芸能 - 聖華世界 @ wiki

芸能について

[解説]

○芸能の歴史
聖華世界における芸能関係の歴史については、旧人類がコールドスリープから目覚めた新世暦まで遡る。

まずはWARES発足後200年が過ぎたくらいの時期、旧人類全体で比較的安定し始めた頃である。
この頃になると復興にもある程度の余裕が生まれてきており、人々は娯楽を求めるようになっていた。

それに呼応するように旧世紀の芸能を復活させる動きが始まり、音楽や踊り、演劇といった文化復興が少しずつ広まっていく。
ただし、これらは旧人類のもので、隷属していた新人類には享受される事は無かった。

その反動なのか、旧大戦中には芸能は旧人類の文化を収奪した新人類にも広まったのである。

前線では音楽や踊りは過酷な戦場での慰安を目的としたものとなり、白衣の天使隊をはじめとした慰問部隊が新人類・旧人類双方の陣営でいくつか作られ、その中で存続した。

旧大戦後、白衣の天使隊などは戦後復興の精神的支援のために存続し、新人類に歌や踊りを伝え続ける事となった。

○建国期
建国期の前後で旧人類由来となる音楽や踊りに忌避感や拒否反応を示す新人類が現れ始め、科学排斥に便乗して旧人類由来の芸能関係は打ち捨てられ、いったんここで廃れてしまう。

その辺りから、旧人類由来の芸能関係に代わって、音楽や踊りを飯の種とする職業である吟遊詩人が現れ始める。
彼らは歌による魔法を行使する事から、旧人類に由来しない新人類独自の新しい音楽という触れ込みで、旧人類由来の芸能関係にとって代わったのである。

もっとも、その規模は見る影も無く矮小化されたのであるが。

○人魔大戦期
それから時は流れて人魔大戦期、吟遊詩人の歌はバードと呼ばれるより強力な歌魔法を扱う術を得て、魔族に蹂躙されて疲弊した[新人類]]を精神的に支援する。
その歌は多くの者の心を癒し、また魔族に対しては様々な魔法効果を持つ歌でその侵攻を阻害したのである。

これらの功績によって吟遊詩人達の社会的地位も向上、人魔大戦後の文化復興の担い手としても注目され、戦後復興が進むにつれて芸能への関心も高まっていったのである。

この後100年近くは芸能は吟遊詩人の独壇場であったのだが、産業革命によって転機が訪れた。

○産業革命期
産業革命で画期的な魔導器が数多く作られる中で、音楽や演劇に活用出来る物も作られるようになり、より大きなイベントや舞台の公演が可能となったのである。

これによって今までに無い大規模な演出が行えるようになり、娯楽としての歌唱と演劇はより広い範囲で支持を得て、一大産業として市場が一気に拡大する。

この辺りから自由都市同盟において、吟遊詩人と直接関係の無い一般人の中からも芸能活動を始める人間が増え、芸能分野が発展したのである。

なお、これらの一連の流れには旧人類の文化芸能の情報を秘匿保存していたロココ設計所が裏から手引きしていたのだが、それを知る者はいない。

○第三次聖帝戦争、シリウス戦役、百年戦争
これら大きな戦争が短い期間に重なった為、この時期では芸能関係には目立った動きは無い。

戦争への忌避感と併せるように自粛ムードが薄く広く人々の心に広まっていた為、興行も大人しくささやかなものとなり、目新しさや派手な試みがやりづらい、一種の停滞期のような状態となったのだ。

結局、この状況が動くのは700年代終盤頃、新たな音楽用魔導器が誕生してからとなる。