに身体をぼろぼろに蝕む魔神蹂躙の副作用により、今は魔法少女を引退しています。
3 ストーリー解説
時のルナル王は、授かった双子をどうしても殺すことが出来ないまま日々を過ごしていました。
魔法暦400年。双子は共に13歳となり、国中でも美少女として未来を期待されています。
ルナル王は考えました。やはり、あの掟はなんでもない、ただの先祖の妄言に過ぎないのだと。
魔法暦400年。双子は共に13歳となり、国中でも美少女として未来を期待されています。
ルナル王は考えました。やはり、あの掟はなんでもない、ただの先祖の妄言に過ぎないのだと。
しかし、そんな願いにも似た考えはある日あっけなく打ち破られます。
突如ルナルキングダムを襲った大地震、大津波、大寒波。
王国は一瞬にして荒廃し、残ったわずかな土地を皆の魔力で支えることで必死に生き抜く、少し前とはまったく異なる日々が始まったのです。
王は、とうとう決断しました。「どちらかに死んでもらうしかない」、と。
突如ルナルキングダムを襲った大地震、大津波、大寒波。
王国は一瞬にして荒廃し、残ったわずかな土地を皆の魔力で支えることで必死に生き抜く、少し前とはまったく異なる日々が始まったのです。
王は、とうとう決断しました。「どちらかに死んでもらうしかない」、と。
……ですが、王はどうしてもその手で美しい二人の娘を手にかけることが出来ませんでした。
見かねた女王は、双子にとある使命を与えます。
「地球界に降り、一人前の魔法使いになるための修行をせよ。ただし、この国に戻ることができるのは双子のうちどちらか一人だけ」……。
見かねた女王は、双子にとある使命を与えます。
「地球界に降り、一人前の魔法使いになるための修行をせよ。ただし、この国に戻ることができるのは双子のうちどちらか一人だけ」……。
西暦2008年を迎えたばかりの地球界に、戦いの嵐が吹き荒れます。
4 本編
- 第一話「月の少女たち」 あらすじ
第一話は魔法使いとしての修行が始まった二人の変身シーン、そして最初の激突まで。
新年早々不審火により真っ赤な炎に包まれた古い住宅街の一角。
シルファリアは「シルフィールナ」に、ウィンファリアは「ウィニールナ」という二人の魔法少女に変身し(地球は魔力の元であるエーテルがほとんど存在しないため、この姿になって限界まで魔力を吸う必要があります)、不審火に対抗。
シルフィーは優しい雨を降らせますが、なかなか火は収まらず。結果、ウィニーが極限魔法「グランドメガバスター」により火事ごと住宅街を消し飛ばします。
「どうしてそんなことをしたの、ウィンちゃん!」
「知れたこと。我らに求められるのは、より強い魔法の力……それだけだ。地球界などという下位世界の住民の命の存否、そんなことは問題とされてはいない。そうだろう?」
……富士山直上。二人の魔法少女が激突します。
新年早々不審火により真っ赤な炎に包まれた古い住宅街の一角。
シルファリアは「シルフィールナ」に、ウィンファリアは「ウィニールナ」という二人の魔法少女に変身し(地球は魔力の元であるエーテルがほとんど存在しないため、この姿になって限界まで魔力を吸う必要があります)、不審火に対抗。
シルフィーは優しい雨を降らせますが、なかなか火は収まらず。結果、ウィニーが極限魔法「グランドメガバスター」により火事ごと住宅街を消し飛ばします。
「どうしてそんなことをしたの、ウィンちゃん!」
「知れたこと。我らに求められるのは、より強い魔法の力……それだけだ。地球界などという下位世界の住民の命の存否、そんなことは問題とされてはいない。そうだろう?」
……富士山直上。二人の魔法少女が激突します。
- 最終話「堕ちる月 昇る月」 あらすじ
長きに渡る戦いに終止符を打つときが来ました。
禁忌魔法・魔神蹂躙(カオテック=ルーン)によりおぞましい姿と力(生物的な意匠の光るゲログロなパワードスーツ)を得ていたウィンに対し、シルフィーは想いの力を全開にして月の力を借り受けます。
最強最後の魔法の名は月神降舞(ルナー=テック)。黄金の光に包まれたシルフィーは、月光を収束させ生成した神器「オプテクスクレッセント」によりウィンを一閃。まがまがしい鎧は砕け散り、ウィンは正気を取り戻します。
しかし、時既に遅し。魔神鎧装が放つ強烈な障気により、ウィンの命は風前の灯でした。
ウィンは願いました。自分の死体は、地球界の土に埋めてほしい。魂の残滓で、自分が痛め付けてしまったこの世界を再生する。それが自分に出来る精一杯の償いである、と。
そして、ウィンは最後にこう言い残します。「ごめんね。大好き」……。
……シルフィーは気付いていました。生死をかけた争いの中、ウィンがぎりぎりのところで力を制限していたことを。
最初から、ウィンにシルフィーを殺すことなど出来はしなかったのです。何故なら、ウィンもまた、シルフィーと同じぐらいに心優しい女の子だったから。
それなのに、自分は……。
禁忌魔法・魔神蹂躙(カオテック=ルーン)によりおぞましい姿と力(生物的な意匠の光るゲログロなパワードスーツ)を得ていたウィンに対し、シルフィーは想いの力を全開にして月の力を借り受けます。
最強最後の魔法の名は月神降舞(ルナー=テック)。黄金の光に包まれたシルフィーは、月光を収束させ生成した神器「オプテクスクレッセント」によりウィンを一閃。まがまがしい鎧は砕け散り、ウィンは正気を取り戻します。
しかし、時既に遅し。魔神鎧装が放つ強烈な障気により、ウィンの命は風前の灯でした。
ウィンは願いました。自分の死体は、地球界の土に埋めてほしい。魂の残滓で、自分が痛め付けてしまったこの世界を再生する。それが自分に出来る精一杯の償いである、と。
そして、ウィンは最後にこう言い残します。「ごめんね。大好き」……。
……シルフィーは気付いていました。生死をかけた争いの中、ウィンがぎりぎりのところで力を制限していたことを。
最初から、ウィンにシルフィーを殺すことなど出来はしなかったのです。何故なら、ウィンもまた、シルフィーと同じぐらいに心優しい女の子だったから。
それなのに、自分は……。
慟哭。
シルフィーは魔法界に帰りました。
災厄既に去りしルナルキングダム上空。シルフィーは月神形態となることで溢れ出した圧倒的な魔力を解放し、また自分の命をも魔力に換え、ルナルキングダムを極限魔法で撃ち抜きました。
呪われた因果をここで終わらせるために。
災厄既に去りしルナルキングダム上空。シルフィーは月神形態となることで溢れ出した圧倒的な魔力を解放し、また自分の命をも魔力に換え、ルナルキングダムを極限魔法で撃ち抜きました。
呪われた因果をここで終わらせるために。
シルフィーの体は砕け、彼女の故郷も地上から消失しました。
ですが、その跡地には今、暖かな雨が降り注いでいます。
いつかまた、この土地が再生する日が来るでしょう。
その時はきっと、かつての王国よりもいい国が生まれるはずです。
シルフィーの優しい涙が、この土地を癒しているから。
ですが、その跡地には今、暖かな雨が降り注いでいます。
いつかまた、この土地が再生する日が来るでしょう。
その時はきっと、かつての王国よりもいい国が生まれるはずです。
シルフィーの優しい涙が、この土地を癒しているから。
完
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