プロローグ
かつて、皇帝ゼネバスと
大統領へリックⅡ世
の兄弟同士の争いに端を発した
中央大陸戦争は、
新興勢力であるガイロス帝国と、
へリック共和国の暗黒戦争
にまで発展した。
戦争は激化し、
ゾイドは破滅をもたらす
恐ろしい超兵器へと改造されていった。
だが、永劫に続くとも思えた戦いにも
ついに終わりの時が来た。
それは惑星が人類に粛清を
もたらす為に呼び込んだかのような、
逃れ得ぬ運命だった。
忌むべき彗星が3つの月の
ひとつに衝突し、その破片が
惑星ZIに降りそそいだのだ。
落下した月の破片は、
両軍の本土である中央大陸と
暗黒大陸を直撃した。
容赦無く降り注いだ月の涙は、
惑星ZIの歴史と悲しみを地の底に
埋め、溶岩の中へと葬り去り、
それとともに帝国と共和国は戦力の
大半を失い、長きにわたる戦いは
決着を見ぬままに終結したのである。
彗星の衝突後、魔の海域
トライアングルダラスの電磁波
は増大し、戦力も持たず、
敵国への侵攻ルートも
阻まれた両国は戦う術を失い、
国家の再建に力を注いだ。
だが、ガイロス帝国を一代で
築き上げた覇王ガイロスの死去と共に、
その沈黙は破られた。
幼帝ルドルフの後見人たる帝国宰相
ギュンター・プロイツェンが
軍部と議会とを掌握し、
へリック共和国への宣戦布告とともに、
西方大陸への進出を決行したのだ。
対するヘリック共和国大統領
ルイーズ・エレナ・キャムフォードも
西方大陸への派兵を決意。
かくして、西方大陸の覇権と古代人の
超テクノロジーが眠る遺跡をめぐり、
共和国軍と帝国軍の戦いの火ぶたが、
再び切って落とされた。
40数余年の時が流れ‥‥‥
人は、再び悲劇を繰り返そうと
していたのである。
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