ファンタスティック・フォー(MARVEL)

登録日:2019/05/25 Sat 03:05:38
更新日:2024/02/06 Tue 17:23:24
所要時間:約 16 分で読めます




『Fantastic Four(ファンタスティック4)』とは、米MARVEL COMICSが権利保有するコミック作品、及び同作に登場するスーパーヒーローチーム、キャラクターである。
新型ロケットに乗って宇宙に飛び出した4人の若者が未知の宇宙放射線に触れて、それぞれに別々の超能力を得たというのがオリジンの設定である。
略称はFFで、米国ではFFだとFINAL FANTASYよりもFantastic fourの方が最初にイメージされるらしい。

誕生は1961年。
50年代は主に怪奇、犯罪コミックを主軸としていたが行き詰まりを感じていたMARVEL*1が、再びヒーロー物への回帰路線を打ち出し、MARVELに社名変更以降、初のスーパーヒーロー物の連載作品として誕生させたのが『ファンタスティック4』(以下FF)であった。
シンボルマークは

日本人からは斬新で奇異に見えるキャラクター付けをされている個性的な4人組だが、各人の能力のアイディア自体は既に存在していた自社や他社のスーパーヒーローから拝借しただけだとも言われる。
しかし、FFが魅力的で新鮮な面白さがあったのは、メンバー4人を家族の関係*2にしたからである。
この、家族でヒーローチームという面白さは実写映画版……よりも、本作の理想的な映像化と皮肉られる『インクレディブル・ファミリーでも見ると理解出来るかもしれない。
ともかくも、街を揺るがす大事件に挑みつつもアットホームな魅力で癒してくれるのがFFの人気の秘訣だったらしい。
また、誕生した時代もあるのか戦うヴィランが宇宙人とか異次元人とか悪魔とか非常にバリエーション豊かなのも特徴。

これ以前にもヒーロー達がチームを組むということは、他社は勿論、MARVELの前身であるTimelyの頃にも存在していたが、完全にユニットとして売り出されたチームというのも珍しい形態であったようだ。

この、MARVELユニバース最初のスーパーヒーロー(チーム)という事実はメタ的な意味でも作用し、FFを特別なチームとして多くのヒーローから尊敬を勝ち得る理由となっていた。

……尤も、本格的にFFがMARVELの顔として活躍していたのはもう昔という意見もあり、現在ではオリジナルメンバーが揃っていなかったり、リード・リチャーズのやらかしが話題となったりといった印象が強くなってしまっている面も…。

実写映画化の出来にはX-MEN以上に恵まれておらず、中でも2015年に公開された映画版は製作現場のゴタゴタが悪い意味で話題となり、更には予告にあったシーンの多くが実際の本編には無かったりと、近年のアメコミ映画の中でもかなり不遇な作品となってしまった。
ディズニーの20世紀スタジオ買収によってマーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に編入され再度映画化が決定。監督はMCUスパイダーマンシリーズのジョン・ワッツが担当することになっていたが降板。後任は『ワンダヴィジョン』のマット・シャックマンが選ばれた。
ちなみに日本では長年に渡り放送される機会に恵まれている60年代カートゥーンアニメの日本語版である『宇宙忍者ゴームズ』で元の名前や設定は知らなくても「こいつらだったのか!?」という感じでそこそこに馴染みがある。



【主要メンバー】


Mr.ファンタスティック/リード・リチャーズ

リードはFFのリーダーで、世界有数の天才科学者。
MARVELにはヘンリー・ピムやトニー・スターク、ヴィクター・ドゥームに、はたまたブルース・バナーやらチャールズ・エグゼビア…ヴィランも含めれば更に多くの天才科学者や天才的頭脳の持ち主が存在しているが、それらの錚々たるメンバーの中でも随一の頭脳の持ち主……と評されている。
元々は天才的頭脳で何かしらの作戦や発明を思いついては解決するという役回りだったのに、いつしか頭が良すぎて常人では理解されないことをしでかすというキャラクターになっていってしまった。
FFの4人が超能力を持った“怪物”になった原因もリードが自らの説の正しさを示す為に宇宙に飛び出したからである等、特にベンからは割と本気で憎まれていることを示すエピソードも少なくない。
この世界のリードも大概に変(悪人絶対許さないマンことゴーストライダーにターゲット認定される程)なのだが、平行世界のリードはもっとやベー奴等揃いのようで、この世界のリードが新参として迎えられた平行世界のリード達の集会では数々の宇宙ヤバい級のアイテム(インフィニティ・ガントレットやアルティメット・ヌリファー)を複数集めて、絶対の正義の為に自分達で管理するということを疑問も持たずに実行していた……なんてイカれたエピソードもある。
このリードの集団は平行世界から侵略にやって来てFFと仲間達に撃退されたことも。
この世界のリードは流石に自分達がおかしいことを指摘し、混乱に乗じて逃げてくるという夢オチのような展開だったものの、前述の様にこの世界のリードも大概であり、基本的な考え方を同じくしていることが窺えるエピソードもある。
世界平和の為に戦っていると思われていたが、交遊関係のあるウォッチャーのウアトゥからはリードの戦う目的は「相手が間違っているという解答が正解であることを証明する為」と指摘される等、もはやヒーローとは呼べないアイデンティティーの持ち主とされてしまっている。
かの『MARVELゾンビーズ』では、他のメンバーがゾンビ化に立ち向かっている中で、ゾンビこそが人類の進化との解答を導き出すと、断りもせずに妻や親友をゾンビ化し、彼等に噛んでもらって自分も仲間入りして結果的に人類滅亡の引き金を引いてしまった。
また、天才であるには確かに天才なのだが、余りにも天才過ぎて社長あたりの発明品とは違って殆どが一般層にウケていないらしい。
…一応、非営利団体であるFFの活動資金はリードの発明の特許からとのことなので全くウケてない訳ではなさそうなのだが。

  • 能力
リードの能力は肉体の自由な変形で、特にゴム人間と評される様に伸縮能力に優れる。
最大に伸ばすと4マイル(約6.5km)も伸びるとか何とか……質量保存の法則どうなった?
玩具でもゴム性で手足が伸びるギミックを付けられたものも発売されたりした。
元が科学者なので、余り争い自体は好まない性格の様で、ヴィランとの戦闘でも相手に巻き付いたり包み込んだりと無力化させて降参させるのを好む。
得意技は自身を丸めてから反射や反動を利用して弾速を増してからの体当たり攻撃で、リードの計算の正確さもあってか、かなりの威力を誇っておりビル程度の大きさだった初登場当時のギャラクタスも揺らめかせている。
一方、能力の習熟によって後には変形のパターンも多彩になっており、自ら肉体を細かく伸ばしたり折り畳んだりすることでマッチョ化したり、他人に化けたりといった変身技術をも獲得しているが、流石にこれらの複雑な変形はコントロールが難しく長時間はもたないらしい。
また、ゴム人間ゴム人間と呼ばれていたが肉体の変形の本質は液体の能力であるらしく、バラバラにされても復活したり、閉じ込められた状態から液体化して染みだして脱出したなんて経験も。
タンパク質で出来たT-1000みたいなものだろうか?
それでも無敵や不死身という訳ではなく、ゴムや液体にも利く極端な温度差の環境や自身の意思を越えて肉体の変形をさせられるケースには弱い。
また、現在では天才的頭脳も超能力に目覚めたことにより元より優秀な頭脳が促進されたからだ、との説明が付けられており、脳細胞を伸縮させて肉体ならぬニューロンの速度を速めたなんて芸当も。
一方で能力が落ちた時には思考能力が目に見えて落ちている。
……これを鑑みると無自覚とはいえチート使ってたような奴に負けてたのだから、ドゥームの方がフェアな勝負をしていたのではないだろうか?


インヴィジブル・ウーマン/スー・リチャーズ*3

スーザンはFFのサブリーダー的な役割を果たすリードの美人妻。
2人の結婚の際には多くのスーパーヒーローがコスチューム姿のまま集まった。
行き過ぎた夫と、凡人である自分達がちゃんと繋がるよように出来ているのはスーの尽力があってこそであるが、近年では夫の異常性には付いていけないと漏らすことも度々。
デビュー当時はまだ結婚しておらず、人間不信だったアトランティスの王ネイモアが心を開くと共に想いを寄せ、怪しい感じになったこともあった。
長い歴史の中でリードと結婚、更にはフランクリンとヴァレリアの一男一女をもうけている。
“母は強し”を体現した芯の強い女性でもあり『オンスロート』事件の際に見せた胆力や、夫と真っ向から対立した『シビルウォー』での活躍は語り種となっている。
ガールからウーマンに変更されるのは時代も関係してそう。

  • 能力
光を意図的に歪めることが可能な“インヴィジブル・フォースフィールド”(不可視の力場)を作り出すことが出来る。
この能力で自分を覆い、透明化や防御能力の強化を行うことが可能で、その防御能力や隠密性能は非常に高い。
フォースフィールドの範囲は自分の周囲にも広げることが可能な為、メイン盾としても活躍する。
また、礫サイズのフォースフィールド自体を相手にぶつけることも可能で、攻撃面でも隙が無い。
フォースフィールドに乗って高速移動も可能な上に一種のテレキネシス的な使い方も可能と、能力の応用の幅は相当に広いようである。


ザ・シング/ベンジャミン・グリム*4

ベンはFFの誇るパイロットで頼れる男。
学生時代は見た目通りの超体育会系でアメフトの花形クォーターバックとして活躍していたが、何故だかガリ勉で天才のリードとウマが合い、長年に渡って交遊関係を続けている。
スーやジョニーとも家族同然の付き合い。
空軍の宇宙飛行パイロットであり、件の新型ロケットをリードが奪取する計画を立てた際には断りきれずに加担してしまい、結果的に自身の人生を大きく狂わせることになってしまった。
他の3人とは違い、ベンの場合は特殊能力と呼べるものは単純な怪力に留まっている替わりに肉体の外観その物が大きく変質しており、当初は泥の、落ち着いてからは岩の様なゴツゴツとした皮膚となり、しかも元の人間の姿にはMARVELとしても人気者を失いたくないので戻れないという有に状態となってしまっている。
この事はベンを悩まし、普段は明るく振る舞ったり率先して戦いに向かう反面、心が傷つき立ち上がれなくなることもある。
ベンのこの姿についてはリードも責任を感じて幾度も元の姿に戻す装置に挑み、何度かは成功したかに見えたものの、様々な要因によって副作用が伴ったりと結局は失敗に終わっている。自分を怖れない盲目の美少女アリシアとの出会いに救われ恋仲となったが、アメコミ特有のアレやコレやで別れたりと報われないことも多い。
FF自体がそうだが、以前はMARVELの顔と呼べる程の活躍を見せていた時期もあり、親しみやすく人気が高いキャラクターである。
キャラが被るウルヴァリンに人気を取られた感がある。可哀想なフランケンシュタインの怪物。
バブルバスと葉巻をこよなく愛する大人の男で、ジョニーからは憧れの存在であると同時に、嫉妬の対象として酷い悪戯を仕掛けられることも。
また、フランクリンとヴァレリアにとってはやさしいおじちゃんとして非常に懐かれているが、近年はチームを離れてしまっていることが多い。
また、かなり後になってユダヤ人であったことが明かされた。

  • 能力
見た目通りの圧倒的な怪力の持ち主で、ハルクとも殴り合いを演じられる程。
本人もライバル視しているようだが、過去には気を取られた隙にKOされたり、ハルクが普通じゃない状態だった時にやられてしまったりと惜しい結果に終わっている。
また、岩石の様な身体も見た目通りの驚異的な防御力を誇るが、精神攻撃等への抵抗手段は持っていない。
とはいえ、他のメンバーが動けなくなる程の大音響には余裕で耐えているので物理的な力には滅法強いのかもしれない。
当初は泥の様な姿をしており、現在の肉体もそのままの形ではなく宇宙放射線の増大や他の要因によって肥大化したことも。
前述の様に、ベンだけは元の姿には戻れない為に日常生活を送れるようになるまでには相応の苦労があった模様で、ミュータントの様には差別されていないFF内でもシングのみは奇異の目を向けられることもある。
決め台詞は「It's clobberin' time!」で、近年では「鉄拳制裁タイムだ!」*5と訳されている。
また、超能力ではないが変身後もパイロットとしての技能は落ちておらず優れた腕前を幾度も披露している。


ヒューマントーチ/ジョナサン・ストーム

ジョニーはFFでは一番の若手で物理的に燃えてるプレイボーイ。
スーの実の弟で、両親と死別してしまった後に自立していた姉の元に身を寄せ、16歳にしてFFの一員となった。
自意識過剰で怖いもの知らずだが、若さ故に突っ走っては痛い目に遭うという損な役回りでもある。
既にオッサンの域に達しているリードやベンに対しては大人の男として複雑な感情を持っているようで、特にベンは憧れの存在であるが故についつい悪戯を仕掛けたくなるようだ。
FFがMARVELユニバースでも最も古いチームであるということに誇りを持っているものの、ジョニー自身は若造キャラであり未熟な面もあることにコンプレックスも感じている。
FF呼び出しのサインは彼が空中に描く4の字だった。
活動場所と年齢が近いスパイダーマンや初代X-MEN(特にアイスマン)とは仲が良く、ジャガーノート初登場回ではたまたま遊びに来ていたジョニーがジャガーノートの捕り物に協力している。
スパイダーマン(ピーター)とは長年に渡り正体を知らなかったもののウマが合う相手であり、給料目的でFF入りを頼んできたスパイディに非営利団体であるという事実を伝えて落胆させている。*6
また、黒いコスチュームが宇宙生物(シンビオート)だったと気付いて引き離すのに協力した後で「僕を蹴って!」の紙を背中に貼ったコスチュームを貸し出している等このテの話には事欠かない。
同じく親友関係のアイスマンとは見た目は正反対、性格は似た者同士の関係であり、スパイダーマンと合わせたMARVEL三大悪ガキとしてフィーチャーされている存在。
この3人組の活躍するアニメとして『スパイダーマン&アメイジングフレンズ』が企画されたのだが……。

  • 能力
「フレイムオン!」(Flame On!)のかけ声と共に炎で全身を包み、飛行能力を発揮する。
また、炎の塊を投げつけたり、ブラスト状に放射させることも可能で、ベンと並ぶチームのアタッカーである。
飛行能力はウォッチャーの導きがあったとはいえ、アルティメットヌリファーを取りにあっという間に宇宙を渡ったこともある程。
余談だが、ヒューマントーチ(人間松明)というコードネームのヒーローとしてはジョニーは二代目で、MARVELでは基本的にジョニーのみのコードネームなのだが、Timely時代に初代ヒューマントーチが存在しており、MARVELでもたまにフィーチャーされることがある。
初代は人造人間で調整の失敗で発火能力を発揮してしまい、誕生直後に世論に負けて封印状態とされるが、後に脱出してキャプテン・アメリカやネイモアと共闘したり、警察官となって活動した。
見た目は殆ど同じで能力まで似ているが、この通りオリジンは全く別物である。
見分け方は変身後も顔が付いててパンツ履いてる方がジョニー。
パンツ履いてるのはある時期までのアイスマンと同じであるがそこまで真似しなくたって……。


【その他の関係者】


  • フランクリン・リチャーズ
リードとスーの長男で正史世界では幼児だが、未来世界を描いたストーリー等では大人になって『ファンタスティック5』を率いていたこともある。
名付け親はベンとアリシア。
超人である両親から生まれた為に生まれついての超人=ミュータントとして生まれ、しかも危険な現実改変能力を持つ史上最強クラスのミュータント能力を持つ一人となっている。
この為、取り込まれてしまったオンスロート事件を初め、ヴィランに狙われることが多い。
無邪気さが無限の可能性を秘めた力となっているようで、ヒーロー全滅後の世界ではパラレルワールドを生むきっかけを作っていたなんてことも。
魔女アガサ・ハークネスが乳母。

  • ヴァレリア・リチャーズ
リードとスーの長女でフランクリンの妹。
本来の時間軸では流産で死亡する運命だったのをフランクリンが生き延びさせて平行世界が分岐。
その未来世界ではドゥームの庇護下にあり、ヴァレリア・フォン・ドゥームを名乗り大人の姿でやって来た。
すったもんだの末にその平行世界が消え、スーの胎内に宿る形で転生。
難しい出産だったがドゥームの協力により無事に本来の時間軸でも誕生を果たす。
ヴァレリアの名付け親はドゥーム。…彼の初恋の女性の名である。
リード似で、既に天才的頭脳を発揮して様々な混乱を引き起こしている。

  • アリシア・マスターズ
ベン・グリムの恋人として知られる盲目の美少女で天才的な彫刻家。
目は見えないが超リアルなヒーロー達の像を生み出す等して個展を開いたりしている。
ベンとは相思相愛で醜い姿になってしまったベンにとっては心の拠り所となっていたが、ある時期までは彼女は自分の姿が見えないから好きでいてくれるのだと思い込んで負い目を感じていた。(勿論、繊細なアリシアはベンがどんな姿をしているのか気付いていた。)
ベンの恋人のままならば何の問題もないのだが長い歴史の中で別れたりくっついたりしており、ベンの他にはサーファーやジョニーの恋人となっていた時期もある。(ジョニーとは結婚直前となったがスクラルのスパイのライジャの変身だった。)
養父はヴィランであるパペット・マスターだが、娘思いの憐れみが付き纏うおっちゃんである。作った人形を介して相手を支配する能力は割と怖いが。

  • ネイモア・マッケンジー/ネイモア・ザ・サブマリナー
海底の王国アトランティスの王。ヒーロー兼ヴィラン。
アトランティス人と地上人とのハーフ。王らしく過激なほどに誇り高い。
やはり水の中を自在に行動する超人的体力を備え、海の生き物を操ったりなど多彩な能力を持つ、海パン一丁の漢。
戦前のゴールデン・エイジに生まれたキャラクターだが、戦後しばらくしてからコミックでは姿を消し、1962年のFF誌で髭面のホームレスとしてトーチに発見されたという縁がある。
FFとはそれ以降地上と海を巡って争ったり、スーに横恋慕してリードと争ったり、時に協力したりと長い付き合いである。

  • ウィリー・ランプキン
初期から登場する郵便配達夫。映画ではスタン・リーが演じる。


【FFでデビューした有名キャラクター】


Dr.ドゥーム/ヴィクター・フォン・ドゥーム

ラトヴェリア君主。
MARVELユニバースでも五指に入る強大で人気者のヴィランだがよ!
リードとは学生時代から鎬を削ってきたライバル同士で、長じてからは不幸な人生を払拭するという目的の中で覇道を歩むことになる。
詳細は個別項目でも参照。
リードに対しては逆恨みに近い形で怨念を抱いている形だが、本人は高慢なれど理性的な人ではあるので、FF全体とは不可解な信頼関係を結んでおり、本人も特にフランクリンとヴァレリアの為ならば態度を簡単に軟化させる。
そもそもリードに勝ちたいのは学生時代の対抗意識の延長であるとも。
一時期はリードがガチで行き過ぎていた為に「あれ、ドゥームの方がマシじゃね?」と言われていた。


ギャラクタス

大きいオッサンこと、MARVELユニバースでも公式最強候補のコズミック・ディバウラーを最初に相手にしたのもFF。
ギャラクタス事件の際にサーファーとウォッチャー(ウァトゥ)も登場している。
詳細は個別項目でも参照。


シルバーサーファー/ノリン・ラッド

ギャラクタスのヘラルド(使者)。
日本でもゴームズやFC史上屈指のクソゲーの紹介動画の神BGMで有名。
ゼン・ラ星人の名称が奇跡的にハマったことから日本では全裸星人と呼ばれているがアニメ版を初めとして稀にパンツを履いて見えることもある。
強大なパワーコズミックを操り、基本スペックならばヒーローに限れば三本の指には入るだろう。
基本的には最も強大な協力者の一人だが、パラレルワールドの方でやらかしているリード達にとっては邪魔者。


ウォッチャー/ウアトゥ

宇宙の歴史を観測し続ける超存在ウォッチャーの地球担当。
見た全てを記録する眼を始めとする宇宙的能力を持つ。
本来地球の危機への干渉は許されていないが、特にFFの関わる事件では人類の味方をしていることが多い。
デッカチー呼ばわりされるのも納得のデカ頭具合。
甥のアロンというのが付き添っていたことがあるがこいつは悪い干渉もしていたので粛清された。


ブラックパンサー/ティチャラ

2010年代後半からMCUで知名度を上げているワカンダ国王陛下。
キャップにも優る格闘技の達人で、ワカンダ国内の特殊なハーブと王家に伝わるヴィブラニウム製スーツを纏って戦う。
優秀な科学者でもあり、ヴィブラニウムの応用技術に関しては世界一の権威でありクインジェットやファルコンの翼等を提供している。
米国国内で活動していた時期もあるが、スパイ目的だったという事情が後に明らかになったことも。
ストームは元妻。


クロー/ユリシーズ・クロー

プラックパンサーの宿敵。
自分自身を含めて物質化も可能な音波を操る技術を持つ。
初登場時はティチャラの父を殺害して彼に右腕を奪われたヴィランとして登場し、ワカンダ襲撃でFF・ティチャラの協力チームと戦った。


スーパースクラル/クラート

度々地球侵略を狙うスクラル帝国の代表的なヴィラン。
変身能力を持つスクラル人自体はFFに化けた4人組という形で初登場して本物に敗れた。
その後、侵略への脅威としてのFFに対抗するためその全ての能力を併せ持つ強化改造戦士として登場したのがスーパースクラルである。
模倣ながらそのスペックはオリジナルを上回る。


征服者カーン/ナサニエル・リチャーズ

30世紀から時間を越えてやってきた未来人のヴィラン。
その時代に過去からやってきたリードの父ナサニエルの名前を、またコスチュームや時間移動の技術をドゥームから勝手に受け継いだ。
未来の技術と知識、さらに時間を自在に移動する力を駆使する。
時空を余りに好き勝手行き来した結果、イモータス、アイアンラッド、ラマ・タト、スカーレット・センチュリオンなど無数の同一人物が存在する。
無数のカーンで話し合ったりお互い殺し合ったりとややこしい。
X-MEN系の大物ヴィランで、MARVEL全体としてもマグナスやドゥームがヒーロー寄りになったので重宝される大ボス格のアポカリプスがミュータントパワーに目覚めるきっかけが5千年前のエジプトで行ったカーンの実験のせいであったりと迷惑極まりない。
MCUではファンタスティック・フォーに先駆けてDisney+限定配信ドラマ『ロキ』で初登場し、映画『アントマン&ワスプ/クアントマニア』にて本格参戦する。


アナイアラス

反物質宇宙ネガティブゾーンの支配者の一人でアーマーを身に着けた人型の虫。
あらゆる生命を憎むことから絶滅者の異名も。
コズミックコントロールロッドというやべー武器を片手に様々な宇宙を侵略してくるヴィラン。ある意味ロッドが本体。
ヴィランですらヒーローと手を組んで立ち向かうことがあるほど厄介で、特に大艦隊を率いてきたアナイアレーション事件は代表的な大型イベントで一言で言うと宇宙規模の虐殺事件。
意外と虫望があるのかネガティブゾーンではまともに支配者扱いされている。
昔はアニヒラスで通っていた。


ブラスター

ネガティブゾーンの支配者の一人。
ライオンとゴリラが混ざった見た目。
シンプルに頑健でシンプルにビームブラストを放ってくるパワー系ヴィラン。ビームを利用して空も飛べる。
アナイアラスとは手を組んだり、敵対したりと複雑な仲。


モールマン/ハーベイ・エルダー

FFの記念すべき第一話で戦った最古のヴィラン。
地底に潜むモールピープルを率いてやってくる、チビ・デカ鼻・バイザー(弱視なので)なおっさん。
レーダーセンスや仕掛け付きの杖術など、盲目のヒーローデアデビルと見た目以外の要素が被っている。
見た目通りのネタキャラ扱いも多いが、歴史が長いだけあっていろいろな暴れ方をしている。


レッドゴースト/イヴァン・クラゴフ

ソ連出身の悪の科学者。
猿の軍団とともにFFの真似をして宇宙放射線を浴びて、より賢い猿軍団「スーパーエイプス」と幽霊のごとく非物質化する肉体を手に入れた。
ハゲチャビーン呼ばわりされるのも納得のハゲ具合。


モレキュールマン/オーウェン・リース

実験中に放射能を浴びた元技術者のヴィラン。
他は常人相当ながらも、分子レベルで物質や自分の肉体を自在に操作し、あらゆるエネルギーを放つ能力を得た。
補正がかかると宇宙レベルの破壊も可能だが、本人のメンタリティや別キャラの補正で左右されることも多い。


マッドシンカー/ジュリアス

ロボット工学やコンピュータ科学を専門とする悪の科学者。名字は不明。
オーサム・アンディを始めとするアンドロイドを生産し、また自身の脳を改造して高い計算能力や電子アクセス能力を得た。
なぜか「アルティメット・マーベル」系の世界観では女体化している。てか別人?


サイコマン

極小宇宙マイクロバースの支配者。
人間相手にするときには人間相応の大きさのアーマー姿となる。
最大の武器は感情、特に負の感情を自在に増幅するコントロールボックス。


ディアブロ/エステバン・コラゾン・デ・アブロ

9世紀より生き続けている悪の錬金術師。
現代科学では再現できないような錬金術の薬で物質を変換し、命無き物に命を与えることもできる。
同じくFFが初出で悪に操られがちな竜人型アンドロイド、ドラゴンマンを生命体に変えたのはこいつ。


ロナン・ジ・アキューザー

度々地球侵略を狙いスクラル帝国とも対立するクリー帝国の法を執行する「告発者」
多機能のアーマーとあらゆるエネルギーを操るコズミロッド/ユニバーサルェポンを持つ。
地球に尖兵として送り込んだロボ、セントリーがFFに破れたのをきっかけとして、FFと対決したのが初登場。
その後はクリー帝国の代表的なヴィランとして、FFのみならずキャプテン・マーベル(初代)やインヒューマンズを始めとする宇宙的ヒーローらとも戦う。


インヒューマンズ

月に住み、全員が人類以上の力と異能を持つ種族。
設定的にはクリー人に改造された古代地球人。
ギャラクタスとシルバーサーファーの初登場回直前の回で登場し、やはりFFと対立していた。
ブラックボルトやクリスタルのようなヒーローだけでなく、マキシマスのようなヴィランもいるが、利害や陰謀で種族ごと人類と対立することもある。
近年ではトンでも後付けからミュータントという種族その物と対立した。
アポカリプスに狙われた時は初代Xファクターと一緒に戦ったのに……。


功績

上述の通りFFはオリジナルのヒーローチームとして大ヒットした。
マーベルはその後「インクレディブル・ハルク」「スパイダーマン」「マイティ・ソー」「アントマン」「アイアンマン」と快進撃を続けるが、本作がその嚆矢だった。
嘘か実か当時のマーベルは売り上げ不振で規模縮小を考えており、会社の備品を売り払ったり、成人漫画専門でやっていこうと考えていた。
一方アメコミ界の雄DCコミックスは順調でスーパーヒーローコミックが戦前戦中以来の大人気を博していた。
ある日、マーベルのマーティン・グッドマン社長はDCのトップでマーベルの流通も手掛けたらしいジャック・リーボウィッツとゴルフをしていた。
そこで、今度40年代の「ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ」のように人気ヒーローを集めてチームを作る(ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ)という情報を手に入れたグッドマンは甥で部下のスタン・リーに「集団ヒーロー」を命じる。
(ここまでが、どこまでが実話でどこまでがフィクションなのか分からない逸話。グッドマンがDCのお偉いさんとゴルフをしてジャスティスリーグのアイディアを聞いたのは事実らしい。)
業界を去ろうとも考えていたらしいスタン・リーは妻ジョアンの「どうせ辞めるなら最後に好きな事をやりきってからにしたら?」という助言を受け、ヒーローコミックに対する思いをぶつけて生まれたのがFFである。
従来のヒーロー像(善、完全、理想的)を打ち破る、悩み苦しみ借金に困ったり喧嘩をしたり、恋をしたり他人の彼女に手を出したりする、人間的・現代的で革新的なヒーローの登場だった。
マーベルにとってはキャプテン・アメリカ以来の大ヒットでDCコミックスの作品で占められていた漫画の売り上げランキング上位に食い込んだ。
この人間臭いヒーロー像含めて狭義のパロディとも言える部分に「世界中の人たちが彼らの素性も住んでいるマンションも知っている」というのがある。
「何故ヒーローは正体を隠すのだろうか?俺なら自慢する!」
また、最初は揃いのコスチュームを身に着けていなかった。

なおヴィランにしか見えない主人公や集団ヒーローというのは他分野のコミックに既にあった。
例えば前者はFFの作者スタン・リーのSF、後者もFFの作者ジャック・カービーのSF「Challengers of the Unknown」など。

繰り返しになるが、この時代はDCもマーベルも多くのスーパーヒーローを生み出し、数々のヒーローコミックが大ヒットとなり、第二次スーパーヒーローブームの様相を呈する。1950年代中盤から1970年頃にかけての期間は、後にシルバーエイジと呼ばれることになる。


追記修正は④のシンボルを掲げてお願い致します。

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最終更新:2024年02月06日 17:23

*1 1939年の設立以来、)Timely→Atlasと名前を変え、57年からMarvelとなっていた。

*2 メンバーはそれぞれに夫婦、姉弟、家族同然の親友という関係。

*3 デビュー当時はインヴィジブル・ガール/スーザン・ストームで、結婚や加齢に合わせて名称が変更された。実写映画では最初からコードネームが現在のものとなっている。

*4 ベンジャミン・ジェイコブ・グリム

*5 素直に訳すなら「ぶっつぶしてやるぜ!」や「お仕置きの時間だぜ!」となる。小プロ版では「戦いのお時間だぜ!」、カートゥンアニメでは「ムッシュムラムラ!」」とキャラクターに寄せた訳や中の人の持ちネタとなっていた。

*6 ピーターはX-MENに入ろうとしたこともあるが向こうも教授の特許で養われているニートと学生の自警集団である。