吉光(鉄拳)

登録日:2012/01/23 (月) 18:09:45
更新日:2024/07/02 Tue 14:01:07
所要時間:約 6 分で読めます




吉光(よしみつ)とは、格闘ゲーム鉄拳に登場している忍者である。

シリーズ皆勤キャラクターの一人であり、またシリーズを代表するイロモノ枠の一人でもある。

同社の格闘ゲームソウルキャリバーシリーズにも同名のキャラがいるが設定上繋がりがあるだけで別人。
これは『SCシリーズ』と『鉄拳シリーズ』が同時間軸という理由がある。

プロフィール

キャッチコピー:宇宙忍者(3以降はからくり宇宙忍者)
国籍:なし(元日本) *1
格闘スタイル:卍流柔術(初代鉄拳のみ)→卍忍術(2のみ)→卍忍術進化型(鉄拳3~)
年齢:?歳(後述)
身長・体重:178cm・63kg
血液型:O型
好きなもの:テレビゲーム、ゲームセンター
嫌いなもの:悪人、マナーの悪いプレイヤー
声優:原田勝弘(初代からTAGまで)、大川透(1997年ドラマCD)、関智一(鉄拳4以降)、土田大(6・TAG2のみ)、下山吉光(2009年実写吹き替え)

概要

義賊集団「卍党」の党首。貧しい人々の為に戦う盗賊である。大体狙われるのは三島財閥。悪事の塊だからしょうがない。
慈善をモットーとし、私利私欲のための盗みは絶対に許さない*2など、基本クズ問題児ばかりの鉄拳世界でも明確に良い人である。

作品では年齢不詳扱いだが、資料では明らかになっている。初代鉄拳では63歳で参戦し、以降
2:65歳
3:84歳
4,5:86歳
6,7,8:記載なしだが、同じかこれ以上の年齢*3
という高齢で現役ニンジャの頭領の座を維持している。すごい爺さんである。それもあってか、四字熟語や故事成語でしか話さないという変わった習慣を持つ。*4

そんな彼の趣味は、ネットサーフィンにゲームとかなり庶民的。大体俺らと同じ。嫌いなのは対戦マナーの悪い人。やはり良い人感がにじみ出ている。

本人の性格も非常に義理堅く、『2』にて潜入先の研究所で左手を失うものの、Dr.ボスコノビッチに助けられて以降は恩人として彼を慕っている。
なお失った左腕は新たに義手となっている。後述するプロペラ飛行が出来るのはこの義手の手首部分が無限に回転できるから、という理由。
『5』にてDr.ボスコノビッチの指示で助けたブライアンに、自身の部下を殺されたときには仇討ちに出向いているが、これは「恩を仇で返したブライアンが許せない」からであろう。
そのため『5』と『TAG2』の吉光のEDはブライアンを一刀両断して爆散(!!)させている。因果応報。

シリーズを通じて素顔を見せたことは一度もなく、常に仮面やフェイスシールドで顔を覆っている。
忍者の肩書通り、自身と同じ名前の付いた妖刀「吉光」を使った格闘術を用いる。
…仮にも格闘大会で刀は駄目でしょ、って思った方もいるだろう。
これに関しては『8』のトーナメントの実況者によれば「刀はルール違反なのか?答えはYES。だが忍者は法律の対象外だ!」ということらしい。
対戦相手のブライアンも(戦闘前演出だけとはいえ)ガトリングガン持ち込んでるし。
諸君、それが鉄拳である。

彼をイロモノたらしめているのはその奇抜な装束(しかも毎作品全く違う姿になる)、そのインパクトに負けない奇抜な技だろう。
順を追って説明する。

作品ごとの衣装


鉄拳(初代)

赤いラインの入った銀の鎧に、般若の面を被って参戦。プレイヤーセレクトでも能面しか表示されないという潔さ。
どう見ても日本の甲冑デザインでは無いということはさておき、この頃はまだデザイン的にはおとなしめ。
ちなみに1Pカラーでは赤い長髪をさらけ出しているが、2Pカラーになると頭部もカバーで覆うようになる。

鉄拳2

「宇」と書かれた編み笠と鬼の面を被り、鉄の胸当て、袴(おそらく伊賀袴)、脚甲・手甲をつけて参戦。今作から左手が義手になっている。
面の開口部や首元から肌が露出しており、恐らく歴代吉光の中でも一番まともで人間らしい格好。エンディングでは一瞬だが、口元がはっきりと映る。
2Pカラーは全身を鉛色の日本鎧で武装したスタイル。ただし面は変わらない。この作品から、1Pと2Pで全く違う姿に変わるようになる。

鉄拳3

吉光がおかしくなった転換期
仮面というよりは、もはや外骨格のような円盤型の頭部へと進化。顔面は骸骨。首や肘裏からは筋肉のようなものが露出しており、上半身だけ見れば完全に異星人。また刀も突然変異しており、ライトセーバーのような光るKATANAと化している。
一方で下半身は、金色の装飾が入った袴に脚甲、藁草履と忍者らしい正統派スタイルを維持している。
鉄拳TAG、ストリートファイターX鉄拳でもこの姿で出演しているため、吉光=鉄拳3の姿というプレイヤーも少なくない。
2Pカラーは西洋と日本を足して2で割ったような鎧。兜の後ろから赤い装飾が出ているが、頭髪の可能性もある。
ちなみに、3で新録された吉光の声は奇声が多く、こんなバケモンみたいな姿で「ヌゥゥゥン!」「キエェァア!」と甲高い声で叫びながら刀をぶん回してくる。怖い。

鉄拳4

全身に鎧を着たスタイル…なのだが、茶色の鎧に角の生えた兜、極めつけは背中の羽根とどう見てもカブトムシ(しかも飛行可能)。しかも兜の下から除くのは正真正銘の骸骨。人間らしさは消失している。
2Pカラーは般若らしき面を被り、また赤い長髪を晒すなど、初代を意識した赤と銀の日本鎧スタイル。こちらはかなり人間に近い見た目。

鉄拳5

更にゴツくなった鎧武者スタイルで参戦。忍者とは。鋭い目つきの骸骨を透明なフェイスシールドで覆っており、更にその後ろからタラバガニの脚のような何かが生えている。
なお3~4でライトセーバーと化していたKATANAは普通の日本刀デザインに戻った。
別コスチュームでは編み笠に袴と、2に似たスタイルにもできるが、顔はやはり骸骨になっており、人間というよりは亡霊に近い印象。
更には大暮維人氏がデザインしたEXコスチュームも収録されている。こちらは青肌でガリガリの身体をふんだんに露出し、数珠を肩から下げるというこれ以上ない変態的デザイン。思いっきり素顔出ちゃってるけどEX衣装だからノーカン。

鉄拳6

今作から妖刀「吉光」に加えて「封魔刀」を手にした二刀流スタイルへと変わった
基本的に鎧スタイルから変化はなく、形状は変われど仮面も骸骨のままだが、今作は骨格モチーフがより全面に押し出されており、胸当て部分が完全に肋骨、脚甲の意匠や背中から生えているものも脊椎のような見た目になっている。

鉄拳TAG2

鎧武者スタイルは継続。しかし今作はずいぶんとスマートになっており、敢えて言うならば和のモチーフが表れている。
後ろに謎の輪っかを携え、顔は仏像のような、厳つくも美しいスタイルに進化。見得を切る勝利ポーズの画はもはや芸術の一言。
ちなみにスマブラSPのスピリットとして客演しているのはこの姿、本作が任天堂ハードで発売されたことがある為だろうか。

鉄拳7

まず目を引くのは身体からいくつも生えたその触手だろう。仮面、肩、背中から生えるイカのような触手は、過去作と打って変わって生物的なイメージを与えてくる。試合中でもぬらぬらと動き続けるため、ハッキリ言って気が散る
合わせて身体の方も、3のような外骨格から筋肉が露出したデザイン、5のようなシールドに覆われた顔面、(だいぶ大人しくなったが)6のような肋骨モチーフの胸部など、過去作のオマージュらしき要素が垣間見える。
作中の他の人物から見ても奇抜に映るようで、ストーリーではこの見た目のせいで助けた相手に「うわぁぁぁ、変態!バケモノー!」と言われ逃げられてしまう羽目に。

鉄拳8

3のような甲冑忍者スタイルへと戻り、装飾が多かった最近の作品と比べるとシンプルな造形になった。
上半身は筋肉をかたどったような造形の鎧で、青色をベースにオレンジの発光で差し色という、手堅いながら意外に斬新なスタイル(腕の発光部には筋繊維のようなモノが見えるが、多分そういうデザインなだけ)。頭部は3様の円盤型をしているが、地球外生命体のような顔だった過去作からスタイリッシュな表情に変わった。また首にマントを巻いている。
下半身はおなじみの袴+脚甲という組み合わせだが、色はグレーに暗めの金装飾という組み合わせであり、上半身とのバランスが良い。総じて歴代でも上位に入るカッコよさを誇る。
また右手の指先には何も着けておらず、久しぶりに吉光の素肌が拝める衣装となっている。

散々衣装についてその奇抜さを語ったが、技についても色々とおかしい。
毒霧を吐く、足を中心に回る(「忍法卍葛」など。回りすぎると目を回して倒れる)、突然あぐらをかく(「卍あぐら」)、何回も前転しながら相手を蹴り上げる(「日向砲」)なんてのはまだ可愛い方。

  • 後ろを向いて祈りながら体力回復する「無想」
  • 刀を地面に刺して一本立ちし、そのまま突進する「地雷走り」
  • あぐらをかいたまま突然相手の後ろにワープする「千覚無空舞」
  • 刀を高速回転させてプロペラ代わりに飛行する「卍蜻蛉」
  • 刀を縦に構えると爆速*5で超小さい攻撃判定が一瞬出る「吉光ブレード」*6*7
  • アイアンクローして相手の体力を吸い取る「御霊削り」
  • 逆にアイアンクローして相手に体力を注入する「御霊返し」

極めつけは
  • 切腹して相手と自分に大ダメージを与える「不憂」&「不惑」 獄殺自爆陣ではない
  • ↑から腹に刀を刺したまま回転して近づく「卍血桜」
…とこのように、初見では必ず驚くであろう強烈な技の数々を持つ。


性能的にも、刀を用いたガード不能技が全キャラで最多だったり、刀を仕舞って別の技を出したりと非常にトリッキー。
とてもではないが初心者にはおすすめできないキャラクター。しかし一見ふざけた技でもちゃんと使い道はあり、こういったロマン技を使って勝負を決めたときの爽快感は本物。特に切腹で止めを刺せたときは脳汁が溢れること間違いなし。

イロモノな見た目とこういった奇抜な技ばかり目を引くが実際のちゃんとスタンダードな性能な技も持ち合わせている、むしろ戦闘ではこういったスタンダードな技で堅実に立ち回ることが重要なキャラである。
堅実に戦いつつトリッキーな技で虚をつくのが吉光らしい戦い方であり、最初は堅実に戦うところから始めたほうが良いだろう。
ちなみにソウルキャリバーシリーズの吉光はこちらと逆に奇抜な技でひたすらに翻弄する戦闘スタイルだったりする。

戦闘では使わないが、忍者なだけあって一部のムービーでは煙玉を使うことがある。

追記、修正はお腹かっさばいてからお願いします

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最終更新:2024年07月02日 14:01

*1 なぜ国籍を手放したのかは不明。ちなみに、同シリーズでは三島一八も日本国籍を捨てている。

*2 そのため同じ卍党の州光(初代)はこれを破ったために破門されている。……本人は懲りてないみたいだが

*3 8公式サイトのストーリーによれば7→8は半年以上が経過している模様

*4 高齢なら慣用句でしか話さないのかというツッコミはNG。まあ一言も発しないドラグノフとか、吠え声しか上げないキングよりはマシ。

*5 発生6Fと鉄拳界最速

*6 密着ですら当たらないほどリーチが極めて短く、相手からめり込ませないといけない欠点があるが、それでも割り込みに置きに大活躍。

*7 ちなみに鉄拳4の吉光ブレードだけは、ダメージがない代わりにヒット時に相手が出していた技をコピーするという輪をかけてヘンな性能をしていた。当然実用性は皆無。