Fate/Requiem

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Fate/Requiem - (2019/02/10 (日) 00:20:00) の編集履歴(バックアップ)


登録日::2019/02/09 Sat 00:38:54
更新日:2023/12/20 Wed 09:25:14
所要時間:約 6 分で読めます





そして―――私は、運命と出逢った。

あい、あすく、ゆー


『Fate/Requiem』とは、TYPE-MOONのビジュアルノベル『Fate/stay night』のスピンアウト小説。
著者はTYPE-MOONに所属し長年シリーズにも携わってきたシナリオライター・星空めてお、イラストは『アトリエ』シリーズなどで知られるNOCOが担当。
書籍は『Apocrypha』や『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』など同様、TYPE-MOON BOOKSから発行。



ストーリー

―――昔、大きな戦争があった。戦争は終わり、世界は平和になった。今では誰もが“聖杯”を持ち、運命の示すサーヴァントを召喚する。
ただ一人の少女、宇津見エリセだけがそれを持たない。少女は、世界で最後に召喚されたサーヴァントの少年と出会う。
だが彼女はまだ、自分の運命を知らない。(公式ページより)

この通り、どこかの世界で起きた聖杯戦争の「その後」の物語であり、全人類が聖杯とサーヴァントを所持しているという『Fate』シリーズを見渡してもかなり異端の世界観。
その為、これまでシリーズに登場したお馴染みの用語も異なる意味合いを持つことが多い。


登場人物

  • 宇津見(うつみ) エリセ
主人公。14歳の少女。
全人類の中で唯一「聖杯」を持たず、「令呪」もなければサーヴァントとも契約していない。
人や街に危害をもたらす危険なサーヴァントを殺害する仕事をしており、彼女の持つ特異な体質もあいまって「死神」と呼ばれている。

  • ???/プラン
エリセの前に現れた、真名どころかクラスすら不明な、マスター不在の謎のサーヴァント。
召喚時に聖杯から与えられるはずのサーヴァントや現代に関する知識を持たず、見た目相応の子供らしいたどたどしい喋り方と旺盛な好奇心を持つ。
名前が無くては不便なので、彼の真名に関すると思われる「とある童話」のタイトルから取って「プラン」と呼ばれている。
その正体は「ボイジャー」。星の海を旅する、ひとりぼっちのサーヴァント――らしい。

  • カリン
エリセの友人で、彼女と同じく14歳。生まれつき「聖杯」を体内に持つ「新人類」であり、この世界では数多くいるマスターの一人。
ノリと勢いで生きているようでいて、エリセが無自覚に英霊を侮辱してしまった時にはきちんと叱る常識人。

カリンのサーヴァント。カリンからは別名である「紅葉(モミジ)」からとって「モミ」と呼ばれている。
どちらかというと妖怪の面が強い反英雄かつバーサーカーだけあって、会話は不可能だが意思疎通は可能。特に彼女の扱う治癒魔術にはエリセも何度か助けられている。

  • コハル・F・ライデンフロース
スポーツの一種となった「聖杯戦争トーナメント」のスター選手である、新世代の幼き魔術師。
戦前のライデンフロース家は時計塔における降霊科(ユリフィス)の流れを汲む、貴族主義の末席に属する家系だったとか。
サーヴァントを一時的にその身に憑依させ一体化して戦う能力英霊憑依(ポゼッション)』を使用可能。

コハルのサーヴァント。別の世界で絶賛不穏なフラグを建築中の彼が、「最も聖なる騎士」の称号を捨てた姿。
エリセの眼前で遠慮なく彼女を「死神」と揶揄するなど容赦のない面が目立つが、彼の力を受け継いだ少女ギャラハッドの父親への対応を見る限り元からこうなのかもしれない。

  • 真鶴(まなづる) チトセ
エリセの祖母だが、外見は10代後半の少女のそれ。エリセ曰く「昔からずっとあの外見」らしい。
この世界では数少ない「本物の魔術師」にして、「聖杯戦争の勝者」。
戦後の人類に与えられたものではない、従来型の「令呪」をそれも四肢に合計で4つ持ち、「聖痕(スティグマータ)」の名で呼ばれる。
その戦闘力はサーヴァントを相手に普通に戦えるほど圧倒的なもの。

エリセのサーヴァントであり、彼女と共に聖杯戦争を勝ち抜いた人物。
エルサレムの丘で神の子を刺し、自らの運命を悟った誉れ高き槍の聖遺物を持つ聖人。

  • カレン・フジムラ
都市管理AIの人型端末。エリセの通う「旧人類史講座」の講師であり、彼女にとっての「恩師」。
某毒舌シスターの名前・容姿と独特なファッションセンス某虎の苗字を併せ持ちながらまさかの常識人。聖杯の人選ェ…
担当する各都市は「カレンシリーズ」と呼ばれる彼女の同型機が管理している。

  • ソーサラー(?)/ンザンビ
キャスター」と呼ばれ「ソーサラー」と訂正した、クラス不明のサーヴァント。ゾンビ伝承の原典となったヴィリ族の至高神であり、紛れもないガチ神霊。
理由は不明だが《渋谷》や《秋葉原》で「令呪狩り」を行って令呪をかき集めており、彼女に令呪を奪われたマスターは「死亡後令呪がないことを周囲に気付かれるまでしばらく動き続けていた」という現象が報告されている。


その他にもシリーズ初登場となる英霊や、『Grand Order』からも複数サーヴァントが登場している。


用語

前述の通り、これまでシリーズに登場した用語やアイテムも詳細が異なっている。
というか、そもそも「知るものが少ない概念故に力を持つ」とされる型月世界において神秘の極みにも近い聖杯とサーヴァントが全人類に知れ渡ってなお絶大な影響力を持っている時点で超が5つはつく異常事態。
分かっているのは「舞台は2025年ごろ*1」というだけで、シリーズファンにとっては馴染み深いあの地方都市の名前も既に出ている辺り、本編以前に起きたという「聖杯戦争」が鍵を握っているのは間違いない。

  • 聖杯
間違いなく『Requiem』で一番訳が分からなくなっている要素。
エリセを除いた全人類が身体のどこかに聖杯が生体器官として埋め込まれており、戦後に生まれた生まれつき聖杯を持つ人々は「新人類」とも呼ばれている。
聖杯を持つ市民たちはサーヴァントの召喚は勿論、これに願うことによって生活必需品などを得ているらしいが、従来の経済の概念も辛うじて残っている描写もある。
またこれとは別に、マザーコンピューターのように各聖杯や都市を管理するための「聖杯」も存在しているらしい。

  • サーヴァント
英霊の座に記録されている英霊をクラスに当て嵌めて意図的に劣化させ、召喚・使役する使い魔」という基本的な要素こそ同じだが、やはり「全人類が一騎はサーヴァントを従えている」というのはかなりの異常。
だがアヴェンジャークラスなど一部のサーヴァントは街や人に危害を加えることもあるため、そういった場合はカレンシリーズから依頼の降りた、エリセのような「死神」稼業の人間が対処することになる。

「サーヴァントに対する絶対命令権」という点は同じだが、『Requiem』における令呪は画数の制限が無く、命令に使った分の魔力が総量から消費される形となっている。
なお使った分の令呪は時間が経てば回復するため、一時的な身体強化など単純な魔力ブーストに使用されることが多いとされる。

  • 聖杯トーナメント
誰もが聖杯を持つために「奇跡を奪い合う殺し合い」である意味が消えたことにより、スポーツへと形を変えた聖杯戦争。
一対一の決闘形式やチームを組んでの集団戦で競い合い、視聴者は会場や中継でそれを楽しむ。が、敗北したサーヴァントは消滅し、マスターも(聖杯によって大抵の怪我なら治せるとはいえ)明らかに軽傷では済んでいない描写がある。
エリセは当初これを「ただのゲーム」「英霊を見世物にして楽しめる人間の気が知れない」と酷評したが、直後カリンから「人がどれだけシリアスかなんて、他人が勝手に決めていいわけねーだろ」と諫められている。

  • 臨海都市《秋葉原》
エリセの住むモザイク市きってのリゾート都市。現実のそれとは違って海面上昇と聖杯戦争後の世界の再構成により、四方を海に囲まれた小さな島のようになっている。
戦後は多くの都市が《秋葉原》のようにその在り方を変容させたとされ、各都市の維持管理は「聖杯」とカレンシリーズによって為されている。



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