カワサキ特製サンドイッチ(アニメカービィ)

登録日:2014/05/27 Tue 16:21:22
更新日:2025/04/20 Sun 23:28:01
所要時間:約 4 分で読めます








じゃあおれ、「1デデン」でいい!



星のカービィシリーズでは食べ物系回復アイテムとしてのサンドイッチが登場するのだが、
この項目ではテレビアニメ版『星のカービィ』第92話「ワドルディの食文化大革命」に登場した色んな意味で有名なサンドイッチについて説明する。


概要

デデデ大王開催、ワドルディ達の精進定食に代わる新弁当の入札に参加したコックカワサキが、どんな粗悪でもお咎めなしの極限的安さを求められ料理人としてのプライドを捨てて提案した弁当。
単語だけ聞くと何の変哲もなさそうなサンドイッチだが、その価格は驚くなかれ冒頭のカワサキの発言に偽りなしの1デデン。(おそらく5円にも満たないと思われる)
このアニメには他の通貨が全く登場しない為デデンの相場が曖昧*1ではあるものの、後述の通りまともな弁当は数百デデンで競売にかけていた。にも拘らず、大雑把に原材料コミコミで1デデンのサンドイッチだと言えば、その破格っぷりが分かるというもの。

無論、こんな激安を超えた激安で普通のサンドイッチが作れるわけもなく、とても人…いや、虫の食い物とは呼べない。
何故なら……




サンドイッチの食材を透けて見える超極薄にスライスして重ね合わせるという、衝撃的かつ間違った努力の賜物なのだ。
あまりに薄すぎるため、具を重ねても普通に透ける。ここまでくるとある意味芸術的なとんでもない技術。
普通のサンドイッチを作るのに必要な材料で、大量の超極薄サンドイッチが作れるという事だから確かに1デデンと強気なのも頷ける。
これが披露されるや否やデデデとエスカルゴンは爆安コストを気に入り*2、一発合格とした程。

しかし、当然の事ながら利益は最高でも人に食わせる弁当としては最低すぎる。
もちろん現実で出されたら客は素直にキレていいレベル。

デデデ達には好感触だった一方、入札の参加者やフーム達からの評価たるや散々なもの。
タゴは「料理人として恥ずかしくない!?」と直前までカワサキと同レベルの粗悪弁当を出して争ったくせに糾弾し、サトに至っては「カワサキ、あんた必ず破産するわ」と辛辣に吐き捨てて去り、賞金と引き換えに名誉を失う格好となった。
ここまで酷評を浴びたにもかかわらず当のカワサキは反省の色もなく、もっと薄く切らなくてはという、更に間違った方向への努力を目指したのだから本当にどうしようもない……。
師匠に知れわたるとのれんを取り上げかねない代物である。もういっそのれん取り上げてくれないかな

事実、食事がコレに置き換えられたワドルディ達は食えども食えども満たされることのない飢えに襲われ続け、空腹で倒れてしまう者まで現れる惨状が広がった。
案の定、このサンドイッチが城が火事なのに食事の準備をさせる」「総解雇」「リアルタイムでアニメの作画をさせられる」「風邪を伝染そうと顔面めがけて咳される」「ツケを払う為に自販機に押し込まれて売り飛ばされる」「パワップDで凶暴化したデデデに殴られる」などの扱いを受けても怒らないワドルディ達を凶暴化させ、政権を揺るがす一大クーデターの元凶となってしまった。

クーデターが起きる寸前のシーン オコルディ*3

そしてワドルディ達は一斉に「食い物のうらみを思いしれ!」と言わんばかりにキレてデデデとエスカルゴンを襲撃。助けを求められたカスタマーサービスはシェフ魔獣を投入したのだった。

「この世で何が恐ろしいと言って? 食い物の恨みほど恐ろしいものはありません。


サンドイッチ誕生までに提案された弁当

デデデ側が最も重視した条件を踏まえて読むと、どんどん貧相に(そして粗悪に)グレードダウンしていく過程がいたたまれない。

  • サトチーム*4
弁当 価格(デデン) 備考
栄養たっぷりのステーキ弁当 300 最初に提案された弁当。
メインのステーキに加えてサラダと煮物も付いており、味も栄養もコスパも文句なしだったがあっさりボツに。
地鶏炊き込みご飯定食 190 こちらも栄養を落とさずコストを下げたもののボツ。鶏どこにいるんだろう?
肉野菜炒め弁当 90 他のキャラの台詞と重なり聞きとり辛い。
さすがにこれ以上は味と栄養面で限界になり提案できなくなる。

参加者で一番まともだったが、苦言を聞き入れずもっと安い弁当を要求するデデデと、酷い案を出し始めたカワサキ&タゴに呆れて辞退。

  • タゴ
弁当 価格(デデン) 備考
パスタ付き豪華ハンバーグ弁当 200 上記のステーキ弁当に負けず劣らずのボリュームであちらより100デデン安かったがこれもボツ。
カレー弁当 150 -
おにぎり弁当 60 -
梅干しミニ弁当(賞味期限切れ) 9 コンビニでこんなもん平気で売ってたら営業停止されかねない。せいぜいタゴが自分で食うしか無かろう…
ここからカワサキに負けじと同レベルの代物を出し始める。
さらさらお粥にたくあん1切れ 5 -

途中からこんな酷いもの出しておきながら後でカワサキを糾弾した。コンビニの店長として恥ずかしくない!?

  • コックカワサキ
弁当 価格(デデン) 備考
レン牧場直輸入コレステロールたっぷりのラムステーキ定食 500 直前のタゴより値上げしたため、当然ボツ。……というか、この時点で栄養面もコスト面も味も普通に弁当として不合格だろう。
どうやらレン村長はを食用としてカワサキの店に提供している様子。提供するの嫌にならないか?
屠殺されかける描写はあったが、やはり食用だったか…
焼きそば弁当 100 -
タコス弁当 50 -
古い油で炒めた野菜くず弁当 10 ここから賞金欲しさに料理人のプライドをかなぐり捨てる。脳内の賞金とプライドの天秤が壊れ、それまでの弁当を床に落とす醜態は目も当てられない。
こんなもん提供されたら普通に告発できる。
水同然に薄めたコーンスープとパンのセット 6 -
サンドイッチ(ただしたった一切れ) 1 超 極 薄
それぞれの厚さが60cm程のハムと20cm程の食パンを一万食分使える程に薄切りにして使い倒す至高……否、至狂の一品

まず味の方は大丈夫なのかというツッコミはさておき、途中まではまだマシだったが…。


余談

  • デデデがこのサンドイッチを気に入ったのは、今まで「口が無いから食費なんてかからないだろう」と思い込んで雇ったワドルディ達の口が発覚したことも理由の一つである。*5
    自分とワドルディ達とで雲泥の差がある食事環境*6に耐え切れなかったことも合わさり、元の豪華な食事を取り戻そうとコストカットを目下最大の急務としていたため、限りなく譲歩された6デデンや5デデンの弁当でも受け付けなかったのである。
    • 実際問題、ワドルディ達の人数は少なく見積もっても1000をゆうに超えており、デデデにしてみれば超極薄サンドイッチの爆誕はまさに願ったり叶ったりだろう。
    • この人数で高級な精進料理を食べていたから勿論費用は半端ではない。ワドルディ達に提供していたのは誰か不明だが、味と栄養だけでなく値段も考慮すべきだったのでは…

  • ただでさえ超極薄の癖に、ワドルディ達に支給された時はこれが一日2回だけ、おやつも夜食も禁止という拷問のような制限付きだった。一応水はおかわり自由だったが、普通なら数日で餓死者か復讐者が続出するレベルである。いや復讐者が出たのは上述の経緯の通りである。

  • ジュニア空想科学読本13」ではカワサキのサンドイッチの薄さについて科学的に考察しており、それによれば食パンとハムの厚さは0.012ミリメートル、サンドイッチは0.081グラム・0.182キロカロリーという結果が出ている。
    なお、デデデが発した「栄養なんぞ要らん」だけ切り抜いて「世紀の大暴言」と大げさな表現をしていた。もっと酷い暴言の宝庫なのに。*7


  • 後に、海外で本当に具とパンが極薄のサンドイッチを作るシェフがそのクオリティで有名になった。気になった人は動画で見てみよう。きちんと味がするのかどうかはさておき

  • 実はディズニー作品『ミッキーのジャックと豆の木』でも超極薄サンドイッチが登場する。主人公のミッキー、ドナルド、グーフィーの三人は非常に貧しい暮らしをしており、サンドイッチを薄く切り分けて食いつなぐ極限の食生活を送っていた。
    • もちろん、他人に食の制限を強要したデデデやカワサキと一緒にしてはいけない。



追記・修正は1日2食、超極薄サンドイッチのみで頑張りながらお願いします。


画像出典:『星のカービィ』CBC制作、TBS系列放送
(c)Nintendo/HAL Laboratoly.inc.・CBC All Rights Reserved.
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最終更新:2025年04月20日 23:28

*1 アニカビ放映当時の現実での類似品目で換算するといくらなんでも一定していない描写同士が混在している、というのもある。マトモな弁当よりハードカバーの本が安価なので…

*2 ちなみに披露される前も全貌を見ないうちから値段だけ聞いて即決で採用しようとしていた。

*3 資料では「怒りのワドルディ」

*4 サトやハナを中心とした村の主婦たち

*5 実験としてデデデ達が頬の間に差し出した煎餅を、すり抜けるように吸い込み咀嚼した。この驚愕の事実にはデデデも「謎ぞい?不思議ぞい?怖いぞい!!」と怯えた。

*6 デデデ自身の食事はカップラーメン。それ以前にもホットドック・タコス・ハンバーガーのローテーションで済ませられていた

*7 展開時期を考えると柳田が本編フル版を確認せずに執筆した可能性もなくはないが(当時はソフト版の再発売よりも前)、おそらく担当編集の方の近藤氏や藤嶋先生・きっか先生の両イラストレーターさんが過激さを理由に掲載するのそのものを制止したと思われる

*8 村の男性陣に調理法を教えたが、途中で全員帰ってしまった

*9 デデデが試食したが、食べた瞬間激怒してカワサキを(文字通り)城から放り出した

*10 フォークに付いた一滴を舐めただけで発火してしまう代物