エイボンの書
エイボンの書(Book of Eibon)は、
クトゥルフ神話に登場する架空の
魔導書であり、古代ハイパーボリアの大魔術師エイボンが執筆したとされる書物です。
この書は、魔術や禁断の知識、儀式、呪文が記された一大集成であり、その内容は「
ネクロノミコン」に匹敵すると評価されています。
概要
来歴と背景
- 著者と成立
- エイボンの書は、氷河期以前に存在したハイパーボリアという文明で、大魔術師エイボンまたはその弟子サイロンによって編纂されました
- エイボンは邪神ツァトゥグァを信仰する黒魔術師であり、その知識と研究が本書に反映されています
- 内容
- 翻訳と版
- 原本はハイパーボリア語で書かれていましたが、その後ラテン語、フランス語、英語などに翻訳されました。これらの翻訳過程で内容が追加・削除されることもあり、版ごとに違いがあります。
- ラテン語版(9世紀):6部現存
- フランス語版(13世紀):13部現存
- 英語版(15世紀):18部現存
- 別名: 「象牙の書」(Liber Ivonis)とも呼ばれることがあります
- エイボンとその弟子サイロン
- エイボンはツァトゥグァを崇拝し、多くの弟子を育てました。彼が132歳の時、迫害を避けるためサイクラノーシュ(土星)へ逃亡し、その際に弟子サイロンに書物を託しました。サイロンはこれを編纂し、「エイボンの書」として完成させたとされています
- クトゥルフ神話内での位置づけ
- エイボンの書は「ネクロノミコン」や「無名祭祀書」と並ぶ重要な魔導書として登場します
- その内容はクトゥルフ神話世界で多く引用され、特定の呪文や儀式を実行する際に必要不可欠なものとされています
- また、一部作品では「エイボンの書」から抜粋された設定が物語の中心となることもあります
- 現存する写本
- ミスカトニック大学付属図書館などに断片的な写本が収蔵されています
- また、中世ヨーロッパでは「象牙の書」として知られる写本も存在します
- 文化的影響
- エイボンの書はクトゥルフ神話作品だけでなく、多くのフィクション作品にも影響を与えています
- その象徴的な存在感から、魔導書や禁断知識をテーマにした創作物で頻繁に取り上げられています
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最終更新:2024年12月28日 09:13