コブラ(寺沢武一)

登録日:2012/09/25(火) 11:22:06
更新日:2020/04/03 Fri 19:33:44
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『コブラ』とは、かつて週刊少年ジャンプで連載されていた漫画作品。
タイトルの“コブラ”とは、左腕にサイコガンを持つ主人公である宇宙海賊の通り名である。

1978年(昭和53年)の登場以来、現在でも幾度も重版されているロングセラー作品で、日本を代表するSFコミックの一つである。

作者は寺沢武一。集英社の週刊少年ジャンプに78年から84年にかけて掲載された後、スーパージャンプやメディアファクトリー(MF,現KADOKAWA)のコミックフラッパーと、幾つかの雑誌を転々として連載されている。
寺沢の海外コミックや実写にも通じるリアルで卓越した画力と、時にイカれているとしか思えない独特のデザインワークも魅力の一つで、本作の売りの一つとなっている。

集英社時代には“SPACE ADVENTURE COBRA”と英題が表記されていたが、MF時代以降は“COBRA THE SPACE PIRATE”の英題表記が用いられている。

尚、執筆当初から非常に緻密な絵柄の作品であったが普通に週刊連載されていた
しかし、途中から寺沢が更なる作画への拘りを見せるようになったこともあり、当時としては珍しい新作シリーズが出来たら公開されるという連載形式に移行した。


目次

【原作コミック】

集英社時代は『地獄の十字軍』編を最終章としており、週刊少年ジャンプ時代はJC全18巻で一先ず完結となっていた。(尚、18巻のラストエピソードとして収録されている『リターンコブラ』は、最終回に当たるエピソードだからということか、重版された別形態のコミックには収録されていない。)

『コブラ』が凄い作品であることは当時の子供達にも何となく判っていたが、矢張り本作の本当の魅力を理解できるのは青年以上の読者であり、ジャンプのメイン読者層である子供達からは決して支持が高い作品では無かったという。
それでも本作の連載を推して、掲載を継続させたのは当時のジャンプ編集長の西村繁男であり、当時のジャンプに毎週の人気投票が連載の継続の如何に関わるというサバイバルゲームを強いて連載作品の質の向上を図り、結果的にジャンプを少年漫画誌の頂点に立たせた西村の方針の中にあって、本作のみは“特例”を設けられていた。

しかし、こうした恵まれた環境にあったことが余計に寺沢の作画への追及を呼び込んだのか、この方式にしても尚も掲載の予定が遅れることとなり、そのことがジャンプ本誌での掲載を打ち切る要因となったようである。

ジャンプの編集長の座を勇退した西村は、続いて86年に青年向け月刊誌としてスーパージャンプを創刊すると、寺沢もスーパージャンプに移り『コブラ』や、その他の作品を発表するようになった。

スーパージャンプにて『聖なる騎士伝説』が発表されて以降は、ワイド版コミックの様にコブラの単行本が新しい形態となってきていたこともあって、以降は新作を一つの単行本として纏めて発表するようになっている。

また、元々は派手な絵柄の印象とは裏腹に最低限しかスクリーントーンを使わず、緻密なペン画のみで描かれていた『コブラ』であったが、寺沢が日本の漫画家として逸早くパソコンを利用した表現に挑んでいたこともあり『ザ・サイコガン』以降は、CG彩色されたフルカラーコミックへと移行している。

一方、98年より寺沢が大病を患って以降は新作を発表する機会が少なくなりコミックが重版されたりメディアミックス化される活動が主になっていたのだが、2019年11月より完全新作となる『COBRA OVER THE RAINBOW』がweb連載として帰って来てファンを喜ばせた。


【アニメシリーズ】

また、本作は過去に数度のアニメ化がされている。大きく分けて第1期となる映画・地上波テレビアニメによる、
80年代版(フジテレビ・東京ムービーによる作品。いわゆる出崎スペース版)と、
第2期となるOVA・BS放送アニメによる2000年代版(マジックバス・BS11による作品。
いわゆる清水OVA版)に分類される。

第一期となる82年の出崎統によるTVシリーズ(『スペースコブラ』)は、MAD素材としてのネタ的な意味でも最も有名なシリーズで、原作漫画と並んで特にコブラらしい作品として認識されている。
同作で映像化されたのは週刊連載時の『サラマンダー(シドの女神)』編までである。
このTVシリーズに先駆けて、同じく出崎により『刺青の女』編を題材とした劇場版(『SPACE ADVENTURE コブラ』)が公開されているが、此方では日本初の黒人歌手の松崎しげるが声優を務めていたり、原作から大きく設定が変えられたりと“初の映像化されたコブラ”でありながら、屈指の怪作へと仕上がっている。

第二期となるアニメシリーズは寺沢自身も監督として携わった08年のOVA版を第一弾としてコブラ生誕30周年を記念して企画がスタートし、OVAを経てTVシリーズとして『コブラ』が帰ってくることが予告されてファンを喜ばせた。

OVA版では、何れも古いファンには馴染みが薄い『ザ・サイコガン』と『タイムドライブ』より題材が取られてしまったが、それ以上に原作再現こそ高いが、矢張り映像作品としては『スペースコブラ』の様な出崎演出によるアクション活劇を期待していたファンをガッカリさせることになってしまった面もある。

本番とも呼ぶべき10年より開始された新TVシリーズではそうした声も受けてか、当初は『スペースコブラ』と同じく出崎統が監督、鈴木清司が音楽監督となる予定であったが出崎が病気療養により降板したのに伴い、OVAからのキャラクターデザインであった清水恵蔵が監督となった。
更には『スペースコブラ』以来、寺沢も認めるコブラ担当であった野沢那智もOVAでは声変わりが顕著となりつつも当番してくれていたのに、同じく病気療養を理由に降板となってしまった。

こうして開始された新TVシリーズでは、ジャンプ連載時から多くのエピソードが初映像化されてファンを喜ばせた一方で、当初に予定されていて企画の目玉となっていた屈指の人気エピソードである『6人の勇士』編の映像化が出崎等の降板の影響もあってか果たせず、お流れとなってしまった。

新TVシリーズでは『タイムドライブ』で若い頃のコブラを演じた内田直哉がコブラ担当となっている。

そして、第二期TVシリーズ終了から7ヵ月後に野沢が逝去。
一年と1ヶ月後に出崎が逝去している。


【あらすじ】

現在より3000年も先の未来*1、文明は発達して人類は銀河の遥か果てまで到達し異星の人類とも交流し、自家用宇宙船で外惑星まで行けるようになった時代の話。

不死身と呼ばれる男……「コブラ」は銀河に広く名を轟かせている一匹狼の宇宙海賊であった。
正統派の海賊を自認するコブラは大規模なシンジケートを構築して銀河に戦乱を巻き起こす海賊ギルドと対立していたが、強大なギルドをしても左腕にサイコガンを持つコブラの存在は驚異であり対立は激化し続けていた。

しかし、コブラはそんな血生臭い生活に嫌気がさし、顔や名前を変え記憶も消し去る事で普通のサラリーマンとして生活していた。
しかし、そんな生活にも飽きを感じていたある日、安サラリーでも出来る娯楽として脳に信号を与えて夢を見させる「トリップ・ムービー」に挑んだ事によりコブラとしての記憶を取り戻してしまう。

宿敵バイケンとの偶然の邂逅を経て刺客に命を狙われたことで完全に記憶を取り戻したコブラは、相棒のレディと共に海賊ギルドとの戦いの日々へと戻っていくのだった。

運命は先ずはコブラを伝説の海賊ネルソン・ロイヤルの遺児で、彼の隠した財宝を狙う海賊ギルドに追われている刺青の女=ネルソン三姉妹との出会いに導く。
長女のジェーンと次女のキャシーを宿敵クリスタルボーイを初めとした海賊ギルドの大物達との戦いの中で失ってしまうも、銀河パトロール隊員である三女のドミニクと共にネルソンの財宝の正体であった最終兵器を封印することに成功する。


……こうして、コブラが依頼を受けたり行く先で巻き込まれたり、自ら財宝を取りに行き、その過程の波乱万丈を楽しむ作品。
基本的にオムニバス形式だが、宿敵「クリスタル・ボーイ」がいくつかの章に登場する等、複数の話でストーリーが構成されている場合も。


【主な登場人物】


主人公。
地球生まれのアメリカンジョークを軽快に操る金髪の男。
整形前は端正な顔だったが、整形後はタレ目でちょっととぼけた感じの顔。
ちなみに顔のモデルはフランスの俳優のジャン・ポール・ベルモンド(ポリンキーのマスコットの名前の元ネタの人)。
常に葉巻を加えている。
普段は憎めない三枚目だが、いざという時は凛々しい顔を見せる。
金髪に上下赤い*2タイツ風の服で身を包んでいる。
相棒のレディーと共に宇宙船タートル号に乗り、宇宙を股にかける。

かつてある男にで左腕を切断されており、そこにサイコガンを仕込んでいる。

  • アーマロイド・レディ
コブラの相棒。
かつて死に瀕している時に、古代火星人が残したライブメタルという生体金属を用いて身体をアーマロイドにした過去がある。
つまりその前は生身でありその頃の姿もいくつかの作品で見る事が出来る。
レディが登場しない話も多いが、時には捕らわれの姫ポジションになったりする。まあ実際出自が王女様なんですけどね。
尚、抜群のプロポーションは人間の頃から変わっていないらしい。コブラ羨ましい。
コブラがサラリーマンだった時にはお手伝いロボットに偽装していた。その時の惚けた発言は楽しんでやっていたのだろうか……?
結構コブラが彼に惚れた女性を連れてきたりするが特別怒ったりする様子は無く”色男だからしょうがない”みたいな態度で接している。
彼がホログラフの女子ニュースキャスターのパンチラを覗いていたりしてもさり気無くスイッチを切る程度に止める出来た女性である。
戦闘時には基本素手で戦うが、キャラクター紹介のイラストでは銃を持つ事があり、ゲーム『コブラ・ザ・アーケード』では2Pキャラクターとして銃で戦う。

  • ドミニク・ロイヤル
最初の章「刺青の女編」で登場。
財宝の在処を示した刺青が背中にある三姉妹(ただしメディアによって姉妹順は違う
武一先生的には三つ子である事以外はあまり気にしてないのかもしれない)の三女。
長女ジェーンと次女キャサリンは海賊ギルドの手により殺されている。

銀河パトロールの一員で、初登場時は海賊ギルドの傘下組織「スノウ・ゴリラ」に潜入捜査官として潜り込んでいた。
その後も何度かコブラと共闘したり、立場的には捕まえるべき対象であるコブラとバカンスを楽しんだりと、ほぼ恋人関係に。
しかし海賊ギルドの幹部サラマンダーの手によって殺され、コブラを号泣させた。
実際、後のエピソードでも最も愛していた女として引き合いに出されたり幻で見たのはドミニクであった。レディの元の姿が明かされていなかったこともあって。

後にドミニクに瓜二つなシークレット・サンダースという人物が登場しているが関連性は不明。
しかし、かなり後のエピソードになってやっぱりドミニク本人らしい(・・・・・・・・・)ことが示唆されている。

  • マリオ
「黄金とダイヤ編」で初登場。
人形使いマリオの通り名で知られるメカニック。
本体は小さなアルマジロのような姿で、自身の人形の肩に乗っている。
両目から発する光線で金属を部品に可能する能力を持つ。

  • ドグ・サバラス
「シドの女神編」で登場。
サラマンダーに復讐する為にコブラが集めた昔の仲間の一人。
コブラ以上の早撃ちの名人。
絶滅したと言われるミラージュ星人最後の生き残りで、姿を自在に変える事が出来る。
後にサボイラーに”熱い抱擁”を受け焼死。

  • パンプキン
昔の仲間の一人。
知能は低く片言だが、かなりの怪力の持ち主。
タフさも桁外れで拳銃程度ではびくともしない。

  • バット
昔の仲間の一人。
優れた感覚能力の持ち主。背中に翼が生えていて飛行することも可能。
コブラが誘いに来た当初は恋人と静かに過ごしたいと断ったが、
恋人を海賊ギルドの手により失った事からコブラに手を貸す。

  • ゴクウ
「6人の勇士編」で登場。
コブラが暗黒神の力を得たクリスタル・ボーイに対抗するために集めていた6人の勇士の1人。
当初は悪行を働いていた事により光明神によって3年間封じ込められていたがある時に脱出。
かつての仲間達の下へ戻るが直後に海賊ギルドによって仲間達を殺される。
コブラを兄貴と慕って仲間になろうとするが当初は断られる。
しかし、考え直したコブラによって仲間に、そして6人の勇士の1人である事が判明した。
モチーフは孫悟空で、如意棒や筋斗雲を操る他、高熱に耐性がある。

また余談になるが武一氏は「ゴクウ」という別作品を出しており主人公の名前が風林寺悟空だったりする、
そのため単にゴクウというとどっちの事か判別し難いのが困り者。

  • ホーク
6人の勇士の1人。
ベンガル星の竜族が生み出した幻の人間「幻戦士」で、人間ではなかった。
しかし、弟分のロックが「人間として」死んだのを見た事をきっかけとして自分も本物の人間となる。
の扱いに優れ、竜巻を生み出す事も可能。

  • ミスティー
6人の勇士の1人。
15歳の少女で、状況によってコブラに対する態度を子供と大人で使い分ける。
「電気使い」で、電気を操る能力の持ち主。電気で竜を作り出したり、バリアを展開する事が出来る。
だが、電気を操るだけなので、絶縁体等には弱い。

  • ドブズン
6人の勇士の1人。
500隻の海賊船を率いる正統派の宇宙海賊「氷の牙」の船長。
関西弁でしゃべり、海賊ギルドが嫌いで、名前を聞くだけで周りをどつきだす。
気難しい人物だが最終的には利害が一致したコブラに協力する。
身体から氷の牙の由来である冷気を発する事が出来るが、体力消耗が激しい。

  • マゼラン博士
「シドの女神」編で初登場。
宇宙屈指の名医。
ライブメタルを用いたレディのサイボーグ化や修復、コブラに埋め込まれた時限爆弾入りの銃弾の解析などを行う。

  • ジャック・バイスタ
こちらも「シドの女神」編で初登場。
情報屋で、手回しがいい。
後に幻の秘宝「ブルーローズ」の情報を仕入れ、コブラに協力を依頼する。


◆登場人物(海賊ギルド)


コブラの宿敵で、4度に渡ってコブラと戦った。
身体の金色に光る骨格や中枢パーツ以外をライブ・クリスタルで構成しているサイボーグで、海賊ギルドの幹部。
右手の鉤爪がトレードマークでロケットパンチのように発射したりすることも可能。性格は冷酷そのもの。
身体が偏光ガラスで出来ている為、コブラのサイコガンをはじめとするエネルギー弾は身体をすり抜けてしまう。
身体が砕けても頭部が無事なら再生可能。
かつてある人物に殺されており、サイボーグとして復活する時も誰に殺されたかの記憶は忘れた状態であった。

  • ハンマーボルトジョー
表ではカジノのオーナーだが、裏では海賊ギルドの構成員のサイボーグ。
両腕のロケットパンチが武器で、発射後もコントロールが可能な優れもの。

  • サンドラ
ドミニクが潜入していた海賊ギルド傘下の組織「スノウ・ゴリラ」の首領。
三姉妹の刺青に記された財宝を狙い、コブラを追う。

  • ドーベル
銀河パトロールの人間だが、裏で海賊ギルドに通じている。
超合金製のボディのサイボーグで、右腕の連射ブラスターが武器。また右ひじからスパイクを出す。
「ブルーローズ」編では、銀河パトロールによりバリアを使える新しいボディを与えられて再びコブラと戦う。

  • キャプテン・バイケン
コブラが記憶を取り戻すきっかけになった宇宙海賊。



作成中の項目がデータごと盗まれちまった!
こいつは誰がなんて言ったってギルドの仕業に違いねぇ。

そう睨んだ俺は、レディとアニヲタwikiに乗り込んだってわけ。
最も本心は、追記・修正がやりたかったんだがな……。

ところがここに冥殿っておっそろしく強いのがいて、項目はめっけたもんの、ややこしいことになったよ?

次回、「死の項目」で、また会おう!


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