大好きな人を捜しています(影崎由那)

登録日:2012/02/21(火) 11:44:04
更新日:2022/11/29 Tue 06:12:29
所要時間:約 3 分で読めます





影崎由那による漫画作品。短編集「かりん airmail 影崎由那短編集」に収録されている。

【あらすじ】
占い師、カロリーヌ晴子こと谷山晴子は人捜しをしている少年、牧原草生から恋人、蟹場綾を捜してほしいと依頼を受けるが、占った所綾はこの近くにいるという。だがすぐ会いに来ないことに号泣した草生を見て晴子はプライドにかけて綾を探すことに協力するが・・・


【登場人物】
谷山晴子
主人公。霊感持ちで占い師の修行をし、東京に出たが不調な日々が続く。意外と巨乳でスタイルが良い。

牧原草生
恋人、蟹場綾を捜している少年。「運命の赤い糸で結ばれている」と言うなどかなり溺愛している。

蟹場綾
草生が捜している恋人。親に暴力を振るわれていたが、草生と出会って救われたという。部屋には草生の多くの写真を貼っていた。


以下、ネタバレ


















草生と共に綾の部屋に入り、草生の写真を見て気味悪い物を感じつつも一度別れた晴子だったが、何かに引き寄せられるように戻ると廃ビルに向かう草生の姿が。寸胴鍋で料理をしている姿に困惑しつつも何をしているのかと問い詰めるが、包丁で切りつけられる。しかも草生は黒髪のはずが金髪がはみ出ているではないか。そして鍋の中身を見た晴子は絶句する。

人骨が丸ごと茹でられていたのだ。

悲鳴をあげ鍋を倒した晴子。だが下水に流れるスープを貪る草生、いやその人物は捜していた綾だった。

彼女は草生を殺害し、ひとつになろうと彼の肉を13日間食べ続けていたのである。
直後愛の営みを邪魔されたと逆恨みして晴子を殺そうとする綾。「なんで草生君の格好で自分を捜していた」と叫ぶが、「草生君はあたしがいなくなったら死にもの狂いで捜してくれる」と支離滅裂な返答しかしない。屋上まで逃げるもそこは崖になっており、追い詰められた晴子。泣きながらも「何故彼を殺したのか」と質問した時、綾の脳裏にストーカー同然の行為から草生に拒絶された記憶が浮かぶが、彼女はそれを認めようとしない。ここで死ぬのかと泣き崩れたその時・・・



「馬鹿なこと言うな。この人殺し」


「虫のいいことだけ言って、自分の腐ったとこを見ないつもりか」


「あんたが僕を食べたって1つになれるわけがない。あんな肉や骨に僕はいない」

晴子がそう呟いた瞬間、彼女の隣には草生の姿が。草生に近づく綾だが、彼女は崖に気付かずそのまま転落死した。それを冷ややかな目でみる草生。晴子に感謝した後、「自分の居場所は彼女に絶対に教えないでくれ」と言いながら草生は去っていった。


数日後、占い屋を再開した晴子は綾に哀れみの念を抱いていた。そこに客が表れた。その客は・・・


「そんな子につきまとわれるのだけは、本当に勘弁してほしい……」






人骨や人肉が衝撃的な本作だが、実はこの作者、人肉ネタをこれ以前にもやったことがある。

本作の最大の被害者は間違いなく草生だろう。何しろヤンデレ女に正論を言って拒絶したら、逆上されて殺された挙句、血肉を食われてしまったのだから。彼女を冷ややかな目で見るのも当然である。

しかも綾は死んでなお草生に付きまとおうとしている。もはや同情の余地なしな悪霊である。


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最終更新:2022年11月29日 06:12