グサーノ族
[解説]
南部諸国連合全域に居住し、リュウゼツランの栽培と、葉っぱから取れる繊維を使った高級な布とテキーラの製造で生計を立てている。
種族の歴史
グサーノ族は、本来新人類が開発した改良リュウゼツランであるアガベ・グサーノ(成長速度を異常に早め、茎からテキーラやアガベシロップを作れるだけでなく、葉が高品質な布の材料の繊維にもなる)を栽培するための労働力として生み出された。
なお、本来テキーラとはリュウゼツランを使った酒の中でも特定の地域で取れるものだけを指していたが、聖華歴の時代ではもはや旧時代の法律や商標は意味をなさなくなっており、リュウゼツランから作られる強い蒸留酒はみな「テキーラ」と呼ばれている。
もとになった蛾の幼虫がリュウゼツランの茎と根を食べる食性であったため、有効に利用できる葉と茎を収穫した後に残る根を食べて生きるようにデザインされているのだ。
もとになった蛾の幼虫がリュウゼツランの茎と根を食べる食性であったため、有効に利用できる葉と茎を収穫した後に残る根を食べて生きるようにデザインされているのだ。
聖華歴の時代に入ってからは他の亜人同様、人間的な文化を享受できるようになったが、食草である改良リュウゼツランの茎や根に含まれる成分を摂取しないと生きていけないため、グサーノ族の食事にはかならずリュウゼツランが含まれる。
種族全体として性質は温和で、種族特性から魔法を習得しやすいにもかかわらず、生活や農業に使用する魔法を覚えれば良しとする者が多い。
戦闘的な魔法を覚えて村の防衛に当たる個体もあるが、大体においては肉体的に強靭で力仕事に向いた種族と一緒に村を形成して、防衛をそちらに任せることが多いようだ。
聖華歴833年12月のバフォメット事変勃発までは、アガベ・グサーノの畑とそれに併設された茎の加工用の酒造・シロップ製造施設、葉の加工用の紡績施設が立ち並んだ様子が、南部諸国連合のありふれた農村風景であった。
同社の工場に納入される酒造原料の少なくない割合をグサーノ族産のリュウゼツランが占め、ホーリーアイ印のテキーラは強い酒を求めるドワーフや冒険者たちに人気である。
種族の特徴
能力はほかの鱗翅亜種に準じ、新人類並みに魔力は高いが身体的には華奢。
幼児の姿が赤い芋虫状で成人は白とグレーのまだらの羽、襟巻のような首から胸にかけての綿毛を持つ「グサーノ・ロホ」、幼児は白い芋虫状で成人はオレンジ羽にこげ茶色のラインが入って綿毛がない「グサーノ・ブランコ」の二部族がいるが、特に対立はしておらず混血も可能で、子供はどちらかの姿になる。