ペルシア

 ペルシア(Persia)は、イランの旧称。フランス語ではペルス(Perse)。日本語ではペルシャとも表記される。

 もとはイラン南部の地名パールサ(現在ではファールスと呼ばれる)がギリシアでペルシアと呼ばれた。パールサは元は部族名だったという*1


【画像】『物語 イランの歴史』

ノストラダムス関連

 ノストラダムスが生きていた16世紀はサファビー朝ペルシア(1501年~1732年)の時代であったが、ノストラダムスがどの程度現実的な関心を寄せていたのかは不明である。

 ノストラダムスの予言には「ペルシア」がしばしば登場するが、マギと結びつけられている詩百篇第10巻21番など、伝説的・歴史的モチーフとしての言及も少なくないと見られるからである。

登場箇所

 詩百篇集では、以下の詩篇でペルシア(Perse)に言及されている。なお、以下のリストには、青系の色を意味する形容詞 pers の女性形 perse を含めている。ペルシアを意味する言葉遊びとして使われている可能性が否定できないからである。

 このほか
  • 第6巻80番の pers は男性形だが、文脈からイスラーム勢力を指していることが明らかであり、ペルシアの言葉遊びの可能性もある。
  • 第9巻73番では pers が使われていないものの、「空色のターバン」がペルシアを意味する可能性が指摘されている。同様に第2巻2番の「青い頭」も青ターバン、すなわちペルシアの可能性が指摘されている。
  • イランの地方であるカルマニア(Carmanie)への言及も2つの詩篇(第3巻90番(未作成)第10巻31番)で見られる。
  • 第4巻59番に登場するNiraをIranのアナグラムとする説もある(ただし、学術的には支持されていない)。

 また、アンリ2世への手紙には、「にもかかわらず、なんぴともその許に行くことも近づく事も許されないペルシアの王たちとは異なる、比類なき慈愛を備えた国王陛下の光輝を目の当たりにしつつ、私は献上したのです」(第6節)という形で登場している。


最終更新:2020年01月07日 21:24

*1 『日本大百科全書』