登録日:2010/04/21 Wed 14:25:11
更新日:2025/10/11 Sat 16:11:07
所要時間:約 3 分で読めます
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┃注意!┃
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本項目は大変刺激が強くなって
おります。部屋を十分明るくし
て画面から50cm以上顔を離し、
凝視しすぎて気分が悪くならな
いように十分ご注意の上、閲覧
頂きますようお願い致します。
【概要】
この事件は、赤青の光が交互に明滅する『パカパカ』と呼ばれる演出法がとられていたことで、
視聴者が「光過敏性発作」などを引き起こしたというもの。
簡単に言うと、強い光による継続的な刺激に耐えかね、脳がオーバーヒートしてしまうため、
吐き気や頭痛を起こすというものである。
ポケモンブームの真っ最中に、視聴者の大部分を占めていた若年層が入院する事態になったため、激しいバッシングが起き、
経済市場にも大きな影響が出た。
その後の調査で「YAT安心!宇宙旅行!」でも同様の被害が出ていたことが判明したため、
特に児童向けのアニメでの演出技法が見直されることとなった。
この第38話「でんのうせんしポリゴン」は封印作品となり、公式サイトからも沫消された黒歴史になっている。
これを受けてアニメポケモンはしばらく放送自粛を余儀なくされ、季節ネタなどの一部の回はタイミングを逃して、のちに番外編という形での放送になった。
しかし、その弊害として時系列の矛盾も生じてしまっている。
◆ベロリンガをゲットしてないのに持っているムサシ。
◆進化したはずなのにヒトカゲのまま。
ま
た、
劇場
版『
ミュウツーの逆襲』と
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4話
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↓
劇場
版
の流れだったと思われる。
映画冒頭でサトシがバッジ8つ手に入れていることからも、それが窺える。
(実際にはグレンジム前に上映された。)
ちなみにこれ以降、ポリゴンもポリゴン2もZもアニメに出ていない。
『ミュウツーの逆襲』冒頭の世界観説明および、他の映画のその使い回し映像でちらっと出たことはある。
また、ED『ニャースのパーティ』にも一瞬だけ出ている。サンムーン編第1話にも、名前だけであるが登場している。
放送されたのが昔ということもありよくポリゴンが光の原因と思われるが実際は違ったりする。
経緯を簡単に説明すると、
ロケット団がポリゴンを使ってポケモン転送システムの電脳空間に侵入
↓
サトシたちもポリゴンを使って追いかける
↓
色々あってロケット団を止める
↓
サトシたちがいると知らないジョーイたちがワクチン投入
↓
ウィルスと間違えられて、サトシたちはポリゴンに乗ってワクチンから逃げる。
↓
ピカチュウの電撃とワクチンが激突し激しい光の点滅が起こる。
ご覧の通りポリゴンは直接問題の現象に関わってないのである。
ポリゴン最大の不幸は、この回のメインポケモンになったことであった……。
2020年9月20日、海外のポケモン公式Twitterが「Porygon did no thing wrong.(ポリゴンは何も間違っていなかった)」というツイートをして話題になった。間接的とはいえ公式が言及したことになる。
みんなもアニメを見るときは十分気をつけてね!!
◆参考画像(※閲覧注意)
気分を害する恐れがあり明るい場所で画面から50cm以上、顔を離して閲覧して下さい。
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出典:ポケットモンスター 38話製作会社 OLM TEAM OTA、製作委員会 テレビ東京、SOFTX→MEDIANET、小学館プロダクション
1997年4月1日 - 2002年11月14日
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当時の世相について |
wiki記法を使ってわざわざ赤青化にして読みにくくするのがめんどくさい赤青以外の要素もあるのでここは黒文字一色で。
「パカパカ」は子供やてんかん持ちの人にとってはかなり刺激が強いもので、早い話このスイッチを強烈に入れるものだった。
さらに当時はブラウン管の時代、今の液晶よりも光刺激が非常に強かった上、富野由悠季はピンクと青という組み合わせがこれを助長したという可能性にも触れている。
だが、同時に世相自体が「アニメとは小さい子が見るようなものである」「テレビを見て人が倒れるなんてオカルトじゃあるまいし」という時代でもあった。「YAT安心!宇宙旅行」でも原因不明の事件とされて終わったのはそういう理由。
早い話、当時は親や病気を持ってる側の自己責任という扱いだったのだ。そもそもバリアフリーなんて概念は90年代後半からやっと本格化したわけだし。
そのためポケモンばかりが話題になっているが、当時のアニメではむしろ頻繁に使われていた。まだCGなんて夢のまた夢だった時代ということもあり、迫力のある画を限られたリソースでお手軽に出せるパカパカはむしろ単なる工夫の一環。
たとえば「フタエノキワミ、アッー!」で違法アップロードネタにされているシーンも、オトリヨセー!やガトチュエロスタイム!のシーン、つまり九頭竜線や牙突零式のシーンでは思いっきりパカパカ(青白と黒でいいのかな?)が使われているし、
もっとすごいのは美味しんぼのお蔵入り回「真夏の氷」。お蔵入りされた理由が地下水への無根拠な批判とされているが、「バーのダンスを表現するために赤青黄の三原色での激しいパカパカが使われている」ことも原因のひとつと言われている。ほんとに何の前触れもなく、21世紀では絶対に見ないレベルの点滅が出てきて時代を感じる。
これらは本当に90年代までのアニメならごくごく当たり前に見た技法だったが、このポケモンショックが社会問題化したことにより「パカパカ」がテレビ局から自粛を求められる(つまり事実上の禁止)。これによりアニメーターの負担が一気に増え、「ポケモンが余計なことをしなければ」という怨嗟の声も上がった。
一方テレビにかじりついて見ること自体が道徳的に見直されるようになり、特にこち亀の「て、て、テレビを見るときは~!」の尺稼ぎアイキャッチは保護者層から非常に高い評価を得ることになった。
この一件以降、HTMLタグやGIF画像という形でパカパカを再現するブラクラが日本各地で作られたが、「単に目が痛くなるだけで不快」で終わった。愛生会病院なんて覚えてる奴いないだろ
言ってしまえば「資質(持病)を持つ人間があまり気分のすぐれないときにブラウン管の画面で3秒間に36回という点滅に晒されて初めて気絶する」ものなので、素人がやろうと思ってできるものではなかったのだ。まぁうっかりできちゃったら無限アラート事件みたいに書類送検されそうだけど
一方で動画制作などでも「冗談でもパカパカっぽいものを使うと本気で怒る人間が出てくる」など、いわゆる正義マン的な言動が動画制作の幅を狭めてしまうことにもなった。
最初は「ピカチュウの陰謀で消えたポケモン」というマニア向けのネタだったもの。上述の通り実際にパカパカを起こしたシーンにはポリゴンは映っておらず、その原因となるシーンがピカチュウの電撃だったため。
これに便乗して ピカチュウがポリゴンを身代わり出頭させて生き残ったというネタも派生している他、後世では「 ミミッキュの中身は身代わり出頭で死んだポリゴン」などのかなり複雑化した派生ネタも登場した。
現在では「ポリゴンは被害者、ピカチュウは加害者」というように見なすネタが多くなっている。
しかしこれを冗談だと理解できない人が「ポリゴンは本当は悪くないんだ!」とアレなキャンペーンをぶってしまい、それが日本人の特に若年層に多い判官贔屓気質と化学反応を起こしてスパークしてしまったというもの。
おそらくニコニコ大百科で暴走したファンが立てた記事「ポリゴンはわるくない!」(2009年)で有名化したものである。当時のその記事はポリゴン愛がにじみ出ていると大変評価が高いものだった。
しかしこれに触発されたのか、ファン感情と義憤だけで暴走してしまった結果、各地の「ポケモンショック」関連の説明では「ポリゴンは決して悪くない。このことを忘れないでほしい……」という同情的なものが支配的になってしまい、
そういうところで情報を仕入れた次世代の人たちが「ピカチュウが擁護されていることに対する反骨」のように解説していく……という、典型的なヘイトスピーチの過激化と同じ流れを経ている。
ハッキリ言うと、こういうネタは口にしただけでサイレント・マジョリティからは「あっ、ふーん(察し)」となるネタということは留意しておくこと。ネタ的に言うのはむしろウィットに富んでいるが、コメント欄にあるように本気になってポリゴンを擁護していたら、事実はどうであれ距離を置かれてもしょうがない。
「だってマジでポリゴンが悪いわけじゃないじゃん!」という話ではなく、現実のアニメ制作にさえ影響を与えた大事件の説明に対し、ゲームのいち登場人物に過ぎないものに対して説明者の主観を混ぜているというTPOのズレが問題視されている可能性が高い。
そして指摘してもそもそも「ポリゴンは悪くないんだ!」の一点張りで話が通じないし疲れるので、距離を置かれておしまい。
これについては「エコーチェンバー」なども参照すること。エコーチェンバーが起こるのはアンチ思想や政治厨に限った話ではない。
もしここまで読んで編集ボタンに手が伸びかけていたら、まずは「桜井政博のゲーム作るには」の「エコーチェンバー」動画あたりを見てみよう。カービィやスマブラのディレクターが、心理で陥りがちな罠について3分間で分かりやすく説明してくれている。
実際のところ、このポリゴンにすべての責任を擦り付けたことでポケモンというビッグブランドが存続したことも確かである。というより当時の世相的にそれ以外の選択肢がなかった。
当時のマスコミは、大人が理解できない上に玩具にどんどん金を吸い上げられていくビッグタイトルだった「ポケットモンスター」を非常に批判的に報道することで、保護者層を満足させていた。
そんなさなかにポケモンの側が起こした不祥事はマスコミにとって格好のネタであり、「ポケモン自体が悪」「ゲームやアニメ自体が悪」という風潮の報道を行い、自分たちの子供時代には存在していなかったものをとにかく悪し様に言うことで保護者層の支持を得ていったのである(当時のテレビの影響力は今よりはるかに強かった)。
ゲーム自体が悪という風潮が強まれば、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったポケモンというブランドがこのまま終わりかねない。そこで取られた手段が「自粛」、つまりほとぼりが冷めるまで待つこと、そして反省を示すためのシンボル(=ポリゴン)を出すことだった。その後のポケモンブランドの躍進はおそらく読者諸兄の方が詳しいだろう。
ポリゴンに罪をかぶせてトカゲのしっぽのように切り落としたことで、ポケモンはその後もビッグタイトルとして残り続け、シゲルやシンジやショータ、リザードンや高速移動するタケシ、サトシゲッコウガ、スイレンママetc…といった評価の高いキャラクターとつながっていったのだ。ファンの頭の中がどうなっているかは分からないが、これが商売的に見た場合の事実である。
むしろポリゴンは「人類の罪を背負って処刑されたイエス・キリスト」のように、ポケモンアニメというブランドの罪を背負って身代わり出頭により処刑され、ポケモンというブランドはなんとか命脈を保ったのである。
ポケモンの海外展開はこのポリゴンショックを境目に成功したという分析もあるため、むしろポケモンのメシアとさえ言えるのだ。
って考え方もできる。少なくとも商売的には。
ちなみにギネス記録にもなっている他、サウスパークやシンプソンズでもさんざんネタにされた。サウパに至っては日本では当該回が放送禁止になっちゃったし。
また、ポリゴン一族はアニメで出すことができないという事情から「アニメとは違うブランドである」ということを示す場合にも非常に便利なキャラクターともとれる。
たとえば本家の対戦環境やポケモンカードではポリゴン2が一時期猛威を振るっていた他、スマブラDXでもモンスターボールから飛び出してくる。
他にもミュウツー(映画)の「誰が産んでくれと頼んだ……!」系のネタでは、フィオネやカセキメラ組とともにやり玉に挙げられる。これも割と定番のネタである。
ポケモンカードのユンゲラー、スマブラSPの不知火舞、MTGのオーコ、 いつの間にか仲間に加入している5人目、 ジーザァス!ジジジジジジジジーザァス!など、 出禁を食らったこと自体が個性・話題になるキャラというのもいるわけだし。
今はアニメだけがすべてではなく、様々な媒体で一次・二次消費がなされる。この世間で本当の意味で不遇なのは「 途方もなく影が薄いやつ」なのだ。
って考え方もできるんだから、あんまりカリカリしない方がいいと思うよ。
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- 荒れ気味だったので、リセットしました。 -- 名無しさん (2022-11-07 15:31:40)
- 光の刺激という意味では1話でも起きた可能性があったのかもしれない…? テレ東系列の放送時間なら親がテレビに近づけさせなかったとしても、地方局の放送を偶然見てしまったとすると… -- 名無しさん (2022-12-27 02:00:42)
- ちなみに結果的にだがこの事件が切っ掛けで海外展開を成功させてたりするのでポケモンというコンテンツ的には事件なのに今の地位を築き上げる最大のきっかけだったりする。 -- 名無しさん (2023-02-08 18:13:56)
- ガオガイガーの超竜神の合体もこれだったな -- 名無しさん (2023-03-25 13:33:34)
- YAT第25話、ガオガイガー、ナノセイバー、中華一番、烈火、ベルセルク、そしてアニポケ...やっぱ97年の点滅演出使用率おかしいって -- 名無しさん (2023-08-29 13:43:27)
- この手のネタってビックリするほどワクチン入れたジョーイさんには誰もツッコまれないね。 -- 名無しさん (2023-10-10 23:53:37)
- ↑ピカチュウの悪いことにしたいというネタが横行していて、ことの発端はろけっど団の悪さとか最後以外にもワクチンの爆発はあったとか無視されてる -- 名無しさん (2024-02-10 18:30:38)
- オリキャラのアキハバラ博士に転送システムやポリゴンの開発者名乗らせているので、ショック抜きにしても無かったことにされてもおかしくない話な気もする。ああなった一因もこの人がジョーイさんに誤魔化して説明しなかったせいで問題児すぎる -- 名無しさん (2024-11-14 22:53:40)
- ↑×2ピカチュウばかり公式に推されているように見え、それに反感を持つ層が一定数いるからだろう。 -- 名無しさん (2024-12-09 18:10:30)
- ↑感情論やんけ -- 名無しさん (2024-12-09 21:52:21)
- そりゃ視聴者は人間であってAIじゃないしねえ。 -- 名無しさん (2024-12-09 22:09:38)
- 「ポリゴンは冤罪被害者だ、可哀想」って言う口でそれをするんだから凄いね -- 名無しさん (2025-01-16 21:13:49)
- ガッツリ見てたのに特に気分悪いとかなかったんだよなーと思ったら明るい離れて見てたからだわ。お母さん口うるさく注意してくれてありがとう。 -- 名無しさん (2025-01-30 15:13:47)
- 今思うと、当時そんなに部屋を暗くして至近距離で見る人間が多かったんだろうか?となる -- 名無しさん (2025-09-25 11:23:25)
- 「あんまりカリカリしない方がいい」と〆ながらも、どうも感情が出過ぎているように感じる。>>当時の世相 とりあえずスイレンママを一番強調するのは削った。スイレンママだけ特記するのはおかしい。 -- 名無しさん (2025-10-01 16:24:23)
最終更新:2025年10月11日 16:11