共立人材派遣機構

共立人材派遣機構
Elkam Klannam Lufia
種類 株式会社
本社所在地 セトルラーム共立連邦,
第一首都ルドラトリス
設立 共立公暦0年
業種 総合人材派遣業務
事業内容 各種依頼に対応するフリーランサーの教育.派遣.マッチング.資格認定等
代表者 テルトス・ラスケン=ツェープルム(筆頭責任取締役会長)
専属社員数 正社員:3万人
契約社員:150万人
主要株主 エルカム交通公団
文明共立機構
孫会社 技術者教育派遣協会

 共立人材派遣機構(ロフィルナ語名称:Elkam Klannam Lufia)は、セトルラーム共立連邦に本部を置くグローバル企業であり、共立公暦837年からエルカム交通公団の傘下に入った。各種フリーランサーの教育をはじめ、派遣、マッチング、資格認定を主業務としている。最も大きな部門では重要施設の警備を始め、特殊訓練、治安維持、その他のオペレーション等、本格的な軍事業務を担った。加えて、特定宙域における広範囲の探索も請け負うことから、独自の防衛戦力を有する。更に個人レベルの依頼(極端なものだと単なる買い出し)も受け付けているため、一般要員など幅広い人材を受け入れてきた。そうした特色から、極端に自動化が進む今日でも多くの求職者を抱えた。近年は闘争競技における指揮代行業務にコミットしており、大抵の局面において勝利報酬に重きを置いた契約を取り交わしている。派遣機構に所属していない一般人にも実力に応じた認定書を発行し、その身元や経歴、資格を保障するなどのサービスが好評を博している。


社名

 旧暦時代にセトルラーム共立連邦の国有組織だった名残で、かねてからの名称をそのまま引き継いだ。
一方、文明共立機構との混同を避けるためにあえて「andakstoor(機構)」の表現を控え、企業名称としての「Lufia」を強調するようになった経緯がある。
共立英語においては、エルカムの名を冠したE.K.Lの略称で知られて久しく、ロフィルナ語のElkam Klannam Lufiaを採用した。
現状の国際区分ではエルカム・グループ所属の民間企業として分類される。

沿革

 かつてロフィルナ王国に存在した冒険者組合に起源を持つ。元々は当惑星各地を巡る登録者が依頼を請け負う形式を採っており、そこから様々な有資格者を受け入れ、事業の拡大を進めてきた。更に時代が下ると組合独自の常備軍を結成し、国家間の戦争に介入するなどしている。その性質上、設立当初の段階から内政不干渉の原則を掲げており、独自の直轄領を持つなどイドゥニア世界における自治組織としての地位を向上させてきた。産業革命を迎えて暫くすると、星間文明統一機構(通称、星間機構)に敗れ、一度解体された。以降、長きに渡って総督府による取り締まりを受けたが、それでも「冒険」の需要が途絶えることはなく、探査事業に協力するなどして「星間企業」としての地位向上に努めたのである。星間機構の統治が緩み、本国との交信が途絶えると再び独自の常備軍を編成し、以後、長きにわたる新興諸国の戦いに介入した。

 そのようにして、宇宙新暦1300年以降。再び主権実体としての地位を固めたが、ユミル・イドゥアム連合帝国が成立すると、イドラム一世による恫喝の洗礼を受け外交方針の転換を迫られる流れとなる。以上の経緯から、数十世紀の長きにわたる征服事業を強いられたが、同4000年以降にセトルラーム連邦軍がイドゥニア世界へ降り立つと、再び方針を転換。一定の身分保障を条件として連邦の側へと寝返った。帝国に反旗を翻した組合軍は以降、連邦の反攻作戦を支援するなどして今日に至る前身組織(独立行政法人:共立人材派遣機構)としての地位を固めたとされる。同4500年における終戦以降は暫くの間、帝国領内での取引を禁じられたが、復興途上にある連邦国内で有期雇用の需要が増してくると、更に資本力を増し、派遣機構としての地位を確固たるものとした。その後も順調に業績を伸ばし、宇宙新暦5000年(共立公暦0年)、航空宇宙都市パルディステルにおける改暦セレモニーをもって完全な民営化を果たした。

エルカム交通公団との資本提携

 共立公暦815年。事業配分を巡るフリートン政権との対立が先鋭化していく中、派遣機構本社はセ連国内における調査対象に指定され、営業停止の危機に直面した。同830年に民間軍事行政法が成立すると、連邦国防軍の優越原則が適用される流れとなり、所定の審査基準に満たない全ての国内軍事企業が自主的な縮小を余儀なくされたのである。かねてから公安の捜査対象として組み込まれていた派遣機構に対しては特に重点的な強制捜査が繰り返され、微罪による重役クラスの拘束が相次ぐなど公権力による事実上の「粗探し」の様相を呈していた。時のツェープルム会長はこれを「政権による恣意的な不当弾圧だ」と非難。連邦裁に提訴し、徹底抗戦の意向を示したが、同835年に裏社会(正体は帝国官房)の標的となり生存策を講じなければならない事態に直面した。ここに至って、筆頭株主であった L.S.R.社 からも出資の打ち切りを通達され、一方の株主である共立機構への保護申請をもって同査察団による留保措置が下されたのである。そして、同836年。フリートン政権による内政不干渉の原則適用を避けるために複数の危機回避策が示され、ツェープルム会長はエルカム交通公団との交渉を決定。同837年の共立機構・エルカム・セトルラーム間の合意をもって、交通公団による派遣機構への出資が決定し、現在の体制に移行した。

公団の傘下に入る際の取り決め

  • 人材派遣機構は公団航路の利用が可能。また、同機構の正規職員は公団の人員扱いになり随時公団本社の報酬が支給される。
  • 人材派遣機構の本社は引き続きセトルラーム国内に留置。治外法権の適用を認める。それ以外の統括支部については各国国内法を優先し、治外法権の適用外とする。
  • 公団は人材派遣機構に対して法人格としての地位を補償し、必要に応じて追加の投資を実施する。
  • 公団は人材派遣機構の戦力を任意に活用し、改変または編成する権限を持つ。
  • 人材派遣機構はテレステ、ラムティスの支社規模を拡大し、ともに求められるサービスを提供する。
  • その他、人材派遣機構は公団の命令を遵守し、適切に実行する義務を負う。

ランク制度


主な取引

 闘争競技関連事業。選手の育成、評価、指揮代行等。

 平和維持軍との火力演習契約。民間警備企業との訓練提携、セキュリティ対策業務等。

 ガルグ街における治安維持業務。各学園学区における特別軍事訓練等。

 連邦の特別治安維持任務を支援。王国軍及び武装赤軍との訓練提携、祭事戦闘業務、対テロ業務等。

 帝国政府がソルキア進出を支援。豪華客船を提供する代わりに一定期間帝国宙船との契約を優先した。

エルカム交通公団(グループ本社)
 テレステ本星から、軌道上居留地に顧客を運ぶ。

主な事業拠点


軍事

 学術研究都市ルドラトリスを始め、各星域に数多くの駐留基地を設けている。特別保安部門の基本構成としては、基幹部隊として常設される私立警備隊と、事案に応じて編成される特別招集部隊の二種類からなり、それぞれが独自の軍種を持つ。私立警備隊は主に高位のフリーランサーと長期契約を結ぶ形で運用されることから、現在、「最もフットワークの軽い軍事派遣サービス」をスローガンとして掲げた。特別招集部隊も基本的には同様の謳い文句を掲げるが、運用形態が異なっており、より局所的な任務に応じた編成を重視する。なお、所属するフリーランサーに本部の要請を受ける義務はないものの、自らの価値を高めるメリットがあるため、依頼の紹介目当てに応じる者が増加した。このように独自の正規戦力を育成し、採算が取れるだけの利益を上げていることから存在そのものを危険視する声も多いという。

特定所有船舶

  • 豪華客船キア(旧名:グリーロフ2)
 元は帝国宙船が所有していた。650メートル級豪華客船。当初帝国量産式56型エンジンを5つ搭載していたが、現在はセトルラームの最新式ルーゼリック複層ドライブに換装して久しく、出力が大幅に上がっている。船内には3つの巨大多目的ホールや本格的なキッチンホールや複数の大型遊戯場を備えており、様々なイベント事に利用されている。共立公暦100年に共立人材派遣機構へ譲渡された。現在もソルキアにおける統括支部として稼働。惑星軌道上に停泊し、活用されている。姉妹船グリーロフ及びグリーロフ3は帝国からセトルラーム間のクルーズ客船として現在も帝国宙船で運用されている。

  • 貨客船ヴェリーヤル
 ソルキアの宙域で活動しているキアに物資や人員を補給するため、共立人材派遣機構へ譲渡された。
元帝国宙船所属の量産型貨客船。セトルラーム・ソルキア間を行き来している。キアに物資を補給した後は同機構の人員を乗せて必要な場所まで運ぶ。  

エピソード

大統領の誤算

 セトルラーム政府は戦後、組合の豊富な人的資源を背景に復興を進めてきた。一方、組合の側も連邦社会に深く根ざすようになり、やがて労使協力を原則とする共立体制の一角を占めたのである。以上の経緯を経て、急成長を遂げた派遣機構は「新時代に即したプロの育成」を重視。フリートン政権が進める自動化政策(労働からの解放)に強く反対するなど、国の行く末をも左右しかねない圧力団体と化していた。不幸なことに、その相乗効果と相まって苛烈な暴動文化も熟成され、ゾレイモス首相は民主化以降、「彼らを引き入れたこと自体がセトルラームにとって最大の間違いでした」と指摘している。当の大統領は政敵ごと一つの企業を締め出し、今どんな気持ちでいるのだろうか……

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最終更新:2025年01月26日 13:08