ヘンゼルとグレーテル(BLACK LAGOON)

登録日:2009/10/28 Wed 11:34:43
更新日:2024/11/22 Fri 14:47:03
所要時間:約 4 分で読めます







「楽しみだね。姉様。」


「ああ、兄様。本当に楽しみ。」


BLACK LAGOONの登場人物。

ヘンゼル(CV:南央美
グレーテル(CV:金田朋子


10代前半の双子で、互いに「兄様」「姉様」と呼び合うが、性別は不明。

得物はグレーテル(姉様)がブローニングM1918A1自動小銃 (BAR)、
ヘンゼル(兄様)が手拳銃(使用描写なし、リボルバー)である。


姐御の子供。
生きた猫を三味線にしようと画策したりパチンコ玉を圧力鍋でアレしようとしたりダッチにタコ頭と言ったりとやりたい放題。

寝顔はカワイイ…らしい

……らしい





以下ネタバレ注意














……ではなく、「bloodspot fairy tale」に登場する双子の殺し屋。
ヴェロッキオファミリーに雇われてロアナプラ入りした。



ルーマニア出身。共産政府の無計画な出産奨励により、親に捨てられ孤児となった、いわゆる「チャウシェスクの子供たち」*1
入所していた施設が政変後解体されたため余所へ売られるが、売られた先がド変態の巣窟で、チャイルドポルノに「出演」させられて虐待を受け続けた。
「ド変態のおもちゃにされ、行き着く果ては豚の餌」のはずだった双子は、その後スナッフ・ビデオ(殺人ライブ録画)への「出演」を強要されることになり、同じ境遇の子供を始めとした多くの人間を否応なく手に掛け、その仕事に適応した事で皮肉にも生きながらえてしまった。
そうした悲惨な境遇の果てに人間としての倫理観が完全に壊れてしまい、「誰かを殺す事で生きられる」「生きるために以前に息をするために人を殺す」という制御不能な快楽殺人鬼と化してしまった過去を持つ。

「ヘンゼル」「グレーテル」は双子が出演していたビデオでの名称。本名は不明。


初っ端からあの姉御のカリビアン・バーをBARで蜂の巣にするついでに「遊撃隊」メンバー*2サハロフを殺害した上に、
同じく「遊撃隊」のメニショフを拉致して頭に布袋を被せ生きたまま頭に釘を打ち込むという拷問かつ違う意味でも世にも恐ろしい行為をし、
その後すぐさま雇われ先のヴェロッキオファミリーを襲撃。
壊滅させた後に、ヴェロッキオファミリーが双子の雇い主であると察知したのか同じく襲撃しようとしていた三合会の張と「姉様」が戦闘、一瞬のやりとりだったにもかかわらず張をして「まったく、ほっとする」と言わせた。
まあ、あの体格でBARをあそこまで振り回されたら誰でもキョドるかもしれない。


その後、懸賞金欲しさに目をギラつかせ大通りに集合して待ち受ける肥だめ共を替え玉で出し抜き、裏通りから海に向かう。


ここでホテル・モスクワ(オマケでカンを働かせたレヴィエダ)を巻くために二手に分かれたが、「兄様」は姐御の策にハマってしまい手と足を狙撃され、
「お前がそこで失血死するまでの時間をメニショフ、サハロフ両名の鎮魂の時間とする」として、「兄様」は泣きじゃくるも救いの手も止めの鉛弾もないまま失血死した。

姐御にしては優しい
ガソリン頭から掛けられてC4で見事に爆破された陳さん涙目です

兄様を殺害時の「まったく……因果な世界だよ。」ってセリフは今後の伏線だったりします。


「姉様」はエダを人質に取り、五体満足を条件にダッチ達「ラグーン商会」の客として逃がし屋の元へ。
ダッチ曰わく「ノーベル人道主義賞をもらえる器」。

しかしホテル・モスクワの手回しが既に終わっており、逃がし屋に側頭部を撃たれて死亡した。
もっとも、作中でベニーが語ったように殺しをやめられない生き方を続けてきた双子が今更“普通の子供”として生きていける可能性はほぼ絶望的であり、どのみち明るい未来は無かったと思われる。

ラグーン号に同乗する際、優しく接してくれたロックに「お礼」と称してスカートをまくって見せたが、
その下にある物を見たロックは耐えられずに部屋を出て行ってしまう。
彼が「何」を見たのかは明確には描かれておらず、読者の間では様々な推測がされている。
ひどい傷痕があった(あるいはむちゃくちゃに改変されていた)説、
普通に女性器/男性器だった説、あるいは、下半身を見せることがお礼になると子供が認識してしまっていること自体に嫌悪感を抱いたとも言われている。





「きれいだわ、そら。どうし…ー」




実は長髪はカツラで、得物とそれを交換する事で「兄様」と「姉様」を交代できる。つまり性別すら入れ替えているわけで、性自認も破壊されていると見てとれる。ロックは一体何を見たのやら。


ちなみに、作者の広江礼威がブリッツさんの次に殺した事を後悔したキャラらしい。
姉様は「大きな銃を持った小さな女の子」をコンセプトにしたとか…。
それなんて、ガンスリンガーガール…。

もうひとつモチーフとされたと考えられているのがアーケードゲーム「アウトフォクシーズ」(ナムコ1995)の、
プレイヤーキャラクターの1人(2人だが)「ダニー&デミ」。ちなみに広江礼威は重度のゲーマーである。
狂った科学者の元で生まれて実験動物として檻の中で育てられ、
異常な知性と身体能力を持ちながら倫理観や社会性が皆無で、笑いながら殺戮を繰り返す邪悪な金髪の双子
という設定は色々と共通する。

関連性は不明であるが、『ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCDぎゃーーーっ!』ではヘンゼルとグレーテルをモチーフにしたと思われる双子が登場している。

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ルーマニア出身(カルパチアの岩山の中)であることと、
ヘンゼル兄様の忌の際の台詞である

「こんなにも人を殺してきたんだ。
いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい殺してきてる。
僕らはそれだけ生きることができるのよ。
命を、命を増やせるの。
―私たちは永遠さ。そう永遠なのよ。」

この台詞を考察すると、人の生き血を糧に生きている吸血鬼のようだというイメージから。

実際9キロ近くもあるBARを微笑みを浮かべながら振り回して張の旦那と互角に渡り合い、元軍人で姉御子飼いの遊撃隊員であるサハロフを斧で惨殺し、メニショフに拷問を加えた挙げ句死亡させるなど、能力も精神性もとても人間とは思えない。


まさに妖怪である。


姉様:「二人で話して、決めてみたの、
追記はメインデッシュ
最初は修正から。」

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最終更新:2024年11月22日 14:47

*1 N・チャウシェスク政権下のルーマニアで、避妊・堕胎が厳しく禁じられ子無し世帯に重い税金が課せられたこと、大量の孤児が公立孤児院にあふれよくない生育を歴たのは史実。革命時のドサクサで、相当数の子供の行方がわからなくなっている。

*2 即ちホテルモスクワの古参であり、バラライカと同じ釜の飯を食い砂漠から帰還した家族同然の存在である