真壁一騎

登録日:2011/05/22 (日) 00:06:00
更新日:2025/03/17 Mon 13:50:58
所要時間:約 8 分で読めます





俺はお前だ……お前は、俺だ。


真壁(まかべ)一騎(かずき)とは『蒼穹のファフナーシリーズ』の登場人物。
第一作では主人公、以降のシリーズでもメインキャラクターを務める。
一級フラグ建築士でありながら女性陣そっちのけで親友とイチャイチャする困った人。


【プロフィール】

誕生日:2131年9月21日
星座:乙女座
血液型:O型
身長/体重:169㎝/56kg(第一期時点)
好きな物:静かな場所、美味い食事
CV:石井真

搭乗機
マークエルフ
グノーシスモデル
マークザイン
マークツヴァイ改 グリムリーパー
マークツェン改 アキレス
マークアレス


【人物】

竜宮島に住まう少年。艶のある黒髪とどこか憂いを帯びた灰色がかった瞳を持つ。
物心つく前に母・紅音を亡くしており、現在は陶芸屋を営む父・史彦と二人暮らし。
男所帯で家事全般をこなしているうえ、史彦が料理を全く作れないため特に調理スキルが高い。

元々は明るく活発な性格で同世代の友達とも積極的に遊んでいたが、幼い頃親友の皆城総士の左目に怪我させ失明させてしまった。
この一件か一騎の心に暗い影を落とし、以降根底にある優しさは変わっていないものの、やや暗い性格になってしまった。
そのため第一期開始時点では周囲ともどこか距離を置いた付き合いをしていたが、春日井甲洋遠見真矢羽佐間翔子など彼を気にかける人達とはそれなりに交流を続けており、更に日々近藤剣司からの挑戦状を受けて手合せをしているなど完全に孤立しているわけではない。
自分に関わってこようとしてくれる彼らの存在は一騎自身にとっても喜ばしいものであり、先輩の将陵僚からもそれを指摘されている。

島の大半の子供たちには(1話の時系列までは)真実を明かされていないが、竜宮島とはフェストゥムや他の人類から逃れ種(日本人)の保全を図るアーカディアン・プロジェクトによって建造されており、子供たちの多くはフェストゥムに対抗するための特殊な遺伝子操作を受けている。
その副産物である「天才症候群」により一騎は抜群の運動神経を持っており同年代はおろか大人でも敵わない身体能力を発揮することができる。
ただし総士にこの事実を伝えられるまで本人はまるで無自覚であった様子。

【劇中での活躍】

本編以前

2131年。アーカディアン・プロジェクトの一環、ファフナーパイロット育成の被験者として竜宮島に生を受ける。

母を喪うものの、島の秘密を知ることもなく同年代の子供たちと共に成長していく。総士とは特に仲が良かった様子。
しかし、6歳の時遊びで総士や衛たちとともに壊れた通信機を修理した際、偶然フェストゥムのメッセージを受信したうえにそれに返答してしまい、島の存在がフェストゥムに認知されるきっかけを作ってしまった。

そしてそのすぐあと総士と二人きりになった際、ある理由で一騎は総士の左目を傷つけ失明させてしまう。
恐くなった一騎はその場から逃げ出したが、総士は一騎に傷を付けられたことを誰にも言わず責めもしなかった。
だがそのために一騎は謝ることも出来ず、罪悪感とそこに生じる「自分なんかいなくなってしまえばいい」という自己否定意識を抱えたまま総士と疎遠になっていき、周囲とも距離を置くようになっていった。
この事件にはちゃんとした理由があったのだが、一騎はこの時の詳細な出来事を記憶の奥底に封印してしまい単に「自分が総士を一方的に傷つけた(のにあいつは怒りも責めもしない)」とだけ記憶していた。

小説版では春日井甲洋と「中学を卒業したら島を出る」という約束をしていたようだ。この時点ではあくまで上記の現実から逃げ出したいという思いからであったが……

RIGHT OF LEFT

13歳。
主人公である将陵僚の後輩として姿を見せる。
先述のように気難しくなっている時期だが、貧血を起こしていた僚を心配し診療所まで付き添うなど優しさを見せる。
僚も一騎の人となりは知っており気にしていたが、彼を気遣う同級生たちの姿を見て安心する様子を見せている。

『Dead Aggressor』

14歳。
竜宮島にフェストゥムが襲来し、本来出撃するはずの蔵前果林が死亡したため、急遽ファフナー・マークエルフでの出撃を要請される。
突然の状況に戸惑うも、他ならぬ総士の説得と出来るのなら僕がやる」という言葉を聞き、彼への罪悪感*1からファフナーに乗ることを決断。
初陣で機体を大破させるも、見事にフェストゥムを撃退した。

そして、竜宮島の外の現実やフェストゥムを脅威を知り、戦う事を決意。以後竜宮島のパイロットの中核として活躍する。
当初はジークフリードシステムでクロッシングしながらも、総士とのどこかギクシャクしたやり取りの中戦っていた。

さらに翔子の死や、それによって自身を逆恨みしながらも仲間を助けようとしてフェストゥムに同化されてしまった甲洋を助けられなかった事で、次第に心を痛めていく。
そして甲洋がフェストゥムに同化された際に総士の「甲洋がこうなったのは甲洋自身の責任」という言葉に対し、ファフナーとそのパイロットである自分達のどちらが大事なのかと総士に問う。
この時、総士の「ファフナーだ」という答えにショックを受け、総士の考え*2を理解出来きず、元々罪悪感とある種の甘えから互いの本音を口にしてこなかったことも災いし、彼との間に大きな亀裂が入ってしまう。
また、戦いの中で戦うことに馴れていき、自身が少しずつ変わっていくことを受け入れられず、遠見真矢「戦う前の自分を覚えていてくれるか?」と漏らしていた。

その後、狩谷由紀恵に騙されてマークエルフと共に島を離れる。
そして外の世界の現実を間近に見た後、カノン・メンフィス日野道生によって捕らえられ、新国連の捕虜となってしまった。
だが日野親子との再会や、外の世界を実情を認識した事で、一騎の中に少しずつ変化が生まれ始める。

新国連軍本部に連行された後に、フェストゥムの大群が襲来。
量産型のファフナーで善戦するるものの、やがて敵の物量に押され始めてしまうが、自身の母・紅音の姿をしたマスター型のフェストゥム・ミョルニアに導かれザルヴァートルモデルマークザインに搭乗。
敵を殲滅するも、巨大フェストゥムに取り込まれ溶けてしまう。

孤独なコックピットの中で、一騎は竜宮島で覚醒した皆城乙姫と共に、総士の左目を傷付けた過去と対峙する。
罪悪感に押し潰され、「自分なんていなくなれば良いと思っていた」と本音を漏らすが、
あの事件の真実は「島を守るシステムと自らを定義してしまった*3幼い総士が、「自分なんてどこにもいない」と一騎を同化しようとして反撃された」結果であること、
そして、この事件と左目の傷は総士自身のアイデンティティを定義するものであり、それが故に一騎を責めず大人たちにも何も言わなかったことを知ることになった。
総士の「フェストゥムに同化されかけた時に付いたこの傷は自分が自分である証だ」という言葉を聞き、総士の人となりを理解した一騎はもう一度総士と向かい合う事を決意する。
その後自分を迎えにきた歩く死亡フラグクラッシャー・溝口と真矢と共に竜宮島に帰還。この際溝口に長年の疑問であった「母さんはどうしていなくなったのか」を問い、
「父親(史彦)を庇ってフェストゥムに同化された」ことを知ると史彦がそれを長年負い目としていたことも理解するのであった。

そして竜宮島の窮地にマークザインで帰還した一騎は総士と和解し、やっとお互いの気持ちが通じ合った。
総士は涙し、一騎は再びクロッシングする。

総士「……その機体のコードは?」

一騎「マークザイン!」

総士「機体を登録する…五秒待て!

このシーンは蒼穹のファフナーシリーズ全編を通して屈指の名場面であると未だ評価が高い。

島に帰還した一騎は総司令である史彦から島からファフナーなどを持ちだした罪で軟禁処置を言い渡されるが、これは一騎が心の底で長年求めてやまなかった「自らへの罰」であるとして素直に受け入れ、
同時に母の死因について黙っていた父を赦すことで、やや歪だった親子関係が修復されることになった。
更にその後総士とも滅茶苦茶シュールな「対話」を果たし、二人の関係も完全に修復されることになる。
直後にカノンが自爆テロを敢行。一騎と総士の説得によりこれを阻止するが、またここで一騎はフラグを建てた。

総士や史彦との関係が改善されたことで一騎が長年抱いていた自己否定意識が薄まり、以後は同級生や周囲の人間とも良好な関係を築いていく。
フェストゥムと人の狭間で彷徨う甲洋をパイロットみんなで匿ったり、真矢のシナジェティック・コードのデータ改竄の罪を総士を含むファフナーパイロット全員で被るなど(茶番だったが)、確かなチームワークを見せた。


なおこの時点で

総士→真矢
真矢→一騎
カノン→一騎

となっているが、総士との友情が復活したのが嬉しかったのか、彼は女性陣から寄せられる好意に気付いてはいないようだ。
また、本編が始まる以前には翔子を助けており、この時に翔子とのフラグも立っていたが、例によって本人に自覚はない。

ぶっちゃけこの後も……


マークザインはその超高性能を引き換えに遺伝子汚染(同化現象)が一気に加速してしまうというリスクがあるためリミッターをかけられていたが、それでもスカラベR型との戦闘で重度の同化現象を起こしてしまう。
そしてスカラベR型が残した根に捕らわれた総士を助けるため、同化現象を更に促進させる薬剤を投与してザインを再度起動させるがマークニヒトの介入で失敗。総士を奪われて(この時点では殺害されたと思って)しまう。
活発に動き回れていた初期の頃の印象はどこへやら、松葉杖なしではまともに歩けないまでに消耗してしまっていた(この状態でも剣司を圧倒するほど強いのは流石というべきか)が、総士を喪い半ばヤケになっている状態であったため未来が限りなく無いに等しい北極での決戦に参加しようとしていた。
だが、母の名を使い竜宮島に現れたミョルニアによって、総士の生存と同化現象の回復・抑制手段など「未来につながる情報」が伝えられ、決意を新たに仲間たちと「蒼穹作戦」に挑むことになる。
蒼穹作戦では激戦の末総士の元に辿り着き、彼を解放するがその時の負荷で視力の殆どを失う。
戦いが終わった後は総士の助けで無事に竜宮島へ帰還することが出来たが、総士は…。

ちなみにラストシーンで真矢に微笑んでいるように見えるが、実は総士に対して微笑んでいたというとんでもない事実が明らかになっている。
初期案ではこの直後に砕け散る展開もあったのだとか。

HEAVEN AND EARTH

16歳。
ミョルニアによって判明した同化現象の治療を受けて完全ではないが視力が戻り、明るい場所でならそこそこ見えるようになった模様。
蒼穹作戦の後、ぶっ倒れて一年間昏睡状態になっていたらしい。ちなみに相変わらず真矢とはなんの進展もない。
咲良などは目の虹彩が通常の色に戻っているが、一騎だけは完全回復に至っていないことを示す赤いままである。

リハビリを兼ねて喫茶店『楽園』で調理師として働く日々を送りながら、総士の幻を見る。
視力がほとんどないにも関わらず料理の腕は非常に高く「一騎カレー」という溝口が勝手につけた名前のカレーが名物になっているようだ。
そして再び戦いが始まる予兆があることと、有事の時は11番ゲートへ行くように告げられる。
身体能力はある程度回復したようで、11番ゲートに赴く際はかなりアクロバティックな動きを見せている。

最初の戦闘で激しい同化現象を発症したことから戦うことを禁止されたが、父からファフナーに乗ることだけが戦いではないと諭され
メッセンジャーとして現れた来主操の真意と、そこから島を救う方法を対話によって探ろうとする。
その結果一騎は「来主操も本当は戦いたくない」「(生まれるのを拒絶した事で)綺麗な空を奪われるのは辛いと操も思っている」事を悟り、彼にミールにそれを教えてやれと語るが……

前作で物語をけん引していた総士が竜宮島に帰還しておらず、前述の通り操との対話役を任されたこともあり本作では事実上一騎が物語をけん引していくことになる。
「総士を傷つけた自分はいなくなればいい」と思っていた一騎が「辛くてもそこにいることを選び続けろ」と諭す場面は必見。

EXODUS

19歳。
引き続き「大事な仲間がいた場所」である『楽園』で働いている。一騎カレーは最早嫌がらなくなっており名物と化したらしい。
竜宮島に総士が帰還した影響もあって性格的には穏やか……というか天然感が強くなっている。

前作の終盤に「綺麗な空」をもう一度視ることができる「祝福」を受けたがそれでもマークザインという規格外の負荷に晒された代償はあまりに重く、
ファフナーに乗らなかったとしても余命があと3年しかないことを宣告されている様子。
勿論マークザインに乗ろうものならただでさえ少ない余命が更に削り取られるため、搭乗は禁止されている。
生存限界が迫っている事は相当な精神的負荷と化しており、自らの「生き方」について思い悩む場面が多いのが序盤の一騎である。
これは彼のAlvisにおける役職が事実上無い(ファフナーパイロットとして登録はされているが、上述の通り搭乗が禁止されているので無職同然である)ことにも表れている。
残り僅かな人生をどう生きるのか、が一騎に(実は総士も同様であるのだが……)与えられたテーマであるといえるだろう。
ちなみに「自分の一部」である髪は切ることを嫌がっており、結果段々長髪気味になり容姿が生前の母に似てきた。
また、身体能力は大きく衰えてしまったらしい。

人類軍の若いファフナーパイロット達から英雄視されているが、これは彼の活躍もさることながら人類軍に捕らえられた時に採取されたフェストゥム因子で、人類軍がファフナーパイロットを増やすことが出来たため。
だがこの事実を一騎が聞かされた際、自らの軽率な行動で若者達が兵器(ファフナー)として戦場に駆り出される理由を作ってしまったと苦悩し彼らと距離を置いてしまう。
総士から、おそらく彼らも一騎同様に寿命を著しく削っており皆30歳を迎えられないであろうこと、だがそれでも彼らにとっては生きるための大切な力を与えられたという事実、
環境が違えば自分たちも誰かの因子を受けて戦っていたはずだ、と言われたことで人類軍パイロット達との軋轢は解消され、島外派遣に向かう真矢達を頼むと彼らと堅い握手を交わすまでになった。
またこの件から本質的には自分も「生きたい」のであると自覚するようになったらしく七夕の短冊に「生きたい」と書くが、直後に声を掛けられ反射的に握り潰してしまう場面すらあった。

そして6話にて覚醒した織姫の進言に従い、再びマークザインに乗り込むことになる。
この時、カノンの制止には知ってか知らずかかつての彼女の決意の言葉を用いて振り切る。結果、カノンを泣かせた。
窮地に陥った真矢たち遠征組を「救う」ことが自らの命の使い方=生き方であると決意し、七夕の短冊には「生きる」と書き残している。
そしてギリギリのところで遠征組の救援に間に合い、リミッターを完全に切ったフルパワーのマークザインを駆り現地では大量のフェストゥム相手に総士のニヒト共々一騎当千の大暴れ。今度は真矢を泣かせた。
同時にシュリーナガル全域を同化、アザゼル型に同化されたパイロット全ての同化を肩代わりするという荒業でパイロット達を救済するも、半分は遺体こそ「還って」これたが救うことは出来なかった。
とは言えフェストゥムの性質上、戦いで遺体が残ること自体が稀であり「みんな還ってきた」と言わしめるまさに救世主(ザルヴァートル)と言える活躍を見せている。
その後、ナレイン一派や遠征組と共に『約束の地』である第三Alvis「海神島」へと大移動を開始する。
最初は切り札を温存する方針であったため自らが出撃できない(人を救えない)ことに不満をこぼす場面もあったが、いよいよ戦力的に追い詰められたことから主戦力として出撃することになる。
一騎がこの旅で命を使い切ることを示唆していたこともあって真矢がどんどん闇落ちしていく中、彼女に「一緒に島に帰ろう」と告げたことで追い詰められていた真矢の心を氷解させ笑顔を取り戻させている。
そして初期の温存方針が功を奏したのか特に身体に異変をきたすこともなく戦い続け、20歳の誕生日を真矢に祝ってもらった。

竜宮島との合流ポイントまであと僅かというところで、クロウラー・アビエイター・人類軍(あとついでに甲洋との激戦により弱体化したウォーカー)の襲撃を受ける。
マークザインは単騎でアビエイターと交戦することになるが、拮抗薬のストックが尽きたことで同化を防ぐ方法がなくなり、ついに右腕が結晶化して砕けてしまった。
吸収したロードランナーの熱の力を振るい猛攻を仕掛けるアビエイターに苦戦するが、半ば相討ちに近い形でこれを撃破。
なんとか一命を取り留めるも、右腕は失われたまま昏睡状態となってしまう。

だが、ミールが羽佐間姉妹をメッセンジャーとして「祝福」に対する答えを求めた結果、一騎はそれを受けることを選択。
「存在と痛みを調和する存在」としての使命を受けた一騎は島のミールの祝福を受け、右腕が再生すると共にミールとクロッシングしつつ己の意志で戦う個体となった。
一騎は「母さんと同じ」と発言しているが直後に「それを決めるのはお前次第だ」と返され自らの答えを示しているので、ミョルニアと同じマスター型フェストゥムになったわけではない。
ただしTHE BEYONDでの描写を見るに、生きるために食事をとる必要が無くなる、指輪の跡(小規模な同化現象の痕跡)が無くなる、そして何より生命のタイムリミットが消滅するなど独立融合個体(コア型フェストゥム)に準拠する存在になったと思われる。
図らずもナレインの言う「永遠の戦士」として、生と死の循環を超越した存在に進化したと言えるだろう。

更に剣司の力を借りることでマークザインを再生、再び戦場に帰還した。
ディアブロ型に同化された剣司や、危機に陥った美三香たち後輩組に対して「存在」の祝福を与えることで同化を解除して救出。
一方で脱出行で苦楽を共にしてきた西尾暉は「間に合わず」、悲しげな表情を浮かべていた(つまりミールの祝福を受けたことで人間的感情を喪失したわけではない)。

その後島へ帰還した総士、真矢たちを加えた同期メンバーと共に成人式を迎え、第四次蒼穹作戦に参加。
総士と二人でジョナサンのマークレゾンと戦い相討ち寸前となるが敢えてジョナサンに語り掛け彼の憎しみを振り払わせる。
直後にグレゴリ型の干渉で「存在と無の地平線」に引きずり込まれるが、「祝福」を受け入れ消えゆく総士に別れと再会を告げ、甲洋と操の助けで生還。
奇しくも第一次蒼穹作戦と似た展開となった。

戦闘後、残されたニヒトのコクピットから赤ん坊を回収。
そして、エピローグでは二年後の海神島で「そうし」という少年を連れている姿が描かれた。


THE BEYOND

第一話時点では22~23歳。フェストゥムを超える力と人間の心を併せ持つ「エレメント」と呼ばれる存在の1人となっている。
幼い総士と共に海神島で暮らしていたが、彼が攫われたことで奪還のための第5次蒼穹作戦に参加。
この時、総士の居場所を正確に特定するために日野美羽にマークザインを譲り*4、自身はかつてのマークエルフに似たカラーリングの「マークツヴァイ改・グリムリーパー」に搭乗する。*5
前作で生存限界を超越したためファフナーへの搭乗制限は本来なら無いのだが、一騎はそこから更に「無限のクロッシング」によって作戦に参加した全員の痛み(おそらくは同化の負担)を肩代わりするという無茶をしている。
生と死の循環を超えた彼ではあるが流石にそこまで無茶をすると「人としての心」が失われてしまうらしく、それを危惧した操によって限界がきたらボレアリオスに強制送還して休眠させるという措置が取られている。
だが第5次蒼穹作戦では遂に操曰く「もう空が綺麗だと思わなくなる」というほどに心が摩耗してしまった。*6
ギガンテス型やフロロを相手取る活躍を見せるが前述のリミットが過ぎボレアリアスに強制帰還、総士とグリムリーパー(ファフナーまで回収する手段がなかったらしい)を奪われてしまう。

第二話以降は25~26歳。
1話でも実は使っていたが、同化やワープなどフェストゥムの能力をいとも容易く使用する。しかも生身で
一方で第5次蒼穹作戦で心が摩耗してしまった影響や、生と死の循環を超えてからの経験もあってか人としての感情が希薄気味ではある。
真矢や史彦の前では相変わらず笑顔を見せることもあるが、島の最上位存在である美羽の選択(自らの腕を操に同化させようとした)には逆らえないと平然と語るなど、その在り方は統括存在には逆らえないマスター型フェストゥムのそれ。
上でも触れたが生命維持に食事を摂る必要がなくなっているものの、人としての自分を忘れないようにするためにとたまには自ら料理し、食事を摂ることもある。相変わらず美味いらしい。
第二話以降は暉が残した機体であるマークツェン改・アキレスに搭乗。総士を無事奪還するも、過程で彼の妹である乙姫に擬態していたフロロを同化したことで殺意を抱かれてしまう。
その後は総士を真矢達に託し、自身は極力接触を控えて総士の成長と彼が導く未来を見守るようになった。
総士は一騎への憎しみ自体は緩和されていくものの、一騎の諦観振りを「自らの絶大な力によるものだ」とし一騎を超えることを目標に訓練や学習に励んでいく。
そんな総士が仮にマークニヒトで暴走した場合の抑止力として、そしてベノンの圧倒的な戦力に対抗するために一騎は新たな器を獲得することを決断。
アキレスを改修した上で戦場のど真ん中で機体を再構築し、『全能』のザルヴァートルモデル「マークアレス」を生み出した。

どんな力もいずれは無に還る……

そして苦難の果てに竜宮島に辿り着くが、そこで総士が「美羽が自らを犠牲にしてアルタイルと同化する」事を選択しようとしている事を知ってしまう。
一騎は美羽の選択には逆らわず、止めようとする総士を制止する。
そんな一騎に対し総士は激昂。犠牲を否定する器と全能の力を持つ器は激しく激突することになる。
この時マークアレスはニヒトを一本背負いしたり、ワープからの強襲に即座に反応するなど一騎のセンスが衰えていないことを見せつけてくれる。
しかし総士も一歩も譲らず、マークアレスと互角以上に渡り合う。その戦いの果てに一騎が見た「未来」は………

ファフナーパイロットとしての一騎

全シリーズを通して、ファフナーパイロットとしてトップクラスの才能を見せている。
ファフナー搭乗に不可欠なシナジェティック・コードは黄金率の0.618:1:1.618に近ければ近いほどファフナーパイロットとしての適正が高いのだが、一騎は数値が明かされている全パイロットで見ても最高水準(黄金率に最も近い)の数値が出ている。
これに加えて天才症候群の運動能力の高さ(一体化して戦うファフナーにとってかなり大きなメリットである)1話から戦い続けている実戦経験の豊富さも合わさり、対フェストゥム戦においては右に出るものが居ないレベル。
一方で人類同士の戦いは史彦の方針もあって避け続けられたので、出奔時にカノン達に取り押さえられたりしている。

基本的にはルガーランスやロングソード(小説版ではマインブレードが得意武器という設定がある)など近接武器を好んで使うが、1期ではゲーグナー(レーザー銃)やピラム(ワイヤークローアンカー)など変わった武器を使うこともある。
蒼穹作戦以後はルガーランスをメインウェポンとして扱うようになった。まぁ間違った使い方ばっかりしているが……

ファフナーに乗る上で避けては通れない同化現象についてもかなり高い耐性を持っている。
ただし、研究が進んでいない最初期からファフナーに乗っている上に途中で激甚な負荷に見舞われるマークザインに乗り換えているので、同化現象による負荷は彼を確実に蝕み続けていた。

総士への負い目やそもそも複数機のファフナーによる迎撃体制が整っていないこともあって、初期の頃はローンドック、つまり単騎での戦闘を好んで行っていた。
小説版では設定が異なり、序盤の時点で複数機のファフナーによる迎撃体制が整っていたがそれでもわざわざローンドックを志願していたほど。
本来では行うべきではないが、一騎の暗い心をシステムを通じて感じ取った総士の一存*7で許可しており、自らを省みない戦いを長らく行っていたようだ。
島に帰還してからは協力して戦うようになり、蒼穹作戦では見事なクロスドック(4機連携)を、EXODUSではマークニヒトとのコンビネーションを多数見せている。
THE BEYONDでは甲洋、操と共に行動していることが多いが、基本的には強敵を単騎で引き受ける役回りをしている。

ファフナーに搭乗すると、フェストゥムが持つ読心能力への対抗の一環として性格などが変化する「変性意識」が発生するが、一騎は『DA』時点ではこれがほとんど見られない(強いて言えば叫ぶぐらい)。
これは「変性意識」自体がパイロットの自己否定(THE BEYONDでは「心の壁を取り払う」と表現されている)でコントロール可能であり、一騎は自らの強い自己否定によって自然とこの状態になっていたことが理由である。
マークザイン搭乗以後は「総士のためにこうありたい」という新たな自己否定意識になったことでやはり変性意識は発生しないが、
少なくとも『EXODUS』の時点では自己否定意識が無くなっているせいか変性意識が表に出るようになっており、冲方氏によると一騎の変性意識は「全能感からくる救済意識」
HaE最終盤で自身の身を顧みずボレアリオスミールによる来主操とマークニヒトの同化を肩代わりしたのもこれの片鱗と思われる。

EXODUS最終盤で竜宮島ミールの祝福を受け生と死の循環を超越した存在に進化した結果、同化現象及びそれによる肉体の損耗が無くなり事実上は無限にファフナーに乗ることが可能となっている。
ただし自らの搭乗負荷が無くなった一騎がそれで満足するはずもなく、第5次蒼穹作戦では全員分の負荷を肩代わりした結果自らの戦闘可能時間が激減するという本末転倒な自体に陥ってしまった(それ以降は負荷の肩代わりをしなく(出来なく?)なった様子)。

マークアレス搭乗時はまさに全能の名にふさわしい活躍をしているのだが、最終決戦ではマークレゾンにダメージ一つ与えられない、自らを力ずくでコピーしたレガートに苦戦するなどどうにもパッとしない。
だがこれは一騎の「戦士」としての役割が終わりに近づいていることを意図した演出であったようで……

人間関係

一騎自体がくっそ不器用な性格な上に、序盤に関係の悪い人物が揃いも揃って不器用なのでもどかしさが目立つが、本質的には多くの人間と良好な関係を築いてはいる。

  • 皆城総士
親友にして一騎のアイデンティティを定義する存在。
くしくも総士も、一騎によって「人としての自分」を定義されたためお互いに強い絆で結ばれてはいるのだが、冒頭の通り長らく疎遠な関係にあった。
一騎は総士に強い負い目があるのだが、総士は総士で一騎がそうなってしまったのは自分のせいという負い目(これは彼にとって喜びでもあるのが大変ややこしい)がある。
和解後の一騎の総士への強い想いは「総士病」などとネタにされる。年を重ねるごとに緩和はされているが、なんとTHE BEYONDの最終盤まで引きずっている。
スケベな話題にはお互いにすっとぼけるなど本質的には似たもの同士。

  • 遠見真矢
幼馴染。真矢は一騎が好きだが積極的にアプローチしないので一騎は多分気づいていない。
それでも一騎にとって真矢は「日常の象徴」であり、とても大切に想っていることは節々から伝わるようになっている。
真矢との約束である「戦う前の自分を覚えていてくれるか?」は真矢はずっと覚え続けており、それは彼が生と死の循環を超越する存在になったとしても変わらない。
一騎が最初に戻ってくる場所には必ず真矢が居るのだ。
なお一貫して「遠見」呼び。と言っても島で「真矢」と呼ぶ同世代の子供たちはほぼ皆無であり自然な流れではある。

  • 春日井甲洋
友人。一騎が総士と疎遠になった後でも良好な関係を築き続けている人物の一人。
戦いが始まり、翔子を巡る一件で険悪な関係になってしまうが、甲洋はそれでも真矢を助けてみせた。
一騎もそれに応え、人とフェストゥムの狭間で彷徨う甲洋を身体を張って庇っている。
後にフェストゥムの存在を持ちながら人の心と身体を取り戻した甲洋と、ミールの祝福を受け生と死の循環を超越した一騎は共に「エレメント」と呼ばれる存在となる。
「EXODUS」「THE BEYOND」共に二人の会話はあまりないのだが、その節々から二人の友情は健在であることは示されている。そして最後は……

  • 羽佐間翔子
友人。一騎に対して強い好意を持っており、彼と変わらず接する人物の一人。
甲洋と真矢は翔子の想いに気付いておりそれぞれの気持ちを押し殺して翔子を応援するという立ち位置で、一騎はまたしても何も気づかないパターン。
ただし小説版ではTV版では無かった二人のツインドックが行われており、ローンドックばかり行っていた一騎が背中を預けられる相棒として信頼していた様子。
彼女の死を契機に、一騎を巡る物語が一気に動きだすことになる。

  • 要咲良
同級生。
一騎との関わりはあまり多くはないのだが、武術を学んでおり実際くっそ強い彼女を一方的に打ち負かした唯一の男が一騎であり、「いつか殺す」とまで言わしめた。
これによって咲良に好意を持つ剣司が一騎をライバル視することになる。
一騎が帰還してからは彼女との関係も改善されており、総士も含めた遠泳競争を持ちかけていた(総士ともども一騎に完敗し悔しがってはいたが、禍根のない爽やかな負けっぷりであった)。
EXODUSでは一騎の天然ボケのような態度にビキビキするコメディタッチなやり取りも見られる。

  • 近藤剣司
同級生。咲良を巡る一件から一騎を一方的にライバル視し、毎回「決闘」を申し込んではボロボロに負けるという日々を繰り返している。
だが剣司としては咲良の気を引くための行いであって一騎自体を悪く見ているわけではなく、一騎も自らの孤独を埋められるので律儀に毎回相手をしている。
剣司が咲良と仲良くなりだしてからは一騎との関係も自然な友人関係になっていき、自分がヘタれたことで大切なものを失った剣司は一騎に最後の決闘を挑む。
EXODUSでは剣司が一騎を気遣う場面も多い。

  • 小楯衛
同級生。本編中ではあまり関わりがないのだが、一騎が島に帰還してからは衛と一騎が防衛の要であると総士に高く評価されるほど。
温和な性格であり一騎も彼のことは特に悪く思っていない、どころか一騎にとってもとても大切な人物であったことがHAEの特典で言及されている。

  • カノン・メンフィス(羽佐間カノン)
一騎が出奔した際に遭遇した人類軍の兵士。
のちに人類軍の捨て駒にされ、島共々自爆しようとしたところを一騎の説得で思いとどまる。
これ以降一騎に対し好意を抱くようになるが例によって例の如く以下略。
もっとも、一騎としてもカノンは非常に大切な存在であり、HAEでは身体を張って彼女を救ったりもした。

  • 真壁史彦
父親にしてAlvis司令。一騎に似て不器用な性格で、米を研ぐことすらせずに炊いたことを息子に突っ込まれている。
史彦は一騎に母の死因を隠しているという負い目があり一騎に対してあまり強く出ることができず、一騎も総士の件で一番叱ってほしかった人が叱ってくれなかった、という事から両者の関係はぎくしゃくしていたが、
作風が似ていると初期の頃に言われていた某新世紀の親父に比べると全然健全な親子関係であり、不器用親父と不器用息子のぎこちない関係と言った具合である。
一騎が島に帰った際に彼にファフナー持ち出しの罪で罰を与えるがこれが一騎にとっての救いとなり、溝口から母の死について真実を聞かされていた一騎は「父さんは悪くない」と赦しを与えたことで二人の関係は改善され、
HAE、EXODUS、THE BEYONDと一騎の在り方が変わっても史彦とその家は「一騎が最終的に帰ってくる場所」であり続けた。

  • 西尾暉
後輩。『DA』で描写はされており『HAE』からメインキャストとなるが、本格的に一騎と絡むのは『EXODUS』から。
暉は真矢のことが好きなので、一騎を一方的にライバル視している。
ただし陰湿なものではなく「一騎先輩のことは尊敬してますけど、(真矢を巡る戦いでは)負けませんから」と本人に直接言うぐらいなフランクな関係。
なお一騎はその本意を知ってか知らずか「はいはい」と受け流している。
脱出行ではあまりの過酷さに心が折れかけていたが、それでも「俺は(真矢を)諦めませんから」と総士にマウントを取る気丈さを見せていた。
THE BEYONDでは一騎が彼の残したファフナーを使う。それについては特に言及していなかったのだが、マークアレスへの再構成時には……

暉……お前の器、使うぞ

  • 来主操
『HAE』で登場したスフィンクス型フェストゥム。存在と無の狭間に居る総士から人の姿と言葉を学び、彼から「来主操」という名を与えられた。
その成り立ちから一騎とのつながりが最も深いため、史彦は一騎に操との対話を命じる。
二人の対話は本作の主題であり、操は一騎が最も長く会話している相手でもある。
操も一騎については強い信頼を寄せるのだが、それによって自身のミールと拮抗し苦しむことになる。
『EXODUS』で新たに生まれ直した操は、直後に一騎が昏睡状態になったこともあって会話はほとんどないのだが、終盤には一騎を救う場面が二度もあるなどその信頼は未だ強いことを示している。

  • 日野美羽
遠見弓子と日野道生の娘。
『HAE』では直接のやり取りはなかったが、操のマークニヒトに取り込まれた一騎が生存していることを弓子経由で史彦に伝えている。
『EXODUS』と『THE BEYOND』では『一騎お兄ちゃん』『美羽ちゃん』と互いに呼んでいる。実は一騎が「ちゃん」付けで呼ぶのは全編通して美羽だけだったりする。

  • ジョナサン・ミツヒロ・バートランド
人類軍所属のファフナーパイロット。真矢の父ミツヒロ・バートランドの子供で、真矢や弓子たちとは異母兄弟にあたる。
伝説のエースにしてマカベ因子の提供者である一騎に強い尊敬を受けていると共に、竜宮島の歴史について父から聞いていたため彼らの複雑な思いにも理解を示す。
そのため総士との対話を経て一騎も彼を強く信頼するようになり、他の人類軍パイロット達と同様に「ミツヒロ」と呼ぶようになった。
だが最終的に新国連とフェストゥムに利用された彼と激突し、全てを失い傀儡と化した彼の人としての最後の願いである「俺を消してくれ」は、THE BEYONDでも一騎は覚えていたようで「お前を解き放つよ」と告げている。

  • 皆城総士(THE BEYOND)
『EXODUS』最終話で赤子の姿で転生した総士。一騎が引き取り海神島で育てていたことが総監督のTwitterなどで言及されている。
2歳の頃にフェストゥムに誘拐されてしまったため、総士の方は一騎のことを覚えていない。
ストレートに興味と反発・憎しみや怒りといった感情を示してくる総士に対し、一騎はかつての総士を想起するようなやことはなく見守る立場を示している。
11話・12話の二人のやり取りは必見である。総士にとって一騎は乗り越えるべきなのだ。

搭乗機

主人公ということもあってか結構多くの機体を乗り換えていく。事実上の再建造、ザルヴァートル化による再構成も含めると、乗り換え回数は全登場人物でも最多。

  • マークエルフ(1~2話)
ノートゥングモデルの十一番機。近接格闘主体の汎用型モデル。
1話時点ではまともに戦えるのがこれと2番機マークツヴァイしかなかった。(後に全機出てくるとは言え)3~10番機がすっ飛ばされているのは調整が間に合わなかったのかはたまたパイロットの問題か或いは語感優先の後付けか……
最初は「蒼穹のファフナー」というタイトルらしくスカイブルーのカラーリングだったが、ろくに武装がなくフェストゥムに苦戦を強いられた上に斃したときのワームスフィア爆発に巻き込まれ大破してしまう。

  • マークエルフ(3話以降)
初陣でほぼ全損レベルでぶっ壊れたマークエルフに、パイロットが「いなくなり」空位になっていた2番機マークツヴァイのほぼすべてのパーツを移植したもの。
つまりマークエルフとは名ばかりで実質的にはマークツヴァイである。色もツヴァイの紺色になっている。
長らく竜宮島のトップ戦力として活躍するが、一騎によって島外に持ちだされた挙句人類軍に拿捕されてしまった。
その後コアを抜き取られており、空っぽの機体はどうなったのか不明。モルドヴァ基地自爆時にロストした可能性が高い。
飛べない。

  • グノーシスモデル
人類軍の大量生産型ファフナー。フェストゥム因子を持たないパイロットでも動かせるようになっているが、その分性能はすさまじく低い。
捕虜になっていた一騎が抜けだした際にこれに搭乗した。
パイロット次第ではフェストゥムに多少は抗えるらしく、フェストゥムが人類に絶望を突き付ける「情報」として流したモルドヴァ基地での戦闘場面で1体だけやたら動きのいい機体が確認できる。
これによって竜宮島の面々が、一騎が「そこにいる」ことを察知するのであった。

  • マークザイン(再構成前)
ミョルニアによって一騎に託されたザルヴァートルモデル。コアはマークエルフのものが使われている。
固定武装としてワイヤーアンカーとホーミング・レーザーを持つ。
自ら同化能力を行使することができ、当時のノートゥングモデルを遥かに上回る性能を発揮できるのだが、ミョルニア(=母の姿をした存在)がフェストゥム・イドゥンに「食われた」のを見た一騎によって暴走。
周囲のフェストゥムや地形を喰らいつつ無に還りかけるが「総士ともう一度話がしたい」という一騎の選択に応えるかのように卵のような物体に変貌し、その殻を破って姿かたちの異なる「マークザイン」が現れた。
1話しか出てこないレア形態であるが、見た目としては『DA』版マークニヒトの色違い。

再構成後のマークザインは一騎以外の同世代の子供たちには一体化ができなくなっており、長らく一騎専用機となっていた。
同化能力を行使できるのは相変わらずだが、負荷が大きすぎるため初陣を除くと『EXODUS』までリミッターがかけられており性能は大幅に下がっている。
とは言え、同世代のノートゥングモデルよりは少し性能が高いという感じの描写。同化能力自体はリミッターがかかっていてもある程度は使えるが、一騎の身体に負担がかかるのでここぞという時にしか使われない。
『EXODUS』では研究や解体を前提としていたのでリミッターは解除されているわ、ジークフリードシステムは内臓されているわで過去最高レベルの負荷になっている。
だがその性能はまさに「救世主」と呼ぶにふさわしいものであり、人類軍ファフナーは勿論だが改良を重ねたノートゥングモデルでも遠く及ばない次元の違うポテンシャルを発揮している。
ルガーランスをメインウェポンとしており、次から次へと間違った使い方を見せてくれる。
『THE BEYOND』では、日野美羽を安全に総士の元に送り届けるための手段としてマークザインに彼女を乗せる選択をし、一騎は以後もザインには乗らない。

  • マークツヴァイ改「グリムリーパー」
『THE BEYOND』の第5次蒼穹作戦における一騎の乗機。再建造されたエインヘリヤルモデルにあたる。
カラーリングはかつてのエルフ、というか小説版エルフを彷彿とさせる漆黒色。
敵の力を奪う超次元現象(SDP)を有している上に、一騎自体のエレメントとしての能力も使用できるなど非常に高いポテンシャルを発揮したが、
一騎が無茶をしすぎて消耗が激しく、パイロットだけ空母ボレアリオスに強制転送帰還した結果機体を放置せざるを得ずフェストゥムに奪われてしまった。
その後マリス・エクセルシアが搭乗するが色が微妙に変わって(濃紺色になって)いる。
武装はザイン時代同様にルガーランス。

  • マークツェーン改「アキレス」
『THE BEYOND』の一騎の乗機。暉がかつて乗っていたマークツェーンをエインヘリヤル化改修したものである。
SDP「増幅」が使えるのでほぼザイン時代と同じ戦い方が可能だが、どうも一騎の能力に機体が追いついていないらしく、
むしろ一騎がまた無茶をして機体を持たせるということをしている様子。
海神島におけるベノンとの決戦前にザルヴァートル化改修を受けており、一騎の能力でSDPを解放、マークアレスへと変貌する。

  • マークアレス
「全能」の名を持つ、第4のザルヴァートルモデル。
鋭角的かつかなりヒロイックなシルエットに変化しており、色は黒をメインに青、オレンジなど「空」にまつわるものでまとめられている。
固定武装はついに内蔵式にされてしまったルガーランスタイプの近接武器×2。例によってごんぶとレーザーも出せるが色は緑色に変化している。
また、マークニヒトと同じく同化ケーブル(ワイヤーアンカー)も搭載している。
同化結晶を生やして威力を増すこともできるが、ニヒトとのラストバトル以外では使っておらず本質的なポテンシャルについては未知数な部分が多い。
なので「一騎の最終乗機なのにそんなに強くない」と言った風評も見られるが大体ケイオスとレゾンのせい。

スーパーロボット大戦シリーズでの活躍】


初参戦作品…なのだが、本作のシナリオライターのずさんな仕事っぷりの煽りをモロに受けており、
フェストゥムに心を読まれかけて狼狽したり、マークザインの下りがバッサリカットされたり、
挙句通常のエンディングだと他の面子共々同化現象が深刻化するという悲惨な扱いを受けている。
ザインの「同化」が通用するフェストゥムが分岐ルートでしか出て来ない上になぜか飛べないため、ユニットとしての運用も頭を悩ませる。
中盤のヤーパンの天井でのイベントでは、レ・ミィとコトナのデュエットを聞いて総士共々「普通にいいよな」と感想を述べているシーンも。

この作品への出演を黒歴史化されている一騎達だが、その主な理由は通常エンドでの同化の深刻化。
一騎の明日はどっちだ。本当にどこだ。


二度目にして初の声付き参戦を果たす。
流石に『K』ほど酷いことにはならず、本作特有の濃密極まるクロスオーバーにガッツリ組み込まれている。
マークザインに乗り換えてからは同化能力で、特に対フェストゥムでは非常に頼りになるユニットに。
だが劇場版設定の第三部では、最強武器が射撃属性になっているのが難点。ちなみに視力に関しては、マークザインに乗れば問題なく見える程度に緩和されている。
念願のマークザインの下りもDVEで再現されるなど、物語を大きく盛り上げる。
今回の台詞の繋ぎの被害者筆頭。「選んでくれるのか?戦い以外の道を…(対ELS・フェストゥム等)」→「俺 が お 前 を 消 し て や る
ちなみに敵対時の操にも同じような繋ぎネタあり。
特筆すべきはアスカさんとの交流。彼のことを人生の先輩として慕っている。
おかげで原作より総士病は軽くなったものの、同時にアスカ病を患ったとネタにされることも。
まぁ、EDの最後の最後で特大の総士病で真矢と翔子(orカノン)を撃沈させるんだけどな!
「二人が、俺の翼だ!(by忍者戦士)」にすらなれなかった真矢と翔子に果たしてワンチャンはあるのか。

こちらでは『EXODUS』に繋がるフラグが軒並み圧し折られた上、
万が一再現されても(世界観上絶対にどこかで再現されるだろうが)原作以上に仲間がたくさんいるのできっと大丈夫だろう。



追記、修正は命の使い方を決めてからお願いします。

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最終更新:2025年03月17日 13:50

*1 ファフナーは機体とパイロットの一体化が求められているが、左目を失明している総士はファフナーには乗れない=お前のせいで戦えない、と言われたに等しい。ただし、総士としてはそういうつもりで言ったわけではなかった様子

*2 総士にしてみれば「ファフナー=島と仲間を守る為のものであり、尚且つファフナーはパイロット(一騎達)と一体化するモノなのでファフナー=パイロット」だから大事という意味での発言だった。つまり、仲間たちもとても大事だがファフナー無しでは生きていけないので「ファフナーだ」と口にしてしまったということである。

*3 この時点で島の真実と、島を守るのが自身の使命であると親から聞かされたがそれに耐えられなかった

*4 美羽が前線に出るなら一番安全な場所という理由。海神島のコアであるルヴィ・カーマはそれ以外にも「美羽の為に器を獲得させる必要があった」と述べている

*5 というか本編のマークエルフはほぼマークツヴァイなので、ある意味原点回帰。

*6 その後彼の視野から色彩が失われてしまっていることが描写されている。ザルヴァートルモデル搭乗による負担なのか元からそうなのかは不明

*7 「自分の事で一騎が思い悩む」事自体が総士のアイデンティティに直結しているという歪んだ関係になっており、このような独断も許してそれを知った一騎が更に暗くなって総士の心が満たされ……という悪循環に陥っていた