疑似科学

登録日:2019/07/25 Thu 22:57:38
更新日:2019/09/09 Mon 19:02:16NEW!
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疑似科学(ニセ科学・トンデモ科学とも)とは、 科学的姿勢をとっていないにもかかわらず、あたかも既存の科学的事実を否定できるかのように詐称している何か のこと。
あくまでも「科学的手法を取らずに科学を自称している」存在に対して向けられる言葉であり、そもそも科学で扱えない範疇の事象に関してこう呼ぶのは不適切である。

未科学・宗教・オカルトとの違い

未科学は「現在の科学で事実と断言するのは困難だが、明確に否定するのもまた難しい」事象である。ただし、実際の科学的論議の場で使われることはほとんどない。
疑似科学の信奉者が「あくまで立証されていないだけでこれは未科学です!」と主張することもままあるので注意。

宗教はそもそも突き詰めれば仏教のように「人間はどう生きるのが幸せか?」「どうすれば社会の平穏・秩序が保たれるか?」を解き明かすのが目的であり、科学とは相反するどころか「論じている土俵が違う」ため本来は対立しあう関係ではない。
「お釈迦様が悟りを開いたのは科学的事実かどうか?」なんてことは科学で調べられる対象ではないのだ。
ただし、「ノアの大洪水は実際にあった歴史的事実であり、地質学的にも立証されている」なんてことを実際の科学的証拠を無視して論じ始めるとそれは疑似科学になる。

オカルトは科学では取り扱えない微妙な分野の事象であり、そもそも霊能力者の皆さんは「霊の実在を科学で解き明かす」なんてことは望んでいないことが大半だろうから、これも基本的には宗教同様に科学と対立する立場ではない。
しかしこれも「オーラを科学的に分析する」「超能力の科学的トレーニング」のように科学を自称し始めると疑似科学になる。


疑似科学の特徴

  • 自分に都合のいい証拠はどれだけ怪しくても採用、不利な証拠はどれだけ信頼性が高くても無視
逆に言えば「まず信じる」ということが前提にあり、どれだけ論破されても決してそれを認めない態度のこと。
そもそも科学と言うのは「まっさらな状態から実験・観察で得られた証拠・事実を互いに照らし合わせ、どのような考え方をすれば最も矛盾が少ないか」を探す方法論なので、このようなまず結論ありきの考え方を取った時点で既に科学からはかけ離れている。
確かに、一定の仮説を前提に考えていかなければ行うべき実験や観察すら定まらない場合はあるが、その場合にも仮説が正しいことを前提としてはならないのである。
ぶっちゃけこれが許されると、どんなトンデモ理論でも立証可能になってしまう。
「自説に反証可能性*1がない」という特徴もここから派生する。

  • 事実ではなく感情や信念を重視
「そんなことは我々の信念から認められない」など。
あるいは自身の感情や信念を「定説」「〇〇では常識」といった形で正しいように主張するケースも。
最初から自身の信条に沿う結論ありきで論理を組み立てるため、傍から見ればツッコミ所満載な理論が多い。
宗教系・イデオロギー系の疑似科学に多い。

  • 自分たちをガリレオやパスツールに例えたがる
いずれも画期的な科学的理論を構築しながらも、当時の異端として批判に晒された人々。「彼らと同じように自分も画期的な理論を唱えているが故に頭の固い科学者から批判されているのだ」と言う理屈。
ガリレオやパスツールが正しかったのは彼らが批判されたからではなく、彼らが他の科学者・後の科学者を納得させるだけの証拠を提示できたからだ ということがわかっておらず、「批判されているのだから自分も正しい」という謎の理論に走りたがる。
既存の科学がすべて正しいとは限らないのは確かであり、科学的姿勢のもとに検証・批判を行うこと自体は重要なことであるが、 既存科学が正しくないからと言って疑似科学が正しいということにはならないことを忘れてはいけないのである。

上と重なるが、当然自分たちが科学的にお粗末すぎて認められていない。
ところが、認められない原因を自身の説が間違い、百歩譲っても検証不足に由来することを認めず、政府や大企業・既存の学界に目の敵にされていると思う。
これを事実とすると大企業の製品が売れなくなるため政府を通じて圧力がかかっている、学者の頭が固すぎて新説を認められないなどなど。
とはいえ、実のところ後述するルイセンコ主義やEM菌のように 政府や為政者に気に入られれば ワンチャンあったりする。

  • 論文は書かない
大抵こう指摘されると「論文を書くだけの時間的余裕がない」「頭の固い科学者に論文の雑誌掲載を阻止される」などと返ってくる。
しかし、前者の主張をする人は大抵一般向けの書籍執筆やテレビ出演はしっかりやっていたりするので何をかいわんや。
後者については、 大抵の雑誌には論文の査読がある というのが真の原因と思われる。疑似科学と言うのは大抵実験条件を厳密に整えていなかったり対照実験をしっかりやっていなかったりするため、査読者にボツを食らいやすいのだ。そもそも普通の論文ですら査読は通りにくいのに*2
なお、「学会で発表した」というのを功績か何かのように語る疑似科学者も多いが、 学会発表は論文発表よりも審査のハードルが低い ため、割と疑似科学も素通りだったりする。
実際、あんまり厳密にやっても科学の権威化として批判されてしまうのでその辺はバランスを取っているようである。そのため「学会発表した」=「学会で認められた」かのように語る輩は要注意、である。
ちなみにこの手のトンデモ発表は大抵初日の早い時間にまとめられており、本来の真面目な発表を邪魔しないようにスケジュールが組まれているらしい。

  • 特許や採用実績を強調する
特許・実用新案は技術の保護をするだけで、永久機関でない限りは技術の検証では却下されない。

疑似科学の問題点


  • 科学的な説が疑似科学扱いされる
科学的に正しいと認められるまでは、相当多くのプロセスを踏まなければならない。
そして、そのプロセスの結果を読みこなすのも、決して片手間にできる作業ではない。
結果として、読む側も「どーせまた疑似科学でしょ」と科学的な検証を踏まえた説まで見向きもしなくなってしまう。
決めつける側の態度にも問題はあるが、多くの疑似科学が読む側にオオカミ少年現象を起こさせているのである。

  • 悪徳商法に使われる
人々は効果が期待できると考えるからこそ、高い金を出して効果のある商品を買うのである。
だが、実際には効果が全くない品物を疑似科学の理論でもって効果があると誤信させるなら、それは悪徳商売に他ならない。
消費者庁も、しばしば「こんなのは疑似科学だ。科学的な面して商品を売るな」と命令を出している。

  • 健康被害が起きる
疑似科学を信じた人々は、医者による治療を拒絶して疑似科学による治療もどきに頼ろうとすることが少なくない。
どんな名医も、自分の言うことを聞かない患者を治すことはできない。
結果として、疑似科学は信じさせることで人を殺すことができてしまうのである。

代表的な疑似科学

  • ホメオパシー
疑似科学の代表格にして、トンデモ医療の代表格。
「極端に薄めた毒物(レメディ)を摂取すると、その毒で発症する病気が治る」という何言っているんだかよくわからない謎理論。レメディは大抵砂糖に染み込ませて摂取される。
そもそもが希釈の度合いがあまりに極端であり、 計算上レメディには元になった毒物が一分子も含まれていない ため、単なる砂糖玉としか言いようがない。
しかし、ホメオパシーでは 薄めれば薄めるほど薬効は高くなる という何度聞いても意味不明な理屈が唱えられているためこの方がよく効くらしい。
「水の記憶云々」として語られることも多い。

一応擁護しておくと、この理論が提唱された当時は瀉血などのあからさまに有害な医療がまかり通っていた(別名「英雄医療」)。
それに比べれば「単なる砂糖玉」に過ぎないレメディは完全に無害であり、患者の治癒率は結構高かった(もちろん自然治癒する範疇のものに限る)。
あのナイチンゲールも「勝手に薬を使いたがる素人は危なっかしいからレメディでも与えて満足させておきなさい」と言っているぐらいである。
発祥当時(18世紀末)は分子論も存在せず、キニーネ(マラリアの治療薬で大量投与するとマラリアに似た症状が出る)という根拠もあったので致し方ない面もある。

現代では二重盲検法*3によるテストも重ねられており、「ホメオパシーの薬効はプラシーボを超えるものではない」と結論付けられている。
「無害なら別にいいじゃん」と思われるかもしれないが、ホメオパシー始めトンデモ医療の危険な点は 標準医療を否定している ことにある。
特に近年のホメオパシー業者はレメディを売りつけるために他の疑似科学や陰謀論を組み合わせたり、左右問わない市民運動系に食い込んだり騙されやすい性格の芸能人を利用したりと銭ゲバっぷりが露わになっている。
実際日本でも、ホメオパシーを信奉する助産師によってビタミンKの代わりに勝手にビタミンKのレメディを与えられた新生児が死亡するという事件も起きている(この件は民事裁判となり、結果は公表されていないものの和解となった。しかし助産師の所属する団体の親玉が被害者遺族を中傷するなど後を引いている)。
また、現代の日本のホメオパシーは元になった理論とはかけ離れたところに向かっており、なんと 般若心経のレメディ とか ベルリンの壁のレメディ まで売っている。もはや完全にオカルトである。
とりあえず、「般若心経をどうやって希釈するのか?」ということを是非とも教授いただきたいものである。

  • バッチフラワー
フラワーレメディ、フラワーエッセンスとも言う。ホメオパシー信奉者の1人が編み出したもの。
花の癒しのエネルギーを転写したと称する水を飲み物に垂らしていただくことで心に作用すると称している。
作り方は「花を水に浮かべる」「花を煮出す」とかほとんど子供のおまじないレベルであり当然のことながら、科学的にはただの水(商品として並ぶ場合には防腐用のアルコール類なども)である。
アロマテラピー用のエッセンシャルオイルは植物の成分は入っているが、こっちはまるっきり有用成分はない。
女性雑誌の編集者やアロマショップの店員に信奉者が多いのか、結構その辺の店でもアロマグッズに混じって売られているので要注意。

  • ルイセンコ主義
数少ない国家主導の疑似科学にしてソ連崩壊の一因、そして疑似科学の危険性を一発で理解できる悪例。
1930~60年代にソ連の生物学者トロフィム・ルイセンコが提唱した学説だが、
その内容は「低温処理によって春まき(秋まき)小麦を秋まき(春まき)小麦に変質させられるように、遺伝的性質は後天的に変化させられる」というもの。

こんな「ブスに整形を施せば子孫は皆生まれつき美女かイケメンになる」というレベルの戯言は
獲得形質の遺伝を是とするラマルクの学説に基づくものであると同時に、現代遺伝学の定説にして資本主義国の主流であるメンデル遺伝学に真っ向から反するものである。
普通の国なら科学的に否定されるはずだが、ここはソ連。
「努力すれば必ず向上する」「革命によって人類は急速に進化する」という、共産主義のイデオロギーと合致した理論が時の最高指導者にいたく気に入られ、あろうことか国策として用いられてしまった。
その最高指導者とは?ルイセンコが活動した年代で想像がつくだろう。そう、スターリンである。
スターリンの庇護を得たルイセンコは、反対する他の科学者を「反動的なメンデル主義者」として片っ端から粛清。
邪魔者を一掃した彼は自身の学説に基づく農法を推し進めたが、その方法は「雪の上に種を撒く」といった斜め上のものばかり。
当然のように失敗して深刻な凶作をもたらしても、「富農が私の理論を歪めた」とイデオロギーの話にすり替えるばかりで一切反省しなかった。
DNAが解明された今となってはルイセンコの学説を支持する者は消えたが、彼に弄ばれて失った資源や人材は最早戻ることは無い。
こうしてロシアの農業・生物学は今日に至るまで他国に大きく後れを取る羽目になった。

日本で最もメジャーなトンデモ。詳細は項目参照。

多くのゲーム好きちびっこを恐怖させた脳科学理論(?)。詳細は項目参照。

単なるバーナム効果*4。星占いと同じような感じで話題のタネにするぐらいはいいかもしれないが、深入り無用。
この理論にナチス起源説が存在すること、たいていA型が持ち上げられてB型が貶されていること、そしてドイツ人にA型が多くユダヤ人にB型が多いという事実を踏まえると……もう皆までは言うまい。
戦後日本で流行した原因となる能見親子の本のスカスカぶり(主に統計的な意味で)もすさまじい。
なお血液型による占いや性格診断が日本で流行しているのは、日本人はABO式4種で血液型が満遍なく分かれている点が大きい。
アメリカ合衆国など諸外国では血液型が1~2種に偏りがちなため占いのベースにする事自体が難しい事から、
血液型に因む占いや性格診断へ信頼度、延いては馴染み自体が薄いとされる。

  • ゲルマニウム
未だに多く販売されている謎健康金属。特に健康に影響があるという証拠は 存在しない
まぁ着けている分には単なる金属のブレスレットなので、それだけなら害はないが、これを信じて効果のない品物に高額な金銭を出してしまう消費者被害にはつながってしまう。
ちゃんとした大学・研究機関・政府機関がゲルマニウムに注目するとしたらほとんどは半導体関連だ。

  • 右脳左脳
「左脳に言語野がある人が多い」というのは事実だが、「創造力の右脳」「理論力の左脳」のような極端な差は基本的に存在しないとされる。
左利きは右脳が活発なので天才が多い」というのも単なる俗説。

  • 反ワクチン論
大抵は極端な自然主義者たちが「ワクチンは有害」としてワクチン接種を拒むために掲げられることが多い。
しかし多くは統計の取り方がおかしかったり理論がおかしかったりして論ずるに値しないものがほとんど。
この理論の危険な点は、 ワクチンを拒む人が増えることで感染症も拡大する ことが懸念されること。これに関しては WHOも本気で危惧している
また母親の乳児の健康への不安に付け入って持論を展開し、誤った各種処置で乳児の生命を脅かしていることも危険点の一つである。
ちなみに上記のホメオパシーなんかとも仲が良い。

  • 千島学説
「血液は腸でつくられる」「細菌で病気が発症するのは間違いで汚れた血液が原因」などとするトンデモ理論。
とりあえず、この理論が正しいとすると 生物体内での血液の細胞分裂を観測している無数の科学者(含医大生など) は、全員重大な事実に気づいていないノータリンか、気づいていながら陰謀に加担して黙っていることになるのだが……。

特殊相対性理論は 中学生でもわかる ほどに平易な理論であるためか、攻撃対象にされることが多い(一方一般相対性理論はあまりに難解なためか滅多に攻撃されない)。
あまりにも攻撃者が多いため、と学会では反相対性理論に関する書籍は「 相ま *5」という独立したジャンルとして扱われている。
「物体の長さや時間が自由自在に変化するなんて明らかに感覚的に信じられない!」という感覚的な観点からの批判が多い。
また「宇宙の果てからUFOが来ている」派の人には「物体は決して光速を上回れない」とする相対性理論は邪魔なためか批判されやすい。
なお、SF諸作品に登場する超光速粒子「タキオン」は「もしも相対性理論に反せずに超光速で運動するものが存在したら」という仮説上の存在であり、反相対性理論とは無関係。
タキオンの存在は現在でも確認されていないが、こちらはこちらで「タキオン靴下」などの疑似科学グッズとして商品化がなされている。

  • 反進化論
アインシュタインと並んで攻撃されがちな理論。特にキリスト教系の原理論者からは聖書の記述と真っ向から反するために攻撃されやすい。
中には 「種の起源」を読みもせずにダーウィンを批判している 人すらいる(種の起源に思いっきり答えが書いてあることを批判している)。
一部では宗教色を薄めて科学を装った「創造論」「インテリジェンス・デザイン(ID)論」などの理論に化けて身近に迫ることもあり、
アメリカではキリスト教保守派が強い州で「進化論とID論は どっちもどっちなので 学校では両方教えるべき」という頭が痛い状況になった事も。
実際に成立したとしても 我々を創造した存在を創造した存在を創造した… と無限ループになってしまう。
それを皮肉って「ならこういうのもアリになるよな?」と生まれたのが、かの有名な空飛ぶスパゲティモンスター教である。

  • EM菌
一部学校教育にも使われている謎の細菌。「Effective Microorganisms(有用微生物群)」の略。エンタメではない
人間を助けるいろいろな効果があるらしいが、「EMは神様だと考えることです」「いいことはすべてEMのおかげ、悪いことが起きたのはEMの極め方が足りないから」「重力波で元素転換」などその主張はほとんど宗教である。
川や海の水質改善に使われることもあるが、 そもそもの詳細が不明確な細菌を放り込む ことが果たして本当に水質改善をもたらすのかは限りなく怪しい。
本来は「ぼかし」というたい肥などを加工する技術(そちらとしては特に問題は無いらしい)なのだが、どうしてこうなった。
さらなる問題は、 行政や政治家への汚染が酷い という点。「EM菌を川にまく」とかアホな行事をやっている自治体も結構ある。もはや和製ルイセンコ主義一歩手前である。

  • 外気功
体操などの運動を伴う「内気功」とは異なる。内気功はラジオ体操みたいなものなので、よっぽど過度にやらない限り健康に悪いわけもない(もちろん劇的な効果は期待できないだろうが)。
しかし、「他人の身体に『気』を送り込んで治療する」と称する外気功は非常に怪しい。というか、ほぼ間違いなくプラシーボとか催眠の範疇とされている。

エネルギー問題の解決を夢見させ、資金調達がやりやすい部類のため多くの疑似科学者が提唱している。
ただ、大抵は機械が動かないか理論の構築が間違っている。
例として「動的作用反作用の法則」を挙げると加加速度運動の式の導出途中に等加速度運動の項がなぜか表れているのでエネルギー保存則が成り立たなくなるように見えるトリックがある。

  • 経皮毒
皮膚から有害物質が体の中に入るという説。
もちろん明らかな有害物質やアレルギー持ちの人が触ってどうにかなるという話で収まる範囲なら問題はないのだが、シャンプーや合成樹脂の成分まで体内に浸透するかのように言い出すとやばい。
インチキ商法への取っ掛かりとして多用されており「デトックス」を称するもの、生理用の「布ナプキン」販売業者で経皮毒ネタを使っている店舗がとにかく多い。普通に売れ。

  • バーストラウマ
「妊娠中や出産時に母親がストレスを抱えると子供の成長後もトラウマになる」と称する言説。「順調な自然分娩至上主義、帝王切開や陣痛促進剤、無痛分娩はトラウマになる」という売り文句が主。
一部の悪質なヤブ産科クリニックや助産院、怪しいヒーリング業者の商売にもよく利用されている。
元ネタは精神分析における『出生時の』心理的外傷、赤ん坊側のトラウマだと思われるが、なぜか入れ替わっている。

  • 水からの伝言
「名勝の水や「ありがとう」等のいい言葉を見せた水からは綺麗な結晶ができ、水道水や「ばかやろう」等の悪い言葉を見せた水からはいびつな結晶ができる」と称するトンデモ。いわゆる「波動ビジネス」の実業家の著書で創作されたもの。
「いい話だからいいじゃん!」なノリの教育関係者が道徳の授業などで使っている。普通に「きれいな言葉を使いましょう」って言えばいいだけなのに。

  • 角の三等分線の作図
定木(目盛りの無い定規)とコンパスを用いて与えられた角を三等分できるかという幾何学の問題。どんな大きさの角でも有限回でできる方法、である。
角の二等分線は非常に簡単であるため、これも可能ではないかと古代ギリシャ時代から考えられ続けてきた。
これと「与えられた立方体の2倍の体積の立方体(立方倍積問題)」「与えられた円と等しい面積の正方形(円積問題)」は「ギリシャ三大作図問題」などと呼ばれ、いずれも古代から人類を悩ませた……が、19世紀になって、3つとも作図不可能であることが証明された*6
しかし、その中でも三等分については未だに諦めない人が多く、できもしない作図に取り組み続けている。そして彼らは数学者たちにいくら「方法」を送り付けても「どうせ不備があるから見るだけ無駄、不備を指摘しても懲りずに直してまた送り付けられるだろう」と相手にされず、やはり「自分は理解されない」と思うのだ。彼らに「三等分が不可能であることの証明を読む、およびその背景知識を学ぶ」という発想はおそらくない。無理と言われたものを根気で何とかできるケースとそうでないケースがあることもおそらく知らない。
ちなみに、定規の目盛りや折り紙など最初に挙げた以外の道具を用いた方法、定木とコンパスを用いて近似的に三等分する方法はある。
また90度や180度といった特定の角であれば、定規・コンパスのみで作図が可能。
そしてこの問題は「どんな角でも三等分できる」という点がキモなのだが、「一つでも三等分できる角があればいい」と履き違えた、あるいは勝手に解釈を歪めた者がこういった「特定の角の三等分」によって解けたと主張することもある。言うまでもなくこれは証明の根拠にはなっていない。

  • O-リングテスト
人差し指と親指で丸を作り、それを両方から引っ張って診断するという偽医療。
体の異常がある方から指が開くとされているが、ほとんど指相撲である。
これの信奉者をやりこめた指相撲の強者による笑い話もちらほら。
なお、人体の構造上人差し指を引っ張ると開く、親指は開かないのでいんちきも簡単である。

  • フードファディズム
簡単に言うと、「食物の人体への影響を過大なほどに信奉する」考え方のこと。
もちろん食べ物が人間にとって重要なファクターであることは言うまでもないが、フードファディズムと揶揄されるような考え方の人々はその度合いが極めて極端なところに行っている。
例えば、「カップラーメンや清涼飲料水の消費量が多いと少年犯罪が起きやすくなる」など、明らかに健康とは関係ないところまで食物が影響していると考える(実際そういう傾向があったとしても、食べ物そのものよりも「少年時代からジャンクフードばかり食べているような荒んだ家庭環境」の影響の方が遥かに大きいだろう)。
また、有名どころだと「買ってはいけない」のようにごくわずかな食品添加物の影響を針小棒大に騒ぎ立てる一方、食品添加物より遥かに危険なアルコール類の危険性にはノータッチだったりする輩もいる。
基本的に極端な自然主義傾向が強く、砂糖や食品添加物を過剰なまでに忌避することが多い。「マクロビ」などと絡めて紹介されることも。
他には「発掘あるある大辞典」の「納豆ダイエット事件」などもフードファディズムの考え方に近いと言えるか。

  • 素粒子の名を冠する商品
クォークと電子以外の素粒子は物質への干渉力が非常に小さく、食品や雑貨などのサイズではまず体に影響を与えないのだが、素粒子による効能を謳う商品は多い。
とくにタキオンとグラビトン(重力)は観測が現在の理論では不可能であるにもかかわらず、サジェストに「野菜」「セラミック」などの商品が出てくるほどに販売されている。

  • NMRパイプテクター
日本システム企画が鉄パイプ内の赤錆を抑える・黒錆に変えるという効能で売り込んでいる商品。
動力源減の説明がころころ変わる上に、そのすべては論破されてからの後手対応という始末。そのうえどの説明でも必要なエネルギーが出せない。
ただ、疑似科学組織の御多分にもれず番外戦術が非常に得意で、
  • マンションや病院に売り込むのは常套手段
  • 批評を潰したことを検索時の広告に出す
  • 行政の報告書を引用したフリの捏造発言
  • ラジオ、テレビ番組に出る
  • 電車や空港に広告を大量に出す
  • 途上国支援に名を挙げる
ただ、RikaTanを潰したときはそれが拡散され大いに逆効果となった。

疑似科学かどうか未知数な理論

  • 水素水
その商品展開の非科学さから一部で嘲笑と共に話題になった商品。
ただ、「水素が体に与える影響」についてはいまだ検証段階であり、実際のところ本当に健康にいい可能性は否定できない。そもそも水素は水にほぼ溶けない。牛乳を体内で発酵させた方がよっぽど水素が出る。
水素水にとって不幸だったのは、その効果がハッキリしない内からメーカーによって過剰な宣伝がされてしまい「インチキ健康食品」のイメージが世の中に広まってしまったことだろう。
そのためもはや新たに検証しなおすのも困難なのが現状である。

  • 化学物質過敏症
化学物質に長く晒され続けると、化学物質に対する耐性が低下してしまいわずかな化学物質に対しても過剰な反応を示してしまう…….とされる病気。
ただし、医学的にその実在が確認されたことはない。
決してありえない病気と言うわけではないが、問題なのはこの病気が「精神的な疾患」である可能性が否定できない点である。特に実際に化学物質が含まれているかどうか、よりも患者本人が化学物質が含まれていると認識しているかの方が症状に強い影響を与えているケースが散見されるのだ(例:天然木材のアロマで症状が改善される、という患者の報告もあるが、天然の木材でもダイオキシンなどの有害な化学物質は発生しうる)。
むしろ、「自分は化学物質過敏症なのだ」と認識してしまい過剰に化学物質から距離を置こうとすることが余計に強迫的に症状を悪化させてしまっている可能性すらあり、精神科にかかれば改善されうる患者が病名そのものによって不利益をもたらされているとすら指摘されている。

  • PATM
「People (are) Allergic To Me」の略で、「他人にアレルギー症状を引き起こす病気」とされる。
ただしこちらも化学物質過敏症同様に医学的には認められていない。
やはり医学的にありえない病気というわけではなく、「PATM患者は皮膚から有害ガスを多く発生させている」とする報告もあるのだが、患者の症状の多くが統合失調症の「自臭症(自分が臭いのではないか?と思ってしまい周囲の人の些細な反応まで自分の臭いに対する反応と思い込んでしまう病気)」と酷似していることが指摘されている。
PATM患者と自臭症患者を明確に区別する方法論は確立されておらず、これもやはり「自分はPATMなのだ」と思って精神科を避けてしまうことが症状の悪化を招く危険性がある。
また、何よりこの病気が疑わしいのは実際にPATMがあるなら、PATM患者に数十倍するアレルギー患者が出るはずなのに「自分の周囲にいる人がアレルギー症状を起こしている」とする患者は多くいるのに、「特定の人に近づくとアレルギーが起きる」とする実際にアレルギーに苦しんでいる患者がほとんどいないことだろう。

  • 地震予知
大地震をある程度の精度で予知できれば被害を大きく軽減できるのは間違いないため、多くの研究者が取り組んでいるテーマ。
しかし、現状は科学と呼べるか疑わしいレベルのものがほとんど。
例えば「地震の直前には地震雲という特殊な雲が発生する」というのは有名な話である。
これは「地震が起きる直前には地下深くで地盤が崩壊するためその電波が雲の形成に異常な作用をもたらす」と説明されることが大半。
原理的に考えてありえないと断言できるわけではないが、現状 どういう雲が地震雲なのか という具体的な定義が全くなされていない。というか、「地震雲」とされる写真の大半は 雲を見慣れた人からするとごく当たり前の雲 だったりする。雲は毎日のようにその姿を変えているため、場合によっては不気味に見える雲も観察され得る。そう言った雲がたまたま地震が起きる直前に撮影されたりすると地震雲と騒がれたりするわけだ。
実際地震雲の投稿サイトもあるが、大地震の直前に特に投稿数が増えたりすることはなかったりする。
また「地震の前に動物が騒ぐ」というのもよくある話だが、実際動物だって毎日同じ行動をとっているわけではないだろうし、大地震ならばその被害範囲で飼育されているペットの数も大きくなる。たまたま地震の直前にペットが騒いだから記憶に残った、という可能性も十分ありそうである。
いずれにせよ、「地震の直前にこんな異常な現象が起きた!」という事例だけをどれだけ集めても、それは無駄である。大事なのは「異常な現象が起きて地震が起きた割合」と「異常な現象が起きたが地震が起きなかった割合」をキチンと比較し、前者の方が間違いなく優位に高い、と証明することなのだ。これは他の科学的検証の際にも共通する考え方なので覚えておくといいかもしれない。

貧乳に悩む人が一度は聞いたことがあるかもしれない話。実際に揉んで大きくなったという話はあるものの、科学的に有意と言える根拠や理論が不十分で疑似科学の疑いが強い。
ただ強い好意を抱く相手に揉まれると女性ホルモンの分泌が活性化され、結果として胸が大きくなるという話もあるため、有意な根拠や理論が整えば疑似科学から正規の科学へと昇格する…かもしれない。

なお、ここでは医学や生物学等の自然科学を騙る「疑似"自然"科学」ばかりを取り扱ったが、「疑似"人文"科学」や「疑似"社会"科学」も存在する。
前者は歴史関係の偽書がこの範疇であるが、当Wikiの利用者には江戸しぐさが最もなじみ深いであろう。



追記・修正は疑似科学に騙されない方にお願いします。

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