登録日:2012/07/27(金) 14:45:02
更新日:2025/09/16 Tue 21:47:07
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性能
全長:1,214mm
銃身長:610mm
重量:7.2~8.8kg
使用弾:7.62x63mm .30-06弾
装弾数:20
作動方式:ロングストロークガスピストン ティルトボルト式ロック オープンボルト
発射速度:300-650RPM
有効射程:600ヤード(548m)
概要
ジョン・モーゼス・ブラウニングが設計し、アメリカが1917年に制式採用し
ベトナム戦争あたりまで運用していた自動小銃/分隊支援火器。
制式名称はBrowning M1918 Automatic Rifleで通称はBAR。
1917年制式採用なのにM1918なのは同じくブラウニング設計のM1917重機関銃と被るためである。
歴史
米陸軍の「塹壕突撃で使う機動力がある
機関銃が欲しいぜママン!」という依頼を受け開発され、当時陸軍が運用していた
米国仕様のショーシャやホチキスM1909軽機関銃を更新した。
1917年にコルト社にて試作が始まり、5月には試作機が完成していた。しかしコルト社が他銃器でかかりきりとなっていたことからウィンチェスター社を中心として他社での製造が企画。量産向けの設計図がなかったのでウィンチェスター社が起こし、マーリン社とともに12月から生産を開始した。
第一次大戦終結までに85,000丁が製造されたが、初の実戦投入が1918年9月のムーズ・アルゴンヌ攻勢とほぼ間に合わず。しかし2か月間で十分な素養があることを示した。
戦間期にはギャングや犯罪者などに使用され、ソードオフモデルなどが裏社会で猛威を振るっていた。ボニーとクライドが有名。
M1919A4機関銃の代替としてM1922が開発されたが、騎兵向けに特化しすぎたため1941年には退役している。
気球の自衛用火器などとしても採用され、M2重機関銃よりも軽量な点が好まれた。
1937年には二脚と折り畳み式肩当てを取り付けたM1918A1に更新され、第二次大戦参戦直前にはセミオート機能を連射速度調整機能に置換しキャリングハンドルを増設したM1918A2への更新が段階的に行われた。M1918A2はIBMなども製造に携わっている。
構造
動作機構がティルトボルト式であるため構造がシンプルで信頼性は高い。
ガスピストンは銃身下にあり、内部にリコイルスプリングも入っている。銃口にはフラッシュハイダーが装備されている。
引き金の左後ろにセレクターがあり、セレクターも兼ねた先進的なものであった。
ストックは従来のライフルのようなピストルグリップ式の曲銃床で、ハンドガードとともに木で構成されている。
自動小銃を想定していたため銃身交換機能がなく、この点で後述の軽機関銃的運用には向かなかった。
ボックスマガジンは下から差し込む。これも自動小銃を想定していたので軽機関銃としては伏射中の交換がしづらいが2脚あまり使用されなかったので無問題。
A1、A2への改修時に軽機関銃的な周辺機器が後付けされているが、重くなるだけとして前線では取り外されていた。
ベルギーなどでは改良型が検討され、独立ピストルグリップ化や直銃床化、ベルトリンク対応などをされた。
運用
フランスと友好関係にあるアメリカはショーシャの能力を間接的に浴びて脳を焼かれてしまい、ショーシャの輸入及びマーチングファイアその他技術の導入などを行っている。
本銃も同じくマーチングファイア用の腰だめ用カップ付きベルトなどの装備が導入されていた。
しかし戦間期になるにつれマーチングファイアではなくそこから発展した軽機関銃運用そのものにシフトした都合、上層部からはBARでは能力不足な軽機関銃的運用を期待され、現場では普通の自動小銃として扱われることとなった。
なまじ優秀な設計であったがために当初の思想から外れた運用がなされてしまったといえる。
1950年代後半にはドイツの
MG42やFG42を研究し作られたM60中機関銃や
M14自動小銃に置き換えられ、南ベトナム軍に供与されるなどして米軍からは姿を消した。
しかしながら現在
アメリカ海兵隊にてHK416ベースの
M27 IARがBARに近い立ち位置の分隊支援火器として運用されている。MINIMI等よりも機動力に秀で、良好な精度といざという時の連射能力という点で派兵先の砂漠地帯などでのドクトリンに合致しているのだろう。
民間用モデルとしては、なんと2013年になってオハイオ・オードナンス・ワークス社(Ohio Ordnance Works, OOW)より近代化改修が施されたモデルが販売されている。
Heavy Counter Assault Rifle(対突撃重小銃)、HCARの名を与えられ、ピストルグリップ、伸縮式ストック、やや短めの銃身にピカティニーレールにおまけにポリマーフレームと肉抜き加工による軽量化が特徴となっており、見た目は完全に現代の
突撃銃。それでいて機関部はほぼ手つかずのままという、本銃の優れた基礎設計を証明している。
余談
本銃は軍用銃であったためおそらく認可は下りないであろう。
セミオート式猟銃であるブローニングBARは本銃とは設計者も違う全く関係ない銃である。
BARをフルオートで立射できる選抜射手の方は追記・修正願います。
- 軽機関銃としては少し中途半端なイメージ -- 名無しさん (2016-05-31 12:12:58)
- 大戦中の日本軍から見た軽機関銃ってコレだよな?ウチのじーさんコレ撃ったことあるわ、弾がいっぱい出て強いけど銃身が直ぐ焼き付くってこの記事と大体同じこと言ってた -- 名無しさん (2023-11-26 12:21:47)
- ちなみ鹵獲品を撃ったらしい -- 名無しさん (2023-11-26 12:22:30)
- こちら情報量などの面からコルトファイアアームズ社(銃器会社)に統合しようと思います。7/30めどとしていますので何かあればコメントをお願いいたします。 -- 名無しさん (2025-07-24 10:14:11)
最終更新:2025年09月16日 21:47