ドクター・ゲロ

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ドクター・ゲロ - (2021/08/29 (日) 23:06:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/05/12 Thu 17:20:35
更新日:2024/04/16 Tue 17:09:15
所要時間:約 7 分で読めます





スキな死に場所を選べ孫悟空……


ドクター・ゲロとは、漫画『ドラゴンボール(DRAGON BALL)』の登場人物。

CV:矢田耕司、沢木郁也(『ドラゴンボールフュージョンズ』)


人物

レッドリボン軍に所属し、様々な兵器を開発していた科学者。
肌は浅黒く、腰の辺りまで届く縮れた白髪を持ち、立派な口ひげを蓄えている老人。ちなみに頭頂部は禿げている。
レッドリボン軍のお抱えだっただけあって科学者としての能力は極めて優秀であり、最先端メカトロニクスやバイオテクノロジーに秀でている。

その技術力は、同じく天才科学者であるブルマやブリーフ博士すら舌を巻くほどであり、
ブリーフから「この天才振りをもっといい方向に生かしていれば…」とその技術力を惜しまれた事もあった。

その反面、人格に大きな問題があるようで、
ブルマから「科学者としては優秀だけどイヤなやつらしいわよ」「ドクター・ゲロはろくなヤツじゃないけど天才だったのはたしかね」と酷評されていた。

ちなみに彼がレッドリボン軍の所属である事は科学者の間でもほとんど知られておらず、ブルマもこの事実を知った時には驚きを隠せないでいた。
原作者の裏話によれば、ゲロはレッドリボン軍創設当時からのメンバーであり、実質的に軍を裏で操っていた人物でもあったらしい。兵器の開発も、ほぼ全て彼の手が絡んでいたという。
軍による世界征服を夢見ていたものの、孫悟空に軍を潰された事でその野望は潰える。
そして悟空に恨みを抱き、彼に復讐する事を目的とした最強の人造人間作成を決意した。
しかし壊滅に至ったきっかけがレッド総帥の身長を伸ばしたいという願望のためとか知ったらどうするのだろうか

なお、あくまで「実質的に、裏で」ということなので、さすがに資金繰りや人事、兵士の訓練や作戦指揮などはレッド総帥やブラック補佐ブルー将軍などがやっていたものと思われる。
17号などの扱いを見てもゲロには組織を束ねる力量は無く、あえて裏方に徹していたのだろう。

軍の壊滅後は北の都の郊外にある洞窟内に研究所を構え、そこで本格的な研究を開始。
その手始めに昆虫型のスパイロボットを作成し、天下一武道会からベジータ戦までの悟空の様子を密かに偵察していた。

ベジータ戦までの悟空の戦い方を知る事で悟空のパワーや技を完璧に把握し、
その後どれだけ成長するかを年齢的にこれ以上のパワーアップは無理というドラゴンボールではあるまじき前提の計算で導き出し、ようやく人造人間の作成に着手する。
しかしその製作は思うようにうまくいかず、9号から15号までは全て何らかの重大な問題を抱えていたため失敗作に終わる。
ちなみにそのうちの13号から15号はかなり完成度が高かったようであり、それらの個体は劇場版で登場し、悟空の前に立ちはだかっている。

試作型として16号を製作した時には強力なパワーと爆破装置を搭載するが、
傷つける事を好まない優しい性格となってしまったため、戦士として不適格と見なし失敗作の烙印を押した*1

同時期にこれまでとはアプローチを変えバイオテクノロジーにより様々な生物の細胞を合成、培養して製作する新型の人造人間セルの開発も行っていたが、こちらは開発途中に単独では完全体にはなれない事が判明した為、その強化パッチとして利用する事も視野に入れて人間を有機質で改造する方法へと転換。
若者を拉致して17号18号を作成したが、
強大なパワーと永久エネルギー炉を搭載した事+勝手な改造で恨まれていた事により制御が効かなくなってしまい、これも失敗。
2人とも活動を停止させて16号とともに研究所へ安置し、更に自分が存命の間にはセルが完成しない事も判明した為、開発をコンピューターに任せつつも自力でのセルの開発も断念。

今度は安定性を求め旧式のエネルギー吸収式に戻した事で、ようやく理想の人造人間・19号が完成。
その後19号に命じてゲロ自身を改造させ、人造人間として生まれ変わった後は「人造人間20号」と名乗るようになった。
この改造により掌にはエネルギー吸収装置が備わり、ドーム状の頭頂部から脳が透けて見えるようになる。この脳の部分は金属で出来た帽子で隠している。

悟空たちと対峙した時にも人造人間と名乗っていたが、経緯を説明している最中に、ゲロとしての地が出てしまい、
ピッコロから「まるできさま自身がドクター・ゲロのような言い方だな」と突っ込まれてしまう(すぐに「ゲロは死んで、もうこの世にはいない」ととぼけたが)。

パワーは19号より強いものの、17号や18号には劣る。それでも悟空たちZ戦士とまともに渡り合えるほどの強さを誇る。
(厳密には悟空は病気、ピッコロには不意打ちのハンデがあっての善戦であり、19号はベジータを20号と連戦できない程度には消耗させたが撃破されたので超サイヤ人レベルにはやや及ばない様子。20号がヤムチャを圧倒、アニメでは片腕を失った状態でクリリンをもボコボコにしたので地球人組には普通に勝てるレベル)
純粋なロボットや地球人ベースでメカフリーザコルド大王を上回るほどの戦闘力を得られるのだからゲロの改造技術の高さがわかるだろう。
自身が人造人間となった目的は永遠の命が欲しかったからであり、ブルマからも「多分、生き続けたくて自分まで改造したんだと思う」と推測されていた。


活躍

・人造人間編
5月12日、南の都の南西9km地点にある島に、人造人間19号と共に現れた。
ヤジロベーのスカイカーを撃墜した後は、近くの町に降りる。
その現場にヤムチャが現れると、隙をついて背後に周り、彼の顔を掴んでエネルギーを吸収した後で腹を貫き致命傷を与える。
その後目当てである悟空とその仲間たちが現れると、自分たちの素性を彼らが知っていた事に疑問を抱きつつも戦闘を始めようとする。
しかし悟空たちが、無関係な人間を巻き込まないよう人のいない場所に移動しようとした時に、「その必要はない」と周囲をアイビームで破壊。
町を破壊して誰もいない場所を作ろうとした事で悟空の怒りを買い、破壊活動を妨害された後で悟空たちと飛び立った。
その際に項目冒頭の台詞を言ってるのだが、そう言ってた癖に自分たちに有利な戦場と判断した荒野を見つけるなり、「ここにしろ」と言ってそちらに向かうセコさ狡猾さを見せた。

荒野に着くと、自分が手を下すまでもないとして、19号と悟空を闘わせ戦闘の様子を伺う。
…が、超サイヤ人の存在を知らなかったのが裏目に出て悟空は19号と互角に渡り合ってしまい、早速焦る。
というか、ピッコロと悟飯の発言から悟空が万全の状態ならあっさり19号を破壊されていた可能性が高い。

しかし、(ゲロ的には幸いなことに)悟空は未来トランクスが警告していた心臓病を戦闘中に発症し、それによる急激な体力の消耗もあって戦況は19号に傾く。
そのまま悟空を倒せるか…と思われた矢先、それまで様子を見守っていたベジータが乱入し、悟空は戦線離脱。
そして超サイヤ人になったベジータに19号が破壊されてしまう。

その後はベジータの力に恐れをなして逃走を図り、彼やピッコロからエネルギーを吸収しつつ逆転のチャンスを待つ。
ベジータたちからエネルギーを奪えば勝てると踏んでいたがその読みは甘く、
不意を突いてピッコロから一度はエネルギーを奪うが、テレパシーで呼ばれた悟飯にカットされ*2、ピッコロが悟飯から受け取った仙豆で回復して本気を出すと太刀打ちできず右手を破壊される。
ちなみにZ戦士たちが瞬間的に気を増幅させているというメカニズムをこの段階に至っても理解していなかったらしい。
そこに未来の青年トランクスが登場。
本来この時代に存在しない筈のトランクスの姿を見た事で激しく動揺し、勝ち目が無いと悟り17号と18号を再起動させる事を決断する。

隙を突いて再度逃走し、一路北の都郊外にある研究所を目指す。
何とかベジータ達より先に研究所へ到着し、欠陥が直っている事を祈りながら17号と18号を機動させた。
最初は2人ともゲロに対して敬語で話し、ゲロはそれを以って欠陥は直っていると安心するもそれは彼らの演技であり、気を取られた隙に緊急停止コントローラーを17号に奪われ、破壊される。

それでも17号達に対しベジータ達を倒すよう命令するが、当然というべきか彼らは言う事を聞かず、16号が入ったカプセルを見つけられると「触るんじゃない!」と激しく取り乱す。
彼らが16号を機動しようとした際にも「この世界そのものを滅ぼしたいのか!!」と訴えかけるが聞き入れてもらえず、遂には17号に胴を貫かれてしまう。
そして頭を蹴り落とされ、「このガラクタどもが…」と彼らを罵った後、17号に頭部を踏み潰され死亡してしまった。

悟空への復讐を果たせぬまま亡くなったが、
未来から来たセルが結果的に悟空の命を奪ったので、「自身の造り出した人造人間で悟空を抹殺する」という願いを果たしている。

尚、未来トランクスの次元では、詳細は不明だが、自分が作成した人造人間によって、Xデーの5月12日以前に殺されているらしい。
これにより、本来なら17号と18号が島に襲来するはずだったのだが、
トランクスが過去に干渉した事で歴史が大きく変わってしまい、結果19号と20号(ゲロ)が島に襲来する事となった。
それでもゲロは結局自らが作成した17号に殺されている為、こればかりは、どうあがいても逃れられない運命だったという事なのだろうか。

また、未来トランクスの話によると本編世界の17号と18号は悟空が心臓病で死んだ世界の17号と18号より強いと言われているため、
本編世界では未来トランクスの次元で悟空が死亡した時期以降に17号と18号におそらく打倒悟空のための何らかの強化を行ったか、
逆に未来トランクスの次元のゲロがおそらく悟空と戦う必要がなくなったために制御を優先して17号と18号の性能を落としたと考察する読者もいる。


アニメ版の活躍

・Z
原作では扉絵で3頭身のみの姿だった人間の時の姿が、『Z』では回想でも登場している。
セル編以降は魔人ブウ編でちらりと登場。
悟空と魔人ブウ(純粋)の戦いを、フリーザセルたちに混じり、地獄で観戦していた。
サイボーグ状態から生身に戻ったフリーザとは違い、身体は機械のまま。

・劇場版
7作目『ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人』のプロローグの回想の中で登場。
今作はゲロの死後に起きた出来事となっているが、彼の意思を受け継いだスーパーコンピューターが悟空抹殺のための人造人間開発を続行。
前述の13号から15号の人造人間を完成させて悟空のもとに送り込んだ。

・GT
地獄を彷徨っていた時に、同じく地獄行きとなった狂人的科学者ドクター・ミューと出会う。
そして悟空に復讐するために彼と手を組みマシンミュータントの新17号を作り上げる。
新17号の力を使って地獄とこの世を結び、地球への侵攻を開始。悟空を地獄に誘い出して閉じ込めた後、ミューと共に地球へと降り立つ。
その後17号と新17号が合体して超17号が誕生。ベジータたちを追いつめてゆき、復讐は完遂間近だった。
しかし、新17号(超17号)はミューの命令のみを聞くようプログラミングされていたため、後にミューの裏切りにより超17号の手で殺され、再び地獄へと叩き落された。
こうしてまたも17号の手によって殺される事となるのだが、殺される前に「またしても…」と悲しげに呟いていたため、17号に対してある程度の愛着はあったものと思われる。


・アイビーム
眼球部分から高エネルギーのレーザーを照射する。
一見地味だが、一撃で広範囲を破壊できるほどのパワーを有している。

・エネルギー吸収
掌の吸収装置から相手のエネルギーを吸い取り、自分のエネルギーに変換する。
直接相手の体に触れて吸い取る他、相手の放った気功波も吸収できる。
単発の遠距離攻撃は通じないため、接近戦を挑むしかないのだが、この場合も触れられることを警戒せねばならず、相手は普段以上の消耗を強いられる。
…が、実際に戦闘したピッコロは悟空やベジータが19号と戦うのを見てそれがわかっていたので腕を破壊してエネルギー吸収自体をできない状態にしてしまった。
使いこなせば相当強力だっただろうが…

・エネルギー放出
気功波に近いものであり、体内のエネルギーを吸収装置から逆噴射させる技。
エネルギーを多量に放出するため、戦闘値が大幅にダウンする。


余談

超サイヤ人の事を知らなかったり、未来のトランクスが現れた時に「何者だ……データにはないぞ!!」などと口走っているが、
実は未来トランクスが現代に現れ、超サイヤ人に変身して、フリーザ親子を倒した場面をスパイロボットは、しっかり見ているのである
細胞まで回収しているのに……

まぁ、ゲロはサイヤ人戦以降の悟空に関して「計算では、これ以上強くなることはない」と高を括って、自身はリサーチを止めたので矛盾は生じない。粗忽だというだけで。

ピッコロに圧倒されたときには、Z戦士が瞬間的に気を大きく増幅させている=普段の気を吸収してもあまり意味はないということを理解していなかったことを露呈。
少なくともベジータとの戦いはスパイロボットはしっかり(ry
自分自身を永久式に改造しておけば良かったのになどという点*3を含めて、技術力は高いが知恵が回る方ではなかったようだ
尤も不意打ちで相手を倒す分には非常に有効で、事実ピッコロも悟飯とテレパシーが出来なければ確実にやられていた事を考えるとこれも使い方次第と言えるだろう。
というか、悟空の体調が万全なら間違いなく19号は倒されていたとはいえ、サイヤ人編までのデータ収集(つまりこの時点での最強は大猿ベジータあたりということになる)で超サイヤ人と戦える人造人間を作って見せた*4のはとんでもないことではないだろうか。

ゲーム「Sparking!」シリーズでは様々なキャラクターとの掛け合いがあるが、
16号と戦うと「お前に従うようには、プログラムされていない」と発言されてしまう。
いや、それぐらいはプログラムしとけよ。
17号と18号に仲間や家族を殺害された未来悟飯からは「お前がすべての元凶だったのか!!」と殺意を向けられている。

ゲーム「レイジングブラスト2」では、13~15号らとの掛け合いもあり、元々口数の少ない14号と15号はゲロの名を呟くくらいだが、13号からは慇懃無礼とも取れる言葉を掛けられている。
一方でゲロは「お前は!? ――そうか、わしのコンピューターが……」と、廃棄したはずの三体が現れた事に驚きつつも、再起動したのは自分の使っていたコンピューターによるものと把握している。

17号にコントローラーを破壊された際に「また作り直す」とその気があれば作り直す前に殺されることが明白なあまりにも危険な脅迫をしているため、
殺されるほどの恨みを買っている自覚はなかった模様。
彼の発言からすると、一度起動させたが背かれてヒドイ目にあわされた(そして緊急停止コントローラーを使わざるを得なかった)ことが示唆されているのだが……
あるいは、八方塞がりすぎてパニックになっていたのかもしれない。


GBA『舞空闘劇』でのIFエピソードでは一風変わったストーリーが展開される。
なんとストーリーの主役なのに自身を操作するエピソードが1話しかないのだ。
おおざっぱにストーリーの流れを説明すると

  • 悟空とピッコロを街を襲撃する事で誘い出し、エネルギーを頂くため単身戦うも敗走。「ピッコロがあんなにパワーアップしているとは予想外だった…!」
  • 18号を起動させ再び街を襲撃。ベジータに二人がかりで挑むも敗走。「…お、おのれ~!まさか二度も逃げ帰る事になるとは…」
  • 「コイツの強さはハンパじゃないぞ」とノリノリで起動させたのはなんとメカフリーザ。悟空の家に襲撃をかけるもトランクス相手にまたもや敗走。
  • 超サイヤ人を基準に18号達をパワーアップさせて悟空とクリリンに挑むがまたしても敗走。追わないのかと問うクリリンに対して悟空の反応は「なんか、かわいそうじゃねえかよ」。…(´;ω;`)ブワッ
  • ついにセルを完成させ「きさまとの勝負もこれが最後だ」とノリノリで悟空親子に挑むもやっぱり敗走。なおこのエピソードでの人造人間達は完全にゲロの制御下に置かれている為か、終始無言。
  • 人造人間達をセルのデータを使って更に強化するも、今度はベジータ親子に叩きのめされまたしても敗走。度重なる敗北に業を煮やしたゲロは16,17,18号をセルの完全体にする為の材料として処分してしまう。クリリン涙目。
  • 18号と17号を吸収させ「真の完全体」となったセルと共にZ戦士相手のシミレーションバトルを行い、勝利を確信する。ここでようやく操作キャラに。このステージではセルが喋るが、やはり完全に制御されている為か「ドクター・ゲロ様」とやたら紳士的。
  • セルを引き連れ悟空親子と対決するがやっぱり敗走。しかし…?


……

オラは誰も殺すつもりはねえ。早く連れて帰って、治してやりな

……孫悟空…わたしは絶対にあきらめんぞ…いつか必ず、おまえを倒してやるからな…!

…ああ。待ってるぜ…

…ねえ、お父さん。なんであんな悪い奴を逃がすの?倒しちゃったほうがよかったんじゃあ…

…そうだな。悪いやつには違いねえ。でも、だからって殺すことはねえだろ。それに、あいつがオラを倒そうとがんばってる間は他に悪いことなんてやらねえさ

…とまぁ、どこぞのワイリー博士のようなコミカルなストーリーに仕上がっている
なお、悟空もちょっといい事を言ってるが、この後「強い対戦相手を用意してくれるから助かる(意訳)」と言い出す。ひでえ
まぁ、「他に悪い事なんてやらない」からそういう扱いをしているのではあるけど。吸収された17号・18号「おい」


「きさまらには絶対に追記できないといったのはホントだ!!!
アニヲタとwiki篭りがいまにきさまらを修正しにくるぞ!!!」


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