登録日:2011/09/01 (木) 08:41:24
更新日:2025/09/10 Wed 00:12:39
所要時間:約 5 分で読めます
性能
全長:276mm
重量:1150g
口径:
.45ロングコルト(.22LR、.38スペシャルなど
36種類以上)
装弾数:6
概要
アメリカのコルト社が1872年に開発し、1873~1892年の間米軍制式拳銃であったシングルアクションリボルバー。
SAAはシングルアクションアーミーの略で、通称はピースメーカー(平和の使者)で、販売業者のセールストークが由来とされる。
軍のみならず保安官や西武開拓者なども使用した。
歴史
世界初の商業向けリボルバー、コルトパターソンにはじまり、M1851ネイビー、M1860アーミーとパーカッションリボルバーが採用されホクホクしていたコルト社だったが、同時に弱みも握られていた。
S&W社を興した際に発表されたS&W モデル1はコルト社が一度は取得したのち手放した薬莢を用いるリボルバーの特許を使用していたのである。
特許取得者の元コルト社員ローリン・ホワイト氏にS&W社がロイヤリティを払う形で実現したモデル1であったが、コルト社はロイヤリティを払うことを拒んだため20年近く薬莢式リボルバーを製造することができなかった。
失効となる1872年に合わせて開発を開始し、以前の製品をベースに新規設計。そうして生まれたのが.45ロングコルト弾と本銃である。
1872年に黒色火薬モデルが開発され、翌年には陸軍に7.5インチモデルが8000挺納入され「M1873」として制式拳銃となる。
1896年からはフレームを強化したスモークレスモデルが登場する。
1892年にダブルアクション式の「ダブルアクションアーミー」に替わるまで3万挺以上が納入され制式拳銃として活躍した。
この後1911年にM1911、M1911A1が制式拳銃となり、
ベレッタ M9に代わる1985年まで実に約100年間コルト社の製品が制式の座にあった。
構造
.45口径の強力な弾薬を撃つ為にはフレームにそれなりの強度が必要なためソリッドフレームを採用。
スイングアウト式はまだなく、強度に劣るテイクダウン式しかなかったことから弾は一発ずつの装填排莢が必要。
撃鉄をハーフコックにしてから弾倉後部のローディングゲートを開けて排莢装弾。弾倉を回して次弾を排莢装弾…と6発繰り返す。
薬莢は発砲した際に膨張しシリンダー内に張り付く事がままある為、エジェクターロッドで一つ一つ吐き出させる必要がある。
リボルバー・オセロットのように銃口を上に向け、シリンダーを勢い良く回して重力を利用した排莢は
ロマン技である。
リボルバーはハンマーをコックしないと撃てないので能動的な安全装置は持っていない。本銃ではそれに加えてハンマーが雷管を直接叩く方式で、ハンマーに衝撃が加われば暴発しうるのでハンマーが少し起きた位置で固定されるポジションを作って対処とした。
シングルアクションなのでハンマーとシリンダーの回転とが連動しており、ハーフコック時には半分回った状態となる。トリガーがハンマーを落とす操作にしか影響しない為、
ガンプレイ(コルトSAA)で言われるようなファニングが可能となってしまっている。
とはいえどAFPBはおろかダブルアクションすらもない時代にはこれが最先端の連発拳銃であったといえる。
S&Wモデル3やレミントンM1875ら競合他社のリボルバーはシリンダーごと弾倉交換したりテイクダウン式を採用したりと連射性を重視していたが、SAAは信頼性と威力の面で優れていた。モデル3は.45ロングコルト弾を使用できないが、SAAはモデル3で使用する.45スコフィールド弾も使用可能という利点もあった。
バリエーション
少数しか生産されなかったモデルも含め、口径で分けると.22~.45口径まで36種類以上。その他に銃身の違いによりモデル名が与えられている。
- ジェリブス(3インチ、保安官用)
- ジビリアン(4.75インチ、民間用)
- フロンティアorアーティラリー(5.5インチ、砲兵用)
- キャバルリー(7.5インチ、騎兵用)
- バントラインスペシャル(8インチ以上のSAAすべて)
小説家のネッド・バントラインが特注したことからこう呼ばれる。8、8.5、9、9.5、10、10.5、12、14インチモデルがあり、西部開拓時代の保安官「ワイアット・アープ」のSAAは16インチと言われているが真偽不明。
モデルによってサイトやハンマー、シリンダー、トリガーガードの形状や位置が違うのでそうで頑張れば見分けられるかもしれない。
このほかにも1896年以降の無煙火薬用モデルや、第二次世界大戦後に生産されたポスト・ウォーモデルがある。
登場作品
リボルバー・オセロットの愛銃。プレイヤー用の隠し武器として実装されている場合も含め、弾が壁などに当たると敵に向かって跳弾する素敵性能。
俺のリロードはレボリューションだ!
主人公など銃士の多くが使用。
この二つの作品はガンアクションが神懸かっており見物である。
クレア編の隠し武器。
通常のハンドガンより連射速度とリロードが速いが、
ゾンビ1体に大体6発使い切ってしまう。
リメイク版だと前述のリロード手順を再現しているため、リロード時間がかなり長くなっている。
主人公が二挺拳銃として使用
キャトルマン・リボルバーという名称で登場。主人公ジョン・マーストンの初期装備となっている。
ジョン以外にも敵や味方の殆どの登場人物が使用。
1:リビアの過激派の襲撃を受けた際にドクが所持。しかし不発だった。
2:未来にてカフェにあったシューティングゲームのガンコントローラーがSAA。
3:ほとんどのガンマンが所持。またナイトカーニバルにてマーティがハンマーコック・ショットを披露した。
余談とか
商標類が失効済みなためコピー品も多い。スタームルガー社のブラックホーク、ベレッタ社のスタンピート、タウルス社のガウチョなどなど。売れっ子の宿命である。
象牙グリップやメッキ、彫刻など凝った装飾が施されたSAAがアニメ・漫画等で登場する。
これは民間によるカスタム以外にも100挺以上の注文があれば特注モデルの製造を請け負っていた時期に製造されたものがある。
原住民との争いにあったアメリカ西部を平和にする銃というイメージの宣伝文句とされているが、実態は和平ではなくインディアン達への徹底的な武力制圧である。
開拓のために弾圧に使われてきた銃が『平和』とは、なんともパンチのきいた皮肉である。君は何を言ってるのかな?
追記・修正はハンマーをコックしてからお願いします。
- すいません、間違えて復元してしまいました、影響があったらごめんなさい -- 名無しさん (2017-07-26 15:02:36)
- かのジョージ・S・パットン将軍も所持していた。装飾が付いた金色の特注モデルだが、派手な外見とは裏腹に実戦で何度も使われたそうな -- 名無しさん (2024-12-30 17:45:30)
- 派手なエングレーブは手袋したまま構える際の滑り止めとしても有用なので某メタル歯車での名言はあくまでパパ蛇の趣味なんだろう -- 名無しさん (2025-06-15 23:38:13)
- こちら情報量などの面からコルトファイアアームズ社(銃器会社)に統合しようと思います。7/30めどとしていますので何かあればコメントをお願いいたします。 -- 名無しさん (2025-07-24 10:12:02)
最終更新:2025年09月10日 00:12