2章以降も彼女の優しさと高い推理力は存分に発揮され、時には学級裁判を勝利に導くために辣腕を振るい、また時には凄惨なコロシアイの日々に心折れかけた仲間たちの心を癒し続けた。
特に第4章では追い詰められて誰かを殺すことすら選択肢に入りかけた日向を正気に戻し、彼による殺人を食い止めて見せるなど活躍。
彼女の存在は紛れもなくコロシアイ修学旅行参加者たちの"希望"となり、彼らを導いていく。
警告!!
この先はスーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園の致命的なネタバレ情報があります。
本編クリアがまだの方は十分にご注意ください。
だが、第5章にて突如豹変し、コロシアイ修学旅行参加者達に敵意を向けながら「裏切り者を炙り出す」と宣言した狛枝により、事態は急速転化。ジャバウォック島を爆破すると予告した狛枝を止めるために、仲間たちは彼を追いかけ島内を奔走する。
───だが、事態を掻き回していたはずの狛枝が、何故か全身をナイフとロープで拘束され、腹部に巨大な槍を刺されている状況で殺害されてしまう。
調査の結果、彼は「本人すら自覚がないまま裏切り者が自らを殺すように、自らの才能を使って誘導していた」という事実が発覚。
殺人を犯した犯人ですら自らが犯人であることが分からない、究極の謎を前に絶望する仲間たちに彼女は優しく語りかける。
日向くんは誰だと思う?
未来機関の一員として、
みんなの中に送り込まれた裏切り者って誰だと思う?
裏切り者の正体
第5章「君は絶望という名の希望に微笑む」の真犯人にして、コロシアイ修学旅行参加者達に未来機関から送り込まれた「裏切り者」の正体。
彼女は未来機関に所属し、みんなと違うという事実にすら疑問を持つことすら許されず、自らの正体も当然ながら明かせない存在として、これまで仲間たちに接し続けていた。
それ故に彼女はヒントを与えながらも自ら名乗り出ることはしなかった、いや出来なかったものの、日向だけはそれを推理することが可能だった。何故なら前述の第4章で起きた、自身が誰かを殺害しかけたという日向と七海しか知らないはずの出来事が、モノミの日記帳に記載されていたから。
故に彼女は日向に自らの正体を暴き指摘することを委ねる。
しかし、これまで優しく自分達を導いてきた七海が裏切り者である事実を、仲間たちはどうしても納得できない。
そもそも、「名乗り出ることは出来ない」と語りながら、今回の彼女の一連の言動は、自ら名乗り出るに等しい内容。
どうして自身にそれが出来たのか、七海ですら疑問に感じたが、彼女は「(未来機関に逆らってでも)どうしてもみんなを守りたかったという気持ちが勝ったから」と推測する。
それでも納得いかない仲間たちを日向も苦しみながら論破。七海の精一杯の献身に目を背けたら、それこそ誰も救われない。
これまで自分達と過ごしてきた七海を信じるが故に、日向は最後まで真相を解き明かしきった。
かくして学級裁判は閉廷。迫る自身の死を前にしても微笑みながら、彼女は仲間たちを守りきった事を誇り胸を張った。
そんな七海を守るためにモノミも体を張って、処刑が敢行されないよう抵抗するが、那由多体いるモノクマには到底及ばない。
モノクマは不要になったモノミ諸共七海の処刑を宣言し、その処刑は開始された。
バイバイ、みんな…
大丈夫だよ…輝かしい"未来"は、
いつだってキミ達の前に広がっているから。
本当だよ…絶対だよ…
だって…私にはわかるんだもん。
最期
おしおき:「PLEASE INSERT COIN〜超高校級のゲーマー 七海千秋処刑執行〜」
モノミと共に並べられた彼女をインベーダーゲームに見立てた戦車でモノクマが次々に狙撃していく。
しかし、処刑場からの出口を見つけた七海はモノミと共に出口から脱出。パックマンに追いかけながら、出口を駆け抜けていく。
ようやく出口にたどり着いた彼女達だったが、透明な壁が2人の道を塞ぐ。直後、自らの背後にシャッターが閉まり閉じ込められた彼女達の頭上から、テトリスのブロックを模した重量物が落下。
とうとう最後まで生き残ったモノミも潰され、自らの死を覚悟して目を閉じた七海だったが、ブロックは一向に降ってこない。
静かに目を開いた彼女の目に映ったのは、可能な限り1度で多くのブロックを消すために自身の周囲に積み上げられたブロックと、今にも自らに降ってこようとするI字のブロックであった。
僅かな静寂の後、その頭上から降り注いだブロックは、押し潰した彼女の遺体ごと爆発。彼女が確かに存在したという事実すら残すことなく、彼女は日向たちの前から去っていった。
世界と彼女
その後、最終章にて彼女のもうひとつの正体とこの世界の真相が発覚。
この世界は実は
電脳空間に再現されたジャバウォック島であり、日向達はゲームの世界へ飛び込んでいたのだ。
江ノ島盾子に操られ、世界中で破壊の限りを尽くした15人の"
超高校級の絶望"、それこそがコロシアイ修学旅行参加者達の正体であり、この世界はそんな彼らから江ノ島盾子の影響を取り除き、希望へ更生させるためのものであった。
そして、七海千秋とはそのゲームの世界に飛び込んできた仲間たちを希望に導く為に用意されたナビゲーター……いわば、NPCであり、
現実世界に七海千秋という少女は存在していない。
その事実を全ての黒幕であるアルターエゴ江ノ島に突きつけられた日向達は絶望。
この世界を終わらせる手段を提示されても、彼らはそれを選べなかった。
現実逃避し、「全てがリセットされ、仲間たちと永遠に続く世界で生きる妄想」へ囚われた日向だったが、自身の妄想でしか無かったはずの彼女が日向へ語りかける。
違うよ…
みんなはゲームなんかじゃないでしょ…
ゲームなのは私だけ…みんなはそうじゃないでしょ。
世界か自己犠牲かなど自らに選べっこない。何より、もし自分達がこの世界を終わらせてここでの記憶を失えば、七海という少女の存在は今度こそ完全になくなってしまう。
それは七海にとっても嫌なはずだと語る日向に、七海は例え彼らがここでの記憶を失っても自身の存在はなくならないと説く。
自らが守り、みんなで作った未来をみんなが生き続ける限り、自分の存在は消えたりしない。
それでも未来を選ぶことを怖がる日向を七海は叱咤する。
そして、未来が選べないなら創れば良いのだと。この世界はゲームでも、彼らはゲームではないのだから。
キミ達には…そんなものを乗り越える、
とてつもない必殺技があるじゃん。
ほら、『やればなんとかなる』ってヤツだよ!
もしゲームだったら、それでなんとかなってしまってはクソゲーだろう。
しかし、彼らはゲームではない。
七海に手伝われながら自らの弱い心と向き合った日向は、この世界で失ったはずの才能……"超高校級の希望"カムクライズルの才能に覚醒。
未来を創り出すべく彼は江ノ島盾子を打ち倒し、コロシアイ修学旅行は幕を閉じた。
アイランドモード
スーパーダンガンロンパ2のおまけモードで、モノクマに乗っ取られなかった修学旅行の世界線。
七海は監視者という役割を担っているが、何もトラブルが発生しないため平凡なクラスメイトとして仲間たちと共に活動している。
本編で見せた鋭さがなりを潜めた結果、ただの天然系不思議ちゃんになっている。
らーぶらーぶ度が10になっていると、他のクラスメイト同様にエンディング前にイベント発生。
皆が無事に帰還する様子をどこか寂しそうに見送りながらも、「これからもいろいろな事を教えて」と日向と約束を交わした。
他作品での活躍
前日譚である本作でも彼女は登場。
実は、2で登場する彼女にはモデルとなった少女が存在することが発覚した。
癖の強いクラスメイトをまとめる学級委員長に指名された彼女の存在から、後に"超高校級の絶望"と化す希望ヶ峰学園77期生は歴代でも例を見ないほど団結力のあるクラスだった模様。
また、ゲームを通じて、当時予備学科生だった日向とも交流があり、劇中の言動から両者は互いにとって特別な存在であった模様。新世界プログラムで生まれた彼女が「恋愛ゲームへの苦手意識を払拭するため日向との疑似恋愛に興じる」「(話の流れもあるが)日向と同行する機会が特に多い」といった、特に日向を目にかける挙動を見せていたのも、恐らくこの時の両者の関係故と思われる。ただ、それ故に「七海の側に胸を張っている」べく日向はカムクライズルと化し、2人は結局最期まですれ違い続けることとなる。
更にはその団結力の核となっている事を江ノ島盾子に目をつけられた彼女は、彼女のクラスメイトを絶望に落とすための贄とされてしまい、仲間たちの目の前で惨殺される事となる。
死の間際、そこに立ち会ったカムクラは、日向だった頃の記憶も感情も失っていたはずにも関わらず落涙。江ノ島の手で絶望に傾倒しかけていた彼に「希望もまた予測不能」という考えを芽生えさせ、彼は希望と絶望、どちらが予測不能かを確かめるべく江ノ島と袂を断つきっかけとなった。
その後、希望編にて何故新世界プログラムに七海千秋というNPCが生み出されたのか判明。彼女は元々、プログラムにかけられる15人の記憶を読み取り、そこから、もっとも彼らをナビゲートするに相応しい人格をもって誕生するはずだった。
しかし、15人にとって満場一致で七海千秋という少女が希望そのものであった。
現実に生きた七海千秋という少女はもうこの世に居ない。かつてコロシアイ修学旅行で15人を導いた彼女の居場所も現実には存在しない。
それでも全ての記憶を残していた日向の心に彼女は今も息づいている。
かつて宣言した通り、きっと彼らの未来が続く限り彼女もまた存在し続けるのだろう。
余談
劇中では彼女の父と兄について言及されるシーンがあるが、これは恐らく現実の七海の家族のことではない。
七海の正体や父がプログラマーだったという言葉を踏まえると、彼女の父とは新世界プログラムの技術元となった"超高校級のプログラマー"
不二咲千尋の事であり、兄とはその不二咲が創り出したアルターエゴ不二咲の事を指していると推察される。