ウォドム

登録日:2020/06/24 (水) 20:38:58
更新日:2024/09/23 Mon 12:55:03
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野蛮人がぁ……ふざけるんじゃない!!



ウォドム(WODOM)とは『∀ガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)。



目次





緒元


型式番号:JMA-0530(MODEL U)
所属:ディアナ・カウンター
頭頂高:40.0m
ジェネレータータイプ:-
装甲材質:Jコロニーハイチタン合金ネオセラミック複合材
武装:対艦用ビーム砲
対地対空用ミサイル×6
対空用バルカン砲×2
小型ミサイル発射装置×4

搭乗者:ポゥ・エイジ
フィル・アッカマン


機体解説


月で運用されているMSであり、ディアナ・カウンターの主力として地球帰還作戦に投入された機体。
地球帰還作戦に参加した物のカラーリングはダークブラウン。

特徴は何といってもその大きさで、頭頂高40mという量産機としては歴代ガンダムシリーズでも屈指の巨体を誇る。
機体構成はシンプルで、全高の半分以上を占める長い両脚、四角い骨組みのような胴体と両腕、そしてその上に乗った巨大な半球状の頭部に分けられる。
走行時などには両腕を背後に向け折り畳むようにしているが、その状態だと半球状の頭から足だけが生えて走っているような奇妙な姿になる。
「ウォドム」という名もボディに対して異様に巨大な頭部を持つこの独特なシルエットで歩き回ることから付けられた「ウォーキングドーム」という呼称に由来する。
作品の雰囲気とユーモラスな見た目から侮られがちだが、その生物的な走行モーションは滑らかで相当な機動力があることをうかがわせる。
また、ミリシャでは骨組みに大きな頭が乗ったようなその見た目から「カカシ」とも称された。


コクピットは二人乗りの複座型で、両脚の付け根部分に内蔵。
股関節部分のフレームに沿ったドラム型のコクピットになっており、二つのコクピットシートが上下に配置されるような形になっている。
コクピットシートは寝そべるような姿勢で搭乗するタイプで、内装自体もかなり広くゆったりとした造りになっている。
外部モニターは固定画面ではなく、映像投影型のモニターとなっている。
操縦系は二席で分担出来るが、片方だけでも戦闘に支障は無いため一人乗りで運用されることも多い。


元々は宇宙空間での対艦戦闘を主眼に置いた機体であり、頭部には高威力、長距離射程の大型ビーム砲を搭載。
これ以外にも小回りの利かなさをカバーするため複数の火器を積まれ、頭部はセンサー兼武装プラットフォームといった役割を持っている。
ちなみに頭部と胴体部は機能が独立しているため、火力を気にしなければ頭部が無い状態でも活動可能。
被弾時には頭部だけを分離して誘爆によるダメージを避けることも出来、時には攻撃を受ける前に分離させて回避した後に頭を拾ってそのまま戦闘を続けるなんてことも。
その巨大さから殴る・蹴るといった単純な攻撃でもMSを叩きのめすことも出来、走行速度も速く背部のスラスターも併用したジャンプなどでの移動も可能など、その長い両脚は地上でも見た目以上の機動力を発揮した。
また、装甲はナノスキンの機能を付与されており、∀ガンダムほどではないが優れた強度と軽微な破損程度なら直せる修復機能を持つ。

その偉容と優れた性能により、本機は地球帰還作戦において「戦わずして地球人の戦意を挫くことが出来る」と期待された。

しかし実戦においては確かにその性能は脅威となったものの、ミリシャがマウンテンサイクルから発掘したMSが次々と登場したことで得意とする遠距離砲撃戦より近接格闘戦を挑まれる機会が増え、絶対的な優位性を発揮することは出来なかった。


余談だが、型番からネオジャパン製の可能性があるということでも話題となった。



武装


  • 対艦用ビーム砲
頭部正面上部に内蔵された大口径のメガ粒子砲。射撃時には正面のカバーを開いて発射口を露出する。
対艦戦闘を想定したもので、射程・威力共にディアナ・カウンターの機体の中では抜きんでており、直撃なら戦艦すら一撃で撃沈する。
エネルギーは頭部後方にある大型ジェネレーターから供給されている。

  • 対地対空用ミサイル
頭部左右側面に搭載された三連装大型ミサイル発射装置。
当初は通常ミサイルだったが、途中からは鏃状の新式高機動ミサイルが搭載されるようにもなった。

  • 対空用バルカン砲
頭部上方の前寄りに二基内蔵。
使用時には装甲から円形のパーツが突出、その側面に折り畳まれている八門のバルカン砲を展開する。

  • 小型ミサイル発射装置
対艦用ビーム砲の発射口に沿うようにして四基内蔵。
使用時には蓋が開いて内蔵された小型ミサイルを周囲に放つ。

胴体の左右に配置された腕部。
構造はシンプルだが、先端のマニピュレーター部分だけでも∀の胴体と同じくらいのサイズがあり、飛び掛かって来たカプルを叩き飛ばすなどパワーも凄まじい。
また、逃げるメシエを指で摘まんで拘束したり、クレーンの代わりにマウンテンサイクルの発掘品を引き上げたりと、見た目以上に繊細な操作も可能である。
というか、他のガンダムシリーズではせいぜい掌の上に人を乗せる程度だったのに、金属の指で摘んだ上に加減を付けてちょっと痛がる程度に人間を締め上げることも出来るマニピュレーターって何だよ。怖いわ未来人。

終盤にはコレンが自身の専用カプルにこのマニピュレーターをロケットパンチとして装備させたりもした。



劇中の活躍


第二話において地球帰還作戦の先槍としてポゥの機体がノックスに襲来。
その際ミリシャの飛行機部隊の攻撃を受けダメージこそ全く無かったものの激昂したポゥがビーム砲を使ってしまいノックスの街に被害を出す。
そしてこのビームがマウンテンサイクルを掠めた衝撃でホワイトドールの像が崩壊(この時点で迎撃プログラムが作動した可能性が高いか)、その内部で眠っていた∀ガンダムが目覚めることとなる。
この“目覚め”は文字通り、自動でプログラムされた迎撃システムによるものと思われ、直後に∀ガンダムはビームライフルを全自動でウォドムに向けて照射
経年劣化により二発を射った時点で∀のビームライフル自体が融解した為に、それ以上の反撃はされなかったものの、蛮族と見下していた地球側からウォドムのビームに勝るとも劣らない威力の光学兵器によるカウンターを受けたことによりディアナ・カウンター側も行動を慎重にせざるを得なくなった。
尚、後に見せたようにビームにビームを当てられるNTばりの予測射撃が可能な∀の照準プログラムの万能さを鑑みれば、ビームライフルが融解していなければウォドムは敢えなく撃墜され、ポゥもいきなり戦死していた可能性も高い命拾いしたな。


その後もディアナ・カウンターの主力として地上で活動するようになるが、ロランの駆るようになった∀ガンダムの機動力とパワーに翻弄され、ロストマウンテンから掘り出されたカプルやボルジャーノンなどの地球側のMSも次々登場し苦戦することも多くなっていった。
特に、初期には主にポゥが載ったウォドムが出撃しては白ヒゲに背負い投げで転がされたり、手刀(ガンダム昇龍拳)で手首をチョン切られたり、挙げ句にはハンマーをめり込まされたりと、昭和特撮の怪人や怪獣の如くウォドムが撃退されては毎回のエピソードが終わるというパターンが多かった。

終盤にはギンガナム艦隊のマヒロー部隊やターンXとも交戦するが、その機動性に圧倒されて苦戦を強いられると共に多くの機体が撃破された場面が描かれた。
ターンXに至っては頼みのビーム砲すらIフィールドで無効化、体格差も関係なしと全く相手にもされてないなかった。
しかし地面に掘った穴に機体を隠して砲撃を行うといった奇襲作戦でアスピーテを撃沈するなど、対艦戦での優秀さを発揮する場面もあった。

戦乱の終結後はウィルゲムの改修作業が行われている港に立っている姿が描かれている。



バリエーション


強化型ウォドム

地球降下後ソレイユの駐留地で改造されたウォドム。
頭部後方のジェネレーターの上に更にもう一基ジェネレーターを搭載しており、ビーム砲の出力も大幅に向上している。
しかし二段積みにしたせいで重量が増したジェネレーターを常に両腕を後方に向けて支えなければならなくなった他、出力上昇に伴うビーム砲の照準のブレが補正出来ていないなど急造品故の欠点も多い仕上がりとなった。

劇中ではポゥが搭乗し単機でウィルゲムの発掘現場を襲撃したが、ロランの∀ガンダムやハリースモーに阻まれ返り討ちにされてしまった。
倍以上の威力になったと計算された大出力ビームは確かに脅威だったものの、マニュアルの解析と共に機能を回復した∀のIフィールドバリアーの前には通じず、シールドを中心に張られた自軍全体をカバーする障壁の前には阻まれてしまっている。*1


ウォドム(ザックトレーガー駐留軍仕様機)

衛星軌道上のザックトレーガーに配備されているタイプ。
ボディが赤系に塗装されている。
普段はセンターハブに待機しており、ドックに移動する際にはリニアエレベーターを使用する。

劇中ではミドガルドの要請でドックに現れるが、ディアナキエルの言葉を受け手出しはせずウィルゲムの出港を見送った。

因みに、前述のように本来は宇宙空間での対艦船狙撃用MSという設定の通りに、何気に宇宙での機動がとんでもなく滑らかで速いのに注目。
地上でも巨体の割には素早いウォドムだったが、矢張り宇宙空間ともなると桁違いに素早い起動で動けるのが解り、あの起動力で大出力メガ粒子砲を撃てるとなれば、本来の使われ方をしたときの脅威がうかがい知れるというものである。



本編外の活躍


ガンダムビルドファイターズ

ライナー・チョマーが使用するガンプラの一体として登場。
形状は原作のまままだが、カラーリングがチョマーのイメージカラーである青と赤を主体とした派手な物になっている。

第7回ガンプラバトル世界大会の第3ピリオドで登場し(一方的に)因縁深いリカルドが操るウイングガンダムフェニーチェと対戦。
しかし「くじ引きで決まった武器だけで戦う」という変則ルールの中、よりによってストライクEのビームライフルショーティーという超小型武器を引いてしまい、当然ウォドムのバカでかいマニピュレーターでは扱うことが出来ず一方的に倒されてしまった。



その他のバリエーション


ウォドムポッド

ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』に登場するガンプラ。ダイバーは主人公の一人・メイ。
ウォドムをモデルにしたもので、後半では追加アーマーを装備した「ウォドムポッド+」に改造された。

ただしモデルにしているだけなので、シルエットこそ似ているもののパーツ単位でみると共通点はほとんど無く、サイズも一回り小さい。
+ 秘められた機能
機体内にはメイの「器」であるガンプラ「モビルドール・メイ」が内蔵されており、実質的にはモビルドール・メイの操縦するパワーローダー的存在。
このためウォドムポッドが破損してもモビルドールで戦闘を継続可能である。



立体化


ガンプラ

『∀』系のキットはあまり商品化されていないうえ、中でもこのウォドムはその巨大さから公式からの発売はされていない。

派生機のウォドムポッドは『Re:RISE』の商品展開の一部として早期に発売されている。



ゲーム作品


Gジェネシリーズ

生半可なワンオフ機を上回るステータスに加え、対艦ミサイルや対艦用ビーム砲といった高火力の射撃やビーム、MAP兵器を携えた恐ろしい敵。
自軍ではウァッドからの開発等で入手できるが、射程や最大火力は優秀なものの近接武器が貧弱なのと何よりサイズがデカすぎるのでどうにも持て余しがち。
使うならリーダーやマスターユニットとして配置すると良い。


機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム NEXT PLUS

家庭用移植版のCPUボスとして登場。
他の大型ボスと異なり唯一の地走ボスであり、しかもその地上ブーストダッシュ自体に攻撃判定が存在する為、基本的に近寄ったらアウト。
自機をサッカーボールのようにドリブルされ、そこから受け身不可のシュートで吹っ飛ばされる。
つまり 「サッカーしようぜ、お前ボールな!」 をネタでなくガチでやってくる。
頭部メガ粒子砲や大型ミサイルも使ってくるのだが、プレイした人間の記憶に残っているのは蹴っ飛ばされた記憶だろう。



追記・修正は10キロ痩せてからお願いします。

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最終更新:2024年09月23日 12:55

*1 この直前にカプルに登場したミリシャのパイロットがミサイル弾幕