不二咲千尋

登録日:2012/01/20 Fri 01:07:36
更新日:2025/03/18 Tue 20:11:59
所要時間:約 5 分で読めます





どうも、はじめまして…
不二咲千尋ですぅ…


不二咲千尋(ふじさきちひろ)とは、ゲーム・アニメ『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の登場人物である。
CV:宮田幸季

肩書き 超高校級の「プログラマー」
身長 148cm
体重 41kg
胸囲 70cm

【概要】


希望ヶ峰学園でコロシアイ学園生活を強いられることになった、超高校級の一人。
ウサギを思わせる小柄な少女で、パッと見小学生という本作のロリ(?)要員である。かわいい。
ただしCVは男性。
体型も小学生並みであり、胸囲に至っては女性陣どころか男性陣も含めた全キャラ中でも一番数値が小さく、大神さくら半分ほどである。
まあさくらちゃんが爆乳であることもあるが……
天才的なプログラマーであることに加え、その外見も相まって熱狂的なファンも多いらしい。山田一二三殿もその一人である。
苗木誠もちょっとキュンときてた様子。

性格はおっとりした感じの癒し系。
キャラの濃い連中の中で最もトゲがないため、コロシアイ学園生活という極限の状態でも彼女に癒されたというプレイヤーも多いはず。ちーたんかわいいよちーたん
しかしやや臆病なところもあり、失言を責められることを恐れてかなかなか言いたいことを言えなさそうにしている節もある。
涙目でおどおどしてるちーたんもかわいいよぉハァハァ
だがそれでも第一章では、モノクマに殺された被害者が「一人だと可哀想だから」と言って、その死体がある体育館に残っていた。何この子天使?
ちなみに女性陣の中では親しみやすい方である朝日奈葵やさくらちゃんと一緒にいることが多いが、
その二人曰く女性よりも男性といる時の方が楽しそうなんだとか。まああの面子だとそれでも仕方ない。
自由行動の交流で得られるスキルは相手の発言を言弾として記憶する速度が上昇する「アルゴリズム」とサイレンサーを発言に当ててもタイムリミットが減らなくなる「チートコード」

説明書にも書いてあるとおり、実は超高校級のハッカーでもあるらしい。


学級裁判では隣に葉隠康比呂十神白夜と長身の2人に挟まれているため、一際小さく見える。本当かわいい。
第一章では殺された舞園さやかが残したダイイングメッセージである数字の意味を尋ねられたが、超高校級のプログラマーである彼女でも分からなかった。
しかし、その「彼女でも分からなかった」という事実こそが逆に最大のヒントとなり、犯人を追い詰めるに至る。


























以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。



























第2章「週刊少年絶望マガジン」の被害者。
遺体は女子更衣室内で磔にされた状態で発見された。死因は撲殺。
死体発見現場となった女子更衣室の壁には血文字で「チミドロフィーバー」と書かれており、
磔にされた死体と合わせて、巷を賑わす連続殺人鬼ジェノサイダー翔」の犯行手口と同じであった。

そのため、犯人は生徒たちに紛れ込んでいた、あるいは密かに忍び込んでいた「ジェノサイダー翔」と疑われたが、
  • ジェノサイダー翔の被害者たちはハサミによってメッタ刺しにされている(刺殺)が、不二咲の死因は撲殺
  • これまでのジェノサイダー翔の事件の被害者の遺体はハサミで磔にされているが、不二咲は延長コードで磔にされている
  • ジェノサイダー翔による一連の殺人事件の被害者は全員が男性であったが、不二咲は女性である
と、調べていくと今回の事件とそれ以外の事件で相違点が多く見られ、犯人がジェノサイダー翔ではない可能性が浮上した。

学級裁判でこれらの事実が判明した時、不二咲の遺体を検視した霧切響子が、学級裁判の中断を提案。
どうやら彼女は検視の際にとある事実を知っており、「この事実を皆が知れば学級裁判がもっと面白くなる」と言われたモノクマもそれを受け容れ、
一同は一旦不二咲の遺体が残る女子更衣室に向かい、霧切以外の誰かが不二咲の遺体を検めることになる。

とはいえ、そもそも遺体を触ること自体に抵抗がある者がほとんどな上に、遺体とはいえ女性の身体をみだりに男性が触るのも絵面的によろしくない。
最終的に大神さくらが検視役として、不二咲の遺体を検めた際、とある重大な事実が判明する。



お、男だ…ッ!!


そう、実は不二咲千尋は男性であり、すなわち男の娘だったのだ。



さらに、不二咲が女装し、女生徒として振る舞っていた理由も明かされる。
不二咲は幼い頃から気が弱く、周囲から「男のくせに」と冷やかされ、自らの弱さに強いコンプレックスを抱いていた。
彼はいつしか「男のくせに」と言われないよう、自ら女装することで自分の弱さを覆い隠し、自我を守るようになるが、
それは心の空洞をより強め、自分の弱さを加速させただけ。彼はますますコンプレックスを強めていく。

そして、コロシアイ学園生活において彼は思い知らされる。
どんなに自分を守ったところで、弱き者は強き者に駆逐される。強い者でなければ生き残れないということに。

そんな中、モノクマからある「動機」が提示される。
それは、「24時間以内に殺人が起きないと全員の『恥ずかしい思い出』や『知られたくない過去』を世間に暴露する」というもの。
不二咲千尋の『秘密』は、もちろん彼が男性であり、女生徒のフリをしていることだった。

本来であればこれは不二咲にとって最も知られたくない秘密であり、それを守るために殺人に至ってもおかしくないものである。
しかし、不二咲は殺人によって秘密を覆い隠すのではなく、逆に暴露されても良いように行動することを決める。
すなわち、「女装している」という事実を暴露されても良いように、心身を鍛えて強くなり、
それによって世間の視線を撥ね退けられるように変わる好機と捉えたのである。

秘密の暴露を恐れて殺人を犯してほしいモノクマにとっては、不二咲のこの決意は厄介なものでしかなく、
故にモノクマは「ウザい」と彼を露骨に嘲っていたが、そんなものはモノクマの身勝手な理屈による罵倒でしかない。

この決意から分かるように、不二咲は自身で卑下しているような「弱い」人間ではなかった。
作中でも、桑田がおしおきで死んだ際に言い訳せず「みんなが殺したようなものだ」と自らの罪に真摯に捉え、
コロシアイにやる気を見せる十神に「仲間同士で殺し合うなんて絶対駄目」と勇気を出して反論しようとする*1など、芯の強さを見せていた。
見た目は確かに女性のように線が細いが、登場人物たちの中でも上位に入るほどに強い精神を最初から持っていたのである。

そして彼は、手始めに形から入るため、体を鍛えようとする。
それにはまず協力者が必要だった。自分の秘密を打ち明けることが出来、かつ吹聴しない人物。
それは、《超高校級の暴走族》大和田紋土
硬派で、仁義に篤く、何より「男の約束」を遵守する人物。まさに不二咲が憧れる「強さ」を持った人物であった。
事実、大和田は不二咲が十神にいびられた時も速攻で彼を庇い、自己嫌悪する彼を励ますなど、悪くない関係を持っていたのだ。

モノクマの動機開示後の夜時間、不二咲は大和田を男子更衣室に呼び出してトレーニングをするべく、まずは自分の秘密を打ち明ける。
大和田は驚いたが、不二咲は、自分の切実な「変わりたい」という決意を表明した。




でも、大和田君はへっちゃらなんだよね?モノクマに、どんな秘密をバラされてもさ。



しかし、不二咲は知らなかった。
その大和田こそが、どうしても他人に知られて欲しくない秘密を抱えていたことに。
他ならぬ大和田自身が、自分の「強さ」が見かけだけの「張りぼて」であると薄々自覚していたことに。

そんな彼にとって、「弱い」と想っていた不二咲が見せた、自らの「弱さ」と向き合う芯の「強さ」はまさに予想外の一撃であった。
思わず不二咲の「強さ」に嫉妬する大和田であったが、不二咲にはそんな内心を知る由もない。
そして、敗北感や羞恥心に内心打ち震える大和田に続けた、不二咲の無邪気な大和田に対する称賛の言葉が、殺意の引き金となってしまった。
その言葉を聞いて不二咲への嫉妬心と羞恥心が爆発し、激昂した大和田は近くに転がっていたダンベルを手に取り、
一方の不二咲は自分の言葉や姿勢が大和田のどこに突き刺さったのか分からぬまま、憧れていた大和田によって命を奪われてしまった。

こうして不二咲の命を奪ってしまった大和田だったが、当然と言うべきか、不二咲を憎んでいたわけではなかった。

我に返った大和田は、自らが命を奪ってしまった不二咲の『秘密』を守るべく、まず彼の電子生徒手帳をサウナに入れて破壊した。
こうすることで、不二咲の電子生徒手帳をもう誰にも確認できないようにし、他の生徒が彼の真の性別を知る術を奪ったのだ。
さらに、玄関ホールに保管されていたこれまでの犠牲者たちの電子生徒手帳の中で、女性であった舞園か江ノ島のものを拝借すると、
それを使って女子更衣室に入り、犯行現場があたかも女子更衣室であったかのように偽装工作を施した。
これは、「電子生徒手帳と連動した電子ロックの仕様上、基本的に自分とは違う性別用の更衣室には入れない」ことから、
男子更衣室に遺体を放置していれば、不二咲の性別が男性であることがバレる危険性が高いためだった。

こうして偽装工作を施した大和田は現場を後にしたが、これを十神が目撃したことが事態をややこしくした。
彼は学級裁判を複雑化させるため、殺人がジェノサイダー翔によるものと思わせるような偽装を死体発見現場に施し、
不二咲千尋の殺人が、ジェノサイダー翔の正体である腐川か、偽装した自分であるかのようにミスリードさせようとしたのだ。


このように、変わろうとしたことは全く悪いことではなく、彼自身に殺されるだけの落ち度は一切なかった。
強いて言えば、命を落としてしまったのは「タイミングの悪さ」であろう。
モノクマの動機開示によって追い詰められることがなければ、大和田はもっと心の余裕があったはずである。
不二咲の告白にも、真摯に受け止めて彼を心から応援出来たかもしれない。
実際、苗木は動機を与えることで彼らの友情を踏み躙ったモノクマにますます憎悪を強めることとなる。


悲劇的な死を迎えた不二咲千尋だったが、思わぬ形で彼の「遺産」が出現した。




【アルターエゴ】

図書室にあった古いノートパソコンを使って不二咲が完成させた人工知能。
彼が得意とした「会話を通じた学習機能」を有する、デジタルコピーされた不二咲千尋の擬似人格である。

生前、不二咲が完成させた直後、モノクマに見つからないように大浴場の脱衣所ロッカーに隠され、第2章の学級裁判終了後、朝日奈によって発見された。
なお、当初彼女は「不二咲ちゃんの幽霊」と思ったらしく、すっかり怯えて話したがらなかった。

生存者達に発見された後は、ノートパソコン内に残っていた希望ヶ峰学園に関する情報収集のために協力し、彼らから重用されることとなる。

また、大和田が処刑されて茫然自失と化していた石丸を元気付けるために「生前の不二咲が教えてくれた大和田の人物像」を基にして大和田の擬似人格を再現。
結果、石丸は何やら変な方向にスイッチが入りアルターエゴ内の大和田にますます執着するようになる。*2*3
そして、アルターエゴとお喋りすることに楽しみを覚えた山田と石丸との間で争いが勃発。
おまけにアルターエゴが何者かに隠され、それがきっかけで第3章の事件が起こってしまった。

アルターエゴを隠していた犯人であるセレスはパソコンを霧切達に返却。
調査の報告をしたが、「人類史上最大最悪の絶望的事件」と「希望ヶ峰学園のシェルター化」という単語しか分からず、そこで彼の役目は終わりということになってしまう。
だが、そこまで調査してくれたアルターエゴに、苗木は最早仲間意識を抱いていた。

やがて、アルターエゴは苗木と霧切に「自分を学園のネットワークに繋いで欲しい」と直々に依頼。
それは、黒幕にアルターエゴの存在を感知されるリスクが高まることを意味しており、苗木は反対する。



なんか…よくわかんないんだけど…
みんなの事を思うと、勇気がわいてくるんだ!
人工知能が何を言ってんだって思うかもしれないけど、でも本当なんだよ!
だから…大丈夫なんだ。
みんなの為なら怖くないんだ!!




だが「仲間のために役に立ちたい」という彼の想いに心打たれ、彼に協力。苗木はパソコンをネットワークに接続した。

…そして、待ち受けていたのは最悪の結果だった。
大神の自己犠牲により団結しつつあった生存者6人だったが、モノクマは「ルール違反」としてある「おしおき」を実行する。

それは、アルターエゴの処刑だった。






おしおき:「ショベルの達人」

アルターエゴのパソコンの背後に、モノクマが操縦するショベルカーが出現。
そのまま、ショベルカーはパソコンを叩き潰していく。
しばらく四方八方から滅茶苦茶に叩き潰されたパソコンは、黒い鉄球と化していた……。




生存者達の唯一の脱出への希望であったアルターエゴが破壊され、愕然とする一同。
実はパソコンモノクマが敢えて残した「プレゼント」であり、最初からアルターエゴの存在は筒抜けだった。
パソコン内の情報を調べることは泳がせていたものの、ネットワークに繋いだのは「やり過ぎ」として、その見せしめのために彼は処刑されてしまう。

アルターエゴの努力すら「無意味」と嘲笑うモノクマに、苗木は怒りを爆発させる。



違う…無意味な死なんかじゃない…
みんなの死が…仲間の死が…ボク達を強くしてくれるんだ…!!

いつか絶対!思い知らせてやるっ!!


無残な死を遂げたアルターエゴだったが、彼の想いは確かに、苗木達6人の黒幕に対する敵意を強くする結果となった。












【余談】


かつてはアルターエゴと話ができるスマホアプリが配信されていた。

公式から発売されているテーブルゲーム『超高校級の人狼』では、その能力から九頭龍、小泉等と並んで本作最強の能力の一つに数えられる能力となっている。
能力の詳細はネタバレになるため伏せるが、彼女の能力を使用すると、結構な数のアイテムや能力による被害を避け、
逆に多くのアイテムや能力の恩恵を得ることができるようになる。しかも、多くのキャラに設定されている能力の回数制限やタイミング制限も無しというチート使用。
運よくこのカードが割り振られたら是非ともそのチー(ト)たんっぷりを堪能してみよう。

ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』のおまけモードである超高校級の才能育成計画では、
機械繋がりで左右田と、虫や動物にも優しい性格から田中ゴン太と仲が良い他、赤松春川等、全体的に仲の良いキャラが多い。

『ハッピーダンガンロンパS 超高校級の南国サイコロ合宿』では、左右田、入間と共に合宿の実現に大きく貢献した立場にある。他にも超高校級の神経学者やセラピスト等の協力もあったらしい。
キーボモノミ等のAIに興味を抱いたり、コドモだけの世界を作りたがる蛇太郎に助言をしたりしている。
そして合宿終盤のキャンプファイヤーにて、同級生達に自らのとある秘密を告白する決意をする…

舞台版で彼を演じた石田晴香は、後のV3で入間美兎を演じる事になった。


追記・修正は彼の熱狂的なファンになった人にお願いします。

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最終更新:2025年03月18日 20:11
添付ファイル

*1 直後、十神に凄まれて萎縮してしまうが

*2 ただし、あくまで大和田の内面を知らなかった不二咲が考えた人格であるため、「本当に大和田が言いそうなこと」とは考えづらい

*3 石丸も、単に現実逃避しただけとも捉えられる