登録日:2010/12/21(火) 17:26:45
更新日:2026/07/18 Sat 15:23:37
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ヘザーの遺体を再生させるために運ぶヴァルティエル
「ヴァルティエル(Valtiel)」はコナミのフランチャイズ『
サイレントヒル』シリーズに登場する特殊なクリーチャー。
シリーズの一旦の完結編として『
サイレントヒル3』が製作されるにあたり、シリーズを繋ぐキーワードとして「輪廻」が選択され、それを司る存在として生み出された。
また、作品のイメージの統一化を計るべく、前作『
サイレントヒル2』に登場した人気クリーチャー「レッドピラミッドシング」や、前々作『
サイレントヒル』に於ける司祭服のイメージの元になったと云う設定が付けられており、そのデザインは頭部を除き、ほぼ「
レッドピラミッドシング」を踏襲している。
【概要】
雄の人型モンスター。
中肉中背の体格で、袖を排除し背中に縫い合わせた跡がある白いローブやブッチャースモックのような衣装を身に纏っている。
ヴァルティエルの衣装の正面と背面。レッドピラミッドシングの衣装と同様に縫い合わせた跡を確認できる。
更に黒いブーツと、小指と親指以外が繋がった独特な形状の手術用手袋を身に着けているが、
両手が真っ赤に染まっている
サイレントヒルの土着信仰における神の一柱の一つであり、『3』『4』の時代「
教団」の教義に於ては「神」の一番の従者にして処刑人として伝えられている。
開発スタッフのコメントによると、かつてネイティブアメリカンの聖地であったサイレントヒルは開拓者達によりトルーカ刑務所が建設されて流刑地とされ、住民の殆どが死刑執行人とその家族だったという。
そんな住人たちはネイティブアメリカンの信仰を形を変えながら引き継いでおり、偶像崇拝的に信仰していたのがヴァルティエルだったとされる。
そして執行人達は仕事の際にヴァルティエルの扮装をして刑罰が正義の下に執行されていることをアピールしていたという。
レッドピラミッドシングはそのかつての死刑執行人の姿を模倣した存在であるため、ヴァルティエルとレッドピラミッドシングの姿は酷似している。
ヴァルティエルのみの特徴としては、黄色い革に包まれて目と口が封じられた頭部が挙げられる。左側頭部に人間のような「口」があり、そこから舌のようや触手を出し入れできる。
また、両肩には「メトラトンの印章」のタトゥーが彫られている。
この異様な頭部は常識からは測れない超自然的な「存在」である事を顕しているのかも知れない(インドのディーヴァや
阿修羅、密教の明王等、人ならぬ存在は異形で顕される)。
ただし「神」同様にヴァルティエルもまた、見る人により姿を変えるとの記述もあり、現在伝えられるヴァルティエルの姿は救いを求めるサイレントヒルの人々やそこから生まれた「教団」の教義が生んだ幻想の結果なのだとも云える。
名前の由来は従者を意味する(Valet)と御使い(el)を組み合わせた物であり、「教団」が土着信仰を背景に
キリスト教の影響下で体系化された事の証明となっている。
※その他の神々の名は聞き慣れない独特の物で、ネイティブアメリカンの伝承に出て来る精霊の名を元に独自に考え出された物になっている。
【行動理念】
シリーズで一貫して「神の復活を見守り手助けする」ことを行動原理としている。
「神」を宿した聖女に危害を加えようとする人間を処刑して裏世界に取り込んだり、神を復活させる儀式である「21の秘跡」の術者を操って超常的な力を与えたりと「神」に翻弄される歴代主人公達にとっての最大の敵と言えるが、不可侵な存在であり基本的には対峙することすら不可能。
また、トルーカ刑務所の運営者達や教団のヴァルティエル派の中では「処刑人」としても認識されていた。
【出番】
ヴァルティエルへの敬意を現した教団の白い司祭服を着た遺体を至る場所で見ることができる。
【SILENT HILL Cage of Cradle】
メルマガで配信されていたスピンオフコミックの本作では、「神」を宿したアレッサに危害を加えようとしたリサ・ガーランドを処刑し、裏世界へと取り込む様子が描かれた。
『2』ではヴァルティエルへの偶像崇拝的敬意をあらわしたトルーカ刑務所の処刑人の姿が描かれた絵画が登場し、その絵画が元になったクリーチャーである「レッドピラミッドシング」が登場する。
また、歴史資料館の地下には教団による裁きの儀式の様子をおさめた『神に捧げる赤と白の宴』と題された写真が展示されており、その中央には教団のヴァルティエル派筆頭司祭であるジミー・ストーンと思わしき人物が頭部全体を覆い隠す赤い角錐状の頭巾を被り、白いローブを着て映っている。「レッドピラミッドシング」に酷似したこの装束もまた、ヴァルティエルへの偶像崇拝的敬意によるものだと思われる。
いずれの絵画や写真でも「罪人を裁く立場の人物」がヴァルティエルを模した装束を身に着けていることから『2』では処刑人としての側面が強調されて描写されている。
主人公が「神」を宿すヘザーであるため、遂に実際に姿を現し複数回登場する。
また、出現するのはいつも裏世界である。
さらに、ヘザーがクリーチャー達との戦闘で死亡し力尽きた場合、ヴァルティエルは新たな「転生」の為、彼女の亡骸の両足を掴んで地面に擦り付けるのも構わず何処かへと持ち運んでいく。力なく横たわったヘザーが、足を掴まれてヴァルティエルに引き摺られながら何処かに連れて行かれるのは中々シュールな光景である…。また、ヘザーのデフォルト衣装はデニムミニスカートなので仰向けに倒れていた場合、引き摺られる際に大股開きでヴァルティエルからパンツ丸見えの状態となっているが、残念ながらプレーヤーからはスカートの中は見えないまあ見えても暗黒空間だが。
…これらの事から「神」はアレッサの魂と引き離せない程に融合しており、アレッサは生まれ変わる度に「神」の母体としての運命を背負わされる事になるのだとも考えられるが…。
上記の特殊な立ち位置から『3』に登場するクリーチャーでは珍しく、一度もヘザーと戦闘にはならない。
以下はストーリー上の出番。
ショッピングモールの「
裏世界」化の際に登場し、金網越しに主人公ヘザー=アレッサを見つめる様子が描かれる。
ちなみにこの際、
重力を無視して壁に直立していた。
突然姿を現したのは、クローディアら「教団」の介入により17年振りに「神」の誕生が近付いた事に起因すると思われる。
ブルックヘイヴン病院の裏世界の入口に登場。
壁に直立しながらバルブを回し続けており、その近くにはリサの成れの果てとされるナースのクリーチャー(両腕を後ろで拘束されたナース)の姿を確認できる。
病院の裏世界に入ってすぐに振り向くと、ナース(リサとは別)の遺体を穴へ引きずっていく様子を確認できる。
裏世界と化した病院の2階の女子ロッカーに閉じ込められている様子を確認できる。
公式攻略本では単に「怪物」と呼ばれているが、デザイナーの伊藤暢達氏のコメントによりヴァルティエルと確定した。
ロッカーに閉じ込められたヴァルティエル。背面に縫い合わせた跡が見えることからも明かであるが、何故か海外ファンの間では長年「正体不明のロッカーの怪物」とされていた。
病院裏世界の磨りガラスで囲まれた部屋で、壁に直立した状態でリサを拷問する様子を確認できる。
『Cage of Cradle』でアレッサに危害を加えようとしたことを延々と責め続けているようにも見える。
『HDエディション』では不具合により磨りガラスではなくなっているため、その姿をはっきり見ることができる。
教団の教会の絵画『創造』にヴァルティエルらしき
三角頭の天使の姿を確認できる。
絵画『創造』。赤い衣を纏う「神」の向かって左側にいる角錐頭の天使がヴァルティエルと思われる。
裏世界に変貌した教会にも登場。
狭い通路を四つん這いになって行ったり来たりし続けている様子を確認できる。
引き続き教会に登場。
教会地下の燃え盛る廊下の金網の向こう側で壁に直立してナース(リサとは別)の首を締め上げて殺害している様子を確認できる。
ナースを処刑するヴァルティエル。間の障害物で見辛いが、壁に直立した状態でナースの首を締め上げている。
引き続き教会に登場。
一階と同様に地下の廊下の狭い通路を四つん這いになって行ったり来たりしているのを見ることができる。
引き続き教会に登場。
地下の礼拝室のすぐ近くの廊下にて、ストレッチャーで塞がれた通路の向こう側で壁に直立して吊り下げられた二人の少女の足下でヴァルティエルがハンドルを回し続けている。
少女の身体は赤いベールに隠されており、足だけが見える。
この二人の足はアレッサとシェリル(『1』で消滅した)のものである。
アレッサとシェリルの足の下でバルブを回すヴァルティエル
引き続き教会に登場。
堕胎した「神」の胎児を飲み込み自身が母体となったクローディアを物凄い勢いで最下層へ通じる穴に引きずり込んだ。
教会の最下層に登場。作中最後の出番。
不完全な「神」の頭へと四つん這いで這っていき、顔にベールを被せて祝福するかのような様子を見せる。
直後のラスボス戦では姿を消している。
ジョージ・ロステンは〈赤い悪魔〉の異名をとる司祭、ジミー・ストーンの右腕として、聖母派の管理を任されていた。彼はある一人の人物を〈術者〉として育て上げた。そして〈術者〉の無意識領域にヴァルティエルを忍び込ませることにも成功した。
公式サイト(現在は閉鎖)で紹介されていた教団の司祭である「ジミー・ストーン」と「ジョージ・ロステン」のエピソードでは、『4』で起きた一連の事件の元凶である
ウォルター・サリバンが「教団」の意を受けた術者にして殺人者となったのは、
無意識領域にヴァルティエルを潜ませられた結果によるものだったことが明かされていた。
『2』の新聞記事でもウォルターが「やったのは俺だけど俺じゃないんだ」と錯乱した様子が記述されており、ヴァルティエルに操られていたことがほぼ明確化されている。
つまり『4』は
シリーズで唯一ヴァルティエルとプレイヤーが対決する作品と言える。
また、ウォルターが作り出した異世界同士を繋ぐ螺旋階段にはヴァルティエルを模した人型のオブジェ(あるいはヴァルティエルそのもの)が度々登場する。
作中のメモに「ヴァルティエル宗教」について言及され、その信者の衣装のデザインが反映されたクリーチャーとして「カリバン」というボスが登場する。
また、ヴァルティエルを模した白い司祭服を着た信者達がシリーズで初めて生きた姿で登場する。
【SILENT HILL Book of Memories】
悪夢の世界で最初に登場するクリーチャー。
裏世界の管理人代理を名乗り、プレイヤーに様々なクエストを依頼し、達成すると貴重なアイテムをくれる。
そのため作中で唯一の味方クリーチャーである。
【類似した存在】
レッドピラミッドシング。ヴァルティエルに酷似した衣装を着ている。
ヴァルティエルを模した姿の死刑執行人の姿を、更に模したクリーチャー。
『2』に登場するジェイムスの守護者。
ヘザー自身の安全は二の次で「神」を優先していたヴァルティエルとは違い、ジェイムス自身を守ることに注力する。
ヴァルティエルと同様にクリーチャーを虐待・処刑する場面もあり、ファンからはまことしやかに「ジェイムスの欲求不満の現れ」と言われることもあるが、この説は伊藤氏によりきっぱりと(不満混じりに)否定されている。
また、伊藤氏はファンとのやり取りの中でレッドピラミッドシングが「good guy(善人)」であることを認めているため、シリーズ唯一と言っても過言ではないレベルで主人公の味方である。
繰り返しになるが、全ての行動はジェイムスを守るためである。
詳細は個別項目を参照。
ミショナリー。ヴァルティエルやレッドピラミッドシングと同様に背中に縫い合わせた跡がある白いブッチャースモックを着ている。
司祭クローディア・ウルフの力で怪物に変貌した教団の信者。
教団の司祭服はヴァルティエルへの敬意から白いブッチャースモックのような外見をしているが、ミショナリーの衣装も同様にヴァルティエルのそれに酷似している。
肉屋の白いエプロンに黒いブーツを身に着けた雄の人型クリーチャーで、服装がヴァルティエルに似ている他、顔がのっぺらぼうなことも同じ。
クリーチャーを虐待する共通点もあるが、比較にならないほどに残虐。
詳細は個別項目を参照。
【余談】
- 公式攻略本や資料集によると、ヴァルティエルと同様にサイレントヒルの「神」もその到来を望む者によって姿が変わるとのこと(ダリアのイメージ=インキュバス、アレッサのイメージ=インキュベーター、クローディアのイメージ=「神」)。
- 上記の「神」がアレッサの顔なのは、クローディアが純粋に救い主としてのアレッサの存在を求めていた為である。しかし伊藤氏によると「神」の顔は『2』のラスボスの顔の使い回しとのことなので、実際にはメアリーの顔である。
- さらに、「神」の腕はヴァルティエル/レッドピラミッドシングの腕の使い回しでもある。
- ラスボスがこのような有様なのは、納期までのスケジュールがギリギリで2日でモデルを完成させなければいけなかったため。
- 『創造』の絵画にはヴァルティエルへの偶像崇拝の原型になったと思われる三角頭の天使が描かれているが、伊藤氏によるとアーティストがアドリブで描いたらしく、本来の意図とは異なるとのこと。
- ヴァルティエルがヘザーの遺体を引きずっていくアニメーションは、『2』の製品版でカットされたレッドピラミッドシングがバブルヘッドナースを引きずるシーンから流用されており、伊藤氏のMV『FUKURO』でも使用された。
追記、修正は忌まわしい「前世」が無い事を確認してからお願い致します。
画像出典
- 『SILENT HILL HD Collection』スクリーンショット
- 2012年3月発売
- 発売元:コナミ
- 開発元:HIJINX Studios
- 4のウォルターを操ったのもこいつ。三角頭と違ってこそこそとストーカーするやつ。シリーズのラスボスになるかも。 -- 田中 (2015-12-24 22:39:33)
- ある意味、黒幕ともいえるかも? -- 名無しさん (2016-04-21 23:56:25)
- 意図的に何か攻撃的な接触を図ってる訳でもないけど触れた相手の精神、てか魂には影響及ぼしたり憑依的な形でマーキングしたりとキリスト教的な神よりもクトゥルフ神話系の冒涜タイプな邪神に近いなこいつ。 -- 名無しさん (2022-02-28 16:44:23)
- 大幅に追記修正しました -- 名無しさん (2026-02-01 12:30:23)
- 昔読んだ書籍(SH3の攻略本)では、SH1の終盤でカウフマンを道連れにしたリサはそのまま輪廻の狭間に囚われてしまったことで永遠に裏世界を彷徨う存在となってしまったことで、輪廻転生を司るヴァルティエルにとっては許されない存在なので虐待まがいな暴行を受けている。みたいな記載があった記憶。 -- 名無しさん (2026-07-17 02:15:36)
最終更新:2026年07月18日 15:23