ヴィンセント・バリー

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ヴィンセント・バリー - (2021/09/11 (土) 00:16:34) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/08/13 Fri 16:26:24
更新日:2023/10/04 Wed 21:39:53
所要時間:約 6 分で読めます




金色のガッシュ!!』の登場魔物。
魔界の王を決める戦いに参加した100人の魔物の子の1人


パートナー:グスタフ
本の色:コバルトブルー
人間換算年齢:17歳
好きな食べ物:魚、赤ワイン、木炭、ステーキ
趣味:強い奴と戦う事、角みがき
CV:置鮎龍太郎



ひたすら強さだけを追い求めていた魔物。
だが、目指すべき王の形を見出せず、強さを求めれば求めるほど渇きが増す一方で、常にイライラしていた。

その実力は作中トップクラスで、ガッシュに勝ち越した数少ないペア。
終盤ではその強さに更に磨きがかかり、更に相手の術などの弱所を探る眼力を身につけ格上の相手にも有利に戦いを進めている。

登場当初は人間相手にも容赦がないチンピラ同然の粗暴な人物だった。


【初登場】
ロシアにてドンポッチョを圧倒するところから始まる。
バリーの実力に戦意を無くしたドンポッチョが降伏するも逆に激昂し、恐れを成しげ逃げようとしたその後ろ姿にギガノ・ゾニスをぶちこんで勝利する。
あまりに呆気ない勝利にイライラをぶちまけていたバリーを見かねたグスタフが「日本に居るガッシュガッシュという魔物に挑んで帰ってきた者は居ない」という噂話を教え、それ程の強い奴と戦えば少しは気も晴れるかもしれないと考え日本に向かう。

【ガッシュとの邂逅】
バリーの転機となった一戦。
早速日本に赴いたバリーは公園でガッシュと彼をイジメているナオミちゃんに出会い、勇敢にもナオミちゃんにローキックをかまして追っ払いガッシュに半ば脅迫混みた戦いを挑む。
戦いの舞台にした廃工場に溜まっていた不良グループをゾニスで追い払い、逃げ遅れて動けなくなった少女にも術を当てようとしたその時ガッシュ達が現れ、戦いが始まる。
戦いの最中、逃げ遅れた少女たちを助けることを優先したガッシュ・清麿ペアを見て、ガッシュの目に宿す光を見てその「甘い強さ」に対しイライラは募る一方だった。
しかし生身の人間なのに自分に立ちはだかり殴り倒してもなお臆せず睨む清麿、どんなに打ちのめしても立ち上がり向かってくるガッシュの姿に、徐々にだが心が揺らいでゆく。
ガッシュの最大術「バオウ・ザケルガ」にも耐え、清麿は心の力も体力も完全に失い戦闘不能になり勝負はついた…と思われたが、それでもガッシュと清麿は残された体力や地の利を利用して懸命に立ち向かう。
勝負終盤、痺れを切らしたバリーはトドメの一撃を放とうとしたが、清麿を庇うガッシュの強い目に怯え、殴ることが出来なかった。

何故、こんなボロボロの雑魚を殴る事が出来ないのか、何故体が動かないのか……何故自分は、こんな雑魚の瞳に臆しているのか…!?

そこでグスタフに問われる……

「おまえはどんな王を目指しておる?」
「目の前の敵をただ倒していけば良い…そんなチンピラ同然の考えしか持たんお前に、この者の志ある本物の目は殴れん!」

バリーはその問いに対して、それまでの只の『強き王』から、どんな力にも屈しない『強き王』と答えた。

ガッシュとの戦いで目指すべき王の形を見出したバリー。
そして、自らが目指す『強き王』とガッシュの『やさしい王様』、どちらの王が真の王にふさわしいかを見極めるためあえてこの場は見逃し、ガッシュとの再戦を誓った。

後に千年前の魔物との戦いでナゾナゾ博士から助力を要請されていた事が明らかになるが、ガッシュと次に出会う時は彼と決着をつける時、と拒否している。


【エルザドルとの死闘】
その後、竜族の神童、エルザドルと戦う。
自分よりも遥かに格上の相手との戦闘は、自慢の角のひとつを噛み砕かれるなど半ば一方的に嬲られるだけだった。
戦闘の最中、バリーはエルザドルの目にガッシュの目に宿した光と似た輝きを見る。
自分はエルザドルの力ではなく、かつてのように彼の風格そのものに屈しつつある事を自覚したバリーはガッシュを…あの強い瞳を越えるため、最後の力を振り絞り限界を超えた戦いを挑む。

死闘の末、勝利を収めたバリーはエルザドルの口から信じられない言葉を聞く……

「よく…やったじゃねえか…」


バリーはその言葉に困惑しながらも、消えゆくエルザドルを見て涙を流していた。
何故自分を負かし、魔界の王への道を絶った相手にそんな事を言ったのか…憎しみや悔しさは無かったのか?自問自答の末、バリーは悟る。
「よくやった…」それは敵を認め、己を誇りに持つ者の、最高の賞賛だった。

バリーは死闘を通して、エルザドルの大きな器、壮大な在り方に触れ、ひとりの敵に妄執していた己の小ささを知った。
その時から、バリーはエルザドルと同じ輝きをその目に宿した。


【最期】
ファウード編終盤、ナゾナゾ博士からの要請を受けて、ファウード内部へ突入したバリーは魔界時代の自称ライバル、キースと再会、キースがけしかけた強靭な体内魔物デゴスミアを貫手の一発で刺し貫き、術一発で瞬殺し一行にその強さを見せつける。
キースもその姿にビビるものの、エルザドルとの闘いで自慢の角の片方が折れ傷痕だらけのバリーを「弱い」と嘲笑うが、対エルザドル戦で大きく成長したバリーは全く意に介する事なく、逆に「今のお前を見てると、昔の自分を見てるようでイライラする」とファウードの力を得たキースを圧倒する鬼神の如き強さを見せつけ圧勝する。

消滅間際、キースは卑劣な罠を発動させ、ガッシュたちを全滅の危機に追い込む。
ガッシュは体を張って仲間たちの道を作り、バリーにゼオン打倒を託す。

唯でさえ消耗していたガッシュは破壊光線の威力に力尽きんとした…が、バリーはその身と引き替えにガッシュを助ける。
早く行けと言ってもぐずぐずしているガッシュを躊躇なく殴り飛ばし、ゼオンの待つコントロールルームへ送り出した。


消滅間際、王にはなれなかったな、と呟くバリーに対してグスタフはこう答えた……

「ウム…お前は王にはなれなかった」

「だが…お前は、『王をも殴れる男』になったぞ」

「いくら王といえど、完璧ではない。いつか間違いを起こすこともあろう」

「その時にお前は王を殴ってやれる。その鍛えた体で、強き目で、拳で、王を殴ってやれ」

「王がどんな目をしていようがひるむことはない」

「王を殴れるんだ。でかく、いい男になったじゃねえか…」


そして、バリーは涙を流し、魔界に送還された。
すっかり未練が無くなった事、そしてお互い共に過ごした日々を忘れないと言う約束を交わして……

クリアとの最終決戦にも参戦。ガッシュのスタンドになってその力を見せつけた。

その活躍から読者から「ダニーと並ぶ兄貴分」と認識されている。


【アニメ】
ファウード突入以前にテッドと出会うアニメオリジナルエピソードがあり、を捜すのが第一で王になるのは二の次、と断言したテッドに「女に現を抜かす軟弱者」と逆上して一方的に戦いを挑むもテッドのチェリッシュへの想いが生み出す強さに圧され、互いが最も強く追い求める想いを込めた術をぶつけ合い、引き分けに終わる。
テッドの幾重の身体強化に一時圧されるもやがてそれを押し返し、最終的には術で圧倒して追い詰めておりムチャクチャ強い。
この回でテッドから「アリンコ頭」呼ばわりされた他、趣味の角磨きを作中はじめて披露した。

そして展開が少し違うファウード編だがやはり原作と似たような流れでキースと対決。
だが原作で再登場する前だったので、エルザドルとの死闘は無かった事になり体もキレイだし相変わらずガッシュとの決着に妄執している。最大呪文もギガノ・ゾニス止まり(同じくアニオリのテッド戦を見る限りギガノ・ゾニス以上の呪文は持っていたらしい。)である。
さらにキースのディオガ・ギニスドンを真っ向からゾルシルド(初期のバオウ・ザケルガを防ぎきれないレベル)で防御するという無茶振りを強いられる。
しかし初期のバオウ以上の威力を誇るそれを何故か普通に耐えきり、その直前にキースがキャンチョメモモンを相手に戦い消耗していたためベルンの心の力が尽き、またもいも天ネタで逃げようとするがすかさずギガノ・ゾニスをぶちこみバリーが勝った。だがキースの本は何故か燃やさず「二度と俺をライバルと呼ぶんじゃねぇぞ!」と言い残し次に進む。

ちなみに魔界でキースとイモ天大食い競争をし、ギリギリ勝ったためライバル視されているようだ。
だがバリーにとっては屈辱もいいところ過ぎる形だった為拒絶している。

その後はゼオンとガッシュの戦いを見物しガッシュが追い詰められる姿に呆れて割って入ろうとするがグスタフに若干無理のある理屈で止められ、渋々最後まで見物する。
そしてゼオンを倒しファウードを止めようとするガッシュと鉢合わせするが「今は戦ってる場合ではない」というガッシュに応じ「お前との決着は必ずつける」と宣告し見逃した。
…アニメ最終話時点のバリーでは金色の本状態のガッシュに歯が立たないのでは?というツッコミは無しで。


【使用した術】
術の属性は竜巻

  • ゾニス
角から竜巻を発生させる術。発射する方向を変更して推進にも使用可能。
  • ガルゾニス
回転しながら突進する術。飛行可能である程度なら方向転換も可能。
  • ドルゾニス
腕にドリル状の竜巻を纏わせる術。貫通力に優れ、主に楯破りに使用。
  • ギガノ・ゾニス
登場初期の最大の術。ゾニスよりも強力な竜巻を発生させる。こちらも推進に使用可能。
  • ゾルシルド
楯の術。実体の盾を作り出し攻撃を防ぐ。
  • ディガル・ドルゾニス
ガルゾニスとドルゾニスを複合させたような術。ファウード突入に使用された。
  • アラドム・ゴウゾニス
腕から強力な竜巻を発生させる術。貫手から相手の体内で炸裂させるような使い方を好んでいた。
  • アム・ラ・ゾルク
掌にエネルギーを発生させて相手の術を受け止め、弾き返す術。
  • ゴウ・ゾルシルド
ゾルシルドより強力な楯を発生させる術。見せ場無し。
  • ディオガ・ゾニスドン
バリー最大の術。ギガノゾニスよりもさらに強力な竜巻を発生させる。
敵の術の弱所に打ち込めば同じディオガ級でも一方的に打ち破ることができる。

  • シン・ドルゾニス
最終戦でガッシュが使用した術。見た目がドルゾニスと同じなのでかなり地味だが、割りととんでもない。
非常に硬いクリアの外殻をパズルを解くように正確に弱所を突き破壊した。
しかも途中からシン・クリアの攻撃を片手で相殺しながら、もう片手で弱所潰しを同時にやってのけた。

  • オルゾニス
強化版ゾニス。ゲームオリジナル。


術以外にも恵まれた体型から放つ打撃、戦いを重ねて獲得した弱所を見抜く『強者の目』などを駆使して戦う。

ほとんどの魔物がぶっぱ気味に放つ最大術だが、バリーは大きな隙を作ってから使用する数少ない人物でもある。




《セリフ集》

「お前を完全に倒したくて、強くなろうと、戦いを繰り返した。そうやって強くなればなるほど、お前にこだわっていた自分が、小せえことに気づいたのよ…」

「何かが変わるきっかけをくれるのは、ここ(腕)に力がある奴じゃねえ…
ここ(心)に力があるやつだ。」


「昔敗れた一人にこだわるなど、小さなことだ…
俺はもっと高いところへいく。ガッシュとの出会いをきっかけに、どんどん自分を高めていく。ただそれだけだ…」


グスタフ「バリー!?何を!?」
「ああ… ほんとに…よ、オレは… 何をやってんだ!?
高みを… 目指してた… はずなのに…
王になるために、死にかける戦いを繰り返してきたはずなのに…
なぜかよ…
こんな… 王を捨てるようなことやってんだ…

なぜだろうなあ?

大きくなったはずなのに、オレの心は、こんな小せえことを「捨てるな」って叫んでんだよお!!」
「早く行きやがれえ!!(ガッシュを殴り飛ばす)
ここでまたグズグズしてたら…
本当に殴り殺すぞお!!
まだオレが昔のように、お前を殴れねえと思ってんのか!?
もうお前の志ある目だろうが、高貴なる目だろうが、オレに殴れねえもんはねえんだよ!!」


「へ…へへ… なんだい、グスタフ?
オレの心の中のよ… 未練が… なくなっちまったじゃねえか…」


追記・修正よろしくお願いします

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