六武衆の荒行(遊戯王OCG)

登録日:2012/05/06 Sun 15:16:10
更新日:2025/08/06 Wed 12:16:39
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六武衆(ろくぶしゅう)荒行(あらぎょう)》とは、遊戯王OCGのカードの1枚。
その名が示す通り、【六武衆】の関連カードである。

概要

六武衆の荒行
速攻魔法
(1):自分フィールドの「六武衆」モンスター1体を対象として発動できる。
対象のモンスターとはカード名が異なり、同じ攻撃力を持つ「六武衆」モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
このターンのエンドフェイズに対象のモンスターは破壊される。

初出は第7期第3弾「STORM OF RAGNAROK」。新たな(ストーリーの時系列的にはかつての)六武衆である「真六武衆」もこのパックで登場した。
イラストには、後の《六武衆の露払い》である《真六武衆−ミズホ》が滝に打たれている姿が描かれている。
若き日の彼女の素顔が描かれているのはこのカードのみであり、ふつくしいと思うかイケメンと思うかは意見の分かれるところ。

効果は「六武衆」1体のリクルート
レベルの制限はなく、効果も無効にされず、出すモンスター次第では多彩な展開も可能という、シンプルかつ有用な効果。

しかしながら、いくつか条件とデメリットが課されている。
  • 発動するには自分の場に「六武衆」が必要で、初動にはならない
  • 特殊召喚できるのは、発動時に対象に取った「六武衆」とカード名が異なり、攻撃力が同じモンスターのみ。
  • 発動したターンのエンドフェイズに、対象に取ったモンスターは破壊される
もっとも、大量展開が得意な【六武衆】においては、対象に取ったモンスターは最終的に別のモンスターの素材になっていることも多い。
自分のターンで使う分には、破壊されるデメリットは実質ないようなものだろう。

なお、参照するのは「元々の攻撃力」ではない。攻撃力が変動していた場合、そちらの数値を参照する。
そのため、強化や弱体化を受けていたり、攻撃力と守備力を入れ替える効果が適用されていたりすると、狙ったモンスターを出せないばかりか、発動すらできなくなる可能性がある。
また、効果処理時に対象のモンスターが場から離れていたり裏側守備表示になっていた場合、攻撃力を参照できず、リクルートも行えない。

歴史

時は【六武衆】が環境を席捲していた第7期。
彼らの展開力は当時としては破格で、先攻1ターン目からモンケッソクカゲキカゲムシャシエンシハンキザンキザンという呪文が唱えられた。

そうして出来上がる最終盤面も凶悪。
  • 魔法・罠カードの発動を無効にする《真六武衆-シエン
  • レベル5以上のモンスターの特殊召喚を最大で2回無効にできる《インヴェルズ・ローチ
  • そこそこの攻撃力を持ち、効果破壊すればリソースを回復され、残しておけば《真六武衆-シエン》の身代わりになる《六武衆の師範》
  • 複数の伏せカード
ここまでのことをしておきながら、手札が2枚残っているなんてことも。

が、そんな状況をKONAMIが許すはずもない。
2011/03/01の改訂で、展開の要である《六武の門》は登場から僅か半年足らずで制限カードに指定。
続く同年09/01の改訂では、切り札である《真六武衆-シエン》、サーチカードの《紫炎の狼煙》も制限カードとなってしまった。

こうして【六武衆】の勢いは完全に衰退し、先攻での《真六武衆-シエン》のS召喚すら難しくなった……なんてことはなかった。
確かに規制は受けたものの、その穴埋めとして活躍したのが、《六武衆の荒行》である。

活用例

  • 《六武衆の影武者》+《六武衆のご隠居》(400)
前者は「六武衆」名称を持つレベル2チューナー、後者は《サイバー・ドラゴン》と同じ条件で特殊召喚できるレベル3非チューナー。
どちらも《紫炎の狼煙》でサーチできるため、その3枚のうちいずれか1枚と《六武衆の荒行》があれば、簡単に《真六武衆-シエン》を出せる。

《真六武衆-キザン》は緩い条件で特殊召喚でき、《六武衆-ザンジ》はメインデッキで唯一キザンと攻撃力が同じ六武衆。
どちらもレベル4なので、楽々とランク4をX召喚できる。
かつては《機甲忍者ブレード・ハート》や《H-C エクスカリバー》といった、素材に戦士族を指定する攻撃的なランク4をこうして簡単に出せるのも強みの一つだった。

《真六武衆-キザン》の自己強化が適用されている(=自分の場にキザン以外の「六武衆」が2体以上いる)とザンジをリクルートできなくなるので注意。
その場合は代わりに《六武衆の師範》をリクルートできるようになるが、その2体だけでは展開の選択肢が少ないのが難点。

  • 《真六武衆-カゲキ》(自己強化後)+《六武衆-イロウ》《真六武衆-エニシ》《影六武衆-ドウジ》(1700)
前者はレベル3で、後者は全てレベル4。いずれも非チューナーなのでS召喚にもX召喚にも繋がらないが、《真六武衆-カゲキ》を召喚すれば手札のチューナーを展開できる。
《六武衆の影武者》を特殊召喚し、カゲキを対象に《六武衆の荒行》を発動すると、《氷結界の龍 トリシューラ》などレベル9のS召喚が可能。
影武者と同じくレベル2チューナーで、自己特殊召喚が可能な《六武衆の指南番》が手札にあれば、カゲキの展開効果を別のモンスターに使える。

  • 《六武衆の軍大将》(1000~)
《六武の門》のサーチ役にして、自分フィールドの武士道カウンター1個につき攻撃力を100上昇させるLモンスター。
攻撃力の微調整が可能なため、《六武衆の荒行》の対象として適している。

場に武士道カウンターがない状態でも、メインデッキで唯一攻撃力が等しいヤリザ殿こと《六武衆-ヤリザ》をリクルート可能。
門と荒行を発動し、軍大将のリンク先にヤリザを特殊召喚→軍大将とヤリザで2体目の軍大将をL召喚、と動くことで、門に武士道カウンターが4つ集まり、大量展開を始められる。

散々ネタにされ続けてきたヤリザ殿にも、時代が進んだことで、このように戦術的に意義のある採用理由とメリットが生まれたのである。……使うかどうかは別として。


このように状況に応じて様々な戦略をとることができる優秀なカードであり、門が制限カードとなってからは、新たなる六武衆のデッキタイプ荒行型六武衆の要となり注目されるようになった。
さすがに門が無制限だったときと比べると展開力は落ちたが、大会上位に食い込める力を持ったデッキである。


追記修正お願いするでござる。

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最終更新:2025年08月06日 12:16