無駄になった願い
…その生き物が彼女の前に現れ、リーカはすぐに顔を背けた。
きつく目を閉じたまま、彼女は呪文を唱えた。
唱え終えると、彼女は勇気を振り絞った。「さあ、私の願いを叶えなさい!」
「もちろん叶えよう」 しゃがれた声が言った。
「願いを叶えて欲しいという最初の願いをな!」
リーカは顔をしかめた。ゴルゴンと言い争っても無駄だ。
どうせさらに言いくるめられるだけだろう。
「私は〈ハートシーカー〉という剣を手に入れたい。⋯でも」 彼女は慌てて付け加えた。
「それが私の体に突き刺さっていては困る!
鞘に収まった状態で、安全に私の腰に下げられているようにしてほしい。」
彼女にはゴルゴンの姿は見えなかったが、その愉快そうな声は聞こえた。
「叶えよう」そいつは言った。
突然、腰のあたりがズシリと重くなり、彼女は慎重に鞘を手で確かめた。
それは母の剣だった――ついに彼女の手元へ戻ってきたのだ!
リーカは最後の願いに備えて身を固めた。
「そして最後に、この剣の真価を余すことなく振るえる力を私に与えてほしい!」
「お前は本当に愚かな小娘だな」 その声は言った。
「叶えたぞ! お前には最初からその剣を扱う力が備わっている。
ただ〚刃の試練』を完了させ、その力を呼び覚ませばいいだけだ。」
リーカはうめいた。「この⋯ふざけてる。待て!」
静寂。
「まあいいわ⋯」打ちのめされた様子でリーカは言った。
「その『刃の試練』っていうのは何?」
静寂。
ゴルゴンはもう去ってしまったのだろうか?
数分待ったあと、彼女は慎重に目を開け……
そしてすぐにまた閉じた――ゴルゴンはまさに彼女の目の前でこちらを見据えていたのだ!
「くく、もう少しだったのだが」 その声が言った。
「心配するな、リーカ。次こそは仕留めてやる。」
そう言うと部屋は煙で満たされ、リーカの咳が収まったころには、ゴルゴンの姿は消えていた。
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最終更新:2026年10月10日 08:15