忍たま乱太郎

登録日:2014/09/19 Fri 01:15:32
更新日:2025/07/03 Thu 21:48:56
所要時間:約 15 分で読めるの段


タグ一覧
1993年 2.5次元舞台 90年代テレビアニメ 93年春アニメ Eテレ NHK NHKの本気 NINJAではない ※学園モノです おもしれー男の万国博覧会 アニメ ギャグアニメ コメント欄ログ化項目 トリプル主人公 ミュージカル化 ワーナー・ブラザース 三つ巴 三人の主人公 三人の絆 三池崇史 主役トリオ 亜細亜堂 大人になって初めて解る偉大さ 学研 実写化 室町時代 尼子騒兵衛 忍たま 忍たま乱太郎 忍犬 忍者 忍術 忍術学園 愛すべきバカ達 敵も味方も変な奴 曲者揃い 東映 残念なイケメンの見本市 浦沢義雄 漫画 爆発に定評のあるアニメ 爆破オチ 田﨑竜太 稀にシリアスあり 芝山努 落第忍者乱太郎 豪華声優陣 顔芸



『忍たま乱太郎』とは、NHKで放送されているテレビアニメ作品である。
本項では原作である尼子騒兵衛の漫画『落第忍者乱太郎』についても解説する。


概要

舞台は室町末期*1忍者の学校「忍術学園」に入学した乱太郎きり丸しんべヱの三人組を主体とした忍者ギャグ作品。

ギャグものながらも非常に緻密な時代考証がされており、時代背景や登場する忍術などは歴史的資料に基づいている。*2
「いくら忍者でも水の上を歩けるわけないだろ」と原作で発言があるなど、NINJAではないという事がよく分かる*3

一方で、普通にメタ発言をはじめたり自動販売機だの腕時計だの自転車だの、アルバイトだの自主トレだのバレーボールだのカタカナ用語が出てくるのはご愛敬(ちなみに原作者は、「時代考証をしっかりしている分、室町当時に存在しなかったものを(ギャグで)話に出す場合は、誰がどう見ても時代が違っていると分かるものを使うようにしている」という旨を語っている*4)。

30年以上続いている作品であり、勿論作中ではサザエさん時空が普通に発動する。
実際キャラクターが「十六年前に言ったギャグだ」や「十六年ぶりに登場」と言ったりメタ発言も多々。
かなりの大きなお友達ファンを持つ。と言っても男の方は熱意はそれなりで、主な層は腐ったお姉さま方。理由?男性キャラばかりで女性キャラが少ないからに決まってるでしょ?まぁきり丸の女装はノンケ男性にも人気あったりするが。

なお、原作とアニメのタイトルが違うのは「落第」というキーワードがNHKの放送コードに引っかかってしまったため、忍者のたまご、略して「忍たま」となった…という噂が多かったが、この見解はデマではないかという声がある*5


【落第忍者乱太郎】

「朝日小学生新聞」で1986年1月に連載を開始し、2019年12月に連載終了。
単行本は全65巻が刊行されている。
アニメよりやや影が薄いなんて言ってはいけない。略称は「落乱」。
ちなみに『忍術らくだい生』という紛らわしいタイトルの児童文学があるが、無関係であちらの方が古い(1977年発行)。

なにしろ長期の連載のため、かなりの絵柄変化を遂げている。ぶっちゃけ初期の方が頭身は高かった。
掲載誌が特殊なのでエピソード単位で連載しては休止を繰り返しており、結果休止期間中に作者である尼子氏が脳梗塞を発症し、
体調はある程度回復したものの従来のペースで連載を続けることが困難になったため新エピソードが始まらない形で連載を終了*6
現在は月1回のペースで古典を紹介するマンガを掲載している。

アニメよりもシビアに室町当時の情勢を反映しており、
初期は死体が出てたり、きり丸が「おれの村も焼かれずに済んだろうに」と言う場面もある。
(※設定そのものは無くなっておらず、『落・乱』はもちろん、比較的近年の『忍たま』エピソードでもきり丸は戦災孤児なのが前提の描写が入ることはある*7
最近は幾分かはマイルドになったが、「(合戦場で)生首拾ったから首実検の練習しよう」とエグいことを言ったり、食料が尽きナメクジを焼いて食べようとするなど戦においてはきつい描写がなされることもある。
また、キャラクターが枠線をちぎる、コマを飛び越えるなどかなり自由に動いているのも特徴。
コマの裏には作者の仕事場があったりする。
(例:敵を縛る為の縄がないので枠線を使う*8、目的地まで時間がないのでコマを破って空間移動…etc)
コマの間に紐のように枠線が張られているのか、壁のように枠があるのか、ページの上に薄くコマが乗っているのかはケースごとに一定しない。


【忍たま乱太郎】

1993年より放送開始。略称は「忍たま」。
第1期は同年4月から翌年3月までNHK総合で毎週土曜の30分番組として放送されたが、1994年10月の第2期以降は教育テレビ(Eテレ)に移動し、平日帯の10分番組に変更*9。以降このスタイルで現在も制作が続けられており、NHKアニメ作品の最長寿作である。
シーズンは1年おきに「~期」と呼ぶ。基本的に、春頃から約半年間新作を放送し、残り半年を再放送する形態をとっている。

主題歌は原則としてジャニーズ事務所の所属アイドルが担当しており(EDは違う場合もある)、OPは開始から一貫して「勇気100%」が使用されている。この楽曲は光GENJIを筆頭にジャニーズの数々のアイドルによって歌い継がれている、本作の顔の一つでもある。
なお、NHKは故・ジャニー喜多川による一連の問題を受けて2024年度から所属タレントを全面出入り禁止としているが、本作については担当歌手の変更は行っていない。

原作に比べるとメタ発言やパロディネタは控え目だが、時々スタッフの暴走で逆作画崩壊が起こったり原作以上にぶっとぶこともある。
例として「ハンサムな…」の段とか。
原作で恒例の枠線ネタも扱いづらいため滅多に使わないが、枠外に避難するようなネタの時はフィルムのコマの外に避難していた。1期のみ原作序盤のような戦場のシビアな被害描写などが存在したが現在はそんな事はない。
そして長寿作品の例にもれず声優が豪華。

脚本は不条理かつカオスな脚本を得意とする浦沢義雄(シリーズ構成担当)と阪口和久が主に担当しており、過去には浦沢の弟子である大和屋暁も脚本を担当していた。

メインキャラクターである主人公3人組の声優が素晴らしくコナンルフィ&マサオくんが演じ、レギュラーから脇役も、ベテランから若手まで様々な声優が演じている。

諸事情によりソフト化と再放送が見送られている回が存在する。
詳細は封印作品の記事を参照。

【作中で登場した忍術】


【登場人物】

メイン三人他、忍術学園の生徒達は忍術学園を参照。
個別項目があるキャラクターはそちらもどうぞ。

土井 半助(どい・はんすけ)
CV:関俊彦、野島健児(19歳の頃)
25歳。乱太郎たち一年は組の教科担当。
火薬や兵法に詳しい。日々は組の起こすトラブルに振り回され、神経性胃炎になっている。練り物が死ぬほど苦手で学食で練り物が出るたびに頭を抱えている。
それでも、どれだけ振り回されても教え子たちを大切に思っており、また彼らにも非常に慕われている。

また、学園が長期休暇に入る時は、きり丸を自宅で居候させていて、その際は大量のアルバイトを手伝わされる苦労人。
その理由は「(きり丸と)同じような育ち方をしているから」と発言しており、作者によるとモデルは法然上人とされ、そこから考察すると
  • 海運の要衝である福原の豪族の出であり、そのため海軍にも詳しい。
  • 幼い頃に家が滅ぼされ、天涯孤独の身となる。
  • その後、仏門に入り勉学に励む。山伏と忍者は関係が深い上で兵法と忍術を学ぶ。
という経緯が考えられる。
アニメ公式の人気投票では(特殊な投票形式ではあったものの)、総合1位を獲得した所からも分かる通り、
あらゆる世代からも人気の初恋ハンターである。どっかの初恋ブレイカ―とは偉い違いだ。
ちなみにどっかのNINJA先生と中の人が一緒で、土井先生をイメージしての配役となったとの噂。

山田 伝蔵(やまだ・でんぞう)
CV:大塚周夫(第1期 - 第23期第21話) →大塚明夫(第23期第26話 - )、東地宏樹(40歳の頃)
46歳。一年は組の実技担当。
元戦忍の火縄銃の名手で、厳しくも優しいベテラン教師。
実は女装好きで変装の際は大抵女装し、「伝子」と名乗る。
元のオッサンくさい雰囲気を大きく留めておりキモいため、乱太郎ほか周りからは大不評だが、何故かそれなりに世間では通用する。
原作1巻では忍務で女装した際「なんでこうなるんや!?」と言っていたが、もはや今では「読者(視聴者)サービスだ」と公言している程。
また、稀に一部の美的センスが狂った人達からはなぜか他の忍術の技能よりも女装の技能を大絶賛される。
もっとも、変姿の術における重要な要素の「変装した者に成りきる」という事…要するに演技力を心得ているからであり、見てるとだんだんと本物の女性に見えてくると言及されている。
オープニングでも必ず女装姿を披露している。
たまに土井先生を「半助」と呼ぶ事もある。
美人の奥さんと息子で売れっ子フリー忍者の利吉を家族に持つが、単身赴任&は組の補習で中々家に帰れず度々怒った奥さんと大喧嘩をしている。
だがそれでも夫婦仲は非常に良い。描写によれば奥さんはかなりの美人で山田先生父子と互角に渡り合う女傑だが、これまで顔は一度も描かれていない。
原作者は中の人も含めてお気に入りのキャラクターで、アニメ化の際に大塚周夫を指名した。
その大塚周夫の逝去後は息子である大塚明夫が声を担当しており、親子2代で同じ役を演じることに。

●大川 平次 渦正(おおかわ・へいじ・うずまさ)
CV:辻村真人(第1期 - 第20期)→浦山迅(第20期SP番組 - )、中嶋聡彦(青年期・第1期)、飛田展男(青年期・第2期 - )
70歳以上*10。学園長。劇中では単に「学園長」と呼ばれることが大半の為、本名を知らない人も多いのでは?
天才忍者として知られ、タソガレドキ忍軍組頭の雑渡昆奈門も畏まった態度を取る。
しかし度々「突然の思いつき」でイベントを開催し、学園を混乱に陥れる。そしてそのご褒美は大体自分のフィギュアやブロマイドで、生徒からブーイングを食らう。もはや騒動の原因はほぼこの人。
それでも今なお影響力や幅広いネットワークを持つ為、暗殺者に命を狙われもする。
また、ただの思いつきかと思いきや、要人の警護とその命を狙う暗殺者の炙り出し、そして自分のデートを兼ねるというイベントを開催するあたり、その天才ぶりはまだまだ衰え知らずである。
ちなみにアニメオリジナルキャラであるくの一教室のおシゲは学園長の孫。

初代の担当声優だった辻村真人氏は某魔法漫画でも学園長役を演じており、孫娘がいる点も共通している。

●ヘムヘム 
CV:松尾銀三(第1期 - 第9期)→島田敏(第10期 - )、江森浩子(子犬時代)
学園長の忍犬。忍術学園の鐘をつくのが主な仕事で、「ヘムヘム」と鳴き人間と意思疎通ができる*11
実はアニメオリジナルキャラクターで、アニメ版では準メイン級の扱い(事実上のアイキャッチを担当など)のため、原作に登場しない事に驚く人も多い。原作のゼニの花は白い号をモチーフにしたに違いない。

●戸部 新左ヱ門(とべ・しんざえもん)
CV:掛川裕彦
35歳。忍術学園の剣術師範。額に三日月型の傷がある。
剣術の天才だが、しょっちゅうお腹を空かせている。
また長期休暇中は自宅で実家が遠い金吾を預かっているが、動くものを見ると見境無く刀を振り回す危険な癖のせいで金吾ともども度々借家を追い出されてしまっている。
ゆらり。

●山本 シナ(やまもと・しな)
CV:小林優子、勝生真沙子(映画第1作)
くの一教室の担任で、実技と教科の両方を受け持っている。
変装の名人で、若い美女と優しい老婆の2つの姿を持っているが、どちらが本当の姿かは誰も知らない。
アニメだと老婆の人格が若い人格に説教するなど、独立した人格として描かれる事もあった。
理由は不明だが生徒・同僚・学園長いずれからもほぼ常時「山本シナ先生」とフルネームで呼ばれる。

食堂のおばちゃん
CV:巴菁子
その名の通り忍術学園の食堂でご飯を作ってる関西弁のおばちゃん(ただし、普段は後述の「お残しは許しまへんで!!!」以外では標準語)。
持ち回り制なのか忍たま達が仕込みを手伝っている描写こそあるが、殆ど1人で大人数相手の食堂を切り盛りしているだけあって料理の腕は絶品であり、学園外でもその腕前は評判である。
普段は温和そうに見える反面、たとえ教員や来客が相手であろうともお残しは絶対に許さない。故に偏食持ちの土井先生や野村先生にとっては天敵と化している。
料理を残す者が有れば、世にも恐ろしい形相と迫力で激怒する、忍術学園最強の人物。
このことから神奈川県の食品ロス啓発ポスターにも採用された。

「お 残 し は 許 し ま へ ん で ー !!!」

●ユキ、トモミ、大川シゲ 
CV:國府田マリ子丹下桜(第2期-第10期)、江森浩子、むたあきこ
くのいち教室の生徒で、それぞれ11歳。
ユキ、トモミは原作だと第1巻からの古参であるものの出番自体はかなり少なかったが、アニメ化において出番が格段に増えた。ヒロインとしては、それぞれ乱太郎&きり丸&しんべヱに対応している。
乱太郎達の一つ上だが、とてもそうとは思えないプロポーションの持ち主(シゲ除く)。

ユキは三人のリーダー格。大金持ちのお嬢様で、入学したのは行儀見習いのため。
トモミは空手の達人で、より強い女になることを目指して入学した。
シゲはアニメオリジナルキャラクターで、前述のとおり学園長の孫。みんなからは「おシゲちゃん」と呼ばれている。語尾に「〜でしゅ」と付けて話すことが多い。
乱太郎達に対しては意地悪な態度をとる(もちろん笑い事で済む範囲、ではあるが)ことがあるがそれなりに交流も多く、仲は悪くない。
なお、アニメでは乱太郎達とユキ達の料理の得意不得意かの設定が話によって変わっている。
初期のエンディングでのキャスト紹介時、トモミとシゲは平仮名表記だった時期がある。

●大木 雅之助(おおき・まさのすけ)
CV: 高木渉(第1期、第2期)→子安武人(第5期 - )
元忍術学園教師。元同僚の野村先生とは宿命のライバルで、彼を倒すために忍術学園を辞めて農家としてラッキョウやネギ(いずれも野村先生の嫌いな食べ物)を栽培している。
大雑把で空気を読まないはた迷惑な人で、人の話を聞かないことが多い。「どこんじょー!」
絵本版においては山田先生と土井先生に代わり一年は組の担任となっており、三人組のせいで怒りっぽいものの人格的にかなりまともな人物になっている。

●野村 雄三(のむら・ゆうぞう)
CV:藤原啓治(第1期 - 第28期)→露崎亘 (第30期 - )
34歳。二年い組の実技担当教師で、大木先生の宿命のライバル。
アニメ初期と原作では顔が別人だったが、第18期から原作通りの顔になっている。

●小松田 秀作(こまつだ・しゅうさく)
CV:山崎たくみ
16歳。事務員。
実家は都にある老舗扇子屋でその次男坊。茶道具を揃え、畳敷きの広い屋敷を構えている非常に裕福な家庭の出なので、別に忍者にならなくても生きていける。それでも忍者への憧れが強く、結局忍者塾で3級を取った程度で一人前の忍者にはなれなかったものの、紆余曲折あり忍術学園の事務員として就職した。このため、一応忍び装束は着ているが厳密には忍者ではない。
マイペースな天然ボケで、ドジも多く「へっぽこ事務員」「マニュアル小僧」と言われている。
そのドジのせいで騒動の原因となる事も多いが、憎めないキャラクターゆえになんだかんだで周りからは一応好かれている。
唯一、入出門する者から確実にサインをもらう事だけは極めて得意で、サインをしない・偽名をサインした者を感知するや、どんな遠くの地の果てまでも追跡する「忍術学園のサイドワインダー」*12
この特技で侵入者に対しては強く、その執念を以て原作・劇場版共に村々の制札を入手する事に成功している。
だが裏を返すと、入門票にサインさえしてしまえば敵でも不審人物でも通してしまうということでもあるが。
ちなみに中の人は本作で4役ほど兼ね役をしており、ドラマCDなんかでは大忙しとなっている。

●花房 牧之介(はなぶさ・まきのすけ)
CV:山口勝平
戸部先生を一方的にライバル視している、自称「剣豪」。
しかし剣豪とは思えない体型と顔立ち(しんべヱ寄り)で、その見た目通り忍たまにも負けるほど弱い。
戸部先生には色々とセコい卑怯な策略を用意して決闘を申し込んでいるが、良くて引き分け止まり。
戸部先生以外との戦いでも大抵大敗を喫しているが、原作の武術大会のエピソードでは二勝を上げているため、少なくとも彼より弱い剣豪もあの世界にはいるらしい。
性格はお調子者だがマイペースな小物で、腹を空かせてはコソ泥などろくでもない悪事を働いている。
忍術学園の多くの人物に嫌われ避けられており、石を投げられる。
ただ稀に忍術学園側に請われて協力する事もあり、根っからの悪人では無い。
変装する事があるが、中の人が同じ怪盗と違ってすぐバレる(というか体型と顔はそのまま)。

●稗田 八方斎(ひえた・はっぽうさい)
CV:飯塚昭三(第1期 - 第30期スペシャル)→間宮康弘(第30期23話 - )
49歳。度々忍術学園と敵対するドクタケ城の忍者隊首領にして、ドクタケ忍者教室の校長。
顔と頭が異常に大きく、高笑いするとひっくり返って転ぶのがお約束だが原作ではあまりやらない。
また乱太郎達が名前を間違えて「冷めたチンゲンサイ」だの「冷えたザーサイ」だの呼ぶのもお約束。
初期は中々の悪役として登場し、実力もあるのだろうが作風のせいか段々とおバカキャラと化していった。現在では基本的に「見るからにシリアスな回」以外では完全にギャグキャラ。
なお、ドクタケ忍軍の忍者隊首領になったのは(作中の年代的な意味で)ごく最近の事であり、原作2巻では明らかに別の人が首領で、
アニメではこの人物は首領をやめ、今では焼き物職人になったという話が「先代お頭の焼き物の段」(第17期)でやっていた。
ほかにもアニメでは逆作画崩壊を起こした事もある。

●風鬼(ふうき)
CV:笹岡繁蔵(第1期 - 第5期)→大友龍三郎(第5期 - )
ドクタケ忍者隊隊員。顔が長い。
作中で初めて姿を見せたドクタケ忍者であり、多くの読者・視聴者が「ドクタケ忍者といえば」と聞かれた時に真っ先に顔が思い浮かぶであろう人物。
ドクタケ忍者は赤褐色のサングラスと忍び装束を身につけ、ほとんどの名前が「○鬼」となっているのが特徴。
息子はドクたまのふぶ鬼であり、一流の忍者になってほしいとの願いから利吉に息子の家庭教師を頼んだこともある。

●達魔鬼(たつまき)
CV:小杉十郎太
ドクタケ城水軍創設準備室室長。他のドクタケ忍者と違う制服を着ている。
ドクタケ忍者最高との呼び声が高い実力者で、城主からの信頼も厚い。南蛮留学をしていたことから南蛮文化や南蛮の兵法に詳しい。
なお、ドクタケ水軍の創設は兵庫水軍と忍術学園により尽く阻止されている。
息子はドクたまのしぶ鬼、かなりの親バカであり忍術学園で行われた大運動会で息子が失格になった際は猛抗議した。

●ドクたま
ドクタケ忍者教室に通う、「ドクタケ忍者のたまご」。
リーダー格で達魔鬼の息子 しぶ鬼(CV: 嶋方淳子)、サブリーダー的な いぶ鬼(CV: 石川寛美)、
風鬼の息子の ふぶ鬼(CV: 永澤菜教)に、紅一点の 山ぶ鬼(CV: 三石琴乃)の4人。
全員は組と同い年で、実力も同程度なので仲は悪くない。中でもアニメ版ではいぶ鬼は金吾と仲良しである。

●魔界之 小路(まかいの・こうじ)
CV:置鮎龍太郎
ドクタケ忍者教室の講師。
物陰に隠れている山田先生と土井先生の気配に気付き、彼らから警戒される程の実力者だが、気配の方向を間違えるなど抜けているところもある。
通販が趣味だが、いつも注文をミスして変なものばかり買っている。
生徒達を大切しているのは忍術学園の先生達と同じで、生徒のために立場を超えて彼らと共闘する事もある。
モデルは「勇気100%」を始め、アニメ「忍たま」の音楽を放送開始当初から担当している作曲家、馬飼野康二氏。
馬飼野氏は他にも「傷だらけのローラ」「古い日記」「愛のメモリー」「A・RA・SHI」など数々のヒット曲を生み出してきた売れっ子だが、あまり顔出しを好まないため、インタビュー記事に本人の写真の代わりに魔界之の絵が載せられたことがある。
ちなみに、『忍たま』がアニメ化に至ったのは、馬飼野氏がお子さんの読んでいた『落乱』を自身も読んで気に入りアニメ化を尼子先生に持ち掛けたのがきっかけ。
関連して、第31期には友人の「魔槌 語楼(まつい ごろう)」がドクタケ忍者教室の特別講師として登場している。
こちらのモデルはもちろん「勇気100%」の作詞家の松井五郎氏。

●兵庫 第三協栄丸(ひょうご・だいさんきょうえいまる) 
CV:塩屋浩三
45歳。海賊である兵庫水軍の総大将。船舶のような名前だが本名で、瓜二つの弟、第四協栄丸がいる。
海賊なのに船酔い&泳げない(バタ足だけは特訓の末できるようになった)という致命的な弱点を持っているが、手下達からは慕われている。また、愛用してる足こぎのアヒルボートでは酔わない。
度々ドクタケと敵対し、その度忍術学園に手伝ってもらう。
内陸にある忍術学園では貴重な魚類を食材として提供し、時折授業の場も提供しているため忍術学園とは協力ないし提携関係にあるが、忍たま達からの認識は「お魚と一緒に厄介な事件も持ってくる人」。

●山田 利吉(やまだ・りきち) 
CV:結城比呂(第1期 - 第2期)→岡野浩介(第3期 - )、高城元気(12歳の頃)、桃森すもも(幼少期)
18歳。山田先生の息子でフリーの売れっ子忍者。目元は父上ソックリ。
忍術の腕も良く中々の男前で、美味しい場面が多い。
父親の持っている火縄銃の銃口に弾丸を撃ち込める程の腕を持つ。
そのイケメンっぷりから土井先生同様人気が高く、人気投票では総合2位。

●雑渡 昆奈門(ざっと・こんなもん)
CV:広瀬正志(第14期・第16期)→森久保祥太郎(第18期 - )
36歳。タソガレドキ城の忍び組頭。乱太郎たちからは度々「ちょっとこなもんさん」と呼び間違われる。
火傷の為、顔から全身まで包帯を巻いているがどっかのCCOではない。
かなりの実力者だが、義理堅くマイペース。傷の手当てをしてもらった伊作を始めとした保健委員達を気に入っており、このため忍術学園に対しては一応敵対はしているもののサポートに回る事がある。
土井先生や上級生組に次いで大きなお友達からの人気がすさまじく、アニメ公式のコンビ人気投票ではその保健委員の伏木蔵と共に1位になっている。

●諸泉 尊奈門(もろいずみ・そんなもん)
CV:島田敏(第16期)→代永翼(第18期 - )
19歳。雑渡の部下。「しょせんそんなもん」ではない。
実力はあるのだが若さ故か失敗もしばしば。土井先生にチョークと出席簿で負けた為、ライバル視している。
2代目の担当声優である代永氏の役柄にしては珍しくショタでもヒロインポジでもない。


【余談】

●劇場版も5作存在する。
1作目は1996年に公開され、『トイレの花子さん』『はむこ参る!』と同時上映だった。
特に2011年に公開された2作目の『忍術学園全員出動!の段』は作画クオリティや話の再構成の巧みさなどが高く評価されている。ちなみに公開日が東北地方太平洋沖地震の翌日であったりする。
3、4作目は加藤清史郎主演の実写映画(特撮)で実写1作目は東宝&三監督、2作目は平成ライダーでお馴染みの東映&田崎監督。
2024年には小説版を原作とした5作目(アニメ3作目)『ドクタケ忍者隊最強の軍師』が12月に公開された。

●プラネタリウムアニメ、ドラマCD、小説なんかもあり、挙句の果てにはテニミュじみたミュージカルまで存在する(特撮ファンにはお馴染みのJAEがアクション監修した、落下スタントありロープスタントありの本格的アクションミュージカル。そのためメインは6年生(第8作、第9作は5年生))。
だが恐らくドラマCDで実際一番はっちゃけているのは、主役三人組の大御所達。


乱太郎「追記・修正をよろしく」
三人「の段!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年07月03日 21:48

*1 年代が室町時代のいつなのかは尼子先生もはっきり決めてはいないそうだが、火縄銃が普通に出てくるので流石に鉄砲伝来(1543年)以後のイメージである。また、室町時代の定義にもよるが普通は室町幕府が信長に滅ぼされた1573年までを指すので、この間の30年間が無難な解釈となる。

*2 例えば忍術学園の忍者制服は一年生の明るい水色を含めても「当時の技術や原料で安価に染められる色」ばかり使われている。

*3 同じものを作っての渡渉実験、史料による再検討などによる「多分こうだったんじゃね」に沿った形式でいわゆる水蜘蛛を持ち出すことはある

*4 実際アニメ版のとある回で本来室町時代に存在しないはずの寛永通宝を出してしまった際にはDVDへの収録時にあたって500円玉に修正している。

*5 そもそもこの見解に関しては明確なソースが無く、更に言うと初期には落第のワードが使われた「落第忍者の段」というエピソードが存在している。第一、オープニングの原作者名の横に「落第忍者乱太郎より」と1回目から現在まで出続けている。

*6 元々乱太郎たちが卒業か退学する以外終わりのない作風で有り、エピソード単位での話は切れがいいところで終わっているのでいわゆる「未完」とはやや違う。

*7 少なくとも19期最終回には「きり丸は戦災孤児」「土井先生も教職に就く前に戦災で家が滅んだも同然になった出来事を経験している」設定が残っていると推測できるセリフが登場。

*8 「忍者は手近にあるもので代用する機転も身につけておくべきだ」とのフォローがなされてはいる。

*9 時期によっては土曜日に30分枠で再放送を行っていたこともある。

*10 70歳になってから数えるのをやめてしまったため、正確な実年齢は不明。

*11 学園長の訓練で目立たないようにこういう鳴き声になり、その代わりに二度とワンワンと鳴けなくなってしまった。

*12 『落第忍者乱太郎』のみ。『忍たま乱太郎』では大人の事情(おそらく実在するミサイルの商品名が元ネタだからか)により「鬼の追跡者」に変更されている。