登録日:2025/05/28 Wed 14:22:57
更新日:2025/06/04 Wed 17:39:45
所要時間:約 15 分で読めます
出典:アニメ「ポケットモンスター」 1997年4月1日~2002年11月14日まで放送。
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon
●目次
【概要】
ファンからは「
無印編」と呼ばれている。
カントー編(
赤緑)・
オレンジ諸島編・
ジョウト編(
金銀)の3部作に分かれるがその度に改題してはいない。
当初は1年間52話で終了する予定で、書籍にもそのように記述されていた。
最初期は火曜18時台放送だったが、
ポケモンショックを経ての再開後から木曜19時に移動。
そのままアニポケは2018年に『
ポケットモンスター サン&ムーン』で放送日時が変更されるまでずっと木曜19時台での放送だった。
そのため、忘れている人が多いがテレビ東京夕方アニメ黄金期を支えた作品の1つでもある。
製作会社OLMの出世作で、同社製作ユニット「TEAM OTA」の初クレジット作品。
ちなみに同ユニットの前作は『
ウェディングピーチ』である。
273話の次の無印(金銀編)最終回でサトシが
ホウエン地方のミシロタウンに到着した際に、同話でピカチュウがロケット団の兵器のせいで熱を出したことが、『
ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』第1話に繋がるプロローグとなっている。
だが、カスミ、タケシとの別れ等を描いた273話が無印編の事実上の最終回と言ってもいい内容になっている。
続く『
ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』も繋ぎがあるからタイトルは変わっても無印~DPまでは同一の時間軸である。
しかし、以降のシリーズでもサトシ、ピカチュウ、ロケット団などのキャラクターは続行していることから本作から繋がっていることには変わりはない。
物語はゲーム同様の道のりを進みつつオリジナル展開を含んだサトシ一行の珍道中を描いたもので、これは約20年間ずっと変わらない設定だった。
(本作から22年後の
新無印編においては、展開がゲームに準拠せずほぼアニメオリジナルとなっている)
途中いろいろとあったが結果的にゲーム同様大ヒットしたことで世界中に知られ、現在の『ポケモン』ブランドが確立されたと言っても過言ではない。
「『コロコロ』に行った者は、人気で『ポケモン』に負けることを強いられているんだ!」
当時子供だった人達の中には、今となっては親になった方も多いのでは?
作品の基本ベースはゲームに忠実ではある……が、
ゲーム内での描写や設定を無視する部分も目立つフリーダムな作風でもある。
(原作の設定の拡大や脚本家陣の入れ替えもあってか、後年になるにつれて原作に沿った展開も多くなっているが。)
その為トレーナーの手持ちもゲームに全く忠実ではなく、例えばいわタイプのエキスパートであるタケシがズバットやロコンを手持ちにしたりすることもある。
『
ポケモンスタジアムシリーズ』にて再現されたり、近年ではアニメオリジナルの登場人物がそのまま出てきたりと、アニメからゲームへの逆輸入も割と多い。
また、無印編はシリーズ構成が
首藤剛志氏(「首藤節」と呼ばれる独特のセリフ回しが特徴の脚本を書くことで有名な脚本家)だったことの影響か、後のシリーズにはあまり見られない言葉遊びの表現がやけに多い。
今作は「
人間とポケモンは本当に共存できるのか?」という問題をテーマとしているため、人間とポケモンが対立する描写が多めになっている。
また、ポケモンが人間に対してよそよそしかったり、ジョーイさんが「ポケモンは喧嘩のための道具じゃない」と発言したりするなど、「ポケモンは人間の持ち物ではなく、あくまでも仲間である」と視聴者に伝えるかのような描写も多かった。
もっとも、子供向け作品であるからか、基本的に広い世代に見やすいように描写に関しては気を配っており、以後のシリーズも含めて流血シーンといった身体的損傷に関する表現はほぼ描写されていない。
ただし、無印は後のシリーズと比べてお色気描写やポケモンに食欲を抱く、狂気的な表現などブラックな描写が結構多い。
後のシリーズにも言えることだが、
「声優の無駄遣い」の代表格。
セリフがある程度決められているポケモンにも著名な声優が起用される事もある。
なお、長寿アニメの宿命として出演当時は無名の新人/若手だった方々が現在有名声優として一線で活躍している、なんてケースも。
特に有名なのは
櫻井孝宏(ポケモンゼミの生徒役など)、
釘宮理恵(サトチュウを生み出したリリー役)辺り。
- ジムリーダーという職業の裏側・バッジ制度が出来た理由
- 10歳で旅立ちが許される理由となる法律の存在
- ポケモンという生き物の成り立ちや生態
- ムサシのロケット団入団前の話
などアニメでは明らかにされていない部分にまで踏み込んだ描写がされており、作風もアニメと比べると若干シリアスになっているが、小説版に関しては著者の意向などもあって2巻で展開が止まっており、最終的に首藤氏の死去により未完作品となってしまった。
3巻が出なかったのは首藤氏いわく、『ポケモン』のアニメが完結しないと書けない内容があるからとのこと。
1997年4月1日放送の記念すべき第1話は『ポケモン!きみにきめた!』だった。
【放映リスト】
カントー編 |
1997年4月1日~1999年1月21日 |
全82話(番外編含む) |
オレンジ諸島編 |
1999年1月28日~10月7日 |
全36話 |
ジョウト編 |
1999年10月14日~2002年11月14日 |
全158話 |
【劇場版】
無印時代は上記の5作が作られた。
この頃から主役は
伝説のポケモン・
幻のポケモンがメインを張り、ルギアやラティ兄妹のように次世代ポケモンが先に登場するパターンは確立。
ちなみに『ミュウツーの逆襲』と『時を超えた遭遇』は邦画興行収入年間2位、『ルギア爆誕』と『結晶塔の帝王』は邦画興行収入年間1位と化け物クラスのヒットだった。
しかしシリーズ構成の首藤剛志氏が言うには、『ルギア爆誕』の公開の際には「ルギア」がかなり高い興行収入を得たにもかかわらず、「前作のミュウツーより収入が低い」と嫌味を言われるなど、現場の状況はかなり厳しかった様子。
なお、『キミにきめた!』『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』は『ポケットモンスター サン&ムーン』期に作られた映画で、無印時代の映画ではない。
しかし、前者は無印編1話のリブート作品、後者は1作目のフル3DCGリメイク作であるため、無印シリーズの映画として分類しても差し支えないだろう。
【主な登場人物】
◇サトシとピカチュウ
ご存知主人公。
そして、永遠の10歳児。
物語開始当初は未熟だったが、回を追うごとに人間としてもトレーナーとしても成長した。
みんなご存知の電気ネズミ。
最初は顔も体も今より丸みのあるデザインであった。
性格方面も現在の優等生な優しいキャラと異なり、腹黒い性格であることを匂わせる描写もチラホラ……。
ヒトカゲ時代に心無いトレーナーに捨てられ、サトシの優しさに触れてゲットされた。
しかしリザードに進化して以来からは言う事を聞かなくなってしまうものの、オレンジ諸島編でのある一件以降からはサトシのエースに。
リザードンとサトシとの間に再び絆が生まれた回と金銀編における別れの回はそれぞれ別のベクトルで涙腺崩壊。
◇サトシの仲間達
ゲームとは大きく設定を変えられた結果愛すべきバカに。おねえさん大好き男。
大人の事情でオレンジ諸島編にて一時離脱したが、人気が高かったためDP編までメインキャラを務め、同シリーズ終了後もちょくちょくゲスト出演している。
初代ヒロイン。自称・世界の美少女。
序盤はサトシを意識するような描写があったが徐々に減少(シリーズ構成曰く、恋愛感情は「ブラフ」。)。
カントー編中盤から登場した第2世代ポケモン。
当時は金銀の開発真っただ中で、
アニメ先行出演ポケモンの元祖でもある。
チョッゲプリィィィィ
初代ギャグポケ。
毎回勝手に出てきて大概カスミの邪魔をするだけのおバカ。でもやればできる子。
ジョウト編から出番が激減。
タケシに代わる形で登場したオレンジ諸島編のお助けキャラ。
ジョウト編でタケシが復帰してレギュラーから外れて以降はオーキド博士のお手伝い兼助手として彼の研究所にいる。
◇マサラタウン関係者
ゲーム同様ポケモン界を代表する
ポケモン博士でシゲルの祖父。
本編後のポケモン講座ではほぼ必ず痛い目にあう。
後のシリーズでも準レギュラーを務めている。
サトシの母。
バリヤードのバリちゃんと共に暮らしている永遠の29歳。
性格は、基本的に静かで快活であるが、怒ったときには、誰と話しているかを気にせずに言いたいことを言ってしまうところがある。
映画3作目ではヒロイン。
◇ロケット団
お馴染みやられ役のロケット団トリオ。
ピカチュウ捕獲のためならジム戦だろうと大会期間だろうと邪魔しに来るが、最後は毎回失敗に終わる。
普段は悪役だが、たまにいい奴らになることがある。また、たまに主人公のサトシを差し置いて話のメインキャラになることがある。(シリーズ構成曰く「ロケット団はアニポケの裏主人公」)
余談だが当時発売したキャラソンは大ヒットした。
後のシリーズでも忘れたころに歌われる。閣下パねぇ……!
ジョウト編から不慮の事故で交換されてロケット団に加入し、そのまま定着したギャグ要員。
BW編を除いた後のシリーズでもニャース同様にレギュラーとして登場している。
ソォォーーーナンス!
ゲーム同様ロケット団の総帥兼トキワジムのリーダー。
アニメでは劇場版のミュウツーでシゲルを圧倒。直後に逃げられたけどな!
ムサシ達の妄想の世界では容赦なくキャラ崩壊させられている。
自称エリートロケット団員。ムサシとコジロウのライバル。
ちなみにコサブロウは、名前をサカキ以外から「コサンジ」などと間違われることが日常茶飯事である。(「コサンタ」などと間違われることもまれにあるが、本名で呼ばれることはほぼない)
間違われることに慣れてしまったためか、一回ヤマトからちゃんと「コサブロウ」と呼ばれたにもかかわらず「コサンジだ!!」と言ってしまったことがある。
劇中で、あまりにも多く間違われるので改名しようかと考えたことがあるほどである…。
当初はムサシ・コジロウより上の立場にいたが、度重なる失敗のために、今ではただの下っ端に降格させられてしまっている。
オレンジ諸島編でのスリープ回は結構恐い。
以降のシリーズでも度々登場。
ロケット団内での伝達および借金取り立て係。
◇ライバル達
オーキド博士の孫で初代ライバル。
見てのとおり
『赤・緑』のライバルがモチーフ。
初期はキザったらしい口調で話すのに加え、いつも女を連れていてサトシのことを上から目線で見る嫌味なキャラだったが、
セキエイリーグでの敗戦を機に考えを改めていき、それ以降は性格が丸くなってきた。
カントー編終盤から登場した2人目のライバルで、カントー編のラストバトルの相手。
前髪の生えたピカチュウ(レオン)がパートナーであり、手持ちポケモンに名前をつけている。
『ポケットモンスター サイドストーリー』でも活躍。
ジョウト編終盤から登場したジョウト編のラストバトルの相手。
手持ちにはニューラの他にバシャーモ・カクレオンと2匹もホウエンポケモンがいる。
バシャーモでリザードンを倒しサトシに勝利するも、ダメージは大きかったらしく次の試合で敗退した。
彼とのバトルがサトシがホウエン地方へ行くきっかけとなった。
ちなみに、髪形の元ネタは当時大フィーバーしたベッカムから。
ジョウト編序盤から登場した、チコリータ使いの関西(コガネ)弁でエレブースファンの少女。
格好から分かるようにエレブースの元ネタは
阪神タイガースだが放送当時
阪神は暗黒期だったため、サトシからは「
エレブースは万年最下位チーム 」と言われた。
余談だが、アニポケスタッフには阪神ファンが多い。
◇その他の人物
お馴染み
ポケモンセンターの看護師さん。
ジョーイさんはシリーズが変わるたびにコロコロ声優が変わるが、無印時代もジョウト編後半から声優が変わっている(初代声優の白石文子氏が引退したため)。
お馴染み警察のお姉さん。
ジョーイさんとは逆に、こちらはBW編まで声優が変わらなかった。
カントー編中盤に登場しサトシ一向を追っていた。
毎回うたうで邪魔して落書きをしていたがジョウト編から出番激減。
プリンの歌のメロディはゲーム本編のものをアレンジしたもので、後に
初代スマブラに逆輸入された。
リザードンの谷「リザフィックバレー」の管理人。
イブキとは友人。
映画3作目にもちょっとだけ登場。
BW編のリザードン再登場回では回想場面に新規作画で描かれた。
【主な主題歌】
最も有名な初代主題歌。
カントー編のOPで、ジョウト編中盤にはWhiteberryがカバー。
当時オリコンチャートに長い間ランクインして大ヒットを記録し、アニソン史上初のオリコン一位曲となった。
OPでサトシが
ピジョットを繰り出す場面は本編で見られなかったが、これは1年半程度での終了を予定していた頃にOP映像が作成されたためである。
後に人気が上昇してプロットが変更されなければ、ピジョットは最終クールあたりでサトシの主力として活躍したのかもしれない。
…が、
最終章のクライマックスにおいて
意外な形で実現する事に。
初代ED。歌うはオーキド博士。ノスタルジックな曲。
実はオーキド博士がポケモンを151匹と断言したのは実はこのEDぐらい。
後に最終章のEDとしても起用された。
秋の夜にニャースが一人でギターを弾くしみじみとしたED。
『ニャースのあいうえお』でもニャースが人間の言葉を喋べろうと奮闘するシーンでも使用され、感慨深い。
幸子EXが歌うポケモン屈指の涙腺崩壊ソング。歌詞がノスタルジック。
ただし、初放送の時が
12月のあの日だったので、この曲が色んな意味で思い出になっている人が多い。
冒頭のドガースとアーボの印象的な合いの手で入るポケモン音頭第1弾。
前作に引き続き幸子がガルーラ小林として歌う、ポケモンの盆踊りバージョン。
デフォルメされた浴衣姿のサトシたちが踊るところや、締めでプリンが倒れ転がってフェードアウト、といったかわいらしいところが魅力。
カントー編後半~オレンジ諸島編前半のED。
こちらもかなりの名曲。
DP編や最終章の最終回で流れた時は鳥肌が立ったという声が多数聞かれた。
オレンジ諸島編OP。
曲名通りにライバルとの切磋琢磨が感じられる名曲。
オレンジ諸島編後半のED。
こちらも結構な名曲。癒される。
カスミが歌う唯一の曲でもある。
ジョウト編前半のOP。
こちらもオリコン最高順位はそこそこだが売上は00年代アニソンTOP50に入る売上。疾走感溢れる曲調。
ちなみに、歌詞に登場していた自慢の技「からげんき」が本当に次の世代でポケモンのわざとして登場することとなった。
ロケット団が歌うED。
ポケモン達は3DCGとして登場。超高速で分かりにくいがポリゴンが登場している。
ゼニガメ役の愛河里花子の特技早口言葉を生かしたED。
ちなみに、愛河女氏は当時のいいとも準レギュラーだった。
いろんな意味で伝説のED。
項目参照。
「友情」をテーマにしたED。
地味だけど名曲の一つ。『ミュウツー!我ハココニ在リ』ではフルで流れた。
- めざせポケモンマスター Whiteberry Version
前述の『めざせポケモンマスター』をWhiteberryがカバーしたOP。
余談だがこの年の短編映画のテーマも同ユニットが歌っている。
ロケット団ED第2弾。
反省会たった5秒で終了するポジティブすぎるED。ロケット団好きにはたまらない名曲の一つ。
ジョウト編終盤のOP。
歌うのは『ゆずれない願い』でお馴染み田村直美。
シンセサイザーを駆使した曲であり、アニポケOPの中でも人気曲ではある。
無印最後のED。ピカチュウが曲に合わせてかわいく踊る。
短編映画『ピカピカ星空キャンプ』のEDとしても使用された。
【現在の視聴方法】
カントー編はDVD化していないため、視聴できる環境はキッズステーションなどによる再放送くらいだった。
しかし、キッズステーションの再放送もオレンジ諸島編で終わってしまうことも。
また、サトシの旅立ちである第1話に関しては現在でもなお再放送されることは多い。
無印の映像メディア化を望む声は多いが、今なおその要望が叶えられたことはない。
もしかすると
あの事件の被害に遭われた方のトラウマが、カントー編のDVD発売によって再発することがないよう配慮したのかもしれないが、その辺は公式の言及がないのでよくわからない。
もっともポケモンアニメは映像メディアなどの売上で稼ぐ事を目的とした作品ではないので、仕方ない話か。
……しかし、それはもはや過去の話。
現在は全シリーズがAmazonPrimeやU-NEXTで全話が公開されており、かなり気軽に視聴ができるようになっている。
また、YouTubeの公式チャンネルにて一部の名作エピソードが期間限定公開されている。
ポケモンマスターを目指すサトシの旅はまだまだ続く、続くったら続く…
NEXT TIME…
A NEW BEGINNING!▶
追記・修正は本編で泣いた方からお願いします。
最終更新:2025年06月04日 17:39