伝説の頭 翔(漫画)

登録日:2012/03/27(火) 21:58:33
更新日:2023/08/31 Thu 18:32:07
所要時間:約 9 分で読めます




伝説の頭 翔 とは、週刊少年マガジンで連載されていた漫画。

原作は夏原武、作画は刃森尊。

ジャンルはいわゆる不良モノ。が、敵は不良だけではない場合も多い。単行本は全11巻。

作画の刃森尊はこの後、あまり変わり映えのしない「格闘料理人ムサシ」を経て肉の作画に目覚め、
掲載誌を移して「ネイチャージモン(漫画)」という天職を見つけるが、それは他の項目で散々言われてることなのでどうでもよい。

原作の夏原武は、後に詐欺師との頭脳戦がウリの漫画「クロサギ」で原案を担当し大ヒットを飛ばす。
「翔」と「クロサギ」を作品として両方知っている人は沢山いるだろうが、原作者が同じであることを知っている人は少なそうである。
一体彼に何があったのだろうか…。
ちなみに本職はヤクザや悪徳商法を扱うライターであり、本人もヤクザのような顔をしている。

“あらすじ”

高校生『山田達人』は、『二酸化炭素』なるアダ名がつく程の空気キャラかついじめられっ子。
ある日中学生時代の同級生の娘に見栄を張ってついたウソがバレ、ウソツキ呼ばわりされるわ、いつもいじめてくる天敵の不良にボコボコにされるわで自殺を考える事に…
だが、道を歩いていると突然飛び出したばかりにバイクにひかれそうな子供を見つける。
『同じ死ぬなら…命一つ助けられたら』と子供を助けるが達人は無事。バイクの運転手は子供をひくまいと自ら転倒したのだ。
その運転手は、『伝説の頭』と呼ばれる、不良グループグランドクロスのリーダー『伊集院“翔”』だった。
彼を背負い病院まで運ぶ達人。意識の戻った翔からお礼を言われる。
と同時に、彼からとんでもない事を頼まれるのだった…

『俺と1ヶ月、人生交換してくれ』

“登場人物”

  • 山田達人
主人公。特徴はあらすじの通り。
ちょっとディップを付けるだけで翔くんとそっくりになる不思議な体質の持ち主。
助けた翔に『このケンカ激戦区で俺が1ヶ月も欠ける訳にはいかない。俺の代わりをやってくれ』てな感じで人生交換を頼まれ、
なんと数千人の不良チームの頭を任される事に。
という事で元々は不良じゃないはずだし頭としての振る舞いも最初期はムリヤリ演技してた感アリアリだったが、
頭の代理を初めて割とすぐに真剣持った893の前に立ちふさがったり、いい加減な振る舞いをしたチームメンバーを殴って叱咤する等、
いつの間にか頭としての振る舞いがすごく自然体になってきている。と、いうか上記のようにその場の勢いに任せた行動が非常に多い。
まあ、大抵助けが来たり“翔”すら惚れさせられなかった娘を惚れさせちゃったりなんなりと、結果的に上手く行っているのだが。
基本的にマンセーされてる“翔”の代理人という事で作中ではほぼ喧嘩無敗…なイメージがあるが実は結構倒せていない敵は多い。
最終話で舎弟が数人出来た。翔のようにチームでも作るのだろうか…

  • 伊集院 翔
数千人の不良チーム『グランドクロス』をまとめるリーダー。タイトルにもなっているが主人公ではない。
大切な仲間の為ならどんな危険にも突っ込んで行く漢。もうすぐ退院出来そうだろうが集中治療室に居ようがそれは変わらない。
その為かなりの人望があり、本気で声をかければ一万人以上集められるだとか。また、昔は達人同様いじめられっこだった。
基本的にずっと入院してる為喧嘩シーンは無いが、最終話での他キャラ達の反応を見る限り恐らく作中最強。
彼の代理人を務めている達人にも受け継がれているが、彼の喧嘩戦法は力押しではなく死角を突いたり相手の強さを利用したりといった頭を使ったタイプが多いようだ。
体格も達人と殆ど変わらないのでパワーで押す事が出来ないであろう彼なりに考えた手法であろう。

あと何故か『翔』の部分には必ず“”←これが付く(“翔”←こんな感じで)。

  • 大門
翔の右腕でありグランドクロスのナンバー2。だが他チームの人間からの評価はイマイチ。東条(後述)とある程度タイマン張れるくらいに強いのだが…
達人が正体バレした時はチームで一番烈火の如く怒っていた上に『今は俺が頭だ』とか言っちゃった。
あくまで翔の頼みで代理してたのに…

  • ナオコ
翔の彼女でありレディース『紅』の頭。
気の強い女子高生であり、女性の中ではタイマン最強らしい。
グランドクロスの中で最初に達人の事に気付いた(翔にはあった耳の裏のホクロが達人には無かった)が、
達人には責める事なくちゃんと翔本人に責め、達人には『翔の代理人をしている間は私もあくまで本物として付き合う』と言った良い子。
翔が昔いじめられっ子だった事も知ってか、正体を知ってからは似たような境遇の達人の身を案じるシーンも多い。
また妹と弟が居るが、こちらは優等生。だが仲はとても良好。
父親も出たが典型的エリートおっさん。だが息子の夢を受け入れる等、ガチガチの頭という訳ではないようである。

  • 桜井
チームメンバーその1。事件のきっかけメーカーでもある。
昔は万引きカツアゲと荒れていたようだが翔に諫められある程度大人しくなった様子。見た目も他メンバーに比べ大して不良には見えない。

  • 藤原
チームメンバーその2。自称『遊びのマエストロ』。がその特徴は一度きりしか使われていない…

  • 丸川
チームメンバーその3。リーゼントな髪型とは裏腹に弱気で嘘つきコウモリ。
彼のせいで達人と鳴門(後述)はタイマンする事になるが、無事解決後は達人の拳を振るった説教によりマシになった様子。

  • 黒田
チームメンバーその4。つるっパゲ。
惚れたお嬢様が『頭の良い人が好き』と言っていたのを聞いてしまった為勉強(中の眠気覚まし)の為頭に釘を打ち込んだ凄まじい奴。父親は元暴走族の頭。

  • アツシ
チームメンバーその5。
不細工だわ頭悪いわ喧嘩は弱いわ(度胸がないだけ)とかなりの雑魚キャラだが、
痴漢されてたお嬢様を助けたりその子を連れ去ろうとした天敵の不良に逃げずに立ち向かい撃破する漢。
漢らしさはお嬢様の堅物の父親にも認められ多分公認の付き合いが続いてる。リア充爆発しろ

  • ムラさん
ベテラン警官。不良少年の尊敬を集める穏やかな雰囲気の面倒見の良いおっさん。一人息子(不良)を事故で亡くしている。
上とは折り合いが合わずノンキャリアで陣内には役立たず扱いされていたが彼を尊敬する警官も少なくない。

“不良の敵キャラ達”


  • 金山
“狂犬”のアダ名が付く、作品最初のボスキャラ。喧嘩初めてな達人を圧倒していたが死角を突かれたり必殺の右ストレートを喰らったりで敗北。

  • 瀬山
『北総喧嘩隊』の頭。ゴリラ。強いだけでぶっちゃけ頭の器はない。
その強さにしても達人の当たり損ないのような平手で顔面骨折するわ東条には片手一本で止められるわと微妙。

  • 東条
『ブラッドマフィア』の頭。翔の最大のライバルとか言われているが、最終話の翔の無双にビビっている辺り多分翔よりは下。

  • 神尾
893。JKに優しく声をかけ巧みに惚れさせた後にAVに…という悪事を繰り返していたが、
達人にやられそうになるわ上司には『弱いモノいじめ(上記のような事)するバカは要らない』と一撃で殴り飛ばされ、アゴを複雑骨折等散々な目に。

  • 鳴門
忍術は使ったりしないってばよ。『人間凶器』。キックボクシングに精通するマッチョ。
過去の出来事から翔に恨みを持ち丸川を使って達人に喧嘩を売るが、
巨漢故のスタミナ切れ戦法を取られたり、押し潰そうとした達人に鳩尾への(自身の体重104キロがかかった)カウンターを喰らったり、
『二度と逃げない』との決意を込めた達人の右ストレートを喰らい初敗北。

  • 藤岡
名前も見た目もどう見てもヒロシです…ありがとうございました。翔のマブダチであり達人の正体に気付いた一人。

  • 伊原
元グランドクロスの特攻隊長。勘違いから翔を逆恨みしており達人に喧嘩を売り追い詰めるが、ホームレスのおっさん(元ヘッド)の一撃で沈む。
もちろん和解したが何故かその後3コマしか出番が…

  • キヨト
ホリエモンに似たガキ。どういう訳か不良をまとめかけ達人に挑むが、結局翔を裏切れないとした不良達に寝返られそのままフェードアウト。

  • 松浪
ラスボス的位置。位置だけあって達人には負けなかったが、駆けつけた翔にはキツい一撃を喰らってほぼ敗北。

“不良じゃない敵キャラ”


  • 陣内
警察庁少年課のナイスバディなエリート女性刑事。
お決まりの如く高飛車で嫌味な性格でムラさんを邪魔者扱いしていたが、
事件解決の為自ら手がかりを探しに行ったり、犯人に捕まった時は自分に構わず撃てと部下に命じたりとそれなりの『警官としての』プライドも有る様子。

  • 竹澤
市議会議長の選挙に立候補した議員。だが親の七光りな感じであり、自分の公約の為なら支持者の子供を見殺しにしようとする外道。
父親は大物政治家だがコイツと違ってちゃんと筋を通せる人。

  • 青山
教師。黒田をテスト盗みの犯人に仕立て上げグランドクロスを潰そうとした。
が、真犯人のエリート君が自首した為に裏目に。達人には殴られ校長にはクビになるという散々な目に。


“その他キャラ”
  • 鮫洲
達人の天敵。
だが達人が翔の代理を始めてからはロクな目に合わず、最終話でも達人に喧嘩売るがなんとワンパンで失神。

あらすじの同級生の娘。ある意味達人の人生を変えた子。
達人の正体には薄々感づいている様子。

  • リエ
ミニパトの姉ちゃん。翔に惚れている。ほぼ必ず後輩とセットで登場。

  • アヤ
紛らわしいが上記の娘とは別。クールを装っているが狂犬(金山じゃない)すらなつく程の優しい子。
不良をガキと毛嫌いしていたが自分を助けた達人に惚れた様子。

“評価”

どうもこの作者の漫画は勢いと画力が全てであり他はどうでも良いらしく、おかしな点が非常に多い。
もちろんこの作品も例外ではなく、急患の救急車が何故か渋滞に巻き込まれていたり、喧嘩真っ最中に携帯で翔と話したりとネタに事欠かない。
が、そういう所を気にしなければテンポだけは良い良作である…と思う。









(簡単だ…“追記・修正”は本当は“簡単”なんだ!ウワサがウワサを呼んで出来た伝説なんだ!)→ヤロォ!→ガクッ

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最終更新:2023年08月31日 18:32