スモー(∀ガンダム)

登録日:2012/09/23 Sun 00:02:20
更新日:2024/12/17 Tue 10:50:16
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ユニヴァァァアアアアアアアアス!!!!!


型式番号:MRC-F20
全高:20.3m
重量:34.2t、27.4t(稼動重量)
出力:34,000kW(±5,000)(推定値)
装甲材質:MFEガンディウムFGI複合素材
動力源:HPHGCP(縮退炉)×1

武装:
ハンドビームガン
ヒートファン
Iフィールド・ジェネレーター
(IFブースター、IFバンカー)

搭乗者:
ハリー・オード
ポゥ・エイジ
ディアナ・ソレル親衛隊他


概要

アニメ『∀ガンダム』に登場する機体。


主にディアナ親衛隊専用機として製造・配備された機体。
名前の「スモー」は“Strike Unit Maneuver Operation”の略称で、機動戦闘ユニットという意味。

ムーンレイスが独自開発した機体という説と、これもロストマウンテンから発掘された機体だったという二つの説が存在する。*1
形式番号の「MRC」は「ムーンレィス・コメモレイション」を意味しており、続く「F20」は「20番目に登録されたファイター(主力戦闘モビルスーツ)」であるということを示しており、形式番号からも本来の製造年代、時代が不明なものを自分達でも判断できない乍らも使用しており、破格の性能を誇るのにも関わらず親衛隊用機としてしかスモーが運用されていない=新規の開発が出来ていないとも想像出来るが、正暦時代に入っただけでも2000年以上の長期間に渡るので、大昔のムーンレィスが開発した機体という可能性も確かに残る。

一般機は銀色をしており、親衛隊隊長のハリー・オードは金色の専用機を使用している。
このことから雑誌では「ゴールドスモー」と呼ばれている。
ゴールドスモーはヘッドパーツにガンダムの目と似たようなターレットモジュールが露出するギミックが追加されているが意味するところは不明。
ゴールドは指揮官機なので索敵能力が強化されている故かもしれないがそれ以外の仕様はほぼシルバータイプと変わらない。
作中ではハリー機以外は主にやられ役であるものの、ゴールドスモーはターンXとの戦いの中、月光蝶をまともに食らいながらも立ち向かった姿は感慨深いものである。
また、やられ役とはいっても、それこそ登場直後からのやられ役であったウォドム辺りとは違い、高性能機だけに明確に破壊されるような描写は月での戦いあたりまではなかった辺りは優遇されている方である。(地球での相手が基本的に不殺のロランの駆る∀だったというのもあるが。)

ちなみの上記の台詞はムーンレィスの人々が感情の高ぶりの際に発するセリフで、某CMの「ファイトー!」「いっぱーつ!」みたいなものだと考えてもよい。
映画版ではロランも「帰ってこーい!」の場面で発している。

名前と、そのあちらこちらが丸っこいデザインは『相撲』だけにさながら『力士』のイメージといえるだろう。


武装

  • ハンドビームガン
中距離用の取り回しの良いビームガン。
内部にエネルギー供給機構を保有してるので残弾管理にもそれほど気を配る必要もない。

  • ヒートファン
近接戦用の武装。
スモー(相撲)だけに行事の持つ軍配扇子のような形をしている。
エッジを赤熱化させて対象を溶断する宇宙世紀のザクからの数千年の伝統を受け継ぐ武器。
スモーのそれはシールドとしても使用出来る上先端にIフィールド・サーベルを形成してビーム・サーベルのようにリーチの長い運用も可能としている。

これ等の装備については現在のムーンレイスが新規に開発したものである。
ちなみに上記の二つの武装は機体をデザインしたシド・ミードのものでなく日本の製作側でデザインされたものである。

  • IFジェネレーター
後述するスモーの駆動方式・IFBDの特性を遺憾なく発揮した武装。スモーの奥の手とも言える。
左前腕を覆う装甲のような見た目をしておりそこから収束させたIフィールドを操るユニットであり、後述の動力源となるHPHGCPは副次的にIFR効果を発揮し、これに指向性を持たせることにより下記の抑制兵器として利用することが可能となる。
同時代には他にも存在していたと言われる、IFBDを搭載した敵機に投射して機体のコントロールを奪取、もしくは抑制する「IFブースター」、収束、高密度化したIフィールドをランスのように前腕に纏い打突を繰り出す「IFバンカー」等非常に応用の効く使い方のできる複合機能兵装である。
また拡散投射した高密度のIフィールドをバリアーとして展開、ジャンダルムの一斉砲撃に短時間ながら耐えきったりもした。
劇中終盤の対ターンX戦でポゥを中心としたシルバースモー五機のIFブースターで動きを封じハリーのゴールドスモーのIFバンカーで止めを刺すという連携技を実行したが、
ターンXの「エネルギーのつながりを持った相手の力を吸収する」特性を利用されあと一歩のところで破られてしまい月光蝶の発動を許してしまっている。


テクノロジー

  • 機体構成
コックピットの配置を中心に非常に∀ガンダムに近い設計でありいわば「簡易型∀ガンダム」。
技術系統的に∀と縁のある機体と推測されている。

動力源はHPHGCP(Helical Phase Hyper-oscillation Gauge-Collapser-Pile=螺旋位相型超震動ゲージ場縮退炉)を一基搭載。
∀ガンダムはこれを二基搭載しているがスペック上の出力ではスモーの方が高く設定されている。(∀ガンダムは27.000kW(±5000))
……が、スラスターが稼働する等、∀の能力が解放されてきた中盤以降に於いては、∀がガンダムハンマーでポゥの乗るスモーを軽々と振り回したりしているので、実際には∀の出力上限の方が遥かに高かった…というオチだと思われる。*2
……スモーは戦艦押し返せないし。


  • 駆動形式
∀と同じくIFBD、Iフィールドビームドライブ方式。
躯体に纏ったIフィールドを流体のように制御することでさながら操り人形のように外側から機体を駆動させる。
つまり、見えない糸で動かす操り人形の様な物で、一般的なMSの概念からは大きく逸脱している。(普通は機械には動力から末端を動かすための機構というものが存在している訳なのだが、そうした物が存在しない。)
本編ではターンタイプとスモー位にしか採用されていないが、スモーと同時期に開発された機体にはIFBDが搭載されていたらしく、IFRの応用兵器はそれ等に対応した物だったらしい。
故にサーボモーター等通常の駆動形式で必須な機構は必要無く機体の軽量化やレスポンス、メンテナンス性の向上等に一役買っている。
ただし、発掘説からすると(他にIFBDを搭載した機体が存在しないことからも推察して)技術体系は現在のムーンレイスにとってもロストテクノロジーであり再現不能の代物であるらしい。
機体各部のスリットもIFBDの為のレセプターとなっている。
∀同様にパイロットと生体コネクトして操る機能もあるようで、頭をごっつんこした時にはMSとパイロットが感覚を共有化しているのが解る。(流石に痛みはカットしている様だが)

  • スラスター
∀ガンダムと同じくふくらはぎにスラスターが内蔵されているが、マイクロエンジン超小型二次元スラスターベーンのフラクタル集合体(マイクロサイズの小型スラスターその物が構成物として更に大きなスラスターを形成。)を採用している∀ガンダムに対して、
スモーはFRP(Field Repulsion Processer=空間斥力処理装置)と呼ばれる特殊なシステムを搭載している。
これは空間そのものに反発力を持たせて、受動的に機体制御を行う装置で宇宙空間での機動にも利用度の高いシステムと説明される。
無数のスラスターが生み出す超高圧で能動的に機動力を獲得する∀ガンダムとは、そこは対照的である。
FRPは別に「スカート」と呼ばれるスモー専用の大気圏内飛行用オプションが存在するのだが、ギンガナムのターンXとの最終決戦等FRPだけの推力で単独飛行しているシーンは多数見受けられる。
当時の推進力と動力源を考えると航続距離を補強するものとは考えづらいので安定性や速度といったものを強化するものだったのかもしれない。
また、スカート自体は現在のムーンレィスの帰還船に使用されている推進機の応用であり、それをスモーに転用しただけらしい。


  • 装甲
スモーに使われている技術で一番特筆できる部位は装甲で「MEF型ガンディウムFGI複合材」これは∀と同じくナノマシン技術を駆使した装甲ではあるが、

「攻撃を受ければ受けるほど強度が上がり、致命傷でなければ一度受けた攻撃の強度を記憶しその攻撃を二度と受け付けない」

という強力な自己再生機能を持つ∀のFE型装甲とはまた別のベクトルで突き抜けた装甲・・・と、言えば聞こえは良いのだが、
実際のところはナノマシンの自己進化モジュールが上手く機能しないのを解決できないまま開発が断念されたため若干性能の良いFE装甲にとどまってしまっている。


余談

  • デザイン
スモーは元々∀のデザインを冨野監督がシド・ミード氏に発注して返ってきた没案である。監督は「零戦の改良を依頼したつもりがヘルダイバーのような重爆撃機を提案されてしまった」と語っている。
確かに欧米、とりわけアメリカのロボットイメージと言えばマッシブで丸っこいパーツの塊と言うのはハリウッド映画のそこかしこで散見されるものである。
そもそも向こうではサブカルでの「カッコいい」は日本のようなスマートなシルエットよりマッシブなものに抱かれるイメージが色濃く残っている上、
「ロボットに乗って戦うのは卑怯な悪役がやる事」というステレオイメージが同時に存在しているので、そういった結果となるのは仕方のない事だったのかもしれない。
とはいえデザインそのものは評価されシルエット等を手直しされてスモーという脇役として採用され今に至り、この一件でシド・ミード氏は今までのガンダムを研究しリデザインしたのが今の∀ガンダムとなっている。

  • さらなる余談
サンライズから提供された歴代のガンダムを見たシドじいさんの感想は「どれも似たり寄ったりだが、このガンダム(F91)は進化しているという感じがする」だったそうな。
ガンダムF91の放映当時のキャッチコピーが「目覚めよ宇宙、ガンダム新時代-第一章」。大河原さんよかったね!



本編外

ガンダムビルドファイターズ

ゴリ「誰がゴリラだ!!(怒)」
聖鳳学園模型部副部長のゴンダ・モンタの操るガンプラとして、なんと2話目に登場。コロニー内部というステージでIフィールド・バンカーを使った攻撃で隔壁を空けレイジを苦戦に追い込むが、再チャージまでに時間がかかる欠点を刺され、すんでの所で敗北した。


ゲームでの活躍

中間アップデートでゴールドスモーが参戦。コストは2000。
デフォルトで三連射できるメイン射撃や、マルチロックオン対応の射撃CSがあるが、基本的には格闘寄りの性能。
サブ射撃はIFバンカー(薙ぎ払い)で、太目のビームを鞭のように薙いでスタンさせる。特殊射撃はシルバースモー呼出で、IFバンカーを照射してくれる。特殊格闘はIFブースターダッシュで格闘派生でIFバンカーを突き出すように攻撃する。
格闘はどれもコンパクトかつテンポ良く行われるものが揃えられており、射撃部分でスタンをヒットさせ詰め寄るのが主戦法。

実はバグがあり、BD格闘初段の強スタンで自然にダウンするまで待ってからサブ射撃でスタン重ねすると、復帰直後からダウン値がリセットされるためフルコンボが入ってしまう。
これはEXVSMBから修正されてしまい、現在では家庭用EXVSかEXVSFBでしか再現できない。

ターンX捕縛の一連の流れが覚醒技として追加。
サブ射撃や特殊射撃のダウン値低下、CS射撃の誘導上昇など射撃面での性能向上が主だった。
家庭用では同2000コストでシルバースモーが参戦。やや射撃寄りのコンパチ機体で、メイン射撃が4連射可能だがCS射撃含め火力では勝る。半面サブ射撃や格闘では性能が劣るため、使い分けは必要。

  • 機動戦士ガンダム Extreme vs.MAXI BOOST
コストアップし2500へ上昇。
メイン射撃の弾数増加やキャンセルルート追加、特殊射撃のアシストにIFバンカー薙ぎ払いや突撃が追加されている。
基本的なブースト周りの強化や特殊格闘の伸び強化は格闘機にとって嬉しい修正点だった。
シルバースモーも参戦しているが、あくまでおまけ扱いなのかほぼ修正点の無いまま参戦している。

リリース当初は何も修正内容が無いままスタートを切ってしまった。
中間アップデートで格闘周りに調整を受けている。前格闘は連撃が容易になり、BD格闘は出し切りでもコンボ対応できるようになっていた。更に覚醒時には特殊格闘の弾数が2に増えたのも大きい。

  • GUNDAM VS.
全体的なコスト調整の影響で300コスト(EXVSシリーズの2000コスト水準)に低下。
CS射撃が単発射撃に、特殊射撃に特殊移動が追加など新コマンドこそ貰えたが、特殊格闘の弾数が1固定など下方修正も受けてしまった。
シルバースモーは200コストに下方修正されたものの、無限滞空バグの存在でリリース初期は輝く存在になっていた。

GUNDAM VS.の単発CS射撃を継承し、更に下格闘がジャンプ格闘になるなどトリッキーさも得られるようになった。
とはいえ格闘機に全く優しくない環境に変貌しているため、次々とリリースされていた射撃寄り万能機の前に手古摺る事の方が多く、活躍できる状況ではなかった。
中間アップデートで調整を貰い、やっとコスト帯で何とか使えるレベルまで上昇。とはいえ格闘方面ではなく射撃に重きを置いた調整だった。
シルバースモーはリストラされ消えている。

ここにきて大躍進を遂げた。
まずNサブ射撃にIFバンカー(前方照射)が追加。これにより不足気味だった押しつけ武装が遂に補填されている。
更に特殊格闘は格闘派生がN格闘・横格闘・後格闘に対応。従来のは前格闘となったが、無理をして真正面から攻撃するリスクを低減する事になった。
格闘も後派生が乱舞系の攻撃になり、ダメージ効率が上昇している。
全体的に格闘機に優しくなった環境も相まって、コスト帯では初の上位に食い込む栄誉を獲得。まさしくユニバースと叫びたくなるような春が来たのだ。



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最終更新:2024年12月17日 10:50

*1 『データコレクション ∀ガンダム』では独自開発されたという表記。

*2 一説には、番組中の∀の性能が本来の5%に過ぎないということから、27.000kw×20なんて予想する説も。