アットウィキロゴ

ノストラダムスの2026年予言

2025年予言2026年予言―2027年予言

この項目ではノストラダムスの2026年予言について扱う。

 毎年のことではあるが、ノストラダムスの『予言集』には、2026年と明記された予言はない

 そもそも昨年の2025年に関連して無駄に騒がれた結果、2026年についての解釈は低調な印象がある。

目次

以前の解釈例

 反キリストによる25年(アンリ2世への手紙)ないし27年(詩百篇第8巻77番)の動乱が1999年に始まるという解釈により、2026年にその終結ないし最終局面を迎えるという解釈は、1999年以前にはしばしば見られた。
 ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌは元々そのシナリオだったし、藤島啓章やモーリス・シャトランも似たような解釈を展開していた。

 シャトランに至っては、
  • 2026年2月17日、大アラブ帝国が崩壊する
  • 2026年10月11日、「第3の反キリスト」が滅ぼされる
と日付まで限定していたが*1、そこに至るシナリオが全く当たっていないので、当たりようがない。

 また、信奉者時代のピーター・ラメジャラー六行詩46番に書かれた星位が2026年を指すとして、イスラーム勢力の侵攻からフランスが解放された情景と解釈していたが、これも、そこに至るイスラームの欧州侵攻が当たっていないのだから、当たりようがない。

 なお、フォンブリュヌは晩年に、詩百篇第5巻11番の太陽を日本と解釈し、2026年までの未来において、日本のおかげで海を安全に渡れるようになることと、アメリカがアフリカを掌握することなどと解釈していた*2


【画像】J.-Ch. de Fontbrune,Nostradamus l'avait prédit, 2009

前年からこの年にかけての解釈例(ウェブサイト)

ノストラダムスの“2026年予言”が恐ろしい… 「蜂の大群」と「大戦争」、人類は再び戦火に包まれるのか


この中では、ノストラダムスの予言として以下のフレーズが引用されている。

「火星が星々の行路を支配する時、聖域には人間の血が撒き散らされる。東の端から三つの炎が昇り、西は静寂の中で光を失う」

出典は DAILY STAR2025年12月8日付の記事で、そちらの英訳はこうなっている。

"When Mars rules his path among the stars, human blood will sprinkle the sanctuary. Three fires rise from the eastern sides, while the West loses its light in silence."

 おおむね直訳されていることが分かるが、ノストラダムスの『予言集』にこんな予言はない

 聖所や聖域が登場する詩句はいくらかある。たとえば、アンリ2世への手紙「イエス・キリストの聖域はアクィロから来るであろう不信心者たちに踏み荒らされることはないでしょう」など。
 だが、モチーフが一致しない。

 あまりにもあからさまなため、わざわざ大元の出典を探そうという気にもならないが、いたって質の低い偽作にすぎないことは間違いない。
 それは当「大事典」の全訳を片っ端からご確認いただければ、こんなものはないと分かることだろうし、偽作も含めて最も多くの詩篇が収録されたエクトール・リゴー編纂の『予言集』(1903年版)にもこんなものはない。

 TOCANAのこの記事(および情報源のデイリースターの記事)には、以下の詩篇も引用されている。 
  • 「蜂の大群が出現する…夜は待ち伏せする…」

 これは明らかに詩百篇第4巻26番の引用だろうが、単に詩番号の「26番」を西暦の下2桁と見なしただけだろう。
 だが、昨年までも同じような解釈が繰り返されたのに当たってこなかったのだから、性懲りもなく同じ観点の解釈を繰り返すのは、あまりにもヒネリがなさすぎる。

  • 「この都市が示す恩恵のゆえに…ティチーノは血で溢れかえるだろう…」

 短い引用ではあるが、ほぼ間違いなく詩百篇第2巻26番からの引用で、やはり詩番号を西暦の下2桁と結び付けただけだろう。

  • 「7カ月にわたる大戦争、悪によって人々が死ぬ/ルーアン、エヴルー、王は倒れない」

 これは詩百篇第4巻100番だろう。
 これは2023年向けの予言でも扱っている論者がいたが、そちらにも書いた通り、詩の中に時期を特定するフレーズはない
 こういう予言は、当たるまでしつこく引き合いに出す論者がいるので、来年以降も使い回す手合いは出てくるだろう。

  • 「影は消えるが、光の男は立ち上がる」「そして星々は、内なる自分を見つめる者を導くだろう」

 この2つのフレーズは、似たような詩句も含めて『予言集』には見当たらない。
 思わせぶりなことを書いたしょうもない偽作であろう。

ノストラダムスが遺した「2026年予言」4選! 7カ月の世界大戦、ドローン軍団の奇襲… 永世中立国の崩壊は“終焉”の合図?


 すぐ上の記事と扱っている予言はほぼ同じである。
 違うのは詩百篇第1巻26番に触れている点だが、これも単に「26番」の詩篇ということで安易に引き合いに出されているだけであろう。

ノストラダムスとババ・ヴァンガが2026年の危機を予言していた!? 暗い予見が流布するグローバル心理の恐怖


 この記事では詩百篇第4巻100番以外は、第1巻26番、第4巻26番、第7巻26番と、いずれも「26番」の詩篇が扱われている。
 上でも述べたとおり、詩番号が西暦の下2桁を示すという説に説得力は全くないのだが、あからさまな偽作を取り扱っていない点では、まだマシな記事と言えるのかもしれない。

前年からこの年にかけての解釈例(雑誌)

ノストラダムス&アトス・サロメ 2026年の大予言

黒松三太夫「ノストラダムス&アトス・サロメ 2026年の大予言」、『実話ナックルズGOLDミステリー』VOL.21(大洋図書、2026年2月5日、p. 20-23)

 ノストラダムスの予言として引用されているフレーズのうち、「火星が星々の軌道を支配する時、聖域に人間の血が」云々は、上で述べたように、単なる偽作である。

 他に以下の詩句が引用されている。

  • 「2026年は清算と復興のバランスが取れた年」

 こんなフレーズは当然ない。
 「ノストラダムスの予言詩で年数を明示しているのは、未発見分に無ければ、第10巻72だけ」*3などという飛鳥昭雄の記述は誤りだが、数えるほどしかないのは事実である(当「大事典」では的中例として有名な予言の一番下にリストアップしている)。
 そしてそのなかに「2026年」は存在しない
 旧来の星位の解釈でも、2026年という解釈が少ないことは上の「以前からの解釈例」の節で述べたとおりである。

  • 「平和は力ではなく、疲弊から生まれる」「経済が震え、金が毒に変わった時に初めて、権力者は自分たちの財産がいかに脆いものであるかを知るだろう」

 これらも『予言集』にはない。
 「金が毒に」というのは詩百篇第5巻72番の「品位(金位)に毒」と一致すると言えなくもないが、他のフレーズはまったく一致しない。
 五島勉の『ノストラダムスの超法則 死活の書』もそうだったが、自分の言いたいことをノストラダムスの言葉として捏造する手合いはいつの時代にも存在する。
 これらの詩句も、ライター自身の捏造か、基にしたであろう海外のタブロイド系サイトが捏造したものであろうと思われる。


【画像】『実話ナックルズGOLDミステリー』VOL.21


※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
最終更新:2026年05月28日 22:42

*1 シャトラン『ノストラダムスの極秘暗号』

*2 Fontbrune [2006] p.497, Fontbrune [2009] p.123

*3 飛鳥昭雄『日月神示〈東京消滅〉確定』p.175