- NINKU -忍空-(1995年1月~1996年2月)
「原作のストックがない上でのアニメ化」に対応するため、
「メインキャラクター」「基本設定」は変えずに「大軸の物語の縦筋」「敵対勢力」を全面的に変更するという大胆な方針の下に制作された。
原作では序盤でさらっと存在していた事が語られるだけの「風助の母親」が重要なキーパーソンになる。
本作のヒットで技巧派アクション系アニメーター・西尾鉄也氏の名を一気に知らしめた。
秋元康原作で、『なかよし』で連載された作品。
全5巻という短い作品だが、アニメは殆どがアニメオリジナルエピソードで約3年、全117話と長期放送作品となった。
原作との最大の相違点として、原作は主人公の「あずきちゃん」こと野山あずさが、小学5年生から中学校を卒業するまでを描いているが、アニメでは小学5年生の1年間を
サザエさん時空で繰り返しており、最後まで進級していない。
その為、原作では中学生となったあずきの揺れる恋模様から結婚までを描いているが、アニメではそれらはアニメ化されていない。
アニメではあずきの学校生活や日常風景、友達の恋愛模様や家庭事情などに重点を当てる作風となっており、レギュラーメンバーの兄弟・親戚・隣人など、原作では描かれていないアニメオリジナルキャラクター(主に登場キャラの家族関係者や学校関係者)が追加され、舞台も多様になっている。
基本的に各事件が本筋から独立しており、バトル漫画に多く見られる大長編シリーズも少なく、オリジナルエピソードを挟みやすい作品である。連載開始からわずか1年足らずでTVアニメ化した為、番組開始時からオリジナルエピソードがあり、本数もかなりのもの。
当然ながら原作を読んでいる人も展開がわからないので、まっさらな状態で事件を楽しむことが出来るようになっており、そのため手掛ける脚本家ら自身も楽しいらしい。
ここから逆輸入されたキャラもおり、一例としては
高木刑事も元々はオリジナルエピソードのモブ刑事が原形だった。
近年は原作の休載頻度が多く、2015年以降の放送では1年の大半がアニメオリジナルエピソードまたは過去に放送したエピソードのデジタルリマスター版を放送するという傾向がある(詳細は項目参照)。
黒の組織はまず登場せず、組織が絡んでくる劇場版には映画オリジナルのメンバーは登場しても、原作に影響しないよう必ず命を落としている。
また、話によっては組織クラスかそれ以上の凶悪犯も登場するが、組織と違ってツメが甘く、特に劇場版では行動と動機が釣り合っていない犯人も多い。
また、TVアニメシリーズとは違い劇場版は全てオリジナルエピソードではあるが、第1作目から作者の
青山剛昌との打ち合わせを行いながらシナリオを制作している為、事実上の全面監修と言っても良く、更に毎回原画スタッフとしても参加している。
なお、
怪盗キッドがコナンの正体を知っているといった一部の劇場版で語られたエピソードが原作で導入されたりもしている。
基本的に身近な事件が大半である為、すぐに事件を解決できるような一部のキャラクターは滅多に登場せず、登場してもあまり事件に関わらない場合がほとんどである為、コナン達も
弱体化する形になっているが、これらのキャラが劇場版に登場する場合は普通に野放しにすると話がすぐに終わってしまう為、一時的に弱体化された後に強化されている。
ただし、弱体化が露骨すぎる事も。
但し、近年に登場した一部の新レギュラーキャラは作者によって「登場させないでくれ」と指定が入っている為、アニオリに登場しないキャラは一度登場したら次の出番が数年後になるキャラも少なくない。
その結果、アニオリに登場するキャラに大きな偏りが発生しており、特に1話完結ものではバラエティ色の強い回が増えている関係か主に小五郎、探偵団、目暮、高木、千葉がよく登場している。
原作以上に犯行動機や犯行の方法が突飛だったりトンデモだったりする事が多いが、もちろんシリアスなエピソードも多く、原作にはほとんど登場しないシリアルキラーや複数犯が登場する場合もあり、原作では一度も扱っていない動機や殺害方法を扱ったエピソードもある。
また、冒頭で遺体が登場するなどアニオリ『コナン』あるあるといえるお約束のような展開もよく発生している(詳細は項目参照)。
劇場版公開時期になるとそれに連動したプレストーリー回が告知も兼ねて放送される。
最近はアニオリでも原作の事に触れたり、原作をアニメ化した回でも新規シーンにてアニオリの事に触れる事もある。
以前は様々な都道府県を訪れ、群馬・神奈川・静岡のように原作にも登場する刑事が登場したり、ミステリーツアー回のようにそれ以外の県だとアニオリの刑事が登場するというパターンが多々あった。
しかし、2010年代以降のアニオリは事件現場のほとんどが警視庁管轄となっており、捜査一課の刑事達が休む間もなく駆けつけている様子が描かれている。
一応、離島や雪山など明らかに警視庁管轄ではない場所が事件の舞台となる事もあるが、近年は長野のように推理力がコナンにも劣らない刑事がいる事を連想させない為かどの都道府県かを一切言わずに警察関係者が誰も登場しない事が増えており、ミステリーツアー回でも登場しない事がある。
ちなみに原作を未読の人向けに、対象エピソードが原作ありかアニオリかを見分ける手段として、
「レギュラーメンバー以外の名前が一定の法則を持ったモチーフから付けられているか否か」というものがある。
原作回はゲストキャラは何かしらの名前の法則性(モチーフ)があるが、アニオリでは一部の回(主に
大和屋暁担当回)などを除いてそれがない場合が基本的にほとんどである。
ゲストキャラの顔も原作回とアニオリで明らかに異なっているのも特徴であり、近年はその性格も原作にはまず登場しないような濃いキャラが多く、犯人の中には見た目とは裏腹に能力が京極やジン等に匹敵する強キャラクラスの人物が登場した事もある。
原作話とアニオリではエンディングのスタッフクレジットのシナリオ担当の表記に違いがあり、第11話以降の前者は「構成・絵コンテ」として、一部を除いて絵コンテ担当が事実上の脚本を兼任しているが、後者は脚本家がストーリーを執筆している。
なお、オリジナルエピソードを執筆している脚本家の一人である辻真先は、日本アニメ草創期から活躍する超ベテランにして、日本推理作家協会賞や本格ミステリ大賞を受賞した事のあるプロのミステリ作家でもある。
そんな大物が本作の為に短編ミステリを書き下ろしているとは、なんとも豪華な話である。
また、近年はレギュラー陣のキャスト欄の組み合わせを見て、脚本担当を予想するファンも少なくない。
- 爆走兄弟レッツ&ゴー!!(無印 1996年1月~12月、WGP 1997年1月~12月、MAX 1998年1月~12月)
沖田カイ戦決着後の
全てのエピソード
第1期の2/3と、第2期・3期の全てがオリジナルという異例の作品。
原作が月刊誌故にストックが無いという事情を考えても凄い思い切りである。
残像拳とも言われるエフェクトや、アニメスタッフの意図による「ミニ四駆の動きじゃなくてもいい」というトンデモ走行にキャラ同士の友情や敵対関係等はほとんどがアニメ版で独自に作られたものであり、大体のメディアやネット記事もアニメ版が基準となっている。
ちなみに「全て」とあるが、WGP編で2戦だけ原作を基にしたレースは存在した。但し、3vs3リレーが5vs5リレーになったり、その最中に恋愛フラグを立てたり、そもそも勝敗が逆転したりと、もはや別物と言ってもいいほどアレンジされまくっている。
一方で有名な「落ち着け
ハマーD」「グリスが固まっている」は原作が初出だったりする。
MAX編はそもそもキャラクターとマシン以外の共通点が皆無であり、ストーリーの方向性すら原作とは異なる。
しかしこれだけアニメ版が基準で語られるにもかかわらず、それ自体がアニオリマシンのガンブラスターXTOとファイヤースティンガーを除き未だにアニメ版準拠のステッカーやキットは発売されていない(そもそもアニオリでなくとも未発売マシンが多いのだが)。
修羅編、島原編、霊薬編、風水編の他、一、二話完結のオリジナルエピソード多数。
それぞれのシリーズの評価そのものは悪くはなく、島原編はノベライズ化されたりもした。
しかし、オリジナルエピソードを連続で放送し、
そのまま原作に戻らずに風水編で最終回を迎える。
少なくとも島原編の時点では人誅編に続くはずだったようなのだが…
一応続編としてOVA『
星霜編』が出てはいるものの、内容は全くの別物であり、8割方アニメオリジナルストーリーである。
(人誅編の内容も描かれてはいるが、
雪代縁が
同志なしに
単独で行動し、
『生き地獄』を無視して最初から殺す気で襲ってくるなど展開が縮小されている)。
ちなみに、アニメオリジナルエピソードにて原作より先に外国人キャラを出している(原作では連載終了後の前日譚読み切りで外国人キャラが初登場)。
本作は後に新作アニメ化・
実写映画化されているが、そのどちらも
京都編をベースとしたものであり、結局人誅編にフォローが入れられる事は無かった。人誅編ェ……。
このため、仮に北海道編をアニメ化する場合、まず人誅編をどうにかする必要があるという非常に面倒くさい問題を抱えている
後に実写映画版においては人誅編と(OVA版も含めた)
追憶編をベースにした完結編『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』が2021年に公開され、ここで初めて人誅編が映像化される事となった。
ちなみに島原編と霊薬編の間に勝海舟編があるが、こちらは
アニメオリジナルではなくノベライズ版が原作である。
展開は大幅に変わっているのでアニメオリジナルに近いが。
ちなみに冒頭の東京編の幾つかの内容が原作から一部大きく変わっており、月岡津南のエピソードや
雷十太編も該当する。
2023年7月よりリメイク版が放送。
こちらはCVこそ一新され、シーンの補完など細かな差異はあるが概ね原作に準拠した構成になっている…が、
張との戦いの後に剣心が初めて逆刃刀を抜き戦ったアニメオリジナルの回想が1話かけて描かれた。
さらに京都編の
煉獄襲撃の内容も原作から変わり、実写映画版やOVAの『新京都編』の要素も見られている。
そんなに煉獄を早々に沈めたことが心残りだったのか和月伸宏
京都大火の内容も大きく変更され、(比叡山突入以降が3期になるためおそらく尺調整と思われる)敵味方共にオリジナルキャラが多数登場し原作では東京に残った恵まで京都に馳せ参じている。
北海道編を逆輸入して観柳がガトガト言ったりする原作準拠なアニメオリジナルもある
原作のストック自体は充分だったがアニメ化するには過激すぎるエピソードも多いためか、「口裂け女」や「人面犬」など特定の怪談テーマは取り扱うのが困難だった様子。
アニメ化されたエピソードも一部は改変や脚色が加えられて放送可能な内容に変更されている。
放送時期は怪談ものが流行していたこともあり、原作のままでは取り扱えない学校の七不思議のテーマを補うためか
図書室がテーマの32話、音楽室がテーマの36話と2作が完全オリジナルで作られた。
前者は脇役ながら人気のあった
中島法子のアニメ唯一の主演回で、原作であってもおかしくない中々にホラーなエピソード。
他にもアニメ放送中・放送直後には劇場版が3作製作され、1・3作目は原作のエピソードが原案になっているが、2作目のみ完全オリジナルのストーリーとなっている。
原作の「量」だけならあったのだが、「時事ネタ」や「アニメ化しづらいネタ」が多く、各話ごとに原作をシャッフルし、新要素を入れたり話をミックスしたり展開やオチを変えたりした事が多かった。
完全なオリジナル話としては
ターミネーチャン等SP回が多い。ドラえもんと同様、最後までアニメ化されなかった原作エピソードもかなり多い。
原作では物語の半分以上がギャグ展開、更には中盤や終盤の山場となる死闘の真っ最中にも遠慮なくギャグを挿入してくるスタイルが好評だったが、
アニメ化された際に「ギャグ要素をほとんど排除したダークファンタジー路線」という方針で作成されることとなる。
そのため、原作とのギャップが大きすぎたためか視聴率が振るわず当初1年の放送予定が半年に圧縮される羽目に。
また、原作が連載途中だったという事もあるが「旅の途中で
主人公が大魔王化しフルートによって封印されて物語が終わる」という衝撃の結末を迎えた。
そんな中で、原作では全く接点のなかったトロン・ボーンとコル・ネッド(コルネット)のカップリングはアニメ版における清涼剤となっていた。これを受け、原作でもこの二人は最終回に(唐突に)結婚している。
- ポケットモンスター(サトシの旅シリーズ・1997年4月~2023年3月、リコとロイ編・2023年4月〜)
そもそもアニメ版のポケモン自体がゲーム版と同じ舞台でもゲームとは異なるオリジナルストーリーを展開する事が多い作品であるが、
原作に登場しない地域を舞台にしたエピソードと言えば
オレンジ諸島編が代表的だろう。
一部
ポケモンやアイテムが、後のゲームに逆輸入されたこともある。
特に有名なのが
ルギアで、当時は劇場版第2作『
ルギア爆誕』の完全オリジナルポケモンとして作られたが、当時『
金・銀』の開発が大きく遅延していたため、結果的にゲーム本編に輸入された。
ミュウツーなどはゲーム設定とは異なるアニオリの誕生経緯や性格を設定されたが、かなり印象が強かったためか、アニメ版の設定の方がより馴染み深いというファンも多い。
無印時期はポケモンの設定も緩かったことやゲーム版そのままの描写をアニメには持ち込めないことから、当時のシリーズ構成がポケモンの世界観を独自に解釈していた。
この設定は小説版などで披露され、
劇場版没プロット・
最終回没プロットに繋がる予定だった。また、ポケモン公式の一部媒体でも似たような設定が出たこともある。
しかし最初のシリーズ構成の首藤剛志は途中降板・死去したこともあり、現在では
裏設定or初期設定に近い立ち位置となっている。
サトシを主人公とするシリーズは『
めざせポケモンマスター』をもって2023年3月で完結し、以降は新シリーズが展開されているが、そちらも主人公およびストーリーラインはアニオリ。
- 金田一少年の事件簿(1997年4月~2000年9月)
- 金田一少年の事件簿R(第1期 2014年4月〜2014年9月、第2期 2015年10月〜2016年3月)
原作のほとんどは長編であり、それをかなり忠実に描いているため、エピソード自体がアニメオリジナルであるものは非常に少ない。
但し残虐描写・お色気シーンの自主規制や説明不足を補足する目的からアニメオリジナルのシーンは多々挿入される。
完全なオリジナルエピソードは今の所「嘆きの鬼伝説殺人事件」「出雲神話殺人事件」「消えた金メダルの謎(短編)」の3編だけである。
さらに原作をアレンジして作られた「聖バレンタインの殺人」、
タイトルこそ同じだが、話の導入や展開が原作とアニメとで全く異なる「殺戮のディープブルー」の映画版や、アニメ版の「迷い込んできた悪魔」「怪盗紳士からの挑戦状」を含めてもわずか7編しかない。
また「オペラ座館殺人事件」では複数のキャラの設定が変更され、まさかの部分で驚くべき改変がされている。
第1話を除きほぼ全てオリジナルエピソード。
一応11話「台風だ!ヒッコスで引越す」のみ原作第6作のタイトルが元ネタになっているほか、30話のガイコツ大統領も原作第5作で体を脱いでガイコツになるというエピソードが元ネタである。
一見すると浦沢義雄や
ワタナベシンイチの世界観に乗っ取られたようにも見えるが、実際のところ「則安のイマジネーションが具現化して混沌とした世界が作り出される」という原作の骨子はほぼそのままであり、違うのは具現化手段がはれぶたに集約されていること、則安とは無関係に奇人変人怪人の類が多数存在していることくらいである。
原作では集める「クロウ・カード」は全部で19枚だが、アニメ版では
劇場版第2作のカードを含め、53枚存在する。
その為、アニメオリジナルのカードを集める話を含め、アニメオリジナルエピソードが多い。
例として、主人公・木本桜の恋のライバル(?)で李小狼の自称婚約者の準レギュラーの『李苺鈴』というアニメオリジナルキャラクターが登場するなど。
また、原作では男性・女性両方の同性愛や小児愛など、時代を先取りしすぎた恋愛描写がある為、それらは原作よりも比較的マイルドな描写に抑えられている。
但し、脚本の大半は原作者であるCLAMPの一人・大川七瀬が手掛けており(さくらカード編と続編のクリアカード編においては全話担当している)、
一眼にアニメオリジナルエピソードとは言いがたい扱いではある。
例えば上述した『李苺鈴』は、「本当にアニオリキャラか?」というレベルでストーリーに馴染んでおり、
アニメから原作に入ったファンが「苺鈴は原作に登場しない(=アニオリキャラである)」ことに気付いて驚くというのはある意味定番ネタとなっている。
当時は原作がまだ連載中のため所々にアニオリが入っているが、そもそも原作漫画の方に映像化するにはあまりにもヤバすぎるネタが多すぎるためか、アニオリシーンの追加に加えソフトな表現に改変もしくはカットされたシーンもかなり多い(それでも今となってはゴールデンタイムに放送するにはかなりヤバいシーンも多かったが)。
原作の番外編にあたる「ぐれえと・とろこ・おっぱい」のエピソードはGTO本編の一部として組み込まれ、幾つかのエピソードは原作を踏襲するもほぼ別物のエピソードと化している。
沖縄移動教室編終了後は原作には戻らずアニメオリジナルエピソードによる独自の最終回を迎えた。この最終回の展開は後に実写版の設定に採用されていたりする。
アニメ開始時点で原作ストックは十分にあったのだが、原作は最初に掲げた目標をきっちり全巻かけて達成するような丁寧な構成で、それゆえ丁度いい区切りとなる部分が特に序~中盤には無かった。そのためか原作の中盤辺りまでを再現し、以降はオリジナル展開に突入して終了した。
原作部分もカットされたエピソードもあればオリジナルが挟まれた部分もあったりとかなりの改変が目立ち、賛否を巻き起こした。
1巻分メインキャラが登場しない朝歌編がカットされ、太子二人のエピソードと武成王造反のエピソードが統合された。
太公望一行の話は少年漫画色を強めている一方で、人間界側のドラマは結構渋くアレンジしていたりする。印象的なアニオリはやはり天化の弾き語りだろうか。
終盤は完全なアニオリで、根本の設定から完全に別物となった部分も多く、これまた賛否が分かれるが、後から見てみると、大まかなテーマは後の原作終盤を踏襲しており、原作の展開を小規模化して役割を別のキャラに割り振ったような感じになっている。
原作のストーリーが序盤から丁寧に構築されていたことの証左だろう。登場人物が多い作品なためアニメ未登場の人気キャラが多く出たのは残念なところである。
2018年1月に『覇穹 封神演義』のタイトルで再アニメ化された。
「仙界大戦」を中心に描くと公言されていた…のだが、原作冒頭からのスタートでダイジェスト無しで2クールに収めるために大幅カットした結果、矛盾する展開が生じてしまった。
そのため、こちらもファンからの評価はお察しください。
千年竜伝説編、虹色の霧編、
ナバロン編、記憶喪失編、
アイスハンター編、海獣海賊団編等が該当。アニメが長期間放送される中で、アニオリを巡る時代の変化の影響を大きく受けた作品ともいえる。
以前は冒険と冒険の合間にオリジナルエピソードが挿入されたり、「
ワンピース時代劇」などのスピンオフが登場したこともあった。
また、ローグタウンやロングリングロングランドなど、原作だと割と短いエピソードにかなりオリジナル展開を付け足したシリーズもある。
千年竜伝説編はノベライズもされ、記憶喪失編は千年竜に関するエピソードとしてアニオリ同士のリンクが試みられていた。にもかかわらず、
パンクハザード編でルフィが龍を見て「ホントにいたのか」と驚くシーンは原作通りにそのまま放送されてしまったため、オリジナルエピソードとの不整合が生じてしまった。
千年龍伝説編からパンクハザード編までには現実時間で
12年以上経過しており、10数年前のアニオリへの言及など、アニメ独自の辻褄合わせが許されるか否かは判断が分かれるところだが。
現在の放送時間に移行してからは放送休止が殆どなくなった事に加え、作者
尾田栄一郎の健康状態(手術をすることも)や映画の製作に
無理矢理関わらさせられていることも相まって休載が増え、新世界編突入後は話の連続性が強くなった事や原作自体がクライマックスに突入しかけている事情もあってかオリジナルエピソードが挟みづらいことから、原作の1話をアニメの1話に引き伸ばしたり総集編を挟む事が慢性化している。
作者が監修として関わる以前の劇場版を含めても、千年龍伝説編のように結果的に原作を先取りしすぎたり、
アニメオリジナルの表現やキャラクターの言動・行動が後の原作の展開・設定と矛盾してしまった例は多く、
更にルフィ達麦わらの一味が実力的に大きく成長した現在では、彼ら以上の実力者である最強クラスの強敵を創造する必要もあり、そういった作劇面の都合でオリジナルエピソードの挿入が困難である見方も多い。
海獣海賊団編終了以降は数話単位のアニオリを数年に一度挟みつつも原作エピソードのみで乗り切る状態が続いていたが、ワノ国編の完結後はそのままエッグヘッド編に突入している事からも以前のように完全新規のアニオリを安易に制作できない事情が窺える。
原作がジャンプに掲載されてからアニメ化されるまでの間隔は現在でも短く、原作の休載の増加に伴うストックの枯渇も危惧されているのだが、だからといって商業面などへの影響を考慮するとアニメの新作エピソードの放送自体を中断させる事も困難なのが現状である。2024年10月には『充電期間』としてエッグヘッド編を完全に中断し、2025年4月まで魚人島編のリマスター版を放送する思いきった判断が為された。
因みに劇場版『
STRONG WORLD』あたりからは、劇場版公開時期に連動した内容のオリジナルエピソードを放送している(主に映画本編の前日譚など)。
とはいえ、原作も登場人物が多く(名前ありのキャラ数十人が同時に各所で動く等)シナリオの都合上描写がカットされることも多いため、それを補完する形でアニオリを所々に挟んでいる。
また、
ナミのブレスレットや
サボの革命軍加入後の話など、作者が考えていたが原作では触れるタイミングが無く
SBSで語られるのみだった設定が描写されることもある。
意図的に
ギア4の腕の伸びを原作より長くする・破壊規模や衝撃波の余波が長く描写されるなど、戦闘描写を派手にするオリジナルなどもあったりする。
しかし、魚人島編では脚本家らが原作を読んでいるのかと疑いたくなるような回想シーンが登場してしまったこともある。
シャーロット・クラッカーなど、原作と食い違う描写は時々発生している。
港でのゴンとレオリオの出会いや2次試験後の飛行船内でゾルディック家に恨みを持つ少女アニタに関するエピソードが追加された(小説版参照)他、
3次試験後に軍艦島での三話に渡るオリジナルストーリーが挿入されている。
こちらは実に王道な内容で、休息のため訪れた島で試験官に置き去りにされてしまった受験生達が一致団結して圧倒的な脅威に立ち向かうというお話。
クラピカのシャワーシーンなど些かスタッフの趣味も散見されるものの、卑劣なトンパや原作ではモブ同然だったゲレタやスパーら受験生の活躍するシーンが描かれており、三話という短さも相まって非常に濃度が高い。
このオリジナルストーリー後は原作通り4次試験に突入するわけだが、軍艦島で受験生同士でのチームプレイを見た直後に受験生同士での潰しあいを見せ付けられることになるため印象に残った視聴者も多いのではないだろうか。
ちなみに後に原作のキメラアント編で行動を共にしている
ポックルとポンズはこの軍艦島編にてフラグを立てていたりする。
この件に原作者が目を付けたことによりあんなことになったのでは……と一部で囁かれたりしているが定かではない。
少なくとも、2024年11月に作者がXに投稿した集合イラストでは2人セットで描かれている。
当時の原作ストックが少なかったこともあり、その他大小問わずアニメオリジナルのシーンが多数追加されている。
ハンター試験後ならば、天空闘技場編でのキルアの試合やエレベーターガールとの交流にウィング達との別れ、ヨークシン編では仲介屋との再会やクラピカとセンリツの出会い等。
逆に2011年から2014年まで放送された日テレ版では、ゴンとカイトの関係性が大きく改変された事を除き目立ったオリジナル描写は無く、むしろフジテレビ版でアニメ化済のG.I編までは駆け足展開だった。キメラアント編終盤では物語の空白部分が多かったため、そういった所が補完されなかったのを惜しむ声もあった。
第1話で原作者をぶっ殺したのを皮切りに、「へっぽこ実験アニメーション」の名に恥じない無軌道なギャグを延々と繰り広げている。
というか全編の4割くらいはアニメオリジナルキャラクターのペドロや監督のナベシンが繰り広げる、F県F市とは特に関係ない完全オリジナルストーリーをやっている。