グエン・サード・ラインフォード

登録日:2012/02/17 Fri 13:47:19
更新日:2025/04/02 Wed 20:45:45
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年寄りが政治と外交をやっていれば、そうするしかないでしょう





グエン・サード・ラインフォードとは、『∀ガンダム』の登場人物。
CV:青羽剛、平川大輔(ゲーム等)

イングレッサを治めるラインフォード家の御曹司で、若いながらなに実質的な領内の統治を仕切っている。
機械の技術や政治に秀でる。グゥレイト!とは言わない。
19才と若いながらも、世界の産業革命を目指す野心家で、ムーンレィスとの交渉の矢面に立っていた。
理想家であり、階級に起因する差別意識も持っていないものの、目的の為なら昨日までの仲間をも裏切る冷酷な一面がある。そして変態。
一応……裏切りについては他のガンダムシリーズ等の様に戦争に勝つために裏切る、とか保身の為に裏切る、のではなく、あくまでも地球を月を越える産業の星にしようという理想のため。
特に、愛しのローラについては常に自分の側に居てくれるようにと願っていた。

数年前から独自にムーンレィスと交信を行っており、地球にて交渉に望むが、ミリシャの人間が反発した事で決裂。
その後も交渉を続けるが、反発を続けるミリシャと、地球人を野蛮と見下すムーンレィスの溝は開くばかりだった。

登場時から何故かロラン・セアックをローラと呼び、気に入っていた。
ロランが∀ガンダムを手にしてからは技術力が遥かに優れたムーンレィスのモビルスーツにも唯一対等に渡り合える戦力と判断し対等に交渉を進めるためのカードとして目を付けるようになり、
ムーンレィスに、「地球人は少女でもモビルスーツを操れる」事を示す為、ロランをローラ・ローラとして女装させ、∀ガンダムと共にミリシャに参加させる。

交渉を続ける中、月から来たコレン・ナンダーに街を破壊され、金や権力を失うも、婚約者のリリ・ボルジャーノの助けもあり、再び這い上がる。

その後、遺跡から発掘した戦艦ウィルゲムを手に入れ、直接月へ行き交渉を進めようとするが、現在の地球よりも遥かに技術力を持っていた時代であった黒歴史を知り再び野望に火が付いた。

そしてリリ達を裏切り、ギム・ギンガナムと共に地球へ戻る。
その最中、ロランへ自分の理想と野望を語り、一緒に来るよう説得するが、拒絶されてしまう。
ここまでの一連の行動を経てリリからも見限られ、替わりにリリがディアナ側の地球勢力を纏めることになる。

ミリシャ&ディアナカウンターの合同軍とギンガナム隊が交戦する中、モビルスーツ工場へ向かおうとしたことでギンガナムを怒らせてしまい、ターンXの砲撃を受けウィルゲムは沈む。
更に、気の良さもあって御曹司に付き合ってきたミリシャ首脳陣にも裏切られて全てを失った。
この後のリリとのやり取りは最終回の名場面の一つであり、所詮は足下が見えない野心家のグエンと、見聞きしたことを当たり前のこととして受け止めて地球と月の未来を見たリリとの器の大きさの違いが解る。
元婚約者の立場からローラ好きへの皮肉も見事である。

リリ「アメリアはわたくしがスカートのまま治めますわ」
グエン「スカートを穿いて産業革命を起こせるような世の中になるにはまだ時間が…」

エピローグでは最終決戦で遭遇したメリーベルと共に船で世界を周っている姿が描かれた。
髭まで生やしてダンディになっているが、それを見つめるメリーベルの冷たい視線にも注目だ。


また終始野心の強い潜在的な危険人物・小悪党・悪役的な描かれ方をされていたのでさも大したことないように見られがちだが、
  • 誰よりも領内の産業革命を推し進めていたのはグエン。場合によっては技術がより衰退していたままだったはずである。もちろんそうなったらディアナ・カウンターの蛮行から地球がボロボロにされていた可能性が高い。
  • 満場一致で慕われていたわけではないだろうが、急進的な割に領民が不満たらたらとか圧政で苦しむ場面は見られない。グエン自身も立場を問わず紳士的に人と接しており(後に立場が入れ替わるリリはむしろ差別的に扱っていた)、先見性だけでなく統治のバランス感覚なども優れていたと思われる。
  • 技術格差が激しすぎる月に対しても交渉のための戦力を整えていたのもグエン。把握しきれていなかったが月とは多大な戦力差があると想定して本来は交渉道具として考えていたためグエン自体は特に愚行はしていない。また、開戦などはディアナ・カウンターが酷すぎたりミハエル大佐などが無謀過ぎたのが原因で、ミリシャの組織形態は決して原始的ではない。それどころか月の民の話を御伽噺扱いしなかった*1ことで空軍すらも用意してみせていた
  • 脱走技術者を吸収し技術者の枠組みの中で重用。元々ミリシャの組織形態も悪くなかったことから正面戦闘且つホワイトドール抜きでもある程度は戦えるまでに急速に進化
  • 戦えることになったことで相変わらず血気盛んな人たちとは裏腹に、圧倒的戦力差や状況の変化などもありあくまでも和平交渉の方針は崩さず
  • 前述しているが貴族で野心家だが差別意識などはなく、裏切りも一部地域の一部技術水準だけは追いついてきたもののムーンレィスからすれば地球の大半が原始的で野蛮なことに変わりないという現状からの脱却(発展)が目的なので一概に悪とは言えない
のような形なので勢力関係の移り変わりや感情などを考慮しきれず裏切った末路は劇中通りだし、全てグエンの功績という訳ではないが、決して愚かな男ではない。ローラ絡みの事案以外は。

そのため、欠点らしい欠点は前述しているように野心が先行しすぎて周囲に対する気配りが足りなかったこと程度のもの。
途中まではそれでも悪くなかったが(主戦派を必要以上に慮っていたらもっと被害が拡大し、最悪月に辿り着くことすらなかった)月までの道程では旧態的な価値観に沿って婚約者のグエン様を立てようとしていたリリだったが、
月での出来事を経て、黒歴史に魅せられてしまったグエンと、黒歴史の愚かさを見切ってしまったリリで、夢想家と理想家の決定的な差が生まれてしまったことだろう。


グエンという名前は英語の女性名グエン(グウェン)に近いが、女性名のスペルはGwen、こっちのスペルはGuinなので、いちおうは別。
ただ小説作品では、幼いころに祖父から「女」として扱われてしまい性癖が歪んだという経歴があるとのことで、名前ももとはそっちが由来なのかもしれない。



【ゲーム作品において】
小説版だとブラック・ドールなるMSに搭乗しており、それがあるのかスーパーロボット大戦α外伝及びGジェネレーションシリーズではサイコガンダムに乗っている。
また、青羽剛氏が声優業を休業してからは平川大輔氏が代役を担当している。




◆名(迷)言集

「年寄りが政治と外交をやっていれば、そうするしかないでしょう」

「目には目、歯には歯、銃には銃で答えたい!」

「戦場での戦いを鎮めるのは私の責務です」
「しかし、ディアナ・ソレル、あなたはお味方だ」(ニヤリと笑う)

「な、なんだね急に。私は、月の技術を利用して産業を起こそうと考えてるだけです」

「私がいつでも先のことを見据えているのは知っているだろう?」

「戦争というのは武力の問題だけではない。産業や教育、思想まで侵略させるかもしれないという性格を持っている。そんな事態にならないようにする為には、事前に敵と接触しておく必要があった」

「私は…私はっ…私はロランが好きなのだ!」

「今の私に出来る事は、愛するローラの勝利を願うだけです」



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最終更新:2025年04月02日 20:45

*1 無線機などを見たことも理由だが、それを踏まえても他の多くの者や地域からは御伽噺扱いであり門前払いされていた