悠遠物語~空の大陸とアイテム屋さん~

登録日:2013/09/23(日) 23:15:21
更新日:2024/09/17 Tue 13:43:47
所要時間:約 14 分で読めます




悠遠物語~空の大陸とアイテム屋さん~とは、第4回WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)にて発表されたゲームである。

ジャンルは「ファンタジック経営シミュレーション恋愛推理アクションRPG」
なにそれ?とかは禁句


概要

ダンジョン探索、経営シミュレーション、アイテム合成、主人公の育成やサブイベントなど、
さまざまの要素が詰め込まれたボリューム満点のゲーム。10話+2部構成のストーリー。
ある日、主人公ピアが言葉を話す人形と出会ったことで、大きな物語へと巻き込まれてゆく。

本作は、一人前の薬屋になることを夢とする少女ピアが主人公の長編ARPG。モンスターと戦いダンジョンで材料を集め、錬金術で薬や食べ物など、さまざまなアイテムを作り出し自分の店で販売する。
アイテム屋ライフをじっくりと楽しむか、ひたすらに戦ってレベル上げを中心にするか、ストーリーをどんどん進めるか。プレイヤーの好みでゲームを進めることができる。
また、アイテムやスキルの説明文一つ取っても、効果の説明の他に各キャラクターからのコメントがあったり、小ネタも豊富。
前述の通り主人公は、小さな村で育った薬屋の娘「ピア」。一人前の薬屋として独り立ちするため、故郷を離れ、ポルトフィーナという港町に店を構えるところからゲームが始まる。

とはいえピアはまだまだ半人前。薬のレシピもろくに知らない。魔法や戦闘も得意ではなく、小さなスライムとの戦闘にも苦労するほど。
それでもピアの決意は固く、どんな苦難にも立ち向かう強い気持ちがあった。

ポルトフィーナの上空に浮かぶ「悠遠大陸」という名の島もピアの心を惹き付けた。
そしてピアは自分を神族と名乗るエルバークという少年に出逢い、悠遠大陸に案内される。
憧れの悠遠大陸にたどり着いたピアだが、ふとしたきっかけでエランス聖王国という国に所属する精鋭部隊「ミッドエージ」に大陸を狙われてしまう。
ミッドエージの狙いとは?ピア達は悠遠大陸を守りきりることができるのか?そして、悠遠大陸の秘密とは………


主なシステム


店の経営

このゲームでは、普通のゲームのように適当に敵を倒しているだけでは、いくらやってもお金を稼ぐことはできない。
ではどうするかと言うと、自分のお店を開いてアイテムを売って稼ぐのだ。このための「アイテム屋さん」である。

店に並べるアイテムは、ワールドマップから移動可能な場所にあるダンジョンに出かけ、宝箱の中や地面に落ちているアイテムや材料を拾って集めよう。
まれに装備をドロップするモンスターもいる。
それら以外にも、他の店で購入したアイテムをそのまま並べて売ることも可能だ。要は転売
また、ポーションなどの薬、ろうそくなどの日用品や食べ物は売れやすく、錬金用の材料アイテムは売れにくいなど、
アイテム毎に売れやすさ、売れにくさも決まっている。


他にも、商品には自分で値段をつけることが出来る。しかし、当然値段を高くしすぎれば売れないし、安すぎれば儲けが少ない。
とはいえ、一部のレアアイテムを除き商品には大体の相場が決まっているので、よくわからない内は相場の値段で売るといいだろう。
極端な話、100リル(このゲームの通貨)のアイテムに、100000リルの値段を付けることもできる。


錬金術/鍛冶

自宅では、持っているアイテムを使い、錬金術や鍛冶を行うことができる。
錬金術は基本的に消費アイテム、鍛冶は装備アイテムを作るコマンドだ。
これは持っているアイテムを組み合わせて新しいアイテムを作り出すというもので、他のゲームでいう合成に似ている。
錬金術、鍛冶ともにレベルが設定されており、成功率に関わってくる。あまりに作るのが難しいと、成功率が0%になってしまうことも…

錬金術、鍛冶ともに対応するレシピというアイテムが必要で、これがなけれ材料となるアイテムを持っていても作る事ができない。
レシピはダンジョンで拾ったり、店で買う他、イベントでもらえることもある。
錬金術や鍛冶でしか手に入らないアイテムは多いので、ぜひ積極的に探したい。


ダンジョン/戦闘

ダンジョンは、マップが存在する一部のものを除き、ロークライグのように毎回ランダム生成される。
戦闘は、ダンジョン内に存在するモンスターとの直接戦闘方式。戦闘画面がないのでボス戦などを除き、リアルタイムで戦闘、離脱が自由にできる。
味方がいる場合は、最大2人までメンバーに入れることができる。各キャラの能力や使える技に応じて、自動で戦ってくれる。

武器は杖 剣 槍 大剣 弓 本の6種類があり、基本的にキャラクター毎に装備できるものは決まっている。
しかし、主人公のピアとエルバークのみ、6種類とも装備できるので、プレイヤーの好きなものを武器を選べる。
軽く武器について説明すると、
杖…威力は低めだが、消費MP、詠唱時間の軽減など、スキルを補助する効果が付くものが多い。
剣…標準的な性能で、もっとも使いやすい。
槍…リーチが広く、多数の敵を相手にしやすく、安全に戦える。しかし、盾が装備できず、2コンボしか続かない。(他の武器は3コンボまで続く)
大剣…リーチ、攻撃力に優れるが、コンボが遅く、盾が装備できない。
弓…唯一の飛び道具。それ故に遠くから攻撃できるが、矢が貫通したりはしないので、乱戦は苦手。盾が(以下略)
本…リーチ、威力、コンボ速度、全て他の武器に劣るが、特殊効果が付いているものが多い。
このように、武器毎に特徴があるので好きなものを使おう。

ミッション

自宅にはミッションボードというものがあり、ここからミッションを受注できる。
ミッションの内容は特定のアイテムを用意する、錬金術で指定されたアイテムを作る、特別なダンジョンに案内されるなど、様々だ。
また、一部のミッションはストーリーの進行に必要なので、こまめにチェックしよう。
ミッションの特典はアイテムだけでなく、店のグレードアップやレシピなど、ありがたいものが多い。
特に、ストーリー上合流したキャラクターも、対応したミッションをクリアしなければメンバーに入れられないため注意。
(ちゃんと理由はある)


スキル/超必殺技

主人公のピアは、これまた普通のRPGのように適当にレベルを上げているだけでは、スキルを覚えることはできない。
ミッションボードから、スキル毎に指定されたアイテムを用意して、初めてスキルを習得できる。
ただ、スキルには属性レベルというものが設定されており、キャラの属性レベルを満たしていなければ、習得しても使うことができない。
これについては後述。

スキルとは別に、各キャラクターは超必殺技というものを持っている。
戦闘中、キャラクターが禍々しいオーラに包まれることがあり、これが超必殺技発動可能の合図である。
発動すれば最後、術者は一時的に人間離れした能力を得ることができる。(エルバーク談)
実際、一部のステータスが二倍、画面全体攻撃、通常攻撃の大幅強化など、どれも凄まじい効果を持っている。
ただし、ピアとカーネルはそれぞれ、ある程度のストーリー進行と特定のミッションをクリアするまでは習得できない。

属性レベル/属性グラフ

スキルの説明でも少し触れたが、スキルには属性レベルというものがある。
属性グラフとは、キャラクターがどの属性が得意、不得意かを表すもので、数値が高いほど、その分上位のスキルを扱える。
つまり、属性レベルが足りていないスキルはせっかく習得しても使うことができないのだ。
例として、水属性のレベルが5のピアは、レベル5までの水属性スキルを扱えるが、
雷属性のレベルが1なので、レベル2以上の雷属性スキルは使えない。
また、炎と氷、水と雷、土と風の属性は相反属性となっており、高いレベルで両立することができない。
この属性レベルは一応は変更が可能だが、これがまたものすごいレアなアイテムが必要になるので、変更は難しい。
一応、ミッションで一度だけ自由に変更できるので、その時にじっくり考えよう。
ただし、炎と氷、水と雷、土と風の属性は相反属性となっており、両方を高いレベルで両立することができない。



主な登場人物


主人公サイド


ピア

いいじゃない、お薬作ってれば生活には困らないもん!
本作の主人公で、元気いっぱいの女の子。
自分の住む村で母親と一緒に薬屋を営んでいたが、ある日独り立ちを決意し港町ポルトフィーナへ旅立つ所から物語が始まる。
始めは戦闘が大の苦手で、スライムにも苦戦するほど。炭水化物を「炭水ばけもの」と読んだり、錫杖(しゃくじょう)をようじと読んだりと、やや漢字が苦手な様子。
また、女性陣の中では胸が一番あるらしい。

戦闘では全ての武器が扱えるため、幅広い戦い方ができる。
得意な属性は水属性で、雷属性が苦手。
超必殺技は魔法攻撃力が二倍になり、属性グラフを無視して魔法が使えるようになる「エッセンティア」。
ファンスレでは、その握力がよくネタにされる。(エルバークの「スライムは片手で握りつぶせるか」と聞かれたときの問いから)

エルバーク

「今までの努力も、苦労も、決断も…全部俺たちのものだ!
おとぎ話なんかにされてたまるものか!」
本名はエルバーク・クロスクロード。男性。
空に浮かぶ島『悠遠大陸』に暮らす唯一の住人。
古い時代に滅んだと言われた神族の子孫で人間とは違う、強い魔法の力を持っている。
食事の味は気にしないタイプで、砂糖と塩を間違えた料理を平気で食べるほど。
「子供が好き」という本人の発言から、ファンスレではロリコン、ショタコン扱いされる。

初めからレベル、ステータス共にかなり高いが、この手のキャラのお約束で戦闘では基本的にほとんど戦ってくれない。
超必殺技は、各属性を持った魔力の塊を次々と落とす「仮想世界」



マリネ

あなたがこれを予言の魔法ではないというのなら…物語を変えて
港町ポルトフィーナで会う不思議な人形の女の子。
体つきが小さく、戦ったりするのは苦手だけどピアのことを手伝ってくれる友達。
本当の姿は人形ではないが、人形になる前の事は思い出せないらしい。

戦闘では弓矢を使い、雷属性の魔法を得意とする。
また、クッキーを投げて回復してくれることも。
超必殺技は魔法を4回連続で発動する「カルテット」。
一週目のピア編では、最終的にメンバーから離脱してしまうため注意

カーネル

今こそ真の姿を見せよう。ふんどしファイターカーネルとは私のことだ
聖王国エランスの城で働いていた錬金術師の男性。
物の姿形を自在に変える錬金術と呼ばれる力を操り、誰も作ったことのない道具を作ることを生き甲斐としている。
とにかく錬金術が好きで、エルバークとは古くからの親友。
あと、何げにすごい努力家だったりする。
超必殺技習得イベントは必見。

戦闘では本を武器に戦い、ステータスを上下させる技や、敵にステータス異常を与えるなど、味方をサポート技するを持つ。
超必殺技はスキルの詠唱時間、ディレイ(連続して使うまでの空き時間)を無視して使えるようになる「禁忌のグリモワール」。
下着はふんどし派(重要)


エレナ

最後に私の胸見て納得してんじゃないわよ!
本名はエレナ・フランライト。女性。
聖王国エランスの魔術師。王都では名の知れた紅蓮華月という名門魔術師の血筋で、炎を操る魔法に関して右に出る者はいない。
剣術にも長けており、特にレイピアの扱いを得意とする。
料理は(見た目だけ)とても上手い。寒いのは苦手。
やや短気で、料理が出来なさそうと自分をバカにしたエルバークに炎魔法をぶっ放したりした。(室内で)

戦闘では炎属性の魔法と剣術で戦う。攻撃範囲の広い技が多いので、集団戦で活躍する。
しかし、最大MPの割にスキルの消費MPが高いので、息切れには気をつけたい。
超必殺技は通常攻撃を広範囲の炎属性攻撃に変化させる「火炎旋風」。

入浴イベントの一枚絵と会話でわかるのだが、胸が小さい。
胸が小さいのである。(超重要)
そのためファンスレでは、最もネタにされ、誰かが「エレナの胸って小さいよね」などと書き込むと、
エレナさんは実は隠れ巨乳なのよ」と言った風にエレナのなりきりでフォローが入るのがお約束となっている。
それどころか、「胸の脂肪を燃やして炎を操っている
胸の大きいエレナはエレナではない」とまで言われる始末。
散々な言われようだが、みんなエレナが好きなのだ。(多分)


ミミー

子供扱いしないで~!
雪国に暮らす幼い少女で、まだ小さいが立派な魔術師。
12才の頃から一人暮らしを始めており、自分の店を開いてる。
動物が大好きで、魔法を使って動物と会話をしたりできる。
作者のらむらむ氏によると、14歳くらいらしい。
「ミミーちゃんにむらむら」とか言うなよ!絶対だぞ!!

戦闘では氷属性の魔法や召還魔法を使う。武器は杖。
超必殺技はドラゴンを呼ぶ「エンシェントドラゴン」。
固有スキル「ちっこい」のおかげで、重い装備が苦手。
決して胸のことではない、むしろそれはエレn(ry)

敵対サイド

エランス聖王国のミッドエージ魔術部隊という組織に所属している。
4人構成で、全員が並外れた戦闘能力を持っている。

クロア

「全てを貫く王の矛!
我が名はクロア!!」
ミッドエージ内で唯一の男性で、『王の矛』の能力を持つ。
初めて戦うミッドエージ隊員がクロアであり、その圧倒的な力であっという間にピア達を叩きのめした。
そんな彼だが、ミッドエージ「魔術部隊」の中でこれまた彼のみ、魔法よりも武器をメインにした戦い方をする武人。
お気に入りの武器を数多く持っているようだが、普段は大鎌を使う。(モーションは槍)
怒りっぽい性格で、よく怒鳴る。
…が、レミにパワハラされたり、シルミナに理不尽な理由でビンタされたり、ネクロビアにお気に入りのレイピアを曲げられたりなどと、
何かと不憫。

実は、Ver0.65以降とそれ以前でなぜか顔グラが変更されている。

レミ

「ピアさん。人はなぜ罪を犯すと思いますか?」
本名はレミ・カレンシア。女性。『王の楯』の能力を持つ。
まるでお姫様のような格好をしているが、国王が独り身なので別に姫ではない。
心優しく、スラム街へ一人で行き、子供たちに食べ物を分け与えるシーンも。
部隊内では一番立場が高く、指揮権を持っている。

戦闘面では、味方のダメージを一部肩代わりしたり、被ダメージを90%カットするスキルを持っており、楯の名に恥じない守りを見せる。
というよりも単純に防御、魔法防御がものすごく高い。
時期限定だがメンバー入りし、その際のレベルとステータスはエルバークよりもさらに高い


シルミナ

「本物の魔女は火あぶりなんかじゃ死なないものね!
いいわよ、そうじゃなきゃ面白くないわ!」
『王の心』の能力を持つ女性。
容赦の無い性格で、味方の一般兵に魔法を撃ったり、「使えない」と吐き捨てる場面も。
ネクロビアとは仲がよく、喫茶店に二人で出かける場面もある。
エレナに強い敵意を持っているようだが…

以下、最新Verでのネタバレ
+ ...
実はエレナとは母親こそ違うが姉妹で、シルミナも紅蓮華月の一族。
しかしシルミナは家系の都合で無理やり結婚させられた夫婦の子で、当然親からは愛されなかった。
両親から常に憎むような目で睨まれ、生まれたと思った弟も目の前で間引かれるなど、相当な過去だったらしい。
自分と違い両親に望まれ、愛されて育ったエレナがどうしても許せず、エレナを狙っていた。
あと、本来ありえない炎魔法と氷魔法の両立をしている。
エルバーク曰く「特別な生まれと相当な努力によるもの」
ネタバレ終わり

ネクロビア

賢者の石も、大陸の存在も、全てはこの『王の眼』による予見によるもの」
『王の眼』の能力を持つ女性。
身隠しのローブというローブと深いフードに身を包んでいる。
部隊内では情報収集の役割を担当しており、城に居ないことが多いようだ。
また、「エレナをすぐに始末するべき」と言うクロアとシルミナに対し、
今は争いは避け、本当に邪魔になるようなら始末すればいい」と言うなど、部隊内でも割と中立的。
武器の扱いが苦手で、なんと武器を持っていない。
クロアが貸してくれたレイピアも、軽く素振りしただけですっぽ抜け曲げてしまうほど。
その分、極めて強い魔力を持ち、戦闘とは関係の無い魔法陣を維持しつつ戦う器用な所もある。
現状、最も謎が多い。

余談

本作品は現状、まだ未完成品である。
発表当時、まだVer0.5で、半分ほどの完成度であったが、それでも2012年の第4回ウディコンで見事総合優勝を獲得している。
開発は既に数年に渡り続いており、更新を気長に待つ。
また一部のサブキャラにらむらむ氏の過去作「School Leader」と関連のありそうなキャラが…

エルバーク「次のミッションは…記事を作ること!それから、その記事を追記、修正するんだ!」
ピア(わぁ、なんか大変そう…)

※記事中の画像はゲーム中のスクリーンショットから

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最終更新:2024年09月17日 13:43