仮面ライダークウガ

登録日:2009/05/27(水) 18:59:02
更新日:2019/09/13 Fri 14:41:54
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この作品を
故 石ノ森章太郎先生に捧ぐ




A New Hero. A New Legend.

仮面ライダークウガ

A New Hero. A New Legend.


画像出典:仮面ライダークウガ
(c)2000 石森プロ・テレビ朝日. ASATSU D.K・東映.




【概要】


平成ライダーシリーズ』の記念すべき第一作目であり、未だ根強い人気を持つ不動の名作。
主人公、五代雄介の笑顔に勇気や希望を貰った人は多い。人に優しくなれる特撮である。

仮面ライダー1号もビックリな激しいバイクアクションが売りであり、ある意味本家より『仮面ライダー』らしい。

作風は一般的なドラマに近く、特撮特有のご都合主義(急に場所が変わる等)が少ない。
また場面が変わる毎に地名と時刻が表示され、登場人物の移動などの時間もしっかり計算されている*1

話の内容も考えさせられるものが多く、何気ない会話が伏線だったりと作品として非常によく作り込まれている。
深くしっかりした内容もさることながら、「最終決戦が最終回の前話」「最終回はエピローグでライダーが登場しない」「最後は海外ロケ」等、今までなかった試みがなされている。
もっとも、後の作品ではこういった特異すぎる要素が除かれたあたり、
良くも悪くも平成ライダー1発目だから出来た芸当と言えるか。

大人が観ても十分楽しめる作品……というか子供では理解仕切れないと思われる。
なので子供の頃は観ても何とも思わなかったが、大人になってから改めて視聴して感銘を受けたという者も多い。

怪人の殺人シーンがリアリティを追求した結果、余りにも生々しい描写になった事で保護者からクレームがきた事がある。
その影響か、次回作『仮面ライダーアギト』などでは、殺人描写をやや非現実的な手段にするというクレーム対策を行うようになった。
…それはそれで別の怖さがあったが。
結果的に「平成一期初期の仮面ライダーは残酷」というイメージが付くのも仕方なかったことなのかもしれない。

また、「最終フォームが最終決戦だけ」「玩具展開側(バンダイ)にすら知らせない強化形態」など、
玩具展開をする子供向け番組としてはやりたい放題な面も目立つ。
これはまだ本作がシリーズ化していないため、スポンサーであるバンダイ側と東映側の連携が今ほど密接ではなかったという要素が大きいか。

ちなみに平成ライダー作品で仮面ライダーが一人しか登場しないのは本作のみ。
しかし皆の笑顔を守る為に戦う彼を知って、援護射撃や直接戦闘する以外の手段(装備の開発や捜索その他)で支える人々は徐々に増えていった。
劇中には彼らの助けなしにはそのまま倒されていたという場面も多い。
一人で戦い、誰とも共有できない思いを抱いていても、決して孤独なヒーローではないのだ。

サブタイトルは漢字二文字*2で統一。


【誕生前史】


仮面ライダーのテレビシリーズ再開は1996年頃から企画が進められており、当初はウルトラシリーズを放映していた毎日放送制作、TBS系の土曜6時台での放送を目指していた時期もあった。
初期タイトルは『仮面ライダーXV(クロスブイ)』と『仮面ライダーカワカミ』であり、ここで提示された複数の仮面ライダーを登場させる案が、人数を1人に集約することでフォームチェンジという発想につながっている。
また別の企画タイトルの一つに『仮面ライダーガイア』があり、『ウルトラマンガイア』と競合するためにタイトルを変更したと言われる事も*3

毎日放送が「ウルトラマンのほうを選ぶ」と断ったためTBS系での放送は実現に至らず、東映の特撮番組『燃えろ!!ロボコン』を放映中という縁で制作局をテレビ朝日に変更することとなった。
しかしテレビシリーズが中断して久しい『仮面ライダー』は、当時の感覚からするとすでに古びたブランドであり、テレビ朝日も「ネタがないから」と渋々引き受けた風だった。


【あらすじ】


長野県九郎ヶ岳にて、とある遺跡が発見され、発掘チームによる調査が開始された。

久々に海外から帰ってきた冒険家・五代雄介は、遺跡発掘に協力していた大学の友人、沢渡桜子によって解読された碑文の一部「死の警告」を発掘チームへ知らせに九朗ヶ岳へ向かうが、到着した時には発掘現場は雷が落ちたような酷いありさまだった。

現地の警察が調査を行う中、遺跡内部より持ち出されたベルト状の装飾品を見た瞬間、雄介の中にあるイメージが飛び込んでくる――。


【登場人物】


五代雄介
「夢を追う男・2000の技を持つ男」を名乗る冒険家。
常に笑顔を絶やさず、皆の笑顔のために頑張れる強く優しい青年。その優しい性格ゆえに古代の戦士〈クウガ〉に変身する事になる。
単なる正義感だけではなく、『みんなの笑顔を守る為に』戦う。
笑顔とサムズアップ(^^)bがトレードマーク。


一条薫
長野県警の警部補。
優秀な刑事で、射撃の名手でもある不死身の男。
生真面目な性格をしており、民間人である雄介が戦う事を快く思っていなかったが、次第に最高のパートナーになっていく。
本作のもう一人の主人公。


◆沢渡 桜子
雄介の友人で城南大学に通っている大学院生。
考古学研究室に所属し、九郎ヶ岳遺跡から発見された碑文の解読に当たっている。少しでも五代の助けになろうと頑張る人。
趣味徹夜の超人。
実はライジングマイティキックが出せる。


◆五代 みのり
雄介の妹で、保育士をしている。「あの兄にして、この妹あり」な優しい女性。
雄介がクウガになっても動じず、常に兄を信じている。
やや棒読みだが、それが良い。


◆おやっさん
雄介とみのりが親を亡くした際に引き取った二人の親代わりで、五代の父の後輩。
喫茶店「ポレポレ」を経営している。気のいい男性だが、一々寒いギャグを言う。
本名は最終回で明らかに。


◆椿 秀一
関東医大で司法解剖専門の医師を勤める一条の友人。
ナンパな性格で度々女性とデートしているが、だいたい急用が入る。だが心は熱く、医師ゆえに理不尽な殺戮を繰り返す未確認生命体に憤っている。
クウガになった五代の世界でただ一人の主治医。
解剖したい発言など、ややマッドな骨フェチ。


◆榎田 ひかり
科警研に勤める女性。
未確認生命体の体液や体組織、遺跡から出土した物を研究するチームの主任。
子供がいるが離婚しており、世話を母に任せてしまっている。本人も子供と一緒に過ごしたがっているが、研究は疎かに出来ないため悩んでいる。
興味のある研究対象にウフフ、椿と同じくややマッド。


◆ジャン・ミッシェル・ソレル
桜子と同じく城南大学考古学研究室に通う留学生。
九郎ヶ岳遺跡の発掘調査に加わり、謎の破片を発見する。
日本語は割と流暢。福梅の梅干しがないとご飯が食べられない。
榎田の息子・さゆるに自分の孤独な子供時代を重ね、何かと気にかけている。


◆朝日奈 奈々
おやっさんの姪で、女優を目指して上京してきた。上京してからはポレポレで働いている。
雄介に一目惚れし『五代雄介ファンクラブ会員第一号』を自称した。
関西弁。


◆松倉 貞雄
確認合同捜査本部の部長。
クウガについては慎重な対応を取るが、基本的に一条に一任している。クウガを認めてからは上層部へ積極的に働きかけるなど、良い上司。


◆杉田 守道
一条と共に未確認対策班で働く刑事。ピアノやってる葉月ちゃんのパパ。
当初はクウガに銃を向けるが、命を助けられて以降は娘共々肯定派に。
実は昔のSPドラマではあるオルフェノクと共に働くウルトラ警備隊員で、ある世界では呪怨の切っ掛けとなった駄目な父親だった。


◆桜井 剛
一条、杉田の同僚で同じ対策班の刑事。
クウガがいつ、何色で未確認生命体を倒したかをメモしており、それがゲゲルの法則を見抜くヒントになった事も。パンが好き。


◆笹山 望見
対策班の婦警。
通信担当で、どこに未確認生命体が出たか等の情報を伝える。
一条に片想い中。


◆夏目 実加
未確認生命体第0号によって殺された夏目教授の娘。
警察が0号の調査を進められていない事に憤り、自殺をほのめかして調査を進ませようとした。
クウガの正体を知る一人。


◆神崎 昭二
雄介とみのりの小学校時代の恩師。
雄介に「皆の笑顔のために頑張る事」の素晴らしさを説いた張本人。サムズアップも彼が教えたもので、雄介からはとても尊敬されている。
教師の鑑だが、クウガ初登場時は時代もあり、自身の教育の限界に悩んでいた。


【用語】


クウガ
ベルト状の装飾品〈アークル〉を身に付けた者が変身する古代民族〈リント〉の戦士。
用途に応じて能力の異なる赤、青、緑、紫の4形態を使い分ける。
世間からは『未確認生命体第4号』として認知され、正体が五代雄介である事を知るのは極一部の人間のみ。


未確認生命体
九郎ヶ岳遺跡から現れた謎の影『第0号』を始めとして、遺跡周辺の墓らしき場所から現れた怪人に警察が付けた総称。ゲゲルと称し、殺戮を繰り返すが目的は不明。
碑文には〈グロンギ〉と記されている。警察からは第○号と出現順に呼ばれ、怪人体が目撃されていなくても、見た目でグロンギと判断できる場合はB群○号と分けられる。


◆リント族
超古代に存在した民族。争いを嫌う優しい種族だったらしい。


◆トライチェイサー2000
警視庁が開発した時速300kmを誇る新型白バイの試作機。


◆ビートチェイサー2000
トライチェイサーの後継機であり、最高時速420km。設定上トライ、ビート共に無公害エンジンを搭載している。


◆ゴウラム
古代においてクウガのサポート用に造られたクワガタ型生体メカ。
解りにくいが、劇中の近代語を無機質な返事として喋っている。
上記のトライチェイサー、ビートチェイサーと合体してトライゴウラム、ビートゴウラム、ライジングビートゴウラムに強化する。


【主題歌】


  • OP『仮面ライダークウガ!』
平成ライダーでOPに『仮面ライダー』を使っているのは本作と次回作のアギトのみ。
高音から更に高音になるため歌いたい場合はキーを下げることを推奨する。

  • ED『青空になる』
EDを使用しているのは平成ライダーではクウガと響鬼の前半、各最終回のみであり、アギト以降は戦闘挿入歌がED扱いになっている。
一見意味不明な歌詞だが、クウガの漢字表記「空我」を見ると…


【補足】


最終回はエピローグのため、スポンサーに頼み込みCMを無くした経緯がある。
また、海外に行った理由は「世界で一番綺麗な青空を撮る」ためであった。

敵との最終決戦は前回で終わり、最終回はその後を描いたライダーは仮面ライダー響鬼仮面ライダーW仮面ライダー鎧武仮面ライダードライブ仮面ライダーゴーストがあるがライダーは登場しており(ドライブは回想のみで現代パートには登場しない)本作は異例と言える。

第二話の教会のシーンは実際に教会を建設し、それを丸ごと炎上させた。
しかしこの無茶のせいで予算をかなり使い現場は貧乏に・・・
という話が有名だが、実はこのシーンはさほど予算はかかってなかったらしい。
このシーンよりも1話の遺跡のシーンの方が予算がかかったとか。
教会の話はオダジョーお得意のジョークだったが、そこから話が広まってしまったようだ。

オダギリジョーが演じた五代雄介は好評だが、オダギリ本人は「変身するヒーローは気持ち悪い」「(雄介/クウガ役のオファーが来て)死ぬか役者を辞めるか本気で悩んだ」等発言しているらしく、ファンの間で騒がれた。
しかし、「クウガのスタッフを尊敬している」と言ったこともあり、作品自体は悪く思っていない……というか大好きすぎて、
「当時のスタッフや納得できる脚本じゃないと(ライダーに)戻らない」「五代は自分以外に演じて欲しくない」といった発言も。

そんなオダギリは当初、初代「仮面ライダー」を見て「出来ない」と訴えたが、高寺プロデューサーの「歴史を変えよう」との言葉にオファーを引き受けたという。
五代役のオーディションがかなり難航しており、高寺Pとしても五代にピッタリのオダギリを何としても逃がしたくなかったのだとか。

クウガのキャスト、スタッフ陣は仲が良く、一部のメンバーは放送から20年近く経った2019年現在でも、
「グロンギ飲み(グロンギ会)」という嫌な名前の飲み会で集まったりしている。
名前から分かる通り、中心になっているのは当時グロンギの人間体を演じた役者さん達だが、
五代やみのりといったリント勢や、高寺Pや石田監督のようなスタッフ達も普通に混じっている。


【劇場版の頓挫】


劇場版の制作が決まっていたが、途中で頓挫してしまった。
このため平成ライダーで唯一劇場版が存在しない。
内容は最終回後の話だったらしく、劇中にはしっかりフラグ(一条とバルバの最後のやり取りのシーン等)が用意されていたため無念でならない。
だが、一応後に『仮面ライダーディケイド』でこの伏線を回収している。


【他媒体展開】


2013年には本作の続編的なエピソードとなる『小説 仮面ライダークウガ』が刊行された。

2014年には『月刊ヒーローズ』にて井上敏樹と横島一のタッグで漫画連載がスタート。
基本的な設定は原作通りながら、『舞台が西暦2015年』『登場人物の性格&家族構成のアレンジ』等、細かい変更点が多々ある。
ちなみに五代も『2015の技を持つ男』になっている。
漫画版の一番大きな違いとしては、TVシリーズではパラレル続編とされた『仮面ライダーアギト』の設定や登場人物がクウガの世界観に組み込まれている。


【東映チャンネルでの展開】


東映チャンネルではグロンギ語に字幕が付く超古代語対訳版が放送。
2016年2月には超解像版として画質が向上したものが東映チャンネルで放送されることが決定。
2015年12月には序盤8話分が先行放送される。





みんなの笑顔に(・J・)b!

EPISODE Ani 編集

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