カワサキホットスペシャル(アニメカービィ)

登録日:2014/05/24(土) 16:20:29
更新日:2025/06/28 Sat 22:55:49
所要時間:約 5 分で読めます










カービィ、おれの芸術だよっ!!



「カワサキホットスペシャル」とは、テレビアニメ版『星のカービィ』第29話「激辛!ファミレス戦争」に登場する料理のことである。
開発者はもちろんコックカワサキ


概要

デデデ大王フランス料理専門のシェフ魔獣「ムッシュ・ゴーン」を雇って始めた料理店に対抗すべく、ひょんなことから始まった激辛ブームの最中に発明したカワサキの傑作。
見た目はいかにも辛いと分かる真っ赤なカレーライスなのだが、ルーは鍋に入ってる時点で魔女の描写によくある怪しい釜か何かと見間違うような毒々しい煙を漂わせるなど、この時点で非常に怪しい。
過熱する激辛ブームの集大成とも言うべきその味は……いや、味の感想なんて次元の話では収まらない。

このカレー、なんと辛さを極めたあまりフォークの先に付いたほんの一滴でも口にしただけで人体発火を引き起こすという危険すぎる代物。
自ら味見を行ったカワサキが「辛い」と感想を述べる余裕もなく、その場で棒立ちのまま炎に包まれる様は物凄くシュール。
壮絶なリアクション過ぎて現場にいたフームが引いてしまう程だった。
一滴でコレとなれば、一口いっちゃおうものなら全身黒コゲで文字通りボロボロに崩れ落ちる。

甘く見た者の末路

何でこんな危険物が生まれたのかと言うと、全てはカービィに「辛い」と言わせるため。
一発逆転を生み出した激辛ブームのおかげで店は繁盛し、ムッシュ・ゴーンの店と客の奪い合いを繰り広げてもカワサキは満足しなかった。
両陣営の出した激辛料理をカービィは一切平気な顔して平らげたからだ。
その事実はカワサキの料理人としてのプライドが許せず、ムッシュ・ゴーンが投入したアイスシャーベット*1のせいでブームが終焉を迎えても、カービィに執着して食い物と呼ぶのも憚られる怪料理の発明に走らせてしまったのである。
その為、上記の味見リアクションでドン引きしているフームをよそにカワサキ自体は期待通りの代物が出来上がった事にご満悦であった。
一応シャーベットに対抗してか口直しのかき氷も付いているらしいが、この有様では口直しとしては力不足感が否めないのは想像に難くない。

そして、肝心のカービィがカワサキホットスペシャルを食った場合、火だるまにはならないがファイア能力を持ってないのに口から火炎放射を吐き散らして苦しむことになる。
この時は魔獣の本性を現したムッシュ・ゴーンの手でアイスボウルに入れられ、あわや凍死という所だったのが皿ごと食らった途端、体に帯びた高熱で氷を溶かし、ボウル越しに持っていたムッシュ・ゴーンが投げ捨てずにはいられない発熱を起こす程。
続けてその勢いでムッシュ・ゴーンを店ごと炎上させるなど、もはやカービィ自身にも制御不能な状態に陥った。
辛さに高い耐性を持つカービィがこの有様なので、やっぱり人に食わせていい代物じゃないことがうかがえる。
だが辛いと感じてくれたことには変わりないため*2、彼のリアクションを拝んだ時にはカワサキも努力が報われたように大満足であった。

「やっとカービィが感じてくれたね~(涙)」

その後、騒動の元凶であるデデデとエスカルゴンに対し罪滅ぼしとして振る舞われたカワサキホットスペシャル。
激辛料理はトレーニング済みだと高を括っていた2人は愚かにも一口も頬張ってしまった結果、上述の画像の様に燃えカスになってしまったのだった。

一体どんな工夫を凝らしたら人を燃やせる料理が作れるのか……カワサキの才能がつくづく末恐ろしい一品である。


カワサキホットスペシャルの前身

激辛ラーメン

フランス料理店のせいで閑古鳥が鳴く中、行列からあぶれて訪れたボルン署長に出した料理。
当初は普通にラーメン(+餃子)*3を作る予定だったのだが、カワサキが目を離している間にカービィのミスで壁に掛けられていた唐辛子の束が誤って丸ごとスープに投入される大事故が引き起こされ、カービィも言うに言い出せないまま提供されてしまうことに。


勿論、食ったボルンは口から火を噴いて大暴れ。その異様な光景はムッシュ・ゴーンの店に並んでいた村人達も釘付けとなり、自分も食ってみたいと興味を持ったことで再び繁盛。
図らずも人的ミスのおかげで、カワサキを救う激辛ブームの火付け役となった。

激辛餃子

デデデ側がフランス料理をかなぐり捨てて激辛ピザで対抗した為、カワサキが打った次の一手。
その実態は具に唐辛子を混ぜるだとかそんなレベルじゃない。


辛さ10倍と称してカラシだけをたっぷり入れて餃子の皮に包み込むという豪快な調理方法で、バラエティ番組の罰ゲームとしか思えない。
てかこれ只のカラシの塊では……。

この後にまたデデデ側が辛さ100倍の激辛ハンバーガーで対抗し、激辛争いのいたちごっこが続いた末に件のカワサキホットスペシャル開発に至る。


ゲームとの関連

ゲーム版でもカワサキホットスペシャルよりずっと前から、初代『星のカービィ』に食べると火を噴くアイテム「激辛カレーライス」が存在する。
一定時間だけ口から炎の弾を連射できるが、水に入ると一瞬で終了。
後に大乱闘スマッシュブラザーズXでも同名のアイテムとして採用された。拾ったキャラが誰であろうと火を吹いて大暴れする光景はやっぱり軽くシュール。

ちなみに初代『星のカービィ』の発売日は4月27日なのだが、カワサキホットスペシャルが登場した回の放送日も奇遇なことに初代からちょうど10周年の2002年4月27日だった。


余談

  • カワサキホットスペシャルによるカービィのリアクションは、後々クイズの回に問題として出された。
    • 内容としては意地悪問題に近く、全チームがファイアカービィと答えてしまい、ここまでの問題で全問正解していたフーム&カービィの星組は、この問題で初の不正解となってしまった。

  • フームは追い込まれたカワサキの味方ではあったものの、流石に口から火が出るようなトンチキ激辛料理を食す度胸までは無かったらしく、激辛ラーメンからカワサキホットスペシャルに至るまで自分からは手をつけない程度に距離を置いていた。
    しかし、この振る舞いが試食したブンやカービィに丸投げしているようにも見えてしまうことから、フームの問題行動として槍玉に挙げられたこともある。
    • 詳しくは本人の項目を参照してほしいが、リアルタイムで放送されていた当時のフームは(特にゲーム版ファンからの)評価が芳しくなかった為、こういった行動でも揚げ足を取られることが珍しくなかった。




追記・修正はカラシだけのギョウザを実践した人にお願いします。


出典:テレビアニメ『星のカービィ』ア・ウンエンタテインメント スタジオザイン 任天堂 ハル研究所 中部日本放送 電通
29話:2002年4月27日
(c)Nintendo/HAL Laboratoly.inc・CBC. All Rights Reserved.
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最終更新:2025年06月28日 22:55

*1 怪しい薬品を垂らしたピンクのシャーベットであり、後に判明することだが「ピンクで丸いものを食べたくなる」というご都合主義な効能によって村人達を洗脳し、最終的にカービィを本当のシャーベットに料理してしまおうと企んでいた。更に言うと開店当初からピリ辛の料理をメインディッシュとして扱っており、激辛戦争を繰り広げる前から計画していた可能性がある。

*2 火を噴きまくるカービィのセリフに耳を傾けると「辛い」という風に発音しているのが聞き取れる。

*3 ムッシュ・ゴーンの店で辛い味付けの料理にハマったボルン自身から「辛口」という注文はあった。ちなみにこの回でのカワサキのセリフから、署長が甘い物好きである事が分かる。