登録日:2011/03/16 Wed 22:36:32
更新日:2025/07/30 Wed 20:08:47
所要時間:約 3 分で読めます
概要
イタリアにある大手銃器メーカー。
正式名称はファブリカ・ダルミ・ピエトロ・ベレッタ(Fabbrica d’Armi Pietro Beretta/ピエトロベレッタ火器工業)。ピエトロ・ベレッタ氏らから取られている。
日本では「ベレッタ」や「ピエトロベレッタ」と通称されている。
本社はイタリア北西部ロンバルディア州(ミラノがある州)ブレシア郊外のカルドーネ・ヴァル・トロンピア。
年商は約3億1691万ユーロ(約478億円、2023年)。
拳銃、ライフル、サブマシンガン、散弾銃など幅広い銃器を生産している。
ベレッタホールディングSAの一社で、グループ内でもっとも創業が古い会社である。
ベレッタHDは2018年よりベレッタ家一族が経営しており、銃器のほかに光学機器や競技用具(手袋とかアイウェア)も製造販売している。
3000名以上(2019年時点)の従業員を抱える大企業である。
現在では国内
散弾銃メーカーのベネリやフランキ、フィンランドの
狙撃銃メーカーのサコーなどを買収・傘下にしている。
歴史
創業は砲身職人(マエストロ・ディ・カンネ)のバルトロメオ・ベレッタ氏(1498〜1565)。少なくとも1526年にはヴェネチィアと
マスケット銃の取引に関する領収証が残っており、500年以上の歴史があるとされる。
17世紀までは分家などをしつつも家族経営で存続。
17世紀(1680年)には資金面などが充実してきたことから武器製造のための鍛冶場などを整備し、本格的な武器製造会社として稼働し始める。
特にピエトロ・アントニオ氏(1791〜1853)、ジュゼッペ・アントニオ氏(1840〜1903)、ピエトロ氏(1870〜1957)の3代で
- 近代的な生産技術を導入
- 国際市場への参入
- 軍への売り込み
を成し遂げ拡大。
ピエトロ氏の子息であるジュゼッペ氏(1906〜1993) とカルロ氏(1908〜1984)が軍需産業と民間産業の両面で成功し、多国籍企業へ発展した。
第一次世界大戦頃には拳銃不足に悩む
イタリア軍からの発注でM1915拳銃を開発し、それ以降イタリア軍の銃器を継続して開発、生産している。
第二次世界大戦のイタリア降伏後はドイツに接収されたが、終戦後には生産を再開した。
現在ではイタリア国外でも活躍しており、1956年のメルボルンオリンピックのクレー射撃でベレッタ社の銃(を使った選手)が初めて金メダルを獲得した。
1985年には
M9がアメリカ軍に制式採用されており、軍・警察・民間・競技用として世界各国でベレッタ製(ライセンス生産含む)の銃が使用されている。
製品
競技、狩猟用も数多くあるため一部のみを記載する。
戦後供与されたM1ガーランドの改良版であり、外見はM14、内部はM1を踏襲している。
SIG社のSG530を共同開発していた知見から開発された最初期のAR70。
AR70/223からBM59に近い作動方式に改修した新規設計モデル。
イタリア軍の将来歩兵(Soldato Futuro)から派生したもの。GLX160アンダーバレルグレネードランチャーやモジュラーシステムの採用など近代化が図られている。
各銃種をまたいだブランド「Storm」のアサルトライフルとして開発されたが、ベネリ社との協力もありそちらでベネリ MR1として販売された。
自動拳銃
大量にあるため表で表記。
型番 |
使用弾 |
年代 |
備考 |
M1915 |
9x19mmグリゼンティ |
1915年 |
|
M1915/17 |
.32ACP |
1917年 |
|
M1919 |
.25ACP |
1919年 |
|
M1922 |
.32ACP |
1922年 |
|
M1923 |
9x19mmグリゼンティ |
1923年 |
|
M1931 |
.32ACP |
1931年 |
|
M1934 |
.38ACP |
1934年 |
|
M1935 |
.32ACP |
1935年 |
M1934の小口径版 |
M318 |
.25ACP |
1936年 |
M1919の改修モデル |
M418 |
.25ACP |
1938年 |
M318の改修モデル |
M1951 |
9mmパラベラム弾 |
1951年 |
|
M1951/57ベルハマ |
9mmパラベラム弾 |
1951年 |
|
M1951R |
9mmパラベラム弾 |
1951年 |
マシンピストル |
M1951プリガディア |
7.65mmパラベラム弾 |
1951年 |
|
M1952 |
7.65mmパラベラム弾 |
1951年 |
|
M1952 |
7.65mmパラベラム弾 |
1951年 |
|
M950 |
.25ACP/.22LR/.22ショート |
1952年 |
|
21Aボブキャット |
.25ACP/.22LR |
1984年 |
M1919の米国向けモデル |
3032トムキャット |
.32ACP |
1996年 |
|
U22ネオス |
.22LR |
2002年 |
|
ピコ |
.32ACP |
2013年 |
|
70 |
.32ACP |
1958年 |
70シリーズ |
70S |
9mmショート/.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
71 |
.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
72 |
.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
73 |
.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
74 |
.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
75 |
.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
76 |
.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
76S |
.22LR |
1958年 |
70シリーズ |
71スペシャル |
.22LR |
1980年 |
70シリーズ輸出仕様 |
100 |
.32ACP |
1980年 |
70シリーズ輸出仕様 |
101 |
.22LR |
1980年 |
70シリーズ輸出仕様 |
102 |
.22LR |
1980年 |
70シリーズ輸出仕様 |
81チーター |
.32ACP |
1976年 |
80シリーズ |
84 |
.380ACP |
1976年 |
80シリーズ |
81B |
.32ACP |
1980年 |
80シリーズ |
84B |
.380ACP |
1980年 |
80シリーズ |
82 |
.32ACP |
1980年 |
80シリーズ |
85 |
.380ACP |
1980年 |
80シリーズ |
87 |
.22LR |
1980年 |
80シリーズ |
81BB |
.32ACP |
1982年 |
80シリーズ |
82BB |
.32ACP |
1982年 |
80シリーズ |
84BB |
.380ACP |
1982年 |
80シリーズ |
85BB |
.380ACP |
1982年 |
80シリーズ |
89 |
.22LR |
1985年 |
80シリーズ |
86 |
.380ACP |
1986年 |
80シリーズ |
87BB |
.22LR |
1987年 |
80シリーズ |
81F |
.32ACP |
1988年 |
80シリーズ |
82F |
.32ACP |
1988年 |
80シリーズ |
84F |
.380ACP |
1988年 |
80シリーズ |
85F |
.380ACP |
1988年 |
80シリーズ |
87LB |
.22LR |
1988年 |
80シリーズ |
86B |
.380ACP |
1990年 |
80シリーズ |
83F |
.380ACP |
1991年 |
80シリーズ |
89ゴールド |
.22LR |
1994年 |
80シリーズ |
86FS |
.380ACP |
1996年 |
80シリーズ |
87LB |
.22LR |
1996年 |
80シリーズ |
81FS |
.32ACP |
1998年 |
80シリーズ |
83FS |
.380ACP |
1998年 |
80シリーズ |
84FS |
.380ACP |
1998年 |
80シリーズ |
85FS |
.380ACP |
1998年 |
80シリーズ |
87ターゲット |
.22LR |
1999年 |
80シリーズ |
80X |
.32ACP |
2023年 |
80シリーズ |
92 |
9mmパラベラム弾 |
1975年 |
90シリーズ |
93R |
9mmパラベラム弾 |
1977年 |
90シリーズマシンピストル |
92S |
9mmパラベラム弾 |
1978年 |
90シリーズ |
92SB |
9mmパラベラム弾 |
1980年 |
90シリーズ |
92F |
9mmパラベラム弾 |
1984年 |
90シリーズ |
92FS |
9mmパラベラム弾 |
1985年 |
90シリーズ |
92G |
9mmパラベラム弾 |
1987年 |
90シリーズフランス軍仕様 |
92D |
9mmパラベラム弾 |
1975年 |
90シリーズ |
92DS |
9mmパラベラム弾 |
1975年 |
90シリーズ |
96 |
.40S&W弾 |
1975年 |
90シリーズ |
98F |
9x21mmIMI弾 |
1975年 |
90シリーズ |
98FS |
9x21mmIMI弾 |
1975年 |
90シリーズ |
98DS |
9x21mmIMI弾 |
1975年 |
90シリーズ |
98D |
9x21mmIMI弾 |
1975年 |
90シリーズ |
98G |
9x21mmIMI弾 |
1975年 |
90シリーズ |
98SB |
7.65mmパラベラム弾 |
1975年 |
90シリーズ |
99 |
7.65mmパラベラム弾 |
1975年 |
90シリーズ |
90TwoF |
9mmパラベラム弾/9x21mmIMI弾/.40S&W |
2006年 |
90シリーズ |
90TwoG |
9mmパラベラム弾/9x21mmIMI弾/.40S&W |
2006年 |
90シリーズ |
8000クーガー(F/D/G) |
9mmパラベラム弾/9x21mmIMI弾 |
1994年 |
8000シリーズ |
8000L(F/D/G) |
9mmパラベラム弾/9x21mmIMI弾 |
1994年 |
8000シリーズ |
8357クーガー(F/D/G) |
.357SIG |
1994年 |
8000シリーズ |
8040クーガー(F/D/G) |
.40S&W |
1994年 |
8000シリーズ |
8045クーガー(F/D) |
.45ACP |
1994年 |
8000シリーズ |
8000ミニクーガー(F/D) |
9mmパラベラム弾 |
1994年 |
8000シリーズ |
8040ミニクーガー(F/D) |
.40S&W |
1994年 |
8000シリーズ |
8045ミニクーガー(F/D) |
.45ACP |
1994年 |
8000シリーズ |
9000S(F/D) |
9mmパラベラム弾/9x21mmIMI弾/.40S&W |
2002年 |
9000シリーズ |
Px4 Storm(C/D/F/G) |
9mmパラベラム弾/9x21mmIMI弾/.40S&W |
2004年 |
Px4シリーズ |
Px4コンパクト |
9mmパラベラム弾 |
2011年 |
Px4シリーズ |
Px4サブコンパクト(D/F) |
9mmパラベラム弾/.40S&W |
2008年 |
Px4シリーズ |
Px4コンパクトキャリー(G) |
9mmパラベラム弾 |
2016年 |
Px4シリーズ |
Px4 45ACP |
.45ACP |
2008年 |
Px4シリーズ |
APX |
9mmパラベラム弾/9x21mmIMI弾/.40S&W |
2017年 |
|
スライドをくぱぁした所謂ベレッタ・スタイル始まりの銃。イタリア全軍採用。
第二次大戦時のイタリア軍の拳銃。イタリア全軍採用。
9mmパラベラム弾対応。
ワルサーP38から閉鎖機構を導入するなどさらに近代化した。イタリア陸軍以外採用。フルオート対応のM1951R機関拳銃バリエーションも存在。
M1951のダブルカラム版。イタリア軍全軍、アメリカ軍(M9)、イタリア軍(PA-MAS G1)、ブラジル軍(タウルス PT92)などで採用。
92をバースト射撃対応に改造した、M1951Rの系譜となる機関拳銃。
Stormブランドの拳銃として開発。P8000クーガーとP9000Sの折衷案となるポリマーフレームオート。
アメリカのM17拳銃トライアル用に新規開発されたモデル。P320に敗れたものの基準は合格しており高性能。イタリア軍や各国警察にて採用。
ビラール・ペロサM1915の単銃身セミオートカービンモデル。
第二次大戦時のモデル。イタリア軍やドイツ軍で使用された。戦後1970年代にM12に更新された。
戦後のプレス製モデル。近代改修型としてPM12S2やPMXがある。
Stormブランドのカービンとして開発。Px4やそれ以前のモデルとの弾倉の互換性を保ったモデルがラインナップされている。
上下二連。
上下二連。
セミオート。BM59制作の知見を活かしたM60セミオートショットガンの改修型。
セミオートの高級路線。
フィクション
92
93R
追記修正はベレッタ製品購入者とベレッタLOVERSのみお願いします。
- 日本の警察も取り入れて欲しい。 -- 名無しさん (2016-12-08 21:56:22)
- 昔日本支店があったんやで -- 名無しさん (2018-11-05 23:33:51)
- 種子島の鉄砲伝来は中国(倭寇)の船でポルトガル人は乗っていただけよ -- 名無しさん (2021-03-24 11:10:53)
- こちらピエトロベレッタ社(銃器会社)にリネームしようと思います。7/30めどとしていますので何かあればコメントをお願いいたします。 -- 名無しさん (2025-07-24 09:37:27)
- 上記リネームと統合を取り下げます。 -- 名無しさん (2025-07-30 20:07:59)
最終更新:2025年07月30日 20:08