ヨグ=ソトース

ヨグ=ソトース

ヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)は、H.P.ラヴクラフトの創作したクトゥルフ神話に登場する「外なる神」の一柱であり、宇宙的恐怖を象徴する存在です。
その性質や役割、描写は非常に哲学的かつ抽象的で、時間と空間を超越した存在として描かれています。


概要

ヨグ=ソトースはクトゥルフ神話における最も強大で抽象的な存在の一つであり、「時空そのもの」や「門にして鍵」として描かれます。
その哲学的深みと象徴性から、多くの作品やメディアで取り上げられ、クトゥルフ神話全体を支える重要な柱となっています。
ヨグ=ソトースの特徴
「時空そのもの」
  • ヨグ=ソトースは時間と空間を司る存在であり、「過去・現在・未来」をすべて同時に認識し、超越しています
「門にして鍵」
  • 彼は宇宙の秘密そのものであり、未知の次元への「門」であると同時に、その門を開く「鍵」としても機能します
汎神論的な存在
  • ヨグ=ソトースは全ての時空と物質に内在し、それ自体が宇宙全体を包含する存在ともされます
外見と描写
  • 具体的な姿は不明瞭ですが、「虹色に輝く無数の球体が繋がったような形」として目撃されることがあります
  • ただし、この描写も人間の視覚で捉えた一時的な形態に過ぎません
  • 「無限の空虚」「限りない虚無」とも表現され、人間の知覚や概念を超越した存在です
能力
  • 時間と空間を操作する力を持ち、特定の条件下で次元を超える移動や干渉が可能です
  • 無限の知識を有し、魔術師や信者に呪文や知識を授けることがありますが、その代償として大きな犠牲を求めることもあります

神話内での役割
宇宙的地位
物語での登場
  • ラヴクラフト作品では『ダニッチの怪』や『銀の鍵の門を越えて』などで重要な役割を果たします
  • 『ダニッチの怪』では、人間女性との間に子供(双子)をもうけ、その結果として異形の怪物が生まれるというエピソードがあります
  • この子供たちはヨグ=ソトースが現実世界に干渉するための手段とされています
象徴性と哲学的意義
  • ヨグ=ソトースは単なる邪神ではなく、宇宙そのものや時間・空間という概念そのものを象徴しています
  • 彼との接触は、宇宙的真理への到達を意味しますが、それは人間にとって狂気や破滅につながります
  • この点で、ヨグ=ソトースはラヴクラフト作品全体に通じる「人類の無力さ」や「未知への恐怖」を具現化した存在と言えます

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最終更新:2024年12月27日 13:38