金田一少年の事件簿2 殺戮のディープブルー

登録日:2012/04/24 Tue 09:35:39
更新日:2024/12/10 Tue 22:15:27
所要時間:約 6 分で読めます




赤き血が海を染めし刻、
キングシーサーの怒りが落ちる…


劇場版「金田一少年の事件簿2 殺戮のディープブルー」とは、アニメ「金田一少年の事件簿」の2作目の映画作品。
1999年8月21日に公開。


監督:西尾大介
脚本:島田満
主題歌:THE ALFEE「Justice For True Love」


原作となる小説版「殺戮のディープブルー」が公開1か月前に発売となったが、登場人物や用いられたトリック等が一新されている。
これについては小説の方の後書きで「当初は小説と劇場版で同じ話になるはずが、小説も劇場版も気付いたら初期プロットと違う話になっていた」と語られている。
なお、当時テレビにてレギュラー放送されていたアニメにおいて、小説版のストーリーにほぼ準拠した内容のエピソードが後日放送された。

主題歌はTHE ALFEEが担当しており、このグループの発表した楽曲の中では世間的にややマイナーな部類である事は否めないが中々に名曲。

【あらすじ】

藍沢国際海洋開発が建設したリゾートホテル「ディープブルー」。
そのオープン前、一と美雪、二三は美雪の先輩である藍沢茜の招きにより、紺碧島を訪れる。
茜が一らを招いた理由は、父親の藍沢秀一郎に届いた脅迫状の差出人から、彼を守ってもらう為だった。
その頃、藍沢グループ博多支社で爆破テロが発生し、藍沢家次男の浩一が死亡する事件が発生する。
その魔の手はホテル「ディープブルー」にも迫り、「キング・シーサー」を主と崇めるテロリスト「選ばれし五人の戦士」により、ホテルは占拠されたのだった…。


以下ネタバレにご注意下さい。








【事件関係者】
  • 藍沢茜(あいざわ あかね)
CV:高橋理恵子
藍沢グループの令嬢で、美雪の先輩。
藍沢グループに届いた脅迫状の謎を解いてもらうため、一たちを招く。

この事件最大の被害者と言ってもいい可哀想な人。
今作のヒロインと思いきや、一気に悲劇のヒロインに堕ちた哀れな少女。
家庭教師、そして婚約者としてずっと好意を寄せて来た大事な人に見事に裏切られる形となってしまった。
真相を自白した周防を思い切りビンタするが、効果はなかった…
事件後、周防が彼女を庇ったのは彼の本当の姿だったという言葉に少しは救われたものの、親父の悪行が暴露された影響はおそらく彼女にも及ぶだろう。父親や兄弟のゲスさを引き継がなかったのが幸いだが

  • 藍沢優(あいざわ すぐる)
CV:堀内賢雄
藍沢国際海洋開発取締役社長で、藍沢家長男。
父の経営方針に反対するだけのちっちゃい男。
監禁中には見事なまでにキレのあるジョジョ立ちを披露する。
しかしその後「キング・シーサー」に殺され、整備室天井のダクトに放り込まれた。
なんだかんだ妹には愛されていた模様。

  • 藍沢浩一(あいざわ こういち)
CV:京極夏彦
藍沢国際海洋開発博多支社長で、藍沢家次男。
遅れてやってきた中二病。
父に刃向って車で出かけようとし、博多支社の地下駐車場で爆死。
原作とアニメ版に出てた剛?知らんな

  • 藍沢秀一郎(あいざわ しゅういちろう)
CV:納谷悟朗
藍沢グループ会長。
原作と違い、アロハシャツで社長室に居座る豪快なおじさん。
やはり茜と、その婚約者である周防にはデレデレ。ただし、部下の不手際に対しては容赦無く厳しい態度を取る。

那国教授が見つけた「ディープブルー」を私物化し、さらにホテル建設を発表したどころか那国教授を間接的に殺害したこの事件最大の元凶で、ぶっちゃけ原作及びテレビアニメ版よりタチが悪いクソジジイである。*1
教授については後悔の念を示すどころか、「それ(ディープブルーを私物化した事)のどこが悪い」と言い出す始末。
欲を絶やさず権力を振るい続けてきたその生き様はしかし、真犯人の心の中にも「復讐者」としてではなく「略奪者」としての黒い想いを生み出すきっかけとなった。邪悪な方向性ではあれど、ある意味では影響力の強い人物であったと言えるかもしれない。
そして本人も自分がいつまでもそんな醜い生き方を止められない事に苦悩していたらしく、それ故に那国教授のブレない純粋さに対して嫉妬とも恐れとも取れるような屈折した感情を抱いていた様子。

  • 藍沢由里絵(あいざわ ゆりえ)
CV:田中敦子
秀一郎の後妻で、元モデル。
誰がどう見ても金目当てで結婚したのが見え見え。
原作では大人しいマダムだったが、映画ではキツい性格のお姉さんになっている。
同じく性格が改悪された優とは違い原作及びTVアニメ版では殺害されてしまったがこっちでは生還している。

  • 周防武(すおう たけし)
CV:青羽剛
茜の家庭教師にして婚約者。
華奢で控えめな性格だが、秀一郎からは気に入られている。
監禁されている途中、茜を庇って撃たれる。
原作とはまったくの別人。
因みに中の人は1期の方の本編で準レギュラーの彼の声を演じている。
この事件の真犯人「キング・シーサー」。
「ディープブルー」の本当の発見者・那国教授に拾われた孤児で、本名は倉田卓也(くらた たくや)。
彼の下で少年期を過ごしたが、那国教授が死んだ後は再び天涯孤独となった。
一度も那国教授を「父さん」と呼べないまま別れる事となった彼は、那国教授を追い込んだ藍沢グループに復讐を誓った。
しかし偶然にも藍沢グループで行われた茜の誕生パーティーを見た周防は、自分が根本は藍沢秀一郎と同じく弱肉強食主義の野心家である事を理解し、茜の家庭教師「周防武」として藍沢グループに潜り込み、秀一郎が那国教授にした事と同じ方法で、彼から全てを奪い取ってやる事を誓った。

  • 赤森鬼介(あかもり きすけ)
CV:田の中勇
藍沢グループ秘書。
小心者がスーツを着たメガネオヤジ。
拘束中に姿を消したため、犯人として見られるが…

  • 若林信(わかばやし しん)
CV:安原義人
考古学者。
藍沢グループの悪行を知っており、喧嘩を売りに来たら人質になった。

  • 斎藤(さいとう)
CV:玄田哲章
テロリストグループ「選ばれし五人の戦士」のリーダー。
石膏像を一撃で粉砕する拳銃を持つ大男。声だけでなく見た目も似ているが、決して未来からやってきた最強の殺戮マシーンではない。

  • 沼田(ぬまた)
CV:矢尾一樹
「選ばれし五人の戦士」の一人で、精神的に危ない足手まとい。
周防を撃ってしまい、斉藤からぶん殴られる。


【レギュラー陣】
おなじみ主人公。
藍沢グループに届いた脅迫状の謎を解く為、茜に招かれた。
水槽に放り込まれて死にかける。

おなじみヒロイン。
茜との関係は生徒会の先輩後輩。
こういうパターンだと、ヒロインが危機に陥るのが常であるが、「金田一」においては、死にかけた一と違い、何も起こらなかった。

おなじみチビ金。ベッドで跳び跳ねている場面で僅かながらパンチラが拝める。
水槽に放り込まれ大変な目にあった一に対し手が出ていたが、心配だったとはいえちょっと考えものである。

おなじみオッサン。
乗っ取られた「ディープブルー」奪還の為に現地に向かう。

おなじみキザ野郎。
任務にかまけて女の子とチャットしている。

  • 正野刑事
オッサンの部下。
出張中の高木くん。オッサンのサポート担当。

おなじみフリーライター。
秋田から剣持に、一達が人質になっていることを教えた。
ワンシーンしか登場しない。


【その他】
  • 那国守彦
CV:夏八木勲
大学教授で考古学者。
「ディープブルー」を本当に発見したのはこの人らしく、若林信は彼の助手だった。
「ディープブルー」を探しに行く経緯は原作通りであり、その途中で卓也を自分の養子にした。
やがて「ディープブルー」を発見するが、それを観光資産にしようと狙った藍沢秀一郎に目をつけられ、彼の命令を受けた藍沢優と藍沢浩一が酸素ボンベに細工を行い、調査中の事故に偽装される形で殺されてしまった。

中の人は劇場版第1作で剣持警部役であった。

・那国巫琴
CV:西村ちなみ
映画版ではテロリスト一味ではなく、周防の協力者として登場する那国教授の娘。
格好もボーイッシュから普通の少女に変化。
ホテルのシステムを制圧し一達を監視していたが、脱出する一行を防ごうとしたら主人が撃たれてしまった。
明智とチャットしてたものの、結局ホテルを爆破した。
事件後警察に逮捕され、明智と初めて顔を合わせる事になる。

中の人は後にTVアニメ版の「殺戮のディープブルー」で、藍沢茜役を担当している。



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最終更新:2024年12月10日 22:15

*1 一応原作では那国教授は一人で採掘作業をした事による事故死で、テレビアニメ版では病死である為、秀一郎は関与していない