忍たま乱太郎

登録日:2014/09/19 (金) 01:15:32
更新日:2021/04/04 Sun 09:47:04
所要時間:約 15 分で読めます




忍たま乱太郎とは、朝日小学生新聞で連載中の漫画「落第忍者乱太郎」を原作としたNHKEテレにて放送されているアニメである。
なお、原作とアニメのタイトルが違うのは「落第」というキーワードがNHKの放送コードに引っかかってしまったため、忍者のたまご…略して「忍たま」となった。NHK以外で放送されていたら「落第忍者乱太郎」のまま放送されていた可能性が高い。

舞台は室町末期、忍者の学校「忍術学園」に入学した乱太郎、きり丸、しんべヱの三人組を主体とした忍者ギャグ作品。


ギャグものながらも非常に緻密な時代考証がされており、時代背景や登場する忍術などは歴史的資料に基づいている。
「いくら忍者でも水の上を歩けるわけないだろ」と原作で発言があるなど、NINJAではないという事がよく分かる。

一方で、普通にメタ発言をはじめたり自動販売機だの腕時計だの自転車だの、アルバイトだの自主トレだのバレーボールだのカタカナ用語が出てくるのはご愛敬(ちなみに原作者は、「時代考証をしっかりしている分、室町当時に存在しなかったものを(ギャグで)話に出す場合は、誰がどう見ても時代が違っていると分かるものを使うようにしている」という旨を語っている)。

原作、アニメともに二十年以上続いている作品であり、勿論作中ではサザエさん時空
実際キャラクターが「十六年前に言ったギャグだ」や「十六年ぶりに登場」と言ったりメタ発言も多々。
かなりの大きなお友達ファンを持つ(特に女子)。理由?男性キャラばかりで女性キャラが少ないからに決まってるでしょ?

【漫画/落第忍者乱太郎】


作者は尼子騒兵衛、1986年に連載が開始して現在五十巻以上刊行されている原作。
アニメよりやや影が薄いなんて言ってはいけない。略称は「落乱」
なにしろ長期の連載のため、かなりの絵柄変化を遂げている。ぶっちゃけ初期の方が頭身は高かった。
作者である尼子氏が脳梗塞を発症し、体調はある程度回復したものの従来のペースで連載を続けることが困難になったため、2019年12月に定期連載を終了した。

アニメよりもシビアに室町当時の情勢を反映しており、
初期は死体が出てたり、きり丸が「おれの村も焼かれずに済んだろうに」と言う場面もある。
最近は幾分かはマイルドになったが、「(合戦場で)生首拾ったから首実検の練習しよう」と言ったり、食料が底を尽きナメクジを焼いて食べようとするなど戦においてはきつい描写がなされることもある。
また、キャラクターが枠線をちぎる、コマを飛び越えるなどかなり自由に動いているのも特徴。
コマの裏には作者の仕事場があったりする。
(例:敵を縛る為の縄がないので枠線を使う*1、目的地まで時間がないのでコマを破って空間移動、etc)
コマの間に紐のように枠線が張られているのか、壁のように枠があるのか、ページの上に薄くコマが乗っているのかはケースごとに一定しない。


【アニメ/忍たま乱太郎】


1993年よりNHK(現在Eテレ)で放送されている。なんと現在、NHKアニメ作品の最長寿作である。
ごく初期は30分番組だったが現在は10分番組。略称は「忍たま」
一年ごとに「~期」と呼ぶ。基本的に、春頃から約半年新作を放送し、残り半年を再放送する形態をとっている。

原作に比べるとメタ発言やパロディネタは控え目だが、時々スタッフの暴走で逆作画崩壊が起こったり原作以上にぶっとぶこともある。
例として「ハンサムな…」の段とか。
原作で恒例の枠線ネタも扱いづらいため、滅多に使わないが、枠外に避難するようなネタの時はフィルムのコマの外に避難していた。
そして長寿作品の例にもれず声優が豪華。

脚本は浦沢義雄氏(シリーズ構成担当)と阪口和久氏が主に担当しており、過去には浦沢氏の弟子である大和屋暁氏も脚本を担当していた。

メインキャラクターである主人公3人組の声優が素晴らしくコナンルフィ&マサオくんが演じ、レギュラーから脇役も、ベテランから若手まで様々な声優が演じている。


【登場人物】


メイン三人他、忍術学園の生徒達は忍術学園を参照。

●土井 (どい・はんすけ)
CV:関俊彦
25歳。乱太郎たち一年は組の教科担当。
火薬や兵法に詳しい。日々は組の起こすトラブルに振り回され、神経性胃炎になっている。練り物が苦手で学食で練り物が出るたびに頭を抱えている。
しかしそれでも生徒を大切に思っており、また生徒達にも非常に慕われている。
学園が長期休暇に入る時は、きり丸を自宅で居候させていて、その際は大量のアルバイトを手伝わされる苦労人。
その理由は「(きり丸と)同じような育ち方をしているから」と発言しており、作者によるとモデルは法然上人とされ、そこから考察すると
  • 海運の要衝である福原の豪族の出であり、そのため海軍にも詳しい。
  • 幼い頃に家が滅ぼされ、天涯孤独の身となる。
  • その後、仏門に入り勉学に励む。山伏と忍者は関係が深い上で兵法と忍術を学ぶ。
という経緯が考えられる。
アニメ公式の人気投票では(特殊な投票形式ではあったものの)、総合1位を獲得した所からも分かる通り、
あらゆる世代からも人気の初恋ハンターである。どっかの初恋ブレイカ―とは偉い違いだ。
ちなみにどっかのNINJYA先生と中の人が一緒で、土井先生をイメージしての配役となったとの噂。

●山田 伝蔵(やまだ・でんぞう)
CV:大塚周夫大塚明夫
46歳。一年は組の実技担当。
元戦忍の火縄銃の名手で、厳しくも優しいベテラン教師。
女装好きで変装の際は大抵女装し、「伝子」と名乗る。
元のオッサンくさい雰囲気を大きく留めておりキモいため、乱太郎ほか周りからは大不評だが、何故かそれなりに世間では通用する。
原作1巻では忍務で女装した際「なんでこうなるんや!?」と言っていたが、もはや今では「読者(視聴者)サービスだ」と公言している程。
また、稀に一部の美的センスが狂った人達からはなぜか他の忍術の技能よりも女装の技能を大絶賛される。
最も、変姿の術における重要な要素の「変装した者に成りきる」という事を心得ているからであり、見てるとだんだんと本物の女性に見えてくると言及されている。
オープニングでも必ず女装姿を披露している。
美人の奥さんと息子で売れっ子フリー忍者の利吉を家族に持つが、
単身赴任&は組の補習で中々家に帰れず度々怒った奥さんと大喧嘩をしている。
だがそれでも夫婦仲は非常に良い。
原作者は中の人も含めてお気に入りのキャラクターらしい。
初代の担当声優、大塚周夫氏の逝去後は、彼の息子である大塚明夫氏が声を担当しており、親子2代で同じ役を演じることに。

●大川 平次 渦正(おおかわ・へいじ・うずまさ)
CV:辻村真人→浦山迅
70歳以上。学園長であり、若い頃は天才忍者だったらしい。
度々「突然の思いつき」でイベントを開催し、学園を混乱に陥れる。
そしてそのご褒美は大体自分のフィギュアやブロマイドで、生徒からブーイングを食らう。もはや騒動の原因はほぼこの人
それでも幅広いネットワークを持つ為、暗殺者に命を狙われたりもする。
また、ただの思いつきかと思いきや、要人の警護とその命を狙う暗殺者の炙り出し、そして自分のデートを兼ねるというイベントを開催するあたり、その天才ぶりはまだまだ衰え知らずである。
アニメオリジナルキャラであるくの一教室のおシゲは学園長の孫である。
劇中では単に「学園長」と呼ばれることが大半のため、本名を知らない人も多いのでは?
初代の担当声優だった辻村真人氏は某魔法漫画でも学園長役を演じている。

●ヘムヘム 
CV:松尾銀三→島田敏
学園長の忍犬。忍術学園の鐘をつくのが主な仕事で、「ヘムヘム」と鳴き人間と意思疎通ができる。アニメオリジナルキャラクター。
アニメ版では準メイン級の扱い(事実上のアイキャッチを担当、など)のため、原作に登場しない事に驚く人も多い。原作のゼニの花は白い号をモチーフにしたに違いない。

●戸部 新左ヱ門(とべ・しんざえもん)
CV:掛川裕彦
35歳。忍術学園の剣術師範。額に三日月型の傷がある。
剣術の天才だが、しょっちゅうお腹を空かせている。長期休暇中は自宅で金吾を預かっているが、動くものを見ると見境無く刀を振り回す危険な癖のせいで度々借家を追い出されている。
ゆらり。

●山本 シナ(やまもと・しな)
CV:小林優子、勝生真沙子(映画第1作)
くの一教室の担任で、実技と教科の両方を受け持っている。
変装の名人で、若い美女と優しい老婆の2つの姿を持っているが、どちらが本当の姿かは誰も知らない。

●食堂のおばちゃん
CV:巴菁子
その名の通り忍術学園の食堂でご飯を作ってる関西弁のおばちゃん。
料理の腕は絶品であり、学園外でもその腕前は評判である。
普段は温和そうに見える反面、たとえ教員や来客が相手であろうともお残しは絶対に許さない。故に土井先生や野村先生にとっては天敵と化している。
料理を残す者が有れば、世にも恐ろしい形相と迫力で激怒する、忍術学園最強の人物。

「お 残 し は 許 し ま へ ん で ー !!!」

●ユキ&トモミ&大川シゲ 
CV:國府田マリ子(第2期-第10期:丹下桜)&江森浩子&むたあきこ
くのいち教室の生徒で、それぞれ11歳。
シゲはアニメオリジナルキャラクターであり、前述のとおり学園長の孫であり、みんなからはおシゲちゃんと言われている。
原作では出番がかなり少ないが、アニメ化において出番が格段に増えた。
ヒロインとしては、それぞれ乱太郎&きり丸&しんべヱに対応している。
乱太郎達の一つ上だが、とてもそうとは思えないプロポーションの持ち主(シゲ除く)。
乱太郎達に対しては意地悪な態度をとる(もちろん笑い事で済む範囲、ではあるが)がそれなりに交流も多く、仲は悪くない。
なお、アニメでは乱太郎達とユキ達の料理の得意不得意かの設定が話によって変わっている。
初期のエンディングでのキャスト紹介時、トモミとシゲは平仮名表記だった時期がある。

●大木 雅之助(おおき・まさのすけ)
CV:高木渉→子安武人
元忍術学園教師。元同僚の野村先生とは宿命のライバルであり、彼を倒すために忍術学園を辞めて農家としてラッキョウやネギ(いずれも野村先生の嫌いな食べ物)を栽培している。
大雑把で空気を読まないはた迷惑な人。「どこんじょー!」
絵本版においては山田先生と土井先生に代わり一年は組の担任となっており、三人組のせいで怒りっぽいものの人格的にかなりまともな人物になっている。

●野村 雄三(のむら・ゆうぞう)
CV:藤原啓治
34歳。二年い組の実技担当教師であり、大木先生の宿命のライバル。
アニメ初期と原作では顔が別人だったが、第18期から原作通りの顔になっている。
なお、野村先生を演じた藤原氏は別のアニメでも忍者を演じていた。

●小松田 秀作(こまつだ・しゅうさく)
CV:山崎たくみ
16歳。忍者に憧れていたが紆余曲折あり忍術学園の事務員として就職した。
マイペースな天然ボケで、ドジも多く「へっぽこ事務員」「マニュアル小僧」と言われている。
騒動の原因となる事も多いが、なんだかんだで周りからは一応好かれている。
唯一入出門する者からサインをもらう事だけは極めて得意で、サインをしない・偽名をサインした者相手にはどんな遠くの地の果てまでも追跡する。
この特技で侵入者に対しては強く、その執念を以て原作・劇場版共に村々の制札を入手する事に成功している。
だが裏を返すと、入門票にサインさえしてしまえば敵でも不審人物でも通してしまう。
ちなみに中の人は本作で4役ほど兼ね役をしており、ドラマCDなんかでは大忙しとなっている。

●花房 牧之介(はなぶさ・まきのすけ)
CV:山口勝平
戸部先生を一方的にライバル視している、自称剣豪。
しかし剣豪とは思えない体型と顔立ち(しんべヱ寄り)で、その見た目通り忍たまにも負けるほど弱い。
戸部先生には色々とセコい卑怯な策略を用意して決闘を申し込んでいるが、良くて引き分け止まり。
性格はお調子者だがマイペースな小物で、腹を空かせてはコソ泥などろくでもない悪事を働いている。
忍術学園の多くの人物に嫌われ避けられており、石を投げられる。
変装する事があるが、牧之介声の怪盗と違ってすぐバレる(というか体型と顔はそのまま)。

●稗田 八方斎(ひえた・はっぽうさい)
CV:飯塚昭三
49歳。度々忍術学園と敵対するドクタケ城の忍者隊首領にして、ドクタケ忍者教室の校長。
顔と頭が異常に大きく、高笑いするとひっくり返って転ぶのがお約束だが原作ではあまりやらない。
また乱太郎達が名前を間違えて「冷めたチンゲンサイ」だの「冷えたザーサイ」だの呼ぶのもお約束。
初期は中々の悪役として登場し、実力もあるのだろうが作風のせいか段々とおバカキャラと化していった。
アニメでは逆作画崩壊を起こした事もある。

●風鬼(ふうき)
CV:笹岡繁蔵→大友龍三郎
ドクタケ忍者隊隊員。顔が長い。
作中で初めて姿を見せたドクタケ忍者であり、多くの読者・視聴者が「ドクタケ忍者といえば」と聞かれた時に真っ先に顔が思い浮かぶであろう人物。
ドクタケ忍者は赤いサングラスと忍び装束を身につけ、ほとんどの名前が「○鬼」となっているのが特徴。

●達魔鬼(たつまき)
CV:小杉十郎太
ドクタケ城水軍創設準備室室長。他のドクタケ忍者と違う制服を着ている。
ドクタケ忍者最高との呼び声が高い実力者で、城主からの信頼も厚い。南蛮留学をしていたことから南蛮文化や南蛮の兵法に詳しい。
なお、ドクタケ水軍の創設は兵庫水軍と忍術学園により尽く阻止されている。

●ドクたま
ドクタケ忍者教室に通う、「ドクタケ忍者のたまご」
リーダー格で達魔鬼の息子 しぶ鬼、サブリーダー的な いぶ鬼、
風鬼の息子の ふぶ鬼に、紅一点の 山ぶ鬼の4人。
全員は組と同い年で、実力も同程度なので仲は悪くない。

●魔界之 小路(まかいの・こうじ)
CV:置鮎龍太郎
ドクタケ忍者教室の講師。
物陰に隠れている山田先生と土井先生の気配に気付き、彼らから警戒される程の実力者だが、気配の方向を間違えるなど抜けているところもある。
通販が趣味だが、いつも注文をミスして変なものばかり買っている。

●兵庫 第三協栄丸(ひょうご・だいさんきょうえいまる) 
CV:塩屋浩三
45歳。海賊である兵庫水軍の総大将。船舶のような名前だが本名で、瓜二つの弟、第四協栄丸がいる。
船酔い&泳げない(バタ足だけは特訓の末できるようになった)という致命的な弱点を持っているが、手下達からは慕われている。また、愛用してる足こぎのアヒルボートでは酔わない。
度々ドクタケと敵対し、その度忍術学園に手伝ってもらう。
忍たま達からの認識は「お魚と一緒に厄介な事件も持ってくる人」。

●山田 利吉(やまだ・りきち) 
CV:結城比呂→岡野浩介
山田先生の息子でフリーの売れっ子忍者。目元は父上ソックリ。
忍術の腕も良く中々の男前で、美味しい場面が多い。
父親の持っている火縄銃の銃口に弾丸を撃ち込める程の腕を持つ。
そのイケメンっぷりから土井先生同様人気が高く、人気投票では総合2位。

●雑渡 昆奈門(ざっと・こんなもん)
CV:広瀬正志→森久保祥太郎
36歳。タソガレドキ城の忍び組頭。乱太郎たちからは度々「ちょっとこなもんさん」と呼び間違われる。
火傷の為、顔から全身まで包帯を巻いているがどっかのCCOではない。
かなりの実力者だが、義理堅くマイペース。傷の手当てをしてもらった伊作を始めとした保健委員達を気に入っており、このため忍術学園に対しては一応敵対はしているもののサポートに回る事がある。
大きなお友達からの人気がすさまじく、アニメ公式のコンビ人気投票ではその保健委員の伏木蔵と共に1位になっている。

●諸泉 尊奈門(もろいずみ・そんなもん)
CV:島田敏代永翼
19歳。雑渡の部下。「しょせんそんなもん」ではない。
実力はあるのだが若さ故か失敗もしばしば。土井先生にチョークと出席簿で負けた為、ライバル視している。
中の人の役柄にしては珍しくショタでもヒロインポジでもない。


【余談】


●劇場版も4作存在する。1作目は1996年、2作目は2011年に公開。
特に2作目の「忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段」は作画クオリティや話の再構成の巧みさなどが高く評価されている。ちなみに公開日が東北地方太平洋沖地震の翌日であったりする。
3、4作目は加藤清史郎主演の実写映画(特撮)。

●OP主題歌は放送開始時より変わらず「勇気100%」。ジャニーズの数々のアイドルによって歌い継がれている、本作の顔の一つでもある。
フジの「ドレミファドン」のアニソンイントロクイズにも高確率で出題される。

●ドラマCD、小説なんかもあり、挙句の果てにはテニミュじみたミュージカルまで存在する(特撮ファンにはお馴染みのJAEがアクション監修した、落下スタントありロープスタントありの本格的アクションミュージカル。そのためメインは6年生(第8作は5年生))。
だが恐らくドラマCDで実際一番はっちゃけているのは、主役三人組の大御所達。


乱太郎「追記・修正をよろしく」
三人「の段!」

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最終更新:2021年04月04日 09:47

*1 「忍者は手近にあるもので代用する機転も身につけておくべきだ」とのフォローがなされてはいる