∀ガンダム(MS)

登録日:2009/06/22 Mon 22:39:02
更新日:2021/04/03 Sat 20:18:46
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地球は戦争をする所じゃないでしょう!?



ターンエーガンダム


とは数学論理学の全称記号のことであり、そこから全てを内包するという意味で、このコードネームが名付けられた。*1


型式番号
System∀-99(WD-M01)
全高 20.0m
重量 28.6t
出力(推定) 27.000kw(±5000)
装甲材質 FE型
動力源 DHGCP(縮退炉二基)

搭乗者
ロラン・セアック
ソシエ・ハイム
ジョゼフ・ヨット
メリーベル・ガジェット
テテス・ハレ

概要

かつて『月光蝶システム』を使い、地球の文明を滅ぼしたとされる機体。
禿御大の示したコンセプトはガンダム版イデオンである。
頭部はチークガード付きのヘルメットのような形状をしている。
このチークガードが位置的に髭にしか見えないことから番組内でも通称は“白ヒゲ”である。*2
ファンからもアンチからも“ヒゲ”で通じ、その特異な見た目は否定的に語られることが多いものの、
アニメやゲームで動く姿を見て見方が変わる人間が出る程に動きやデザインが考えられているロボットでもある。
棒立ちの状態でもよく見ると頭が小さく脚が長い等、実はグッドプロポーション。さすがにちんコクピットはどうかと思うが。
アニメでは目にハイライトが入れられる等、ヒゲ呼ばわりされる反面、色々と可愛く描かれている。

デザインは『ブレードランナー』の映画美術でも知られる工業デザイナーのシド・ミードが“リアリティー”というか“リアル”さを目指してスタッフにやんわりとダメ出しされつつ試行錯誤して出来上がったものだが、
後に『もっとアニメっぽくすればよかった(意訳)』と発言してたり。
本人も従来の位置にアンテナを付けたくないという理由でデザインしたのが元だったので後で悩んだそうだが、親交のある村上克司に相談した所“ヒゲのある”ゴッドシグマを見せられて安心してそのままにしたとのこと。
尚、これでも譲歩したそうで一番最初にデザインした時はリアルな人型兵器の記号過ぎてスモーガンダムと呼ばれる代物だった。
流石にガンダムに見えないということで∀が描かれたが、没デザインを元にスモーが誕生している。

発注した禿御大も『カッコ悪いのは解っているが今の自分にはこれ以上のデザインが手に入れられない』と番組開始前に言ってたりする。*3
ロラン役の朴璐美にも、わざわざ「このデザインは人気が無い」と説明した程だったそうだが、現在では朴も∀のデザインはダサイものだと理解しつつも、本作の世界観には合った特別な物として理解するに至っている。*4

尚、ミードさんが本作に関わるデザインで一番のお気に入りとなったのは、上記の“リアル”さに“アニメの“ケレン味”を加えることに成功したターンXなのだとか。*5

本編開始時には北アメリアのイングレッサ領ビシニティ北部のマウンテンサイクルにあるホワイトドールと呼ばれる石像の中で眠っていた。
ターンエーガンダムの名が明かされるまでは、ホワイトドールや白ヒゲと呼ばれていた。
後に、ホワイトドールとは積もり積もったナノマシンのカス*6が∀を覆った姿だと明かされており、
ヒゲを生やした人型っぽい岩に顔とか彫って祀ってたら本当にヒゲを生やした機械人形が出て来てビックリ!というのが∀の物語の始まりとなったというわけである。

∀の製造過程については謎が多いが、一説によると太陽系外部からの侵略者にそなえ作られたという。
ちなみに、この太陽系外の敵とは外宇宙に出ていったニュータイプの子孫達のことであり、彼らが作ったと思われるMSが地球圏に漂流し、その余りにも余りの超高性能ぶりに怯えた地球圏の人々が、
彼らが攻めてくると思い込んでその機体を解析してコピーしたのが∀……ということらしい。*7
建造時期は宇宙世紀に換算すると7800年頃らしい。

設計・運営思想は【究極的な単機による作戦行動】
より正確に言えば、地球全域をカバーする戦術システムであるSystem∀構想の運用実行機であり、本来の型式番号はそれを示したもの。
単体、或いは多く見積もったとしても師団程度までで完結する従来の“兵器”の運用思想を越えた理論による運用を意図して完成されている。

それゆえ一般的な兵器には当然のように見られる機能の特化や、制御不能になることや甚大な破壊を危惧してかけられるべき開発上の制約を捨て去り、
全てに対しオールマイティーか、それ以上の性能を誇っている。

ただし、作中で発揮した能力は、経年劣化やメンテ不足等の理由から、本来の2~3割程度の性能に留まるとされる。
……月光蝶を発現させた状態でもの話である。

しかも、劇中で見せているのはSystem∀を除いたMS単体としての姿でしかなく、本来は地球各地に存在するDOC(デバイスオペレーションコントロール)ベースとの連動により、∀の胸部空洞に戦況に応じた武装の転送を行う事が出来たとされている。
劇中でも∀の武器が至るところで発見されているのがその名残で、嘗てはここから瞬時に地球各地から空間転送による武器の補充が可能であったと予測されている。
後述の通り∀本体も本来は空間転位(ワープ)が可能であることから、System∀とは空間転位を利用して本体が必要な地域に移動しつつ、戦術に応じた兵器をDOCがバックアップするというシステムであったと考えて間違いないだろう。

主役ガンダムとしては見た目と設定の時点で一際異彩を放つ機体ではあるが、少なくともアニメ本編での姿に関しては、ファースト・ガンダムからの伝統であるビームライフル、ビームサーベル、シールドの三種の装備は健在。
一方で、再起動当初の装備の不足と、その頑強な構造から、不必要な破壊はしたくないというロランの意志もあり徒手格闘での戦闘を行う機会も少なくなかった。
特に使われることが多かったビームサーベルも同じ理由で、ピンポイント攻撃から防御までと多彩な使い方をしていた。

地球、ムーンレィス双方にかつて文明を滅ぼした存在として“白い悪魔”という異名で神話に語り継がれ、特に黒歴史を知るムーンレィスからは非常に恐れられていた。*8
そんな『悪魔』とまでかつて呼ばれた∀ガンダムだが、本編ではメインパイロットであったロランの非好戦的かつ庶民的な性格から、
戦闘以外にも駆り出され、橋代わりになったり、手首を回転させて洗濯機にしたり、牛の運搬も行ったりと、平和的な使い方わされていた。
元々、MSに作業用ロボットの理論から兵器に転用されたという設定があることを考えると、究極の最終兵器として生み出された∀が本来の用途を失った後で人に使われる機械としての原点に立ち返った姿を描写されたというのは、何気に『∀ガンダム』という作品のテーマにも沿ったものとなっていると言える。


○主な武装


  • 手刀
『スーパーロボット大戦』の最弱武器として知られる様になった兵器というか技。
原作ではメシェーを人質に取ったウォドムの手だけをちょん切るのに使用。*9
武装が無い為に使用した物だったが、∀の構造が非常に頑健かつ、機体内部に複雑な構造を抱えていない為に普通に格闘戦をこなせることの証明となっている。
一度しか使用してないが、非常に印象に残る技だろう。
モーションと∀のキャラクターデザイナーから、通称“ガンダム昇龍拳”と呼ぶ人も。

  • ビームサーベル×2
重金属粒子を加熱、プラズマ化して重力場内で刀剣状に固定した斬撃装備。……色々とおかしい。
∀に乗ったソシエが偶然にも見つけ出し、途中で交代したロランが初めて使用した。
∀ガンダムのサーベルラックが如何にも後付けっぽい簡素なものな事やマニュアルにも載っていない事から∀本来の武装ではないと思われ、事実スピンオフの月の風では装備していなかった。
ビームの刃部分が非常に細くビームサーベルというよりレーザーのような見た目をしている(後に従来のものと同程度の太さに)。
サーベルの基部自体も掌に収まる位に小型だが、切れ味は極めて高い。
左右の掌に展開した二本を一本にまとめて高出力のロングサーベルにすることもできる。
小説版では色調は夕日色とされた。
前述のようにロランが特に多用していた装備で、二刀流や回転斬りや手首を高速回転させて弾幕を防いだこともある等、歴代でも類を見ないサーベル使いの一人でもある。

  • 7th-GMPT
上記のビームサーベルの部分に本来は装備するつもりだったとも言われる兵器。
7th-GMPTとは第7世代ミノフスキー物理学理論のことである。
宇宙世紀のガンダム世界ではミノフスキー物理学を元にMSや兵器の研究が重ねられていったが、
この7th-GMPTは、そうしたミノフスキー物理学を元に動いている機関や兵器に干渉し、強制停止させる目的で運用される予定だったと言われている。
実装は叶わなかったと言われるが、作中に登場する大型MSウォドムは、本来はこの7th-GMPTを備えた機体であったともされる。

  • ビームライフル
∀の主武装。
シンプルな外見だが、威力は他作品のビームライフルとは一線を画すほどに高く、長距離でも大気中にも関わらず光線に減退(空気中での光の拡散や分散)が見られないという特徴を持つ。
出力も自在に調節でき、高出力モードも可能。
スパロボ等でもウォドム並のビームを放つ高出力モードが別武装として分けられていたり。
また、本編のロランは逆に銃口を絞って狙撃による局部の破壊に利用したこともある。
最高レベルに設定するとコロニーレーザー級の威力があると言われたりもするが、そのような設定は公式では一切存在していない。(山を貫く程の威力でも全力では無さそうなので、最高出力を想像する中で持ち出されたのがコロニーレーザーだったのだろう。)
威力が減退せずにビームが直進出来る現象については、ビームに地表が引き寄せられている場面もあることから、サーベルと同様に重力コントロールがされている可能性もある。
第2話で本体のすぐそばに埋まっていた(携行していた)物が登場したが本体と違い経年劣化が激しく、自動制御で動き出した∀による高出力モードでの二射で銃身が溶融し使用不能になった。
その後も各地で兵装らしきもの(前述のDOCベースの跡地)が発見されても、見つかるのはやっぱり経年劣化により使えないものばかり……という状況だったが、ムーンレィスの技師が合流した辺りで漸く使えるライフルが発見されて補修され、中盤にして漸くライフルが使えるようになった。
小説版ではリフェーザーライフルとの表記もされた。
このため、機構その物が宇宙世紀やその他の時代のビームライフルとは別物である可能性が高く、更にエネルギー切れや補給の描写すらも存在しない。
宇宙世紀の物については完全に別物で、ミノフスキー粒子をIフィールドを用いて縮退・収束して放つメガ粒子砲とは完全に別の理論により稼働し、威力も比べ物にならない位に高い。
ビームサーベル同様にプラズマ化した重金属粒子を固有振動で収束して発射する共振粒子砲と説明されている。*10
経年劣化していたことや大量に発掘されていたことからも解るように、本体とは無関係で幾らでも代替の利く外付けの装備品の一つに過ぎない(ナノマシンによる補修外となる)。

  • シールド
∀本体が隠れてしまうほど大きな物で特に特別な装置は無い。肘にはめこんでも使用出来る。
何十もの層でコーティングされており、Iフィールドと併用すればウォドムのビームすら防げる。
劇中ではジェネレータを二倍にして倍以上の出力にまで強化されたビームを、盾を中心に広範囲にまで展開したIフィールドにより自軍全体をカバーしてみせた。
∀の防御はIフィールドのみならず究極的には月光蝶によって行えるためかつては余り優先して装備されていなかったらしい。
形状はガンダムの装備していた多角形型ではなくゲルググの装備していた流線型の物に近い。
元々は“貝殻”の様な見た目を想定していたとの事だが、上手くデザインに盛り込む事が出来なかったらしい。

  • ガンダムハンマー
グリップ部から鎖で繋がった巨大な鉄球にロケットモーターを内蔵した格闘・投擲用の武装。
いかにも蛮族が使いそうな見た目だが、かつての時代の同名の装備とは違い、
鉄球部よりIフィールドを発生させ敵機体の駆動系に干渉出来る他、鉄球のトゲ自体を爆発させる機構も内蔵する等、何気に超性能。
劇中では最初に発掘されたものは、経年劣化で鎖がボロボロになる中で受け止めたウォドムの手を破壊しながら頭部の奥深くにまで自らめり込んでいった。
このためハイパーハンマーと紹介されている場合もある。
ビームライフルと同様に、その後も見つかるのは経年劣化でボロボロになったものばかりだったが、使えるビームライフルが見つかったとの同時期に(ムーンレィスの技術者による補修の賜物だったのか)使えるものが見つかり、流石に普段から携行こそしないものの装備の選択肢の一つとなる。
戦闘を繰り返したり、ロランが∀の性能を理解し始めたことにより出力が上がった後半には両手に装備したハンマーでポゥの乗るスモーとムットゥーを捕獲して纏めて振り回したりもした。
その姿が余りにも印象的な為か、後述の通りvsシリーズで武装に選ばれたりなんてことに。

  • 胸部マルチパーパスサイロ
胸部に存在するがらんどうの内部スペースのこと。
本来はミサイルやビームドライブユニット、マシンガン、近接戦闘用の武装などを装備するための広い空間。
しかし『∀ガンダム』本編ではそのような武装が現存していなかったため、ミリシャ製の爆弾を装備した他、牛さんの運搬や核ミサイルの隠し場所なんかに利用された。
下記にもあるが、本来は青い狸のポケットの如く状況に応じて必要な道具を取り出すためのスペースである。
元々はこの下部に主砲が搭載されていたとも言われる。
劇中で最初に入れて運んだのは、前述のように

  • 腹部拡散ビーム砲
下腹部に存在する拡散ビーム兵器。
終盤でギンガナム艦隊に鹵獲された際に取り付けられた。
劇中で披露したジョゼフの叫びから、通称は「やったぜフラン砲」
因みに記述の通り正式名称は腹部拡散ビーム砲なのだが、ビームドライブユニットと記述されることが多々ある。
実は∀と同性能=∀のビームライフルやウォドムのビーム程度ですら完璧に無効化してしまうターンXのIフィールドでも防げない鬼畜兵器である。 
本体からデータを取って再現された正式武装なのか他の機体の流用品なのかははっきりしていない。

  • コアファイター
幾つかのガンダムではお馴染みの機構で、∀の場合はちんコックピットを中心に前部のスカート部分が変形して翼となって分離する。
簡単な推進機の類しか付いておらず、飛行自体はlフィールドによりグライダーの要領で揚力を得ているらしい。
そうした構造上、歴代のコアファイターよりも小型で単純な変形機構である。
コアファイター自体にはエンジンの類が搭載されていないので長距離航行は不可能らしい(ロラン曰く「長距離が苦手」)。
コックピット部分だけを有線で地面に下ろす事も可能で、乗り降りでも有用。
ギンガナム艦隊に捕獲された際には機体のコンセプトや機構が似ているスモーのコクピットを代わりに付けて制御していたが、本来のコクピットで無ければ完璧な機能の発揮は無理だとされる。
コックピットが剥き出しの為に防御が低いとか弱点丸出しと勘違いされているが、
∀自体が構造、機能の両面から防御力に優れている上にスカート部分に自動でコックピットを守る機構があるために、実際には非常に堅牢である。

その他、ビシニティのDOCベースには様々な装備が格納されていたがどれも経年劣化で崩れ落ち、未使用。


自分を捨てて戦える者には!!



  • 月光蝶
背部ベーンよりIフィールドに乗せて射出されるナノマシン。青色に輝くナノマシンは紋様の付いた蝶の羽の様な姿を形作る。
羽をはばたかせ、鱗粉を振りまきながら飛ぶ姿は正に『蝶』の如く。
効果範囲は黒歴史時代なら軽く地球上を覆う程だったが、劇中では見える範囲での空を覆う程にこそ展開されたものの、黒歴史内の記録映像の様な範囲への拡散や破壊現象までは起きなかった。
それもそのはずで、このことが記載されている資料によれぱかつての1/10以下の出力だったとのこと。

このナノマシンにより地球の文明は一度葬られ黒歴史が生まれた。人工物を全て分解し砂に変えるとされるが詳細は不明。
合金や化合物を単体の原子に分解してしまうのだろうか?
一部小説内だと地球の物質全てにナノマシンが含まれており、月光蝶のナノマシンがそのナノマシンに触れると自壊プログラムが発動し砂になるとされている。
尚、人工物の分解というのはプログラムの結果でしかなく、実際にはあらゆる物質を分解可能と考えるのが自然との考察もある。

また、実体のみならずエネルギーの類いも分解吸収することが可能*11で、高密度で展開した場合には実質的な無敵のバリアーと化す他、
後述のようにターンタイプを除くあらゆる機動兵器の類いは活動不能に追い込まれる。
一応は月光蝶の拡散と同じ要領であるIフィールドバリアーにより直接的な影響を防ぐことも可能……だが、
最終話でのソレイユを見れば解るように戦艦であってもあっという間にエネルギーが尽きて墜落してしまうことになる。
前述の様に出力が本来の1割以下でもこの有り様であったことを考えると、本来の出力ならば同じ方法を用いても僅かでも防げたのかは甚だ疑問である。

性質上、高密度の羽の部分等は触れただけで人口物ならば切り裂かれて(触れた部分が消滅する)しまう等、
限定的な範囲ならば攻防一体で広範囲を一瞬で壊滅させる最強の兵器としても転用可能であり、これこそがターンタイプの最大の脅威と言える。
劇中では更に二次的な被害として、恐らくは大気組成までもが分解された影響なのかイオンを含む嵐までもが巻き起こっていた。
因みに、最大出力だと木星まで届くと言われる事もあるがこの辺りも特に公式で設定されているわけではなくファンによる考察である。
とは言え、地球全土にも及ぶ効果範囲を考えるにそれでも十二分以上に脅威なのだが。

後作品の『ガンダム Gのレコンギスタ』に登場するG-ルシファーにも同名の機能が装備されていたが、ターンタイプと同様の性質を持っている描写はされていない。
禿御大曰く「有用な技術だから継承されてきた」と何かとんでもないことを言っているが、公式には『Gレコ』は『∀』よりも遥かに過去の話である。

尚、文明世界を抹消する=自然環境の回復の役目もあったのか、月光蝶で分解された物質のカスとも思われる“黒い粉”を利用することで不毛の地に作物が育つ様になったとの話題が劇中に出てきており、かなり前半から伏線が張られていたことが解る。



○テクノロジー

  • Iフィールド
∀のIフィールドは従来のフィールドと異なり、「ビーム」はおろか「実弾」「衝撃波」など物理的干渉にも対応しており、常時バリアーを張っているようなものとなっている。
宇宙空間での核爆発に際して、∀と頭だけのターンXに展開されているのを劇中で確認出来る。
当初は稼働していなかったようでロランが機能に気付いて以降は常時展開されている。
また、∀は「IFBD(Iフィールドビームドライブ)」によって稼働しており従来のMSのようにジェネレータや駆動装置に占領される面積が少なく(胸部マルチパーパスサイロはその為に存在)、
駆体そのものが装甲・構造材を兼ねた構造となっている。
劇中で頭がすっぽ抜けても問題なく稼働してたのはこの為で、中身空っぽの昔のプラモデルとかソフビ人形みたいな構造を想像すると理解し易い。
積み木みたいな各部を目に見えない糸で括って、マリオネット的な感じで操るのである。
同様の構造をしたMSにスモーやターンXがあり、オリジナルとも言われるターンXに至っては全身をバラバラにしてのオールレンジ攻撃を見せた。
スモーはターンタイプのMSとしての機構部分だけを元に生み出された機体シリーズなのだろうが、そうした事実もまた黒歴史の封印と共に失伝されていた可能性が高い。

  • 動力系
推進機は下半身に集中していて、脚部後方にあるスラスターベーン(ゴジラの背板のようなもの)一枚一枚が更に小型のスラスターで構成されるフラクタル構造をしている。
本編開始時にはスラスターにナノマシンの塵が詰まっており推進力が得られず、お世辞にも良い性能とは言えなかった。
しかし、塵が取れたあとは重力下で完全飛行=機体の形状に関係なく重力の影響を脱する程の推進力を見せたり、単機で大気圏を離脱出来るジャンダルムを正面から押し返したりと圧倒的なパワーを見せた。
脚部には左右一基ずつ“DHGCP”と記載される縮退炉=超小型ブラックホールエンジンが格納されており、これが∀の心臓部であり、MSとしては考えられないようなパワーを誇るのはこの主機関のため。
これも、無限に増殖するナノマシンを利用して縮退を保っていると考えられる。
縮退炉は周囲の熱を奪うために何重にもブランケットを巻かれているだろう、等と予想されている。
推察されたスペック上の出力はスモーに劣るが、後半にかけての劇中描写では前述の様にスモーはおろか、戦艦相手にも優るパワーを見せつけている為、実際の出力は予想値を遥かに上回ると考えられる。
また、あっさりと描写されていたが有り余る出力からか単機での『空間跳躍』も可能であるとされる等、謎が多い。*12

  • ナノスキン
多数のナノマシンから成る素材で高い自己修復機能を持つ。それにより∀は常にナノマシンにより修復を受けている状態となっている。
ムーンレイスのホレス技師曰く「内部構造までは修復を受けない」らしいが、これはホレスが現在のムーンレイスでの常識しか知らなかった為で、
∀の場合はかなりの破損であっても時間さえあれば完全に復元出来る。
一説によれば小さな欠片からもパイロットを含めて再生可能との噂もある。
……ん?それってつまり、∀をバラバラに分割してほっとくとその部品一つ一つが∀になるってこと?(実際には劇中の様に一体分にしかならないと思われる。)
因みに、主に否定派からは流石にパイロットまでは復元出来ないだろうと言われていたが、2019年のシド・ミードのデザイン典にて本当にそのつもりで設定されていたことが明らかになった。

尚、ナノマシンの集合体=超高密度で集積した高分子化された物質ということにもなるので、単純に装甲自体も頑丈であり、生半可な攻撃では傷ついた描写が無い。(また、機体自体も内部に空洞が多くて軽いからか、普通に受け身をとって落下ダメージを無効にするような動きも可能。)
月光蝶を生む大元でもあるため、ターンタイプのMSのみは月光蝶の散布下でも問題なく活動が可能と更にチート。
性質上、ナノマシンは無限に自らを増殖するプログラムが基礎的に組み込まれており、その上で与えられた命令に応じてボディを構成、復元したり、月光蝶として分解プログラムを実行したりしていると思われる。

この能力は、デビルガンダムに非常に似ており、∀とデビルには何らかの繋がりがあると想像されたりしている。
DG細胞のナノマシン技術を更に発展、完全なコントロール下に置いたのがターンタイプのナノマシン技術である……と言うのである。


その他特性

機体自体も音声入力も込みで電子マニュアルも完備と、初心者にもおすすめのMSである。
マニュアル自体は、第一話でロランが「サバイバルキットみたいな物」と一緒に見つける。外見はファーストガンダムのマニュアルに近い。
尚、マニュアルの内容はムーンレィスであるロランをしても理解しきれないレベルの代物だったようで、それが劇中での段階的な機能の回復、発現として描写されている。
本編では気づいた人間だけが気づけばいい、という程度の描写だがアニメでの設定を活かして描かれた小説版を見れば解るように、実はサイコミュの類がシステムに組み込まれたニュータイプ専用機の系譜にある機体でもある。
実際、ロランの感情に呼応する形で出力の増強や月光蝶の発現が起きている。*13
本来はパイロットスーツを通じて機体その物と精神をコネクトさせて操るシステム(スパインパルスセンサー)であり、
成人の儀式に於けるホワイトドールの聖人=∀のパイロットと同じ背中の印とは、パイロットと∀のコネクトによって付いた跡のことであり、劇中でもロランの背中に付いていたのがこれ。
神経システムの接続によりトレースどころか、パイロットの思考に応じて動く為に、ロランが操縦していないように見えても∀がロランと同じ動きや、ロランのしようとしていることを先んじて実行していたのはこの為である。
機構が似ているスモーもそうだが、パイロットとMSの感覚が共有されているかの様な場面も登場してくる。
因みに、火器管制システム等は自動でもビームにビームを当てられる程に優秀というか万能であり、最早全自動NTの域。
劇中での最初の目覚めでウォドムに反撃した動きも完全なプログラムによるものであった。
(そんな訳で、番組の裏設定を渡した上で執筆された)一部小説ではマニュアルが行き過ぎて普通に喋る。



ガンプラ

放送当時に1/144と1/100で発売。
後に記念すべきMG100体目として発売された。
プラモデルの機体解説には、劇中では死に設定と化した上記のトンでも設定の情報も記されていたが、始まったのはガンダムの名を冠した名作劇場であった。
また、ロボット魂でも立体化されており、通常版の他に銀ピカのナノスキンverや半透明の月光蝶verなんかも限定発売されている。



○ゲーム中の性能

  • Gジェネシリーズ
ZEROから参戦。だが、ZEROの時点ではまだ原作が未完であったためゲスト参戦止まり。
Fでは他の機体と共に本格参戦。攻撃力・防御力はトップクラスだが、何故かターンX共々この頃は飛べなかった(飛行可能になったのはPORTABLEから)。
月光蝶はENにダメージを与えるマップ兵器となっているが、敵機体はENの最低値が決まっていたり、自動回復されてしまうため有効に活きる場面を選ぶ必要がある。
弱くはないが、多段ミサイル全盛期の旧作Gジェネではウリに欠く部分もあった。

スピリッツでは最終話「世界の眠る日」に登場。
U.C作品のみの収録である本作の中で唯一アナザーガンダムからのゲスト参戦であり、本作のラスボス
アニメ版と違って黒歴史全開モードとなっているため、凶悪な性能を誇る。
基本性能もさることながら、ナノスキンやIフィールドを始めとしたチートクラスのアビリティや月光蝶はもちろん、ハイ・メガ・キャノン並に太いビームサーベル等の強力な武装をそろえている。まさに『お髭様』。
V2ガンダムを始めとした、宇宙世紀でも群を抜いて強力な機体を揃えてやっと対等に戦える。
最終ステージをクリアすることで生産登録される。生産費は超高額であるがオリジナル軍のユニットとして運用するほか、Fのフェニックスガンダム同様、あらゆる機体と設計できる優秀な素材でもある。
本作以降、ボスとして最大出力の∀が出る事はお約束となっている。

次回作のウォーズではアニメ版仕様のみなので、性能は大分抑えられている。また初期の仕様と後半の能力解放仕様が別の機体となった。
ワールドでは黒歴史仕様がまさかの復活。多少変更はあるが「お髭様」の名に恥じない超高性能機。能力解放も核ミサイルと月光蝶がマルチロック武装となったため強力。
オーバーワールドでは月光蝶が特殊覚醒へと変更。同作のロランは福井版準拠なのかニュータイプを習得可能なので問題なく使えるが、他のNTを乗せた方がいい場合も出て来た。

ジェネシスでは再び黒歴史版がラスボスに。マップ版月光蝶がHPにダメージを与えつつEN・MPにもダメージを与えるという効果になったため使い勝手が向上した。
クロスレイズではDLCで登場。名前には何もついていないが能力解放版である。
マップ版月光蝶が通常ダメージ+攻撃ダウン効果になり、範囲内の6体にランダムにダメージを与えるという効果となったものの、通常版月光蝶が防御力無視効果となったため、最大火力は高い。


α外伝』においてスパロボ初参戦。中盤までは並みの性能であるが、終盤追加されるマップ兵器版の月光蝶が非常に強力。
なお、スパロボでは∀系の乗り換えが宇宙世紀系と共通であるため、ロランが降ろされてしまう場合も少なくない…。
(尤も、『α外伝』ではSPの多さや必中を習得している事、『Zシリーズ』ではSP回復やロランのABとの兼ね合いからロランを降ろさない選択肢も十分考えられる。)

『Z』にて久々に参戦。∀ガンダムの原作再現も行われており、武装が少しずつ追加されていく。序盤こそ力不足感が否めないが、やはりというか、月光蝶を解禁してからは圧倒的な主力となる。

第2次Z破界篇』においては、長射程の「ビーム・ライフル(高出力)」や、弾数こそ少ないが強力な移動後武器である「ミリシャ一斉攻撃」が追加され、月光蝶なしでも十分な戦闘力を持つようになった。
さらに、手刀が無消費で使える技となり、無双や反撃戦法に持ってこいの機体となる。ただし、月光蝶はロランが封印している為に使えない。

再世篇ではOOのブレイク・ピラー事件において、降り注ぐ大量のピラーを止めるべく、遂にロランが月光蝶を開放。以降は単体版・MAP版が解禁される。
ロランもいいが、精神コマンドの加速、連続ターゲット無効を持つが、乗機に恵まれてないクワトロを乗せての単騎突撃や、
技量に長け、再攻撃で豊富な武装を使いこなせるアムロ、もしくは育成の遅れているパイロットに月光蝶を使わせて育てるのもいいだろう。
最後は、平和な時代には不要な力として埋められたが…。

第3次Z天獄篇』では、ロランとガロードの危機に対して、自らの意思で出土。戦いに加わっていく。
異星人や世界規模の侵攻に対してか、最初から月光蝶が解禁されている唯一の作品。
また、通常兵器やマップ版とは別に特殊能力版の月光蝶が追加。
Gジェネのようにマップ全体にいる敵のENを吸収する能力となっており、一部のボス敵をほぼ無力化できるため非常に強力。


  • ガンダムvsガンダム
コスト3000の格闘機。νガンダムに並んでデカく、F91と組めばその差は歴然。
射撃武器にガンダムハンマーを持つので、ライフル持ち万能機とはだいぶ使い勝手が違う。隠し味に核ミサイル投擲も使える。
その際にはちゃんと「全員へ!核を使います!」と発声するので、対戦においてはバレバレで実用性は低い……のだが、
基本的に他のゲームの音などでうるさいゲーセンだとその声が聞こえず、気が付いたら近くで爆発してた、なんて事も。
無印では、高コスト機では(ガンダムXほどではないが)やや不遇であった。

しかし、NEXTでは鬱憤を晴らすかのように超絶強化。
素の耐久が高い上に耐久値200以下になると月光蝶が発動、攻撃力が跳ね上がるようになった。
格闘は全体的に高性能で威力も高い。特に横格(レバー横入れ格闘)は範囲広い、発生早い、ダウン奪うの早いの異常性能。
フワキャンと呼ばれる回避テクニックでの変態的機動で相手の攻撃をかわしつつ横格を差し込むその姿は、迎撃手段を持たない機体にとっては恐怖そものもである。
それに加え月光蝶発動中だと横格からのコンボで耐久力が300近く削れる(2000コスト機の体力は平均550くらい)
……と、中々アレな性能なので対人戦では気を付けよう。
もっとも格闘機なので、相方と協力して近づかない・近づけさせないを徹底すれば、2000コスト機でも十分勝ち目はある。



  • EXTREME vs.シリーズ
格闘は大幅に変更。
前作と比べて全体的に格闘は弱体化。判定はお世辞にも強いとは言えないが出の早いものが多い。

代わりに射撃面が強化され、CSにライフル照射が追加。サブがライフル連射に変更され、特射はソシエとメシェーのカプルを召喚。
レバーNでミサイル連射。レバー入れだと文字通り『特攻娘』が相手目掛けて突っ込んでいく。
何よりガンダムハンマーの弾速が上がり、かなり当てやすくなっている。

射撃武装全般のリロードがかなり早いため弾幕を張れるが、銃口補正がどれも貧弱かつフルヒットでしかダウンを取れない、更に威力も大した事ない……と割と散々な性能なのであくまで中距離以降の牽制用と割り切った方が良い。
前作に引き続き、強力な銃口補正を持つガンダムハンマーと、依然として強力な格闘を駆使した近距離戦が軸。
武装の性能から、全体的に格闘機に強く、遠距離から射撃に徹してくる機体が苦手な傾向がある。
耐久力が最高の750なので、シャッフルで3000同士で組んでも後衛で戦う選択肢をとれなくもない。

シリーズ二作目以降は高性能な飛び上がり格闘(いわゆるピョン格)が追加されており、立ち回りの要となる。
動きが田植えに似ていることからターウエーガンダムとか呼ばれることも。

覚醒技は『月光蝶』で、 羽を広げた後突撃する。
かなりの高威力、かつ格闘コンボの〆にも使えるという割と実用性の高い覚醒技。
いうまでもなく、外すと多大な隙を生じさせるのでぶっぱするのは厳禁。

なお、二話仕様なのかロランは全裸である。全裸である。




追記・修正の風が吹く……

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最終更新:2021年04月03日 20:18

*1 因みにこの記号そのものには読み方は無い。“ターンエー”という読み方は番組オリジナルである。

*2 後に制作された『ガンダム Gのレコンギスタ』の主役メカ『G-セルフ』の“前方に突き出た”アンテナブレードは“ヒゲ”への変化の途中というイメージらしい。

*3 そうした経緯があるからか思い入れもあるガンダムらしい。

*4 正確には女性なのでカッコいいロボット、カッコ悪いロボットと言われてもピンと来ていなかったとか

*5 とはいえ左右非対称のデザインはセル画で描くのは非常に手間がかかるので登場自体は終盤の数話しかないのだが。

*6 つまり、常に新しいボディを生み出し続けており役目を終えたナノマシンは垢の如く零れ落ちる。シナリオでも∀の出現を生まれたてのようだと説明されている。

*7 そして、その流れ着いた機体こそがターンXであると、この説ではされている。

*8 ムーンレィス側には『∀ガンダム』という正式名で伝わっていたようだが、劇中登場したムーンレィスの反応から、どのような姿なのかまでは伝わっていなかったと思われる。

*9 この時に持ち帰った手が後にコレンのロケットパンチとなった

*10 この設定の元ネタは御大自身による小説版『機動戦士ガンダム』の設定から。

*11 ミサイル等も分解され熱エネルギー毎に吸収されてしまう

*12 あまりにも異常な性能を誇る為にファンの間でも議論がされていたが絵コンテにははっきりと“ワープ”と書かれていた。後述のゲームGジェネシリーズでは明確にワープとするばかりか、劇中描写を元に限界性能を想像した描写を採用している。

*13 『∀ガンダム』の時代の人間はニュータイプの発生した時代の末裔=全員がニュータイプの劣化した資質を持ち、サイコミュを操れたりニュータイプ能力に目覚める可能性が高い人々であるとのこと。劇中でもロランを初め、かつてのニュータイプのような感応を示している人物が多いのはそのため。