トーチ・タウン

[解説]
アルカディア帝国、トラバント領内に存在する交易町。
近隣でも指折りの大きな貿易港として知られるトーチ・タウンは、実際には東町と西町の2つの町から成っている。
しかし、2つの町がほぼひとつの町として機能していること、そして何より呼びやすいため、2つの町は合わせてトーチ・タウンと呼ばれる。
過去には別々の町の名前が存在したが、現在では使われなくなって久しい。
近隣でも指折りの大きな貿易港として知られるトーチ・タウンは、実際には東町と西町の2つの町から成っている。
しかし、2つの町がほぼひとつの町として機能していること、そして何より呼びやすいため、2つの町は合わせてトーチ・タウンと呼ばれる。
過去には別々の町の名前が存在したが、現在では使われなくなって久しい。
町の名前は両町の中間の入り江にある塔に由来する。
灰色で窓ひとつないこの塔は、どんな嵐の日にも屋上で煌々と火の魔石が燃え盛っていることから「フレア・トーチ」と呼ばれ、現在もヴェネア湖を行く旅人たちの目印――灯台として利用されている。
灰色で窓ひとつないこの塔は、どんな嵐の日にも屋上で煌々と火の魔石が燃え盛っていることから「フレア・トーチ」と呼ばれ、現在もヴェネア湖を行く旅人たちの目印――灯台として利用されている。
町の統治はトラバント家によって行われており、トラバントの本家を東町、分家が西町に置かれている。
現在では両家の関係は良好だが、過去にはいさかいを起こして、東町と西町で争ったこともある。
その折に、町の軍事力を東町の軍港区に全て置くことで争いの再発を抑止することにした。
現在では両家の関係は良好だが、過去にはいさかいを起こして、東町と西町で争ったこともある。
その折に、町の軍事力を東町の軍港区に全て置くことで争いの再発を抑止することにした。
地図

暮らし
トーチ・タウンにはいわゆるデパートやスーパーマーケットのように、さまざまな種類の品を購入できる店はほとんどない。
例えば「10フィートのはしご」は今どこかで使っているものを買い取るか大工に言って作らせるのが普通だし、紙は紙屋、なべは金物屋、バスケットは小間物屋などといったように専門の店で買うのが通例である。
よって冒険者用品を買い揃えようと思ったら、トーチ・タウンであれば商業区の「職人通り」を中心に無数に並ぶ店を何件も回って買い集めることになる。
また、武器や防具は商店街で売っていることはなく、大抵は軍事区画そばの[金物通り]で必要な品を作ってくれるところを探すことになるだろう。
よって冒険者用品を買い揃えようと思ったら、トーチ・タウンであれば商業区の「職人通り」を中心に無数に並ぶ店を何件も回って買い集めることになる。
また、武器や防具は商店街で売っていることはなく、大抵は軍事区画そばの[金物通り]で必要な品を作ってくれるところを探すことになるだろう。
<市と商店>
トーチ・タウンでは大まかに分けて保存の効くものは商店で、保存できないもの(生鮮食品など)は市場で扱うことになっている。
特に主食である小麦と特産品であるワイン、塩、そして魚は領主トラバント家が定めた場所以外での卸売が禁じられている。
よって小売商は法で定められた卸売市場まで出向いて仕入れを行ない、それを売り歩かなければならない。
ただし近隣の住人で領主に税を納めている者は「両手で抱えられるだけの品とともに町を出入りしても免税」とされているため、野菜や果物を作って朝市や行商として売り歩くこともある。
特に主食である小麦と特産品であるワイン、塩、そして魚は領主トラバント家が定めた場所以外での卸売が禁じられている。
よって小売商は法で定められた卸売市場まで出向いて仕入れを行ない、それを売り歩かなければならない。
ただし近隣の住人で領主に税を納めている者は「両手で抱えられるだけの品とともに町を出入りしても免税」とされているため、野菜や果物を作って朝市や行商として売り歩くこともある。
トーチ・タウンの商店は大半が職人によって経営されており、ほとんどの場合自分で作ったものを売っている。
例えば靴職人は自分の作った靴を店先に並べ、また訪れた客の注文を受けて靴を作ってそれを商っている。
例えば靴職人は自分の作った靴を店先に並べ、また訪れた客の注文を受けて靴を作ってそれを商っている。
よそで仕入れたものを販売する商店は土産物屋や本屋、輸入品を売りさばく商館を除けばわずかであり、そうした商売は露店商や行商人の仕事である。
彼らの多くは移動店舗や天秤棒に誰もが必要とするもの(ほとんどの場合食料や日用品)を持ち運べる限り多様に揃え、市場から離れたところまで運んで売り歩く(当然ながら市場から離れたところほど値段が高い傾向にある)。
彼らの多くは移動店舗や天秤棒に誰もが必要とするもの(ほとんどの場合食料や日用品)を持ち運べる限り多様に揃え、市場から離れたところまで運んで売り歩く(当然ながら市場から離れたところほど値段が高い傾向にある)。
<職人たち>
職人たちは全員商工会に所属し、年会費と税を支払う。
よって商工会に属さない職人は町で商うことを許されない。
職人たちは全員商工会に所属し、年会費と税を支払う。
よって商工会に属さない職人は町で商うことを許されない。
職人たちは多くの場合職人通りの近辺に店を持つ。
こうした店は多くが1階が職場兼作業場、2階が倉庫権住居といった造りになっており、大抵は1種類の品目だけを取り扱う(複数の品目を扱うには多くの税を払わねばならないためである)。
こうした店は多くが1階が職場兼作業場、2階が倉庫権住居といった造りになっており、大抵は1種類の品目だけを取り扱う(複数の品目を扱うには多くの税を払わねばならないためである)。
一方、商工会から親方株を購入したものは「親方」として弟子を持つことを許される。
親方は独立前の弟子たちに技術を仕込む代わりに薄給で彼らを働かせ、一人前になるまで食事や生活の面倒を見る。
やがて独立するに十分な技術が身についた弟子は、親方の推薦で商工会に加入、独立して店を持つ。
親方は独立前の弟子たちに技術を仕込む代わりに薄給で彼らを働かせ、一人前になるまで食事や生活の面倒を見る。
やがて独立するに十分な技術が身についた弟子は、親方の推薦で商工会に加入、独立して店を持つ。
買い物のできる場所
職人通り[しょくにんどおり]
東町の商業区と東港区の中ほどを東西に走る通りで、日用品から木工、金工、皮職人など手工芸品を扱う職人たちの店が並んでいる。
通りの東端には商工会がある。
表通りには弟子を多く抱える親方の店が、裏手には独立した職人たちの店が並んでいる。
通りの東端には商工会がある。
表通りには弟子を多く抱える親方の店が、裏手には独立した職人たちの店が並んでいる。
金物通り[かなものどおり]
東町軍港区画と住宅街にはさまれた一角には金物職人が集まっている。
かつて彼らは皆帝国軍の武器や機兵パーツの生産や手入れを一手に担っていた職人たちであった。
しかし、軍需産業が発展した今、武器・機兵の受注は大幅に減少し、食い詰めた職人たちはなべや日用魔導器などを作るようになり、やがてそれが定着した。
しかし現在でも武具屋は数多く残っているし、よその街からくる冒険者や旅人の機兵修理用のパーツなどを売り、昔より稼いでいるものもいるという。
かつて彼らは皆帝国軍の武器や機兵パーツの生産や手入れを一手に担っていた職人たちであった。
しかし、軍需産業が発展した今、武器・機兵の受注は大幅に減少し、食い詰めた職人たちはなべや日用魔導器などを作るようになり、やがてそれが定着した。
しかし現在でも武具屋は数多く残っているし、よその街からくる冒険者や旅人の機兵修理用のパーツなどを売り、昔より稼いでいるものもいるという。
竜堂広場市[りゅうどうひろばいち]
宗教区の竜堂(黒竜教の聖堂のこと)前の広場には古くから宗教画や竜印、竜杯、経典などを商う露店が集まっていたが、近年ではこうした店のほか、巡礼者や近隣の人々(特に足繁く竜堂に通う高級住宅街のご婦人や大学に通う子弟たちは良い客である)を当て込んだ土産物屋、小間物屋、嗜好品売り(セッケン、ポプリ、香辛料、干菓子、ワインなど)の露店や行商人が集まるようになっている。
魚市場[うおいちば]
東西港のそばにある。毎朝トーチ・ポート漁港で取れた魚を卸している、魚卸売市場。
かつては魚だけを扱っていたが周囲に魚を買い付けに来た客を当て込んで食品関係の露天が立ち並ぶようになり、現在では毎日朝市が開かれている。
かつては魚だけを扱っていたが周囲に魚を買い付けに来た客を当て込んで食品関係の露天が立ち並ぶようになり、現在では毎日朝市が開かれている。
漁港のとなりには穀物商の問屋街があり、ここで仕入れた小麦やライ麦を売る小売店や行商人もいるほか、パン屋や焼き菓子屋が軒を連ね、年中香ばしい香りを漂わせている。
カナド通り[カナドどおり]
添付ファイル