混沌の時代
450年春に起こった「衝突の第二時代」を発端として、正式に混沌の時代が始まった。
時期を同じくして、後にReignfall大陸として知られる大地に惑星Issulのミア(以下ダーク・ミアとする)が到来、その近くにはBroken Mawの
オーガが定住していた。
南方ではWhitethawという大地に惑星Roaの
アーカイが到来、その近郊には都市Khadassaに
ドワーフが定住していた。
後に奇妙で距離感あるライバル関係として知られるようになるが、その発端としてダーク・ミアとアーカイはお互いに自分達が先に到来したと主張しているが、真剣に決着がついたことは一度もない。(なので惑わされないように)
続く459年の「Cursed Frost」(災厄の厳寒)と呼ばれる冬にはVas Demithの
ヒューマンが到来、Kingsreach大陸のRoan山脈に向かって入植し、幸いにもFaerthaleの
エルフの近郊に彼らは居を構えた。
これら種族が原初のThe Sacred Six(聖なる六種族)だが、その称号はもう少し後になって名付けられこととなる。
470年の運命の年、混沌の時代が天地を揺るがした。分かりやすく「Year of Outbreak」(勃発の年)と名付けられたが、Deicide Warの胎動はついに臨月を迎え、RevenantはSatheの地下から出現、Olemの丘に駐留するGintoたちへ押し寄せ圧倒した。Revenantはこの地をBaaka'rrnまたの名を「Black Flame」(黒き炎)と改名した。
その圧倒的な数──これは後にその無謀で容赦のない戦術を可能にした要因といえるが、これに加え専制の主は抜け目ない狡猾な策略を企てた。
邪悪なる神々はCelestial Boundaryの存在によって、その非道の欲望が満たされず飢えていた。自身もDescensionから恩恵を受けた破壊の主はこの「休眠状態」の神々の興味を引くカードを切った。すなわち、支配、破壊、復讐を得る代わりに高位の定命の神性に下るよう唆したのだ。
この誘惑により数柱の神々がRavaging Lordの軍門に加わった。その中で特筆すべきはヒューマンの神「He Who Rages」(憤怒する者)Ossariや、アーカイの「Dead Heiress」(死の後継者)Haethus-Krevgejlが挙げられる。
新たに編成された巨大な軍勢にウォーロードたちを味方に引き入れた破壊の主はTerminus全域に目を向けた。その後Kinosai(471)とLost Sidryth(472)が続けて陥落、一方で急速に勢力を拡大する巨頭に対しSidryth Vespers(472)やMadjen Kii(473)のアースメイジといった勢力は同盟を結んだ。しかし頭の中に疑念が燃え上がり、破壊の主は勢力が巨大化するとすぐに軍勢を三つに分け、各勢力を聖なる六種族が統治する大陸へと向けた。OssariはKingsreach大陸へ、Haethus-KrevgejlはWhitethawの雪原大陸へ、破壊の主自身は(この時点でこの名前はまだなかったが)Reignfall大陸へ進軍、攻撃することとなった。
しかしこの時期、Remnantも六種族もただ拱手傍観していたわけではなかった。事実、前者は破壊工作や陽動作戦といった巧みな戦略をかつての同胞に対し展開、これは重要な年である475年に功を奏した。この戦略は極めて重要な目的を二つ果たした。
ひとつは、Revenantを出し抜きその破竹の勢いを食い止めたという明白な恩恵である。
もうひとつは、このような戦略をとったことで、Remnantの要望により六種族との間で組まれた不安定な同盟関係に影を落としたことである。
二つの潮流の間に位置し、一度飲み込まれると数か月近く姿を消す、霧に包まれた島Vesuの頂で、Revenantがもたらした脅威の深刻度が各種族の指導者に明らかになった。この歴史的会合でSanctum Edict(聖地の盟約)が締結された。
Gintoは、Itteroの先見の明は鋭く、また強大な力を持つため、予言した通り闇の世界が訪れるという考えを長年変えていなかった。
だがその身を捧げる前、Ginaviは忍耐強く猛きItteroの予見の更に先を見通し、絶望の淵に沈んだ最中、戦いの潮流が「Terminusの太陽たちにより変わる」瞬間を予見した。この謎めいた予言をもってしても当初六種族を団結させるには至らなかったが、数日にも及ぶ激論の末、Vesuの紅砂の上にそれぞれの旗印を立て、「潮流が吞み込むか太陽たちが現れ勝利する」まで一致団結してRevenantに対抗することを誓った。
かくして銘々が即座に準備に取り掛かった。The Burning Sanctum(灼熱の聖地)がKa'KelharのPetrified Forestに、The Silent Sanctum(沈黙の聖地)がRoan山脈の自然の要衝地に、The Frozen Sanctum(凍結の聖地)がTenebrous Tundraの降り積もった雪原の下に築き上げられた。これらの巨大建造物は、Revenantと高位の定命の軍勢に最大限損害を与えた後、人々を随時囲っておく目的で建てられた、いわば「夜を生き抜く棺」だった。
そして481年、Decide War、あるいは「神々の戦」がTerminusに到来した。数年で数え切れない国々、都市が陥落、人々は降伏し、力づくでRevenantに併合された勢力もあれば、そのまま滅亡した勢力もあった。そして六種族が住まう三大陸に直接攻撃を加えたことで全面戦争に発展した。各種族は辛抱強く堪えたものの、この防衛は徒労に終わることとなった。というのも、Khazasを除けば、戦場において高位の定命に比肩する者がおらず、Revenantやこれに与する勢力に対抗する術を持たなかったからだ。
明白なのは、最も形勢が悪かったのがHaethus-Krevgejlで、独力でTenebrousを正面から突破するのは厳しいと悟った。(Vesu島で、「Frozen Sanctumが持つ自然の要衝は何か」と聞かれ、Khazasは「Tenebrous、Tenebrousの他にない」という有名な言葉を残した)
アーカイとドワーフは抜け目なく連携を組み、回避戦略を展開し、「死の後継者」に数的優位を取らせなかった。これはてきめんの効果を発揮した。Haethus-Krevgejlは怒りに駆られたが、Frozen Sanctumが暴風雪の中に位置しているという情報を得た時、ついに絶好の機会が訪れた。彼女はMadjen Kiiに地獄の黒炎柱を築くよう命じ、燃やし続け、徐々にTenebrousの両側からこの避難地を包囲しはじめた。
この作戦によりドワーフとアーカイは古典的な戦に頼らざるをえなくなり、このような戦略は大いに好む所ではあったが、彼らが先に展開していた「影の戦闘」の時ほど耐えることはできなかった。そしてついにはこの聖地は敵の侵入を許すこととなった。
Kingsreachの戦況も同様に芳しくなかった。彼の領域の自然の要衝はRoan山脈のみで、ヒューマンとエルフはそれぞれRoan山脈周囲に防衛線を築いたが、両者共にOssariと会敵する以外の選択肢がなかった。(Mos CagやElvonnenの巨人、謎多き暗殺者からなるRed Ravenが援軍として加わった)
だが善戦むなしくHavensongは最後の防波堤となり、Silent SanctumがRoan山脈に秘匿されるのみとなった。だがおそらくこの戦争で最も悲劇的な出来事は、Havensongがヒューマンの王Amensolと共に散り、背信者Ossariが都市の全てをこの世から消し去るよう命じたことだろう。Ossariは山脈への侵攻を止め、Havensongを築いてきたあらゆる瓦礫を焼き尽くされた都市から運ばせ、崖から落とし海の藻屑となるのをその目で確認した。これが終わるまで三日を要し、それまでOssariは聖地へと進軍することはなかった。
戦局はReignfall大陸が最も熾烈だった。当初オーガは善戦し幾ばくか勝利を収めることができた。Broken Mawの伝説的な軍勢は北方の極寒の大地の積雪層に兵士を集め、駐屯地にてRevenantと会敵した。この攻撃後、
ダーク・ミアは夜通し氷の下でRevenantの輸送艦隊を辛抱強く待ち続け、敵を殲滅せんと襲撃を開始、船を沈め、火をつけ護送船のデッキに乗り込んだ。この奇襲の勢いは凄まじく、オーガは海岸に兵を集めた(幾ばくか船が通過してくるのを期待していた)が、味方のダーク・ミアが奇襲作戦を終えるのを驚嘆しながら見守っていた。一隻たりとも残らなかった。
これは快勝と思われた。これが通常の戦であれば、二種族は大勝利を宣言していただろう。(とはいえ他の四種族に宣言することはなかっただろうが)しかし、相手は破壊の主の軍勢。勝利とは破壊の主の討伐そのものだった。Itteroはいにしえの魑魅魍魎をダーク・ミアに向けて解き放ち、彼らの比類なき優位は間もなく崩れ去った。オーガの話では、破壊の主は北方からBroken Mawを攻撃するようWos Cheを唆し、Revenantの軍勢は南方のKhaga砂漠から進軍してきたという。(Wos Cheはこの考えを真っ向から否定しているが、このことが後に第七次・十二次の対Wos Che戦争の口火となった)オーガは二方面(あるいは一方面)の攻撃を守り切ることはできず、Reginfall大陸から撤退、Ka'Kelharを通りBurning Sanctumに逃げ込んだ。
Itteroの積年の予言は敵を焼き尽くす勝利を収めるごとに成就していった。484年、Havensongが陥落、アーカイのRel-CirinはFrozen Sanctumの入口に自身を封印したが処刑され、破壊の主はBurning Sanctumの周りに流れるマグマを止める方法を発見した。「真夜中」の予言が近づいているかのように思えた。
しかしここで女神Ginaviの予見にある太陽達が出現し、彼らは世界に「夜明け」をもたらしRevenantを混乱へと陥れた。彼らTerminusのSix Suns(六人の太陽たち)はその肉体や魔術の力において神の如き力を振るい、聖なる六種族から一人づつ輩出されていた。通称WarWizards(戦の魔術師たち)は簡単に言えば高位の定命に比肩する超自然に近い力を行使した。今日、その存在が疑問視されているのは確かだ。その出自も奇妙だがその功績は決定的に歴史を左右するものだからだ。
一切の前触れなく、WarWizardsの脅威が極めて的確に二柱の高位の定命を捉えた。Haethus-Krevgejlは敵前逃亡し、その後行方知らずとなり、消滅したと考えられている。その名に違わず、Ossariは憤怒しWarWizardsの一人に傷をつけたが、英雄たちの間断ない攻撃の前に倒れ、Havensongの跡地で息絶えた。それはまるで墓標を自身で用意したかのようだった。
破壊の主はそう易々とはいかなかった。六種族に大きな足止めを行う代わりに、WarWizardsと直接対峙することを避け、Reignfallの支配を緩めることとなった。KingsreachやWhitethawの軍勢は浮足立っていたが、Itteroは北方のKa'Druhorrの火山へと撤退した。支配者を失い、Revenantとこれに与する者たちは各大陸から追い出され、破壊の主とその軍勢が火山にある基地を残すのみとなった。この頃Amensolの若き後継者Avendyrは恐れを知らぬリーダーとして頭角を現していた。485年、AvendyrとKhazasはBlack Flameを永久に消し去るため、六種族からなる軍勢を率い、六人のTerminusの太陽たちと共に一大勢力としてKa'Druhorrへと行進した。
しかしこの僅かな間にも、破壊の主は力と悪意を増長させた。Itteroが生きている者など歯牙にもかけないということに気づくのが遅すぎたのだ。軍勢が荒涼としたKa'Druhorrに到着すると、破壊の主は溶岩を一面に解き放った。六種族の軍勢は分断され囚われ、待ち構えていたRevenantの軍勢に足止めされた。しかし超自然の力を持ったWarWizardsの中の二人はItteroが死ねば全ての脅威を退けられると確信し、直接対峙した。しかし猛攻の後一人は倒れ、もう一人も絶体絶命の危機に瀕していた。
だがその決定的な日に居合わせた戦士はまだ全員揃っていなかった。突如大地が揺れ、火山の一端が雷と噴煙を上げた。その裂け目から登場したのはかつてこの大陸を支配していたReignbornのドラゴンRhy'Kafirosだった。破壊の主と太陽の間に立ちふさがり、このドラゴンは戦場の中心に建っていたPillar Ka(Kaの柱)に掴まり、大声で宣言した。(この柱は各大陸におけるReignbornの力を示す目印だと考えられていて、名のついた広い領域には一柱存在する)Rhy'Kafirosは二つの軍勢に向かって区別なしに火柱を浴びせかけた。ドラゴンの猛威は凄まじかったものの、軍勢と対峙する前に破壊の主が最期の行動をとった。ドラゴンが火を吹いているのにも構わず、持てる悪意の力全てを使ってこのドラゴンをPillar Kaに突き刺したのだ。
しかし次の瞬間これを更に凌駕する出来事が起こった。ここで私の語りを実際の目撃者、ヒューマンのSignal BarrerのMarhos Bosamirに譲ろう──
『この後更に耳をつんざくような咆哮が大地を揺るがし未だ続いていた戦を悉く制止した。静寂の中で聞こえたのはドラゴンの翼の音で、遥か上空で戦場を覆っていた雲の上から計り知れないほど大きい翼が割って現れた。これがドラゴンの王、Rok’Nhilthamosだ。一瞬の内にドラゴンの頭が雷や灰の雲から姿を現した。ドラゴンはそのあぎとで破壊の主を粉砕し、空へ放り投げ、炎を吐き、その肉体を灰塵と帰した。
Rok’Nhilthamosは翼を持ち上げると、一度で全ての雲が消滅した。その大きさはあまりにも大きかったが、姿かたちは見事という他なかった。私は彼の者こそドラゴンの王だとわかったが、それを目の当たりにしていた。その爪は山脈の峰々に深く刺さっており、ドラゴンの王はここで止まらないと悟った。味方の軍勢が逃げようとする中、ドラゴンの王は目の前に見える者全てを焼き尽くそうと大きな一息を吸った。
だがここで空一面に雷の轟音が鳴り響いた。小さな光が Rok’Nhilthamosの目をとらえた──その瞬間ドラゴンは躊躇した!瞬きするよりも速く、その異形の存在は小さかったが──片手で彼のドラゴンの口を閉じたのだ!戦場からは叫び声が聞こえていたが、私は上空の光景から目を離すことができなかった。遥か上空に浮いていたその者はこう話した。
「血には血を。これは違反ではない。」
ドラゴンの王のうなり声は轟き、同じく応酬した。
「救いには血だ。だが将来あるのは血のみだがな。」
雲を描きながらRok’Nhilthamosは上空へと飛んでいき、散り散りになった軍勢に影を投げかけその後永久に姿を現さなかった。彼のドラゴンの怒りを止め我々全員を救った者も再び目にすることはなかった。』
かくしてDeicide Warは終結した。
最終更新:2026年05月30日 13:08