のはらリン

登録日:2012/09/06 Thu 02:27:58
更新日:2025/10/27 Mon 05:14:07
所要時間:約 4 分で読めます





漫画『NARUTO』の登場人物。

◆もくじ

◆プロフィール

所属:木ノ葉隠れ
忍者登録番号:10885
役職:中忍
誕生日:11月15日
星座:さそり座
血液型:A型
年齢:13歳
好きな食べ物:苺
嫌いな食べ物:佃煮
得意な術:医療忍術
好きな言葉:友愛
趣味:貝殻集め
CV:七緒はるひ(旧名:寺田はるひ)

◆概要

木ノ葉隠れの里に所属するくノ一
後に四代目火影に就任する波風ミナトが率いるミナト班に所属しており、チームメイトははたけカカシうちはオビト
チームの紅一点であり、他のメンバーをサポートする医療忍者。
普段は「止めなよォう」等の少々間延びした話し方をするなど、温和な印象を受けるが、忍としての意志は強い。

本編開始時点で既に故人となっているため、本編での出番はかなり少ないが、
彼女がカカシの手で殺害されたことで、「親しい人物の死をその目で見た」カカシは万華鏡写輪眼に開眼し、
また、彼女の死を知ったオビトは世界に絶望し、うちはマダラとして「月ノ眼計画」に加担することを決めるなど、
リンとその死は、物語に大きな影響を与えていたことが終盤に明かされることとなった。


◆人物

温厚かつ優しい性格で、カカシとオビトの喧嘩を彼らを宥めて仲裁するなど、チームの潤滑油のような存在であった。
また、医療忍術を得意とするため、彼らの怪我を治している姿も描かれている。
アニメによると、オビトとは幼馴染の関係にあり、オビトの無茶を諫めたりしていた他、
彼の「火影になる」という夢を熱心に応援していて、オビトにとっては精神的に大きな支えとなっていた。

そのオビトには異性としての好意も寄せられていたものの、リンはカカシに好意を抱いており、
まるで後のカカシ班の三人のように、チームで三角関係となっていた。
カカシが上忍に昇格した際には、そのお祝いとしてお守りを縫い付けた「個人用特別医療パック」を贈っている*1

また、里で一目置かれていた「うちは一族」の出身であるオビトや、父が有名な忍であったカカシとは違い、
彼女は忍の一族の出でもなければ、親が忍だったわけでもない、言ってみれば一般家庭から忍になった、(作中では)珍しい出身であり、
戦場で傷付く忍を救うために医療忍者を目指したという経緯が後に明らかとなった。

外伝も含めて、気が強く男勝りな女性キャラクターが多い『NARUTO』では数少ない、温和で癒し系の女性キャラクターであり、
心優しく献身的で仲間思いな人格と、その美少女っぷりが相まってファンからは女神、大聖母、天使などと呼ばれている。


◆能力

作中でも登場シーンが少なく、直接の戦闘シーンも無いため、戦闘能力は不明。
ミナト班では唯一の医療忍者であるため、そもそも積極的に敵とやり合うことは避けるべき立場だったと思われるが、
ただ、中忍に昇進していることから、それなりに高難度の任務もこなせるだけの忍術や身体能力、判断力などは有していると思われる。
敵に攫われるシーンが多く、リン自身直接戦闘や危機感知を得意としていない可能性も高いが、
医療忍者であるリンが敵に狙われやすいのは自明の理であり、チームで動いている以上、カカシやオビトのフォロー不足とも言える。

医療忍術に関しては、当時13歳という若さで実戦レベルの医療忍術を会得していたことや、
敵に追い詰められ、仲間(オビト)が死を避けられないという絶体絶命の状況で、
仲間(カカシ)の目を抽出し、そこに仲間の目(オビトの写輪眼)を眼軸ごと正確に移植できる技術と胆力を備えていたことから、
医療忍者としては、技術も精神力も、年齢には不釣り合いなほど優れていたことが分かる。
これは、当時は戦争が頻発していたため、戦場慣れしていたことも影響しているのだろう。
ゲーム「ナルティメットストーム4」では両足で顔面を踏んづけたり、丸太を口寄せしたりと結構アグレッシブな技を使う。


◆作中の活躍

はたけカカシの少年時代を描いた「カカシ外伝~戦場のボーイズライフ~」にて、カカシと同じ班の医療忍者として登場。
第三次忍界大戦時、カカシが上忍になったことと木の葉の戦力不足が理由で、チームの担当上忍である波風ミナトとは別行動を取り、
カカシを隊長とした三人一組(スリーマンセル)で敵である岩隠れの補給線を絶つ任務に当たるが、岩隠れの忍の奇襲を受けさらわれてしまう。

この時、隊長であるカカシはリンが医療忍者であること等も合わせ、彼女の救出よりも任務続行を優先しようとするが、
それに真っ向から反対したオビトの仲間を想う気持ちに押される形で、リンの救出に向かうことを決める。

「神無毘橋の戦い」では、岩隠れの忍者にさらわれ洞窟内で幻術で尋問を受けていたが、カカシとオビトの手によって助けられた。
しかし、脱出しようとした際に岩隠れの忍の忍術による攻撃を受け、仲間と共に岩の山に閉じ込められてしまった上、
カカシを庇ったオビトが落石を避けきれず、岩の下敷きになった右半身が潰れるという瀕死の重傷を負ってしまった。
リンはオビトの絶望的な状況に涙するも、自分の死を悟ったオビトはある意味冷静に状況打破の策を仲間たちに提案する。
それは、「リンの医療忍術で、潰れていない自分の左目の写輪眼を、怪我を負って視力を失ったカカシの左目に移植する」というもの。
「カカシへの上忍昇格のプレゼント」と称してオビトからその提案をされたリンは涙を拭い、ぶっつけ本番での移植手術を成功させた後、
オビトとの別れを惜しむように彼の手をしばらく握っていたが、岩山が崩れてきたために脱出せざるを得なくなり、
脱出を促すオビトの声に背を押され、不本意ながらも彼を岩山の中に取り残し、カカシと共に脱出。
彼らを待ち構えていた岩隠れの忍は、「友人からのプレゼント」で完成したカカシの「千鳥」で倒され、リンは彼と共に生還を果たした。

「神無毘橋の戦い」の後、オビトを闇堕ちさせて自身の駒にするために動いていたうちはマダラの策略によって霧隠れの忍にさらわれるが、
件の戦いで、死に逝くオビトと「リンを守る」と約束したカカシに助けられる。
だが、これは霧隠れの策略であり、この時既にリンは三尾の人柱力とされ、心臓に操り人形となる呪印札を植え付けられていた。
霧隠れはわざとリンを仲間に助けさせ、木ノ葉へ着いた時に彼女の体内の三尾を暴走させようとしていたのだ。
それを知っていたリンは、里を守るためにもカカシに自分を殺すように促すが、
カカシはオビトとの約束を、仲間を守るために、リンを殺さずに済む方法を模索しようとする。
しかし、リンは自分たちを追って来た(振りをしていた)霧隠れの忍にカカシが放った千鳥に自ら飛び込み、絶命してしまった。

カカシにとっては悪夢としか言いようのない光景だっただろうが、その光景に絶望した者が実はもう一人いた。
それは、密かにマダラに助けられ、生き延びていたオビトであった。
大好きだったリンの死と、彼女にその選択を強いた忍の世界に絶望したことが、後に彼が第四次忍界大戦を引き起こす切っ掛けとなってしまった。



















以下ネタバレ







物語最終盤、第四次忍界大戦の終盤に、ナルトたちの姿にかつての自分を思い起こし、マダラに反旗を翻したオビト。
かつての仲間であるカカシとタッグを組み、「後輩」であるナルトたちを助けるために、オビトは文字通り自分の命を懸け、そして力尽きた。
死を迎え、浄土へと向かおうとするオビトの前に現れたのは、生前の姿のままのリンであった。

第三次忍界大戦で死去した後、リンは浄土に行くことなく、現世と浄土の狭間でオビトをずっと見守り続けていたようで、
自分の過ちを後悔するオビトに、その心情を慮る優しい言葉を掛け、一緒に浄土へ行こうと手を差し伸べる。
しかし、まだ現世で奮闘するカカシに最期の力添えをするため、すぐには浄土には行けないというオビトの意思を聞くと、
その変わらない優しさと仲の良さに少し呆れつつも笑顔を浮かべ、「此処で待ってる」とオビトを見送った。

その後は登場していないが、ナルトたちと共に平和を取り戻したカカシに別れを告げて去ったオビトと共に浄土へ向かったと思われる。


◆余談

  • ゲーム『ナルティメットストーム4』
劇中、三尾の人柱力になったこともあり、必殺技では三尾の姿に変化する*2
彼女が三尾の人柱力にさせられたことが第四次忍界大戦の火蓋が切られるまでに至った悲劇の始まりであることを考えると、かなりの皮肉である。

  • 彼女の描写は「優しい少女の物語」としての「熱的死」であり、「優しい少女」のままでの「役割終了」として名高い。
    • 一方で「世界を滅ぼしかけたオビトの魂をお咎めなしで温かく出迎えたのは流石に擁護不能」という厳しい意見もある。



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最終更新:2025年10月27日 05:14

*1 内容そのものは贈られたカカシも「素晴らしい」と称していたが、お守りについては「余計なもの」としか見ていなかった。

*2 本編では三尾が暴走する前に死亡したため、尾獣化したことはない