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ZOIDS ALTERNATIVE

登録日:2010/06/04 Fri 12:15:59
更新日:2026/05/29 Fri 10:24:40
所要時間:約 3 分で読めます




『ZOIDS ALTERNATIVE(ゾイド オルタナティブ)』は、タカラトミーから発売された『ゾイド』を題材にしたXbox360用ゲームソフト。
ジャンルはシミュレーション。
発売日は2007年10月18日。
ゾイドゲームお馴染みの購入特典ゾイドは無し。

非常にミリタリー色が強く、ゾイドアニメシリーズよりゾイド本来の設定である『ゾイドバトルストーリー』を好むファンに期待された。
作風は人型ロボットのシミュレーションゲーム『フロントミッション』に近い。あっちにもALTERNATIVEあったし


ゾイドの醍醐味と言えば、生き物らしさである。
躍動感溢れる動きや、爪や牙を用いた格闘など、他に類をみないそれらの特徴が魅力なのである。
だが、本作はそういったゾイドの持ち味が活かされているとは言い難い。

本作のゾイドには爪も牙もなく、なんと格闘戦はしない。
攻撃は全て背面に搭載された武器で行い、接近戦用の場合はハンマーなどを使うという形で、生物らしい格闘などがない。
また、動きは非常に鈍く、走り回って攻撃をすることなく、移動にしか使わない。

ついでに、登場するゾイドの個々の機体性能は、背負ってる武器以外ほとんど違いがない。
その武器も一度に一門しか背負えないので、戦闘中に多様な武器を切り替えて使うということはできない。
色も金属一色(というかほぼ灰色)で青や白などなく、マップも暗めで、全体的に地味。
言うなれば本作のゾイドは“四足歩行戦車”である。
というか本当に「金属生命体」ですらないらしい。「Zoological Organization Interface Driving System」=「動物学的操縦システム」つまり多脚戦車という設定なんだそうな。世界観完全否定である。
タイトルの「ALTERNATIVE」とは「代替品」という意味もある。これがそれか……

そもそも根本問題として、使用できるゾイド・ステージともに非常に少ない。ゲームとしてのボリュームはファミリーコンピュータ時代以下とまで言われた。

ゾイドの持つ魅力がことごとく削ぎ落とされた出来栄えで、単品のゲームとしても薄く、ぶっちゃけクソゲー以外の何物でもない。
というか実際にクソゲーオブザイヤーの2007年度にノミネートされ、据え置き機部門の次点にまで列せられた。

本作が販売された2007年当時はゾイドシリーズが低調だった時期で、キットのネオブロックスやレジェンドブロックスは不振に終わり、アニメは『ゾイドジェネシス*1を最後に終了、コトブキヤのハイエンド・マスターモデル(HMM)はまだ始まったばかり*2でヒットは遠く、ゾイドは過去の物となっていた。
現在のタカラトミーも、1999年から2006年を「第2期」、『ゾイドワイルド』シリーズを中心とした2018年以降を「第3期」としているが、その中間の「いろいろと再建のため悪戦苦闘している時期」を2008年から*3としており、2007年の『ZOIDS ALTERNATIVE』はまさに空白の時期にポツリと現れた、いろんな意味で異端の「ゾイド」だった。
上述したとおり、ゲームには必ずと言っていいほど付いていた同梱キットがなかったのも、示唆的である。

そんなわけで2007年当時のファンからすれば「ゾイド復活の狼煙となるか」と期待されていたと思われるのだが、実際には上述の通り。
当時のゾイドが言わば暗黒期だったことに掛けて「暗闇の中から一筋の光が見えたと思ったら荷電粒子砲だった」なる評価がある。

長らく本作がゾイドシリーズのゲーム最終作だったこともシリーズファンにとっての悪夢だったが、十年以上が経過した2019年2月28日に『ゾイドワイルド キングオブブラスト』が発売された。こちらは好評。


【ストーリー】
10年前に始まったヘリック共和国とガイロス帝国の戦争は、共和国の勝利で終わった。
しかし、それぞれの陣営に属するマロール共和国とジャミル民国では10年経った今でも緊張状態が続いており……。


【登場国家】

  • マロール共和国
首都は列島南部のベーネリオン。
停戦後に反戦ブームがおき、非武装中立国家を目指しているといわれていた。
国土はジャミル民国の3分の2程度、科学技術はジャミル民国より進歩している。
現在は非武装中立を目指しているが、実は先の戦争では宣戦布告無しにジャミル民国に戦争をふっかけている。


  • ジャミル民国
100年近く続く社会共和主義国家、首都は列島北東部に位置するペズン。
先の大戦では最後に戦争に参加。
大戦時に多くの国民を失い、停戦後10年たった今でも人口は戦前に戻らず、慢性的に貧困状態が続いている。




【登場ゾイド】
登場する機体は全5種。脱字ではない。全5種である。歴代ゾイドゲーの中でも圧倒的な少なさ。
『近距離実弾兵器』『遠距離実弾兵器』『近接用武器(パイルバンカー)』の三種類の武器を使う。

◆S-LIGER
シールドライガー
マロール共和国の第三世代ゾイド。
Eシールドなんて便利な装備はついていない。“S”が何を指すかは不明。


◆C-WOLF
コマンドウルフ
ヘリック共和国の第ニ.五世代ゾイドで、安価で安定した性能が売りの量産型。


◆R-HORN
レッドホーン
ジャミル民国の第三世代ゾイド。
防御力重視で、堅牢な装甲を持つ。
名前が“horn”とか言う割に角はついてない。


◆S-TIGER
セイバータイガー
ジャミル民国の第三世代ゾイド。
同盟国のガイロス帝国から供給されているが、ガイロスのオリジナルより性能は低い。
もしかしたらサーベルタイガーなのかも知れない。


◆D-BISON
ディバイソン
マロール共和国の第三世代ゾイド。砲戦が得意だが近接戦闘は不得手とされる。
砲戦が得意とか言っても火力なんて背中の大砲だけだが。


登場ゾイドは以上。
うち自軍は3種(S-LIGER、C-WOLF、D-BISON)、敵軍も3種(R-HORN、S-TIGER、あと味方にもいるC-WOLF)だけ。
その他、巨大陽電子圧縮榴弾砲「デスザウラー砲」なるものが登場する。

ちなみに、ステージ数は14だけである。
敵味方の種類の乏しさやムービーの単調さなどから、単純にSLGとして見ても単調なきらいが否めない。


【美点】
まずグラフィックが綺麗であることが挙げられる。
オープニングも比較的評価がいい。その分本編に入るとアレなわけだが。

ストーリーもちゃんと用意されており、ヒロイックさはないものの、シビアな軍隊的な要素はある。ゾイド要素が薄すぎるのである。

また、ゲームデータ上のゾイドを制作するに当たって、事前に既存キットを改造したフロップモデルが作られている。
本作に登場するゾイドは数こそ少なすぎるものの、そのデザイン自体は悪いものではなく、「いつものゾイド」とはまったく違う「別のゾイド」を見ているような雰囲気がある。
目がないなどで異形感こそ強いものの、ゾイドの範疇をはみ出てもいない。ので、日本未発売の「タンク」や「サーペント」よりかはゾイドに見える。
「いっそこのフロップモデルを生産・同梱してくれれば、ゲームをおまけとして割り切れたのに」とも思える出来である。

そういうわけで、クソゲーなのは揺らがないながらも「勿体ない」する評価もある。





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最終更新:2026年05月29日 10:24

*1 2006年3月26日に最終回

*2 本作発売時点で、シールドライガー(2006年11月)とコマンドウルフ(2007年06月)しかラインナップになかった。11月にはブレードライガー、12月にはジェノザウラーも登場するが、まだ黎明期だった。

*3 旧キットの復刻を中心とした「月刊ゾイドグラフィックス」や「ゾイドリバースセンチュリー」が始まった時期。