ロアナプラ(BLACK LAGOON)

登録日:2012/04/09 Mon 19:49:45
更新日:2025/03/28 Fri 09:56:33
所要時間:約 4 分で読めます




『ロアナプラ』は、「BLACK LAGOON」に登場する架空の地名。


タイの名所として有名な港町。

かつては萎びた港街であり、その存在も消え失せようとしていたが、ロシアの観光会社『ホテル・モスクワ』と中国の貿易会社『三合会』の共同事業により見事再生を果たした。

現在では世界貿易における重要拠点の一つとして、認識されており、治安は世界一安全とも言われている。


追記・修正お願いします





-あ〜あ…もうシ〜ラネ-




























「アホか、そんなわけねェだろ」






【概要】


ロアナプラとは、主人公ロックが勤める『ラグーン商会』やバオの『イエロー・フラッグ』などが存在する、物語の主舞台にして悪徳の街。
その実態はマフィアやアウトローが犇めく「地の果て」
多くはマフィアが支配しており、街中そこらで犯罪が日常的に起こり、警察は汚職塗れでまともに機能しておらず治外法権状態。
曰く
  • 「本当にどうしようもない街」
  • 「神に見捨てられた地(神はバカンスで出張中)」
  • 「イカレポンチを煮詰めて作った街」
  • 「世界のどの街よりも危険で猥雑でエキサイティング」
  • 「アホの見本市」
etcetc...


この土地を巡って我らが姉御ことバラライカ率いるホテル・モスクワと張率いる三合会の対立が起こり、世界中から名のある国際犯罪組織、マフィア、チンピラ、アウトロー、果てやCIAなどが居座る極悪の街として完成した経歴を持つ。

街の成り立ちは、原作ではフランス系の植民地、OVAでは旧日本軍が軍港として開発した、と若干違っている。
そして街の入口にの橋には首吊縄が掛かっている。



【治安】

世界最悪とまで言われている。

……が、いわゆるネオサイタマのような、同じく退廃的とされる街とは決定的に異なる点がある。
それは衛生面などで致命的な破綻がなく、「街を歩くルールさえ知っていれば」平穏に過ごす事もできるということ。
もちろん裏通りで野垂れ死ぬ者も少なくないし、衛生の悪い場所もあちこちにある。
だが、ロアナプラは大部分が複数の組織が蠢いて取り仕切っている上、観光業の占める割合が大きいという特有の事情があり、
これを保つためにマフィアたちも腐心しているのだ。
組織同士も互いに相手のテリトリーの侵害をしない暗黙の了解によって表向き抗争が抑えられている。

実際に歓楽街の賑わいはなかなかのもので、特に風俗業は高い人気が示唆されているし、飲食も店を選べば質の高いものがある。*1
モーテルも高級から質の悪いものまで多種多様であり、観光客へのサービスは抜かりない。
裏では売春から薬物、恐喝等々後ろ暗い金稼ぎはやっているが、表面を取り繕うだけの理性はあり、
これこそがマフィアたちが争い血を流した末に導きだした利益のための結論なのだ。
(協調路線も所詮は表向きなものに過ぎないが、かといって軽視するほど薄い関係でもない)。
こうした成り立ちのため、有力な支配組織にさえ逆らわなければ割りと何をやってもいいわけである。


大きな組織では、傘下にいる労働者を(おそらく幾ばくかの税金代わりに)保護している。
住人にとってはこれは非常に強力な御守りであり、新参者の犯罪者が知らずに彼らに手を出そうものなら、たちどころに手練れの暗殺者が差し向けられて処理される
例えば新参の犯罪グループがイタリアンマフィア保護下にあった屋台のおっさんから花代をせしめようと暴力を振るった結果、その日の晩に弁解の時間も与えられず掃滅された。
それなりの繋がりを持った関係になると定時連絡がないというだけですぐに戦力が差し向けられるほど。
ナメられたら終わりの稼業ゆえもあるのだろうが、その苛烈さは想像を絶するものがある。
これによってある意味では治安は保たれているとも言える。


【住人】

観光客以外は何らかの稼業で糧を得ている住人たちだが、いわゆる一般人はほとんど見られない。
住人たちは(結果的に生き残っている意味で)街の事情にある程度精通しているのがほとんど。
例えば店などは銃撃戦などドンパチが発生する前に空気を察知して撤収し、区画が離れていればいつも通りの賑わいで誰も気にもしないという異様な状況はロアナプラの住人を端的に示したものといえよう。

また補足となるが、住人は住人であって全てが組織傘下にいるわけではない。
多くはマフィアたち悪徳の組織が支配する街ではあるが、実際のところ組織に属していないアウトローも非常に多い。
無論、彼らも組織の虎の尾を踏んでしまえば命はなく、日々どこかから流れてきて勝手に消えていくが、中には辣腕と優れた嗅覚を持った者たちも見られ、
傭兵もどきから闇医者、ニンベン師、ガンスミス、情報屋、暗殺者などなど裏稼業を強力に補強する専門のプロたちが普通に住んでいる
彼らの立ち位置は実に多様であり、有力組織とは表立って敵対していないだけで裏取引なんかは日常茶飯事。
組織側もよっぽど度が過ぎない限り彼らの活動を否定しない。

情報屋を例に挙げるなら、大組織さえ彼らから情報を買う事があるし、また自身の情報を売られる可能性も織り込み済みで動く。
これは情報が洩れる体制の甘さを棚に上げて情報屋を糾弾しようものならメンツが地に堕ちるという面が大きい。
もちろん情報屋側も信用と安全のバランス感覚がしっかりしていて、組織の顔に泥を塗るような真似は控えるし、売買の相手も選ぶ。

こうした意味で彼らの生き様は本当に自由であり、確かな実力を持った混沌の街の住人なのである。



【流儀】

ロアナプラにおいてもう一つ重要な固有のルールがある。
それは実に古風なマフィア的流儀で、実力主義であり、女々しさ(メンツが立たない行為)を徹底的に恥ずべきと考える
具体的には、まともに花代集めができない、部下の掌握もできない無能は切られて当然と考えるし、命惜しさに相手のケツを舐める、ガキ相手に後ろから撃つといったダサすぎる行為をやろうものならまともに表を歩けなくなる等々。
よしんば組織の保護下にあったとて、自衛をまったくしないアホならば同様の目に遭うだろう。

この辺りはコレという明文化されたルールではない。
個人それぞれの力次第な部分も大きく、特にアウトロー同士の場合「やられた方がマヌケ」という意識も共有されている。
…その意味では大組織に真っ向から喧嘩を売るのも別にタブーというわけではない。ただキッチリ落とし前をつけさせられるだけの話である。



【主な組織・拠点・地理】

ラグーン商会

ボスであるダッチの始めた運び屋。主人公のロックレヴィが所属している。
タイトルである「ブラック・ラグーン号」を冠するボートで、職の通り様々なブツを出自問わず運ぶ仕事を行っている。
ロアナプラにおいては基本的に中立な立場であり、情勢次第とはいえ協調・敵対を繰り返すマフィアたちほぼ全員と顔なじみ。
太くはないが細いとも言えない何気にヤバいコネを持っている。

市内に事務所を置いている他、ブラック・ラグーン号用の倉庫とドックが港部に存在する。
かつてはそちらに簡易的な事務所もあったようだが、偽札編で火災に見舞われ倒壊した。


イエロー・フラッグ

元南ベトナム軍敗残兵のバオやその仲間が開いている酒場兼モーテル。創業は1978年。
ロアナプラに住む多くのアウトロー達がここに集まり、毎日のように騒いでいる。
上の階は娼館になっており、バオ曰く「そこらのモーテルより高機能で衛生的」。
ラグーン商会と同様にロアナプラでは中立であり、多少の情報屋として動く事はあるものの自分から騒ぎに関わったりはしない。
要するにいつも巻き込まれる側である。
作中では登場する度に何かしらの事件に巻き込まれてバーが壊されてしまうのがお約束となっており、(7巻の時点で)バオ本人曰く、半壊が15回ほぼ全壊が6回という悲劇に見舞われている。(その内の数回はラグーン商会絡み)
しかもその直後、更に1回全壊した
その為、カウンターには防弾加工等を施しているが、やっぱり破壊されるのがオチ。
ちなみに、最大級の損害を出したのはあのメイド型キリングマシンが現れた時であり、このメイド襲撃事件は目を開けたまま見る悪夢として認識されたのか、彼女の襲撃以降ロアナプラで「メイド」は禁句となった。
御愁傷様です。


タイ警察 ロアナプラ署

署長はワトサップ。
表向き警察として仕事はしているが、姉御に支配されていることと賄賂が横行しているため警察としては機能していない。
さらに金さえ貰えれば何でもするので、その辺の住人と差して変わりは無い。
実際“双子”狩りの際は賞金目当てに参加しようとしていた。
おい、仕事しろ


ホテル・モスクワ

ロシアンマフィアであり、ロアナプラはそのタイ支部にあたる。
タイ支部の表向きの顔は貿易会社「ブーゲンビリア貿易」で事務所は「サータナム・ストリート」にあり支部長は姉御
姉御が留守の間は治安が悪化したため、かなりの影響力を誇っているのは確かである。

また、市内で多くの商業施設を運営しているがカリビアンバーは双子によって襲撃を受け、隊員二人が死亡した。


リップオフ教会

またの名を『暴力教会
ロアナプラで唯一認可されている武器売買 兼 手配屋。
その裏ではCIAとも繋がっており、エダの隠れ蓑ともなっている。

ここの頭目は大シスター“ヨランダ”(バアさn(ry)であり表向きは上記の通りだが、裏では姉御や張にもバレない巧妙なルートを駆使して麻薬の密売なども行っている。
上述のCIAとも繋がりを持っているようで、過去の経歴が下手な住人よりも謎に満ちている。

表向きの教会は実はなんとヴァチカンに認められた正式な教会である。
ヨランダがどうやって「説得」したかは……知らない方が良い。


三合会(トライアド)

香港系マフィアでも最大級の勢力を誇り、ロアナプラでの縄張りもホテル・モスクワを凌駕する。
タイ支部ボスは張維新で、表の顔はケーブルテレビ会社「熱河電影公司」。レヴィ曰く「ギャグのセンス以外はいい」
一度事務所がヨルダンまで吹っ飛ばされて以降、張は別の場所で寛いでいる。


コーサ・ノストラ

イタリアン・マフィア。ある程度協調関係を保っているホテル・モスクワや三合会とは違い、勢力拡大を狙っている。
タイ支部ボスはヴェロッキオだったが、双子によって天国へ送られたため、ロニーが後任となった。
事務所は「ヴィスコンティ・フーズ」という料理店にある模様。


マニサレラ・カルテル

コロンビアマフィア。タイ支部のボスはアブレーゴ。
コロンビア革命軍と繋がりがあるらしい。


“編集”はロアナプラの住人の方のみ、逐次情報追加お願いします。

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最終更新:2025年03月28日 09:56

*1 支部の長たちは(権威付けの意味はあるにしても)大抵が趣味のいいものを好んでいる。