七夜志貴

登録日:2009/07/10(金) 21:59:58
更新日:2024/03/26 Tue 21:08:49
所要時間:約 6 分で読めます





「吾は面影糸を巣と張る蜘蛛。
 ───ようこそ、このすばらしき惨殺空間へ」



TYPE-MOON月姫、歌月十夜、MELTY BLOODシリーズの登場人物。
CV:野島健児

月姫系列のどの作品にも登場するが、作品事に設定が微妙に異なる。
しかし基本設定は遠野志貴のものと外れることはないので注意。




以下ネタバレを含む。




◆月姫
遠野志貴の本来の名前。
9歳まではこの名前だったが、遠野四季に殺された後に遠野槙久の暗示がかけられて『遠野志貴』となり、名前と共に『七夜志貴』という人格も廃棄された。
カタチになる時は和服を着た少年の姿で現れる。

一族を皆殺しにされたからか達観しているが、本質的には遠野志貴のためか優しい。

表の世界に帰ろうとする遠野志貴を思い引き留めるが、最後は「いまさら遠野志貴になる前の志貴に戻っても意味がない」と見送った。

「あ、でも別に僕は別人ってわけじゃないぜ。僕らはあくまで一つの名前の住む現象だからね。たとえ君が忘れていたとしても、君はもちろん僕の延長である志貴だ。
 ただ僕の場合は君の土台ではあるが過去ではないから、廃棄物って事になってしまう」
――――――月姫での挨拶。



◆歌月十夜
遠野志貴の『自分が殺人鬼になるかもしれない恐怖』の具現であり、殺人鬼。
七夜を持ち続ける志貴という内面で、志貴の父・七夜黄理を思わせる七夜の体術を使いこなす。

殺人鬼として想像されたものの殺す対象は志貴のみに限定されており、志貴を殺して志貴に成り代わり、現実でも殺人をしようとする。
と思われていたが、実際のところは「そういう役割」なだけであり、後に自我が目覚めた後は不満たっぷりである。

「どこまでも身勝手な男だな、おまえ―――!俺を殺人鬼として生み出しておいて、殺すべき対象はおまえだけだと!?そのような半端な事などしていられるものか……!」
「そうだ、俺はおまえが気に食わないだけだ……!悪夢を形に成せるというのなら、もう少し大層な悪夢を見ろこの甲斐性なしめ……!
 まったく、自分を殺す為だけの自分などと、そのような役割が何度も続けられると思うかたわけが……!」

戦闘では七夜の戦闘術を駆使して志貴を上回るが、『死の具現』たる軋間紅摩に殺される。



◆MELTY BLOOD
タタリが『殺人鬼になるかもしれない恐怖の具現』たる七夜志貴を祟った姿。
タタリの影響か、セリフが芝居じみている。それに加えて声優の甘いボイスから、数多くのヒロイン達を差し置いて『エロい』と原作者から言われる。

「遠野志貴が殺人鬼に堕ちた」というタタリなため、直死の魔眼らしき能力を持つ。

タタリは七夜志貴という『殺人に特化した体』を手に入れたことを喜び、吸血ではなく殺人を楽しもうとするが、遠野志貴に倒される。
タタリはこの事を『自分(七夜を祟ったタタリ)という殺人の罰を殺人という罪で殺した』と言った。



◆MELTY BLOOD Re.ACT以降
白レンが遠野志貴の使われていない行動原理(白レンとの会話から推測するとおそらく退魔衝動)を素に作り出した殺人鬼。
厳密にはタタリによって生み出されたものを白レンが繋ぎ止めているだけのものであり、三咲町から離れることはできない。魔眼は持っていない。

一応白レンのマスターという位置づけだが、ともに利用しあっているだけというか、相思相愛というか、微妙な関係である。
もっとも白レンの方は七夜が大好きで、七夜の方は白レンのマスターとして契約していないと消えてしまうが。

出会った者を誰彼かまわず殺害、解体しようとする。
呼ぶ者を殺すだけのモノなので、Re.ACTでは呼び出した白レンまでをも殺害した。


Act Cadenzaでは殺人貴(月姫の後で遠野志貴の二つ名となる殺人貴ではない)となっている。
七夜の生き残りだが、彼がどのようにして生き延びたかは定かではない。
遠野志貴とは違い、人体を限界まで酷使する七夜の体術をはばかることなく使用する。


Actress Againではオシリスが起こした騒動をガン無視して七夜の誇りを精算するため軋間紅摩と対峙。
白レンの制止を振り切り、殺害。この時点で力の源を壊した事になり、己が消える事を理解しており、さらに怪我をし性能が落ちているにもかかわらず戦いに赴き、軋間の首を切り裂く。
一矢報いたと評してもいいが、父親のようなレベル、生の実感を与える程ではなかったようだ。
しかし七夜の子として誇りを立派に貫いたという行動に陰りはない。
なお、白レンを殺したものの、彼女に義理と未練を抱いていた事を軋間に漏らしており、七夜にとっても特別な存在だった模様。ようするにお約束の殺し愛である。

白レンルートでは白レンからオシリスの砂に乗り換えたが、(自分のルートではオシリスをガン無視したくせに)サクッとオシリスを殺して世界を救った。
こちらでは最終的に元鞘に戻り、白レンの逆プロポーズに応えて彼女が消えるその時まで共に在り続ける事になった。


ファンからは志貴のストーリーが「ギャルゲー」なら七夜のストーリーは「少年漫画」で志貴とは別の意味で主人公っぽいと評されることも。

白レンに女子供は相手にするなと言いつけられているせいか、はたまた『遠野志貴』の影響か、有間都古には妙にやさしい。
彼女からも、『ちょっと怖いけどお兄ちゃんだ』と称されている。


勝利時に「しかし下手だね、どうも」と発言するが、それは相手ではなく自分に対して言っている。
暗殺は一秒で行うものであり、それを手間暇かけてあまつさえ戦闘になってしまった自分の不手際を笑っているのだ。



◆MELTY BLOOD:TYPE LUMINA
リメイク版月姫の前日譚が舞台とあって七夜志貴としての出番は今の所は無い。
しかし都古のラストアークのパンダ師匠の言動が完全に七夜のそれだったり、
ボスラッシュのノエルルートに登場する遠野志貴にそっくりな「学生服のカレ」のセリフ回しが七夜だったりと匂わせる部分が目立つ。
「学生服のカレ」曰く、「野でも夜でもない」らしいが…



ALL AROUND TYPE-MOON アーネンエルベの一日
遠野志貴の深層意識にある恐れや、七夜の頃の記憶の残滓。白レンの使い魔のようなもの。白レンの力がないとカタチをとれないが、遠野志貴が意識を失っているときに乗り移ることができる。遠野秋葉とは天敵同士。

台詞がいちいちエロい。アルクェイド・ブリュンスタッドには『殺せない』からあまり近寄りたくないらしい。それは彼にとっては『殺したい』というのが唯一真っ当な愛情表現なためで、殺せない相手のことは考えないようにしている。
だが、遠野志貴になる前に外に連れ出した翡翠だけは殺す気が起きないと言いながらも気遣っている。(あとすっごくエロい声で口説きまくった)

執事服を自前で用意したり、アルクェイドがときめいたり、白レンが嫉妬する程、ものすごく丁寧な接客はできるが料理はできない。
彼曰く、男で料理ができるのはペンギンが空を飛ぶようなものらしい。

ネガポジウム光線を照射されて遠野志貴から反転し、アーネンエルベのウェイターとして働いたが、あまりに不味い料理にキレた両儀式によって巻き沿いをくらい、殺害された。その後はネコアルク達によって、最近のネコ医療学による治療ポット(明らかに只のロッカー)にぶち込まれ、翡翠に発見されるまで放置されていた。発見された後は、再びウェイターとして働く。

だが、最恐の存在(遠野秋葉)が最凶の存在(琥珀)を引き連れて来店することを察知して店の奥に退避。しかし、アルクェイド、セイバー、式による悪口に激昂して再登場し、秋葉にしばかれて遠野志貴に戻った。

なお白レンの力でカタチを得た場合にはこの限りではないが、AATMでは遠野志貴の肉体に現れているため肉体に染み付いた本能的な恐怖(つまり秋葉への絶対的恐怖)に逆らうことはできない。

残滓は白レンに回収された。



◆月姫2
中学生になった有間都古を弟子にしている…のはいいが、何故か有間家の裏の空き地に住んでいる。
しかもパンダのキグルミを着て。「パンダ師匠」と呼ばれている。
自身を「オレは灯油の入っていないストーブのようなものなんだ」と形容。
無理矢理解釈するなら「殺人衝動の無い殺人鬼」といったところだろうか?いったい、何があったのだろう…
つーかキグルミじゃ短刀も何も持てないしね!

志貴が帰還すると同時にパンダのきぐるみを残して姿を消したらしい。



◆余談
  • 「斬刑に処す」「極彩と散れ」「弔毘八仙*1、無情に服す……!」など、絶対に信仰していないであろう仏道や神道から引用する決め台詞
  • 殺人鬼ではあるがシリアルキラーではない、一部の人間には甘いという性格
  • ナイフ+学生服という装い
  • 人間でありながらナイフ一本で強敵をも倒しうるジョーカーというキャラ立ち
などから、彼を厨二病患者と呼ぶ人間は多い。むしろ昨今のサブカルにおいて「作中人物からもツッコミを受けるほど中二病を患ったキャラ」は間違いなく七夜の影響を受けている。


追記、修正は殺し愛をしながらお願いします

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最終更新:2024年03月26日 21:08

*1 「無情に徹した俺の前には、神でさえ跪くだろう」の意味