遠見真矢

登録日:2012/09/04(火) 00:22:41
更新日:2025/01/05 Sun 16:20:53
所要時間:約 10 分で読めます






「あたし…どんなに変わっても、一騎君のこと覚えてるよ」


遠見真矢とは、アニメ「蒼穹のファフナー」シリーズのヒロイン…多分
CV:松本まりか





※この項目はTHE BEYONDまでのネタバレを含みます。



■人物像
明るく、快活な少女。14歳。
家族構成は母と姉。父親は、とある理由で離島している。
手先が不器用であり、包帯を巻けない・料理ができない等、主婦スキルは低い。
作品の絵柄、髪型および髪の色、活発な性格などからミリアリア・ハウを連想する視聴者も少なくない。

親友の羽佐間翔子とよく行動を共にしている。


天才症候群の才能として、『異常な推測能力』を持つ。
異常な推測能力とは、物事の表面を見ただけでその本質がわかってしまうようなもの。本編中でも遺憾なく発揮される。
(相手の顔を見るだけで、考えていることやその人が置かれている状況が理解できる等)
不器用な人間が多い本作では、貴重な理解能力である。
本編開始前、及びパイロット選抜前は主に趣味のロッククライミングでその推察能力は遺憾なく発揮していた模様。
(命綱なしの状態で岸壁をひと目見ただけでどこに手をやって足を掛けるべきか導き出すなど)
一方で彼女自身はあくまで会話を始めとするコミュニケーションでお互いを理解すべきと考えており、これが超絶不器用男子二人一騎と総士の関係に大きな影響を与えることに。

■本編中の活躍
蒼穹のファフナー
親友の羽佐間翔子や、他の子供たちと共にパイロット候補生となる。
しかし検査によってファフナー搭乗に関する「身体的ハンデ」が発覚。パイロットにはなれず翔子と共にCDC勤務に配置される。
仲間が危険な戦いに身を置く中、何もできない自分の無力感に苛まれる。
そのためか、CDCを離れ、溝口と共に危険な任務に参加する。


総士との溝が深まり、「変わっていくこと」を恐れる一騎から
「遠見は、俺のこと覚えていてくれるか?」
と尋ねられる。
「あたし…どんなに変わっても、一騎君のこと覚えてるよ。」
この真矢の返事は、一騎の気持ちを理解している証左である。後述するがこの約束はこの後もずーっと守られる。


一騎の気持ちを知っているがゆえに、一騎の家出の後、本当の一騎の気持ちを理解しようとしない大人たちや総士に向けて激情を吐露する。
モルドヴァで一騎と再会した際、本心を吐露する彼に優しく寄り添っていた。

その後島に父であるミツヒロ・バードランドが現れ、ひと時の父娘の交流が叶うのだが、
時を同じくして真矢のファフナーへの適性データが、姉である遠見弓子によって改竄されていた(「ハンデ」などなかった)ことが明らかになる。
ミツヒロは真矢に高いパイロット適性があるはずだと確信しており、彼女を人類軍に連れて帰るために竜宮島を訪れていたためこの事実を利用しようするが、
ひと悶着あったことで真矢はミツヒロに完全に失望し、「お父さんはフェストゥムとどう違うの?」と彼を完全に拒絶することになる。
この件もあって、真矢は自らの意思で戦うことを選ぶ。
真壁史彦に「高い適性ではないが、驚くほど安定している」と評され、即座に実戦投入されることになった。
ファフナー搭乗時の変性意識は「冷静沈着で、恐怖を感じなくなる」というもの。
彼女の愛機マークジーベンは変性意識を活かし、後方からの狙撃支援を担当することになる。
劇中での通算命中率は90%以上であり、仕損じたのはマークニヒトの投擲したルガーランスを撃ち落とせなかった場面のみ。
それをカウントせず、あくまでもフェストゥムの狙撃ならば百発百中。故についたアダ名はマークゴルゴ

ただしこれは総士の「真矢を前線で戦わせたくない」という個人的感情(乙姫曰く「えこひいき」)が強く含まれており、本来の彼女の適性ポジションはどちらかと言えばスナイパーではなくマークスマン(選抜射手)。
空中で中~遠距離の遊撃を行うのを得意としているようで、蒼穹作戦以後は実際にそのポジションで活躍することになる。
その蒼穹作戦では、空と同化しようとした敵側のミールを一騎と共に破壊するなど大活躍を見せる。
もし真矢が人類軍に引き抜かれていた場合、目的は真矢をマークニヒトのパイロットに据える為だったため、最悪の場合狙撃手不在となり
空へ上昇していくミールの狙撃が出来ず世界が同化されていた可能性が高い。
だが、ニヒト=イドゥンの悪あがきによって無へ引きずり込まれていく中飛び降りた一騎とザインを追い、
制止を振り切り輸送機から飛び出すが「俺も、必ず」と言い残して一騎と総士は消失。変性意識すら振り切って動揺し泣き叫んだ。
直後、カノンに「4機の健在が前提のクロッシングが切れていないということは、まだ一騎達は生きている」と諭され、帰還する。
蒼穹作戦に参加した4機中唯一無傷での生還だった。

エンディングでは、目の見えなくなった一騎を島へ誘導するためにジーベンで出撃。着陸後、砂浜で彼に微笑みかけていた。
この際目の見えていない一騎も彼女に微笑んでいるように見えるが、実際は"いなくなった"総士の存在を感じ取り微笑んでいる。一騎君さぁ……
あとこの一連のシーン、真矢のお胸がやたら大きく描かれている気がする


蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH
溝口がマスターを勤める喫茶店『楽園』でアルバイトをしている。
一騎との仲は、全く進展していない。
劇場版で初めて登場する西尾暉(西尾里奈の弟)に懐かれている。
(正確には初登場ではないが、放映版では失声症を患っていたため声がつくのは劇場版から。)



戦闘では、空戦型であるマークジーベンの特性を活かし、空戦仕様となったドライと共に防空を担当する。
取り回しを重視して主武装をドラゴントゥースからレールガンへ変更しており、スナイパーというよりは遊撃手という立ち位置がより強くなった。
初っ端から射出直後にエウロス型の巡航ミサイルを撃墜→速度を維持したまま逆立ちするように宙返りして反転し戦闘続行という変態機動をしていた。
しかも真矢の「まだ生きてる」という言葉から察するに、巡航ミサイル撃墜と同時にエウロス型を撃破している筈だったという事になる。

第二次蒼穹作戦では、島の防衛にあたる。
マークニヒトにいきなりレールガン諸共腕をぶった切られるが、それでもニヒトに肉薄しマインブレードを突き立てる(真矢が明確に近接攻撃を行ったのがこのシーンが初)。
ニヒトの反撃で機体は大破してしまうが、トドメを刺そうとしたニヒトから封じ込めていたザインが抜けだしたことで免れ、彼女自身も無事生還している。


蒼穹のファフナー EXODUS
本作では『同胞殺しと紛争調停者』というものすごく物騒なキャッチフレーズを付けられており視聴者をいきなり不安にさせる。

進路を航空部門に決め、溝口に戦闘機パイロットの教習を受けている。『楽園』でのアルバイトも継続中だがあまり店にはいないらしい。
溝口の影響かより男らしくなってしまったが、一騎が逆にママ似になっていったので相性はいいのだろう。多分。
女性僅か2名という超男所帯の航空部隊にいるせいか感覚が男性よりになっているようで、総士や剣司のいる医務室に上半身裸にシャツ一枚(それも前は全開)の格好で現れ、
必死に目を逸らす総士や『前隠せ』と苦言を呈す剣司に羞恥心を覚えるどころか人の悪い笑みを浮かべて彼らをからかっていた。
一騎の前では女の子だがそれ以外ではこんな具合である。これが伏線だったことに気付いた視聴者はいたのだろうか。

一騎との仲は相変わらず進展していないが、一騎を大切に想っているのは変わっていない。
現役でファフナーに乗っているのも、『一騎がもう戦わなくていいように』という思いからだとカノンは推測している。
そのカノンが一騎を大切に思っている事に気付いてはいるが、カノンの方も真矢が一騎を大切に思っていることを気付いておりお互いに一騎を見守る親友となっている。

彼らの世代の中では最もファフナーへの搭乗が遅かった事により、一騎世代での唯一の現役ファフナーパイロット。
2話では「後方支援なら」と総士からの許可を受けて早速出撃。後ろから追ってくる敵に対して水面に手を突っ込んで急反転、そのままの姿勢でワンショットキル
という更に磨きがかかったマークゴルゴっぷりを見せつけた。後方支援ってなんだっけ…
しかもその直前には溝口とのマンツーマンでの教習を受け、新型フェストゥムを島のバトルフィールドに誘導。
更に「2分で乗る」と宣言しリアルタイムでの2分弱でファフナーに搭乗・出撃・射出直後に体勢を立て直し狙撃というハードワークをこなしている。
武装は空戦用に最適化された新型のドラゴントゥースを使用する。比較的近距離の遊撃から狙撃までオールレンジに対応できるようになった。

突然現れた異母弟・ジョナサンの存在に最初は驚き戸惑うことになるが、彼が父親(ミツヒロ・バートランド)に対し必ずしも良い感情を抱いていない事に共感を覚え、
遠見一家を強くリスペクトしてくることもあって、美羽や弓子を守る同志という関係に落ち着いた。
彼らと共に島外遠征に赴くが、アザゼル型フェストゥムとその群れに対し彼女の力だけでは戦況をひっくり返すことはできなかった。
9話で一騎(マークザイン)に助けられた時は彼が戦場に戻ってきてしまったことに茫然自失となったあと、「ごめんね」と繰り返しながら涙していた。

その後の逃避行では皆で協力しながら、一騎と総士の負担を可能な限り減らすべく積極的に前線で戦うことになる。
だがそんな中で難民を守るためとはいえ、核弾頭のトリガーを弾こうとしたアルゴス小隊所属爆撃機を撃墜してしまい搭乗していた12人を手に掛け、更に一騎を守るために生身で人を射殺してしまったことで、大事な人を守るためなら躊躇無く人を殺せるようになってしまう。
同時に精神を急速に摩耗していき、一騎に肉薄したアルゴス小隊の工作員を射殺した後は翌朝まで毛布に包まったまま射殺に使用した道生の遺品の拳銃を見つめ続け*1ていた。
アイからは「今度貴方が人を撃つ必要が出来てしまったときは私が撃つ」と気を遣われていたが最早彼女の決意は覆すことの出来ないものとなっており、
語調を荒げた弾みで「人殺し」と揶揄する発言をしてしまった暉にただ微笑み続ける等、精神的に極めて不安定な状態になっていた。

そんな状況を見かねた一騎は真矢に「そんな(人殺しを肯定する)自分にならなくていい」「一緒に島に帰ろう」と語りかける。
命を使い切る、つまる生きて島に帰らない前提で自分達を助けにきた一騎が、初めて「生きて帰る」約束をしてくれたことで真矢の心は一気に氷解していき、一騎が髪を切ったことにようやく気付いて笑うなど元来の穏やかさを取り戻したが、
この時から明確に、必要とあれば冷酷な命の選択を自らの意思で行えるようになっていく。
また旅の途中で20歳の誕生日を迎えており、一騎に祝われて笑顔を見せていた。その様子を総士と暉が物陰で見ていた

旅の果てに人類軍に捕虜として囚われてしまうが、真矢はミツヒロ・バートランドの娘であったことから彼とかつて協力関係にあったヘスター・ギャロップと交流を持ち、彼女から目をかけられることになる。
人類軍から逃げ出す際には基本装備だけ*2のジーベンでアルゴス小隊のファフナー3機を全滅(2名殺害)、ヘスターに交戦規定アルファを撤回させるためにフェンリル(自爆装置)による脅しまで使いこなすなど、ほぼ単独で状況を突破してみせた。
第四次蒼穹作戦の際はバーンズ傘下のファフナーを尽く撃墜(ただしいずれも武装などを狙って行動不能にするのみで、「殺す気はないと……」と相手方のパイロットに言わしめている)。
フェンリルによる自爆から見殺しにできず助けたビリーからも憎しみで銃を向けられ、それを受け入れようとするも溝口がビリーを射殺した。
美羽と再会したがビリーの血で染まった腕(=必要とは言え人を多く殺めてきた事実)では彼女を抱きしめられないと逡巡する真矢に対し、美羽は「みんなを守ってくれてありがとう」と礼を言う。
真矢はただ涙したのだった…。


蒼穹のファフナー THE BEYOND
一騎や甲洋と同様に……と言いつつこの二人は人間離れ(物理)してしまったので実質この世代唯一の現役ファフナーパイロット。
パイロットリーダーの役職になっている。
第5次蒼穹作戦では先行した一騎達の退路を確保するべくファフナー部隊のリーダーとして動き、戦闘ではSDP「多次元視界」を駆使するが右目の視力ごとSDPをセレノア(弓子に擬態したフェストゥム)に奪われてしまう。

基本的にはEXODUS時代と変わってはいないのだが、奇しくも若い頃のヘスター同様に「守るべきもののために憎まれ役にもなる」覚悟を完全に決めてしまっており、
更に能戸監督曰く、美羽を守らないといけないという使命感に苛まれて心のキャパがいっぱいいっぱいになっていることから、美羽に対して厳しく接する場面があったり、
選択肢次第では島の敵になり得る、或いは再び敵に奪われる可能性がある総士(こそうし)についてはそれを遥かに上回るレベルで厳しく接しており、何度か実力行使に出たことも。
そのため主に視聴者から完全に怖いお姉さん扱いされているが、前世の因果か「貴方を憎めない」と逆に慕われている。
一騎や母の千鶴、千鶴との仲が劇的に進展した史彦達の前では過去作と変わらぬ姿を見せてくれるのだが、そこまでがかなり長く平時でも変性意識のような雰囲気を纏った冷徹な戦士(ゴルゴ)になったと言われる事も。
本作はしばらくは何も知らない皆城総士くんの目線で語られるので意図的にそういう描写にしているのだろう。
ちなみに一騎との仲は例によって進展していないが、彼の帰る場所であり続けようとはしている。

Alvisでの立場もかなり上であることが示唆されており、新国連、人類軍との三者会議でも真壁司令らと並んで会議に参加している。
ヘスターからは相変わらず高く評価されている様子。

「守るべきもののために憎まれ役にもなる」覚悟は決めているが「誰かを犠牲にして生き残ろうとする」事についてはかつてと変わらず否定的である。
それが故か、誰かの犠牲の下に立ってきた時間が長すぎてそれに慣れつつある海神島の人々に対して困惑する場面も見られる。
そして明確にそれに否を唱える総士を見て、彼を評価し信頼していくようになる。

最初期から戦い続けている超ベテランパイロットとなっているためその戦闘技量はもはや人類最強と呼べるレベルに達しており、
SDPを右眼の視力を奪われているにもかかわらず、そんなハンデを全くモノともしない大暴れっぷりを本作でも存分に見せてくれる。
ちなみにアショーカの力なのか不明だが、超遠距離狙撃能力についてはSDPを奪われた状態でも使用している。マジゴルゴ。
なお本作では竜宮島から離れたことで新同化現象が発生しなくなった(普通の同化現象は出る)事や1話で早々にSDPを奪われたためか、彼女の新同化現象は不明となっている。
EXODUSではローンドック(単騎)になることが多かったが本作ではスサノオ&ツクヨミとのトリプルドッグ、マークザインとのツインドッグ、EXODUSのEDで描写されておきながら地味に本編内で実現しなかったアマテラスとのツインドッグが見られる。

海神島での戦闘である大切な人を喪ってしまい、7話は彼女の泣き叫ぶ声で幕を閉じることになる。
彼女にとってこの件は人生を見つめ直すターニングポイントになったことが言及されており、未来を見て多様性を改めて考え直す事になっていく。
最終決戦においては最後までファフナーを駆って戦い続けるが、その果てに彼女が視た景色は……


■搭乗機
ノートゥング・モデル:マークジーベン
機体コードは『Mk-Sieben』。空戦特化型の第7番機。

エインヘリアル・モデル:マークジーベン改・アズライール(EXODUS終盤~)
機体コードは『Mk-Sieben-Re:Azrael』。特徴は大差なし。

主武装は、ドラゴントゥース(狙撃銃)、レールガン。
無印では主に、ドラゴントゥースを用いて後方からの狙撃を担当。
HAE以降は空戦特化型の性質を活かす方向にシフトし防空を担当。成長した真矢の技量によって真っ当な戦闘なら無類の強さを誇る存在となった。
EXODUS終盤ではさらにSDP『多次元視界』を発現し、一度に複数の標的を捉え、通常では視認できない超遠距離の対象をも捕捉するぶっ壊れ性能を得るも、前述の通りTHE BEYOND冒頭でセレノアに右眼の視力ごと奪われナーフを受けた。
…はずだが特に戦闘能力が落ちているように見えないあたり恐ろしやマークゴルゴ…
得意分野は射撃だが前述の通り近接戦闘でも恐るべき強さを発揮している。

同型機はマークゼクス及びマークゼクス改・アマテラスだが、戦線投入時期の違いなどもあってコンビを組む機会がなかった。
第六次蒼穹作戦にて遂にアマテラスとのツインドッグが組まれることに。
基本的には前衛をアマテラスに任せ後方から攻撃する、或いはアズライールが敵の親玉を引き付けてアマテラスが周囲の敵を排除するといったコンビになっている。


■関連人物
実は彼女を名前で呼ぶ人物は家族や大人達を除くと殆ど居なかったりする。
様々な理由があるためだが……

幼馴染で、思い人。
親友・翔子もまた、一騎が好きなため、事実上の三角関係
翔子の死後、一騎のことを強く意識するようになる。

真矢は不器用な一騎の心を理解できる貴重な人間の一人であり、物語を通じて信頼関係を結ぶ。
ただし一騎は総士のことで頭がいっぱいであるため、恋愛関係の発展は…お察しください。

EXODUSでは一騎の余命があと数年であることに心を痛め、彼が静かに余生を過ごせるように前線に立っている。
お互いに相手を大切に想っているのは確かだが、恋愛関係の発展は…お察しください。

THE BEYONDでは永遠の戦士として戦い続ける宿命を背負った一騎の傍に可能な限り立ち続けたいという想いでパイロットであり続けている。
一騎にとって彼がヒトとしての存在を保ち続ける理由の1つであることは間違いないのだが、恋愛関係の発展は…
最終話のやり取りは必見。遠見先輩はさぁ……

ちなみに一騎からは一貫して「遠見」と苗字で呼ばれている。
まぁ中学生男子だし仕方ない。

  • 羽佐間翔子
幼馴染で親友。身体が弱く、思うように学校へ通えない彼女に登校時間ギリギリまで翔子の家に滞在していた。
二人の間柄は、ドラマCDと小説、そしてそれらを整理した月刊少年シリウス版の漫画で補完されている。
彼女を「真矢」と名前で呼ぶ数少ない子供の1人。

  • 皆城総士
友人。総士からすると洞察力に優れる真矢は自分の意図を理解してくれる頼れる存在であり、それもあって真矢に秘かな恋心を抱いている。
だが真矢の方はその想いには最後まで全く気付かず、それどころか「クロッシングで全て分かった気になってる」と総士にとってあまりに火の玉ストレートな発言を浴びせるほど。
…まぁ劇場版まで見終わっても見破れなかった視聴者もいるレベルのわかりにくさだししょうがない。月刊少年シリウス版の漫画ではこの辺りの二人のすれ違いを分かりやすく描写しており必見。
更に変性意識の影響や親しみの裏返しからなのか真矢からは当たりが厳しい傾向にあり、ファン間では「皆城くん、謝って」という構文が定着している。
なおこの台詞は作中には存在せず、初陣での「皆城くん、なんで私の武器ロックしてるの。外して」あたりのイメージだと思われる。ここの台詞はマジで怖いのでそうもなる。

真矢としては別に総士が嫌いではなく、それどころか一騎が心許せる友人として大切に思ってはいる。
まぁつまるところ「一騎の大切な親友である皆城君」という真矢の視点と「真矢が好き」という総士の視点が決定的にすれ違っているのだ。
ちなみに総士も真矢を「遠見」と苗字で呼ぶ。恥ずかしがり屋だから仕方ない。

友人。一騎や総士と同じく不器用な性格のため、何も言わずとも真意を察してくれる真矢を得難く思っている様子。
カノンも一騎のことが好きなのだが、カノン自身が「真矢が一騎の隣にいるべき」と感じて身を引いているため、対立はしていない。
EXODUSでも仲が良い様子が描かれ、「真矢」「カノン」と名前で呼び合っている。

同級生の女子だが、特に仲が良い場面は描かれていない(険悪というわけでもない)。
咲良はその腕っぷしから「竜宮島最強の女子」として剣司達にヨイショされているのだが、咲良本人は内心では「本当の最強は真矢」であると思っており、
(天才症候群によって)高い推測能力で見透かしてくる真矢に苦手意識を抱いて距離を置いているというのが実際のところであるらしい。
とは言え一騎が島に帰島した後ぐらいから関係が良くなってきており、『HaE』ではタッグを組んで戦えるまでになった。

  • 西尾里奈
真矢を慕う後輩。
無印ではベタ惚れみたいな感じで真矢にアプローチしていたが、思慮が足らず翔子を侮辱する発言をしたことで真矢に冷たくあしらわれることも。
実は彼女の「女好き(芹談)」は弟の暉が言葉を喪っていることや両親が居ない不安から来ているらしく、『HaE』で暉が言葉を取り戻すと同時に彼女の真矢に対する執着は無くなっている。
『EXODUS』では真矢に憧れる暉を逆に呆れた目で見ているほど。

  • 西尾暉
里奈の双子の弟。
失語症を患っていたがその時から真矢に惚れていたらしく『HaE』で言葉を取り戻してからはより明確にアプローチするようになる(真矢から冷たくあしらわれる通過儀礼も受けたが)。
里奈と違い『EXODUS』でもその想いは変わらないが、脱出行において真矢の心を動かす事ができず、逆に追い詰められた心理状態もあって彼女を傷つける一言を浴びせてしまいショックを受けることになる。
真矢の方としては自分を慕ってくれる後輩ぐらいの感じなのがまた切ない。

  • 溝口恭介
凄腕工作員にして、喫茶店「楽園」の店長。
8話の登場以来、何かと真矢と関わりが深くなっていった。
18話の査問委員会において、溝口が真矢のスリーサイズを
「えーと、上から、はちじゅう…」
と言ったが、実際は「B79・W57・H81」である。
EXODUSでは真矢の戦闘機操縦の指導も務めており、真矢がなんだか男らしくなってきてしまったのはそのへんの影響もあるのではとも。どうしてくれるんだ溝口さん。


  • 遠見弓子
真矢の姉。学校で保健医をしている。
真矢のことを大切に思っており、真矢を守るために適性データを改竄する。
劇場版では道生さんとの娘を出産した為、真矢は16歳にして叔母となった。
同時に弓子さんの「体を張ってでも守るべきもの」が娘の美羽になったため、真矢への過保護っぷりは見られなくなった。

  • 遠見千鶴
真矢の母親。普段は遠見医院を切り盛りする医師として働いている。
ファフナーで戦う真矢を医師としてバックアップしつつ、心配している。
一騎の父親である真壁史彦に想いを寄せているが、真矢からすれば一騎と「きょうだい」になってしまうのは複雑だろうと思われる。
一方でTHE BEYONDの頃になるともう家族みたいなもんだからなのか二人の仲を一騎と一緒に応援するぐらいにはなっている。
親子仲についてはあまり言及されないのだが、一緒にいるのが当たり前すぎて明確にしていないだけの様子。
余談だが真矢はこの時代においても料理が全くできないため、料理は専ら千鶴さんの担当である。

  • 日野美羽
前述した弓子の娘。つまり真矢の
家族として過ごしているが、他の目上の若年者に対してと同じように「真矢お姉ちゃん」と呼ばれている。
急激な成長速度のおかげでTHE BEYONDの頃には見た目にこの呼び方が自然になってはいるが。
THE BEYONDでは真矢が彼女を守ろうと必死になっているため、かつての弓子のように美羽に厳しく接する場面がある。

  • ミツヒロ・バートランド
人類軍所属だが元竜宮島の住人であり父親。
彼が離島(離婚)する前はそれなりに仲が良かったらしく*3、彼女の持っているカメラは元はと言えばミツヒロの趣味である。
なのでミツヒロが久方ぶりに島に訪れた際はそれなりに良好な関係を築こうとはしていたが、ミツヒロは真矢をマークニヒトのパイロットとするためだけに島に帰ってきており、
自分のことしか考えていないミツヒロに失望し「お父さんはフェストゥムと何が違うの?」と彼を拒絶する。
(スパロボUXでは甲洋のスレイブ型覚醒を見届けたことにより、台詞が「心を持たないフェストゥムと~」に変更されている)
その後彼が死んだことを知ることになるが、真矢曰くは「何とも思えなくなった」とのこと。

  • ジョナサン・ミツヒロ・バートランド
人類軍所属のファフナーパイロット。名前からわかるようにミツヒロの息子で、真矢や弓子たちとは異母兄弟にあたる。
エミリーや美羽の言うフェストゥムとの対話の可能性を「希望」として認識しており、弓子には「いい子」と言われているが、千鶴曰く「若い頃のミツヒロにそっくり」とのこと。
最初こそ戸惑うも、語り合った結果父に関する視点が共通している事から良好な関係を築いていた。
脱出行でも協力して生き残るが、「パペット」として目覚めたジョナサンの裏切りによって真矢は人類軍に囚われてしまう。
それでもジョナサンのことは心配しており、彼の真実をヘスターから聞かされ「心を消された」ジョナサンを見て涙を流すことになる。
その後マークレゾンに搭乗していたのがジョナサンでありながらかつての彼ではない(自分達を消しにくる敵である)「何か」であると察知し、真矢は憂いの表情を浮かべていた。

  • ヘスター・ギャロップ
新国連のトップ。1期では接点が全くなかったが、EXODUS終盤にて真矢が人類軍に鹵獲された際に接触を図る。
「ミツヒロの娘」である彼女を自分の後継者にしようとして真矢に拒否されるも、交戦規定アルファを力づくで撤回した事で彼女により強い関心を抱かせる。
「守るべきもののために自らが憎まれ役になる」という真矢と全く同じ信念を抱いており、真矢の方もTHE BEYONDではヘスターの意図を理解してはいる模様。

  • 皆城総士(THE BEYOND)
3年間フェストゥムに囚われていた子供の総士を当初は懐疑的に見ており、「本当に本人なのか(敵の作ったパペットではないのか)」とまで言うほど。
更には「仮に島に敵対するなら自らが始末する」とヘスター達に宣言して直後に実力行使に出るなどゴルゴ感が凄まじいが、
甘やかされてきた総士にはあまりにも斬新すぎる対応だったからなのか手荒な扱いを受けたにもかかわらず「遠見さん」と呼ばれ慕われるようになった。前世の因果かもしれない
真矢の方も総士を割と早い段階で信用しており、彼の自己を確立するためにわざと冷たい態度を取っていただけの様子。総士の不器用振りには呆れつつも「(かつての皆城総士と)そっくり」と語る。
ちなみに真矢は「総士君」と呼んでおり、「皆城君」と呼んでいたかつての総士とは明確に別人と見ている事が分かる。

■余談
彼女のファフナー適性は初期の発言や資料、『EXODUS』以降の発言や資料で結構ブレが生じている。
弓子が改ざんしていたデータを見た千鶴は「トップクラスの適性だったのね……」とつぶやいているが、史彦には「高い適性ではないが、驚くほど安定している」と評されている。
更に「操縦適性はトップクラスに高いが同化耐性が極端に低い」という資料などもあり、実際にそれを想起する描写が操縦シミュレーション後*4や初搭乗後に見られる。

だがEXODUSでは「同化耐性がトップクラスに高い」というこれと真逆の評価が総士から出ており、実際に劇中一度も同化現象を発現することが無かった。マークレゾンの起動試験にも後遺症なく耐えるほどである。
THE BEYONDでも後輩達が「電池切れ」目前に迫る中で「少量の拮抗剤投与で行ける」というとんでもない耐性の高さを示している。
真矢曰く「消耗しない戦い方をしているだけ」との事だが………

これについては、真矢の実戦投入が遅く比較的少ない戦闘数でミョルニアが齎した同化現象の大幅な拮抗が実現したこと、
SDPの発現も遅く新同化現象の影響もほぼ受けなかったこと、THE BEYOND以降は一騎の「無限のクロッシング」による負荷軽減など全体的に高負荷に晒される機会が少なかったことが挙げられるだろう。
とは言え島外派遣では一騎の負担を減らすために常に最前線で戦いながら唯一同化現象を全く発症しなかった竜宮島パイロットであり、「より長く戦える」エインヘリヤル・モデルへの改装も最も遅かったことから、やはり素の同化耐性が飛びぬけて高いという設定に整理されたのだと言わざるを得ない。





「wiki籠り君、どうして私の項目放置してるの…?追記・修正して」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 蒼穹のファフナー
  • 遠見真矢
  • 松本まりか
  • 竜宮島
  • アルヴィス
  • ヒロイン
  • 幼なじみ
  • スナイパー
  • 中学生
  • マークゴルゴ
  • カメラ
  • 冷静
  • マークジーベン
  • モテモテ
  • 皆城君、謝って
  • ロッククライミング
  • 叔母
  • 強キャラ
  • 増していく男らしさ
  • 溝口さんの弟子
最終更新:2025年01月05日 16:20

*1 物資状況故に侘しい朝食を差し入れに来た一騎に声をかけられた際、表情と顔を一切動かさないまま視線のみを背後に向けるという非常にホラーな演出となっている

*2 デュランダル(ハンドガン)、レージングカッター(ワイヤー)、マインブレード(短剣)と、対ファフナーと考えても心許ない武装ばかり。

*3 弓子はミツヒロを初手で拒絶しており、相当仲が悪かったと見える。EXODUSでも「お姉ちゃんはお父さんの事が大嫌いだし」と真矢に言われている

*4 酔っぱらった状態になって一騎に抱き着いていた