デデデ大王(メディアミックス)

登録日:2020/11/10 Tue 23:37:25
更新日:2024/04/08 Mon 11:07:53
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この項目では、漫画・アニメ・小説等における各メディアミックスのデデデ大王のキャラクター等について解説する。
ちなみに漫画版・アニメ版に共通する弱点はお化け


●目次


漫画版のデデデ大王

『星のカービィ』の漫画はとにかく作品数が多い。それに合わせてデデデ大王のキャラ付けも各作品で微妙に異なっている。
一部の例外を除くと、一人称に「オレ様」を使用し、カービィと一緒の時はツッコミ役、カービィがいない時はボケに回る傾向がいくつかの作品で見られる。

流石に数が多すぎるため、特に有名であろう以下の三作品を中心に述べる。

ちなみに『さくま良子先生版カービィ』と『デデデでプププなものがたり』、『も~れつプププアワー!』、『まんぷくプププファンタジー』で共通している弱点はお化け


さくま良子版

ポピーブロスJr.(関西弁)とワドルディ(無口)を部下にしている。
トラブルメーカーでもあるカービィを邪魔者扱いしており、絡まれるたびに難色を示したり、何かしらのイタズラで意地悪したりするが、大抵オチでろくな目に遭わない。
ただ、大事な指輪をカービィが誤って飲み込んでしまった時はショックのあまりヤバイ顔でノコギリや剣などの刃物を大量に持ち出して解体しようとしたことも。(幸い未遂で終わった)
一方でカービィに大声で罵倒し、直後に泣かれてしまった上に家を出て行ってしまったと思った時には自身も泣きながら「戻ってきてくれよ」と大声で詫びた事もあった(実際にはカービィはハマグリに当たってトイレに行っていただけだったが)。

単行本「ぷぷぷスペシャルコレクション」に収録されている4コマ漫画「デデデ大王の逆襲」では、ラスボス会議に出席していた歴代ラスボス*1に名前を忘れられている上に、ナイトメアウィザードからは『丸いやつに負けた上に丸いやつの手下になったボス』と見なされている。
デデデ『なってないっ!!』

デデデでプププなものがたり

漫画版の中では恐らくもっとも有名であろうデデデ大王。語尾に「~デ」をつけて喋る姿はお馴染み。初期では「〜やデ」等関西弁気味なところがあった。
こっちではポピーブロスSr.が部下。普通の口調。忠実な側近だが、内心思う所があるのか「うちでの大ハンマー」*2で自分を叩くようデデデに頼まれた時には「こんな機会一生無い」と思いっ切りぶっ叩いていた。一応デデデにクビを言い渡された時には深く落ち込み信頼を取り戻そうとするなど忠誠心はある様子。

たまに一人称が「わし」になったりするなど、おじさん臭い発言や趣味がところどころに垣間見られる。時代劇が好き。更に若い頃は役者を目指したり、ボーイスカウトに所属したりしていたらしい。ポピー「若い頃あったんですね」
原作に比べて何かと人間に近い体型となっている。…そして、いい歳なのか腹がたるんでいる。
ホバリングする時は手足を収納した「フグモード」になる*3本当に胸鰭と尾鰭を生やして泳ぐことも可能。このフグモード、他にも斜面を滑降したり、カービィによってカッターブーメランの代わりとして使われたりと出番が多い。
初期は吸い込みも使用しており、それでカービィが作ったドリンクを飲んだ際には何故か体が赤ん坊になってしまったことも。
同じく初期のみの能力として、ハンマーで地面を叩いた時に出てきた星が部下キャラになるというものがあった。劇中の描写を見る限り、新しいキャラを生み出しているのではなく、星を媒体にしてどこかから呼び出してるらしい*4
途轍もない凶運の持ち主で、占い師曰く、普通の人が良い運と悪い運がおおよそ半々なのに対し、デデデは9割方が悪い運らしい
これに関係があるのかは不明だが、よく転ぶ。バナナの皮で足を滑らせる、階段を踏み外す、ギャグに呆れてひっくり返る……等々。一度など転んだ回数なら世界一を狙えるという趣旨の発言をしたこともある。

カービィと同じぐらいのワガママで、連載初期は完全に悪役だったが、*5次第にやられ役になっていった。
当初はゲーム同様の自称王様であったが、途中から本当に王様のような扱いとなっている。
だが、アニメ程ではないが住民からはあまり尊敬されておらず、すぐに怒る、不親切、大王としての威厳が無い、愛嬌が無い、などと仮にも王様とは思えない散々な言われっぷり。そのせいでキャンバスから飛び出した落書きの自分達に人気を横取り、挙句反乱される始末である
また、度々顔をネタにした発言も目立つ(「くちびるオバケ」「短足、足が臭そう」「醜い顔」「つぶれたアンパン」「間抜けな顔」「情けない顔」)。

カービィの頭の悪さを馬鹿にすることが多いが、自分自身も同レベルの頭の悪さであり、カービィと大差ない。但し、カービィを陥れる悪知恵等は豊富で、また雑学などの知識にはそれなりに富んだ面もあり、他にも料理、野菜の栽培、キャンプやサバイバル術*6、携帯メールの早打ちが得意だったりと多芸な面も見られる。このあたりはアニメ版も同様。

仮にも王様であるにも関わらず常に金欠のようで、月々の小遣いが1500円になったこともある他、度々その貧乏ぶりを言及されている。まあ原因の大半が贅沢や通販の無駄遣いであるが。
そのせいなのか、金の亡者な一面も持ち合わせ、財テクと称して国中から消しゴムを買い占め価格を釣り上げたこともあった。今見ると完全に国ぐるみの転売である。
(その時は結局、欲張って売るのを先延ばしした結果ブームの収束で価値が無くなった消しゴムの在庫を大量に抱える羽目に陥った)
自業自得で終わるケースもあるが、知名度も合わせて「カービィやその他の面々によって最後は酷い目に遭い、最悪城を破壊される」という黄金期の漫画カービィの鉄板オチを打ち立てた功労者といってもいい。……それが本人にとって名誉なのかどうかは知らないが。

なお彼の城が例え全壊しようとも、次の回では必ず元通りになっているのは作中でも怪奇現象の一つとしてネタにされたことがある。
同エピソードにて怪奇現象として取り上げられたカービィの腹の中の謎はデデデとポピーが調査、報告するも信じてもらえず未解決として封印、デデデの帽子の中の謎は衝撃的すぎてリストから抹消された。

そして、彼の特徴の最たるものがその不死である。
首を折られたり刎ねられたりしようが、氷漬けになった上に粉々に砕けようが、全身黒焦げになろうが、顔面を切り落とされようが、大爆発に巻き込まれようが、雪崩や落盤に巻き込まれようが、顔面を切り刻まれ頭部を強打しタイヤで轢かれた後思い切り開けられたドアと壁に挟まれた挙げ句カービィの大音量マイクを密室で聞かされようが死なない
その生命力たるや、幽霊キャラをして「ゾンビより不死身」と言わしめた程。とある事情で自殺を図った*7際には、幾ら自分の頭を殴っても死ぬ気配が全く無く、やむを得ず魔法で魂を抜いてもらった。
その割に、ハンマーで一発殴られたくらいで臨死体験することもあるが……。
*8

2022年に連載開始したコロコロオンライン版では相変わらずツッコミ役としての役割は引き継いでいるものの、オチ担当要員としては殆ど卒業している。
というのも、「傍迷惑なカービィ」「可哀想なデデデ」の組み合わせで笑いを誘うというのがあまり時代にそぐわなくなってきたためか作風がやや様変わりしており、
カービィのマイペースさは相変わらずなものの、笑いの取り方がマイペース過ぎて変なこだわりを持ったカービィが独り相撲を取ってその様を周りのキャラがツッコむというシュールギャグ寄りのスタイルに変わったため、
デデデ自身も外野から冷静なツッコミを入れる程度になっており、コロコロ本誌時代以上に常識人的な側面が強くなっている。


も~れつプププアワー!

なんと関西弁で喋るという独特のキャラ付け。さくま版で部下が関西弁だったのとは対照的である。こちらでは「わがはい」という一人称を使っている。
連載開始当初はそれまでひかわ版のデデデに慣れきっていた読者達を驚かせた。
アニメ寄りの嫌味な奴になっており、どちらかと言うと常識人・ツッコミポジションなのだが、カービィに対するツッコミの仕方はバイオレンス。
上二つの作品と違い、たまにバトルシーンもあるためかギャグ漫画でありながら「本気で戦うデデデ」の勇姿も見られる。
主な部下はヘビーナイトやバッティー。連載開始が『参上!ドロッチェ団』に近かったからだろう。


テレビアニメ版のデデデ大王

プププランドの大王として第一話から登場。
全編通して皆勤賞であり、本作の狂言回し、そしてもう一人の主役と言える存在。
CV:緒方賢一
ゲームとのキャラクター性の違いや公式の二人称から、作中人物から及びファン間での愛称は「デデデ陛下」または単に「陛下」。屁以下陛下と敬称を付けられるキャラクターの中でもトップクラスに威厳のないキャラクターだろう。
語尾に「~ぞい」をつけて喋る。ファンの間では一部例外を除き「〜ZOY」と表記されることが多い。

人物像

傍若無人、意地悪、強欲、傲慢、放漫、無神経、浅慮、気まぐれ、そしてバカを絵に描いたような男。
おつむはどれほど弱いのかというと、1+1すらわからないほどで、有名小説家のサインも読めずカタログ番号を間違えるなど識字能力も怪しく、皆無にも見える。*9
そのせいかホーリーナイトメア社の魔獣代金1億デデンから2億デデンの値上げを安いと言ってしまう始末*10
そのナイトメア社の会長、ナイトメアも後述のようにフーム辺りの対処を怠るなど散々なバカっぷりを発揮しているのだが
ただし悪知恵は人一倍頭が回る。自身の思いつきを村人ら周囲に口八丁で納得させようとする時は、政治的・文化的教養を覗かせる発言もあり、無駄知識レベルの雑学にも明るいと思われる。
単に住民のキャビィも騙されやすいアホ共だらけなのもあるが。

金銭面にはかなりだらしなく、ナイトメア社には億や兆どころでは済まないレベルの莫大な借金を抱えながらも、積極的に支払う気は一切ない。
彼のツケっぷりにはナイトメア社も手を焼いており*11フーム辺りの対処を差し置いて、ある時はデデデが苦手な幽霊型の借金取りを送り込み、またある時は優秀なホームヘルパーロボットにへそくりの宝石を盗ませていた。

ボスキャラとして出番が多いゲームのデデデと違って、力持ちではあるが身体能力は基本的にオッサン寄り。
根本から戦闘センスが皆無のため、ハンマー以外の得物として長剣を握った時はあっさり弾き飛ばされた。その他、武器としてではないがとある回のせいで妙にチェーンソーのイメージも強い。
戦闘はもっぱら魔獣任せで、どうしても自分が戦う際は装甲車・デデデカーや機械頼りとなる。
フグのように膨らんで空を飛ぶこともできないが、後述のようにブクブクに膨れ上がるデブ化はしたことがある。とは言え、それでも身体能力は主要人物の中ではカービィやメタナイトに次ぐレベルである。
また、デビルフロッグに憑依されても理性を保てていたあたり、原作や小説版よりは操られるのに耐性はあるようだ。
オクタコンやナイトメアの洗脳はダメだったが。どうも油断していると完全に操られるタイプらしい。

作中ではさらっと流されていたが、オムツを着用しているらしい。
エスカルゴンを「ジジイ」とのたまう陛下のこと、デデデもそれなりに歳が行っているはずなので恐らく老人用のオムツと思われる。そうだと信じたい。

権力者として

単にわがままなだけで根は善良なゲーム版や他の漫画版と違い、自らを「絶対独裁者」と称するほど本当にしょうもない独裁者であり、とことん自分だけを見ている、おつむの足りない自己中快楽主義者。
エスカルゴンから「人でなしのサディスト」と呼ばれるように他人が悶え苦しむ様を愉しむことを好み、他人が本気で悶え苦しんでいても冗談や演技だと思ってスルーしてしまうタイプ。
いわば他人にプロレスごっこと称して、相手の反応を見ずに延々間接技でもかけ続けている小学生のような、他人への配慮が全く無い。
それ故に周囲や村人へ迷惑をかけている罪悪感は皆無であり、指摘されるまで悪事とすら思っていなかった事もあった。
気に入らないことがあると口癖のように「極刑ぞい!」と口にする姿も散見される。*12
自然に満ちたププビレッジに住んでいながら環境保護意識は無きに等しく、後述のゴルフ場をはじめとして幾度も自身のエゴで大規模な環境破壊を行っている。
自身の権威を知らしめつつ都合の良い情報を流すために「チャンネルDDD」なる国営テレビ局を開設・運営しているという側面も持つ。

ただ、アホすぎて善悪の区別がついてないので、自分本位で動いた結果村民にも喜ばれる設備を生み出すことは度々あり、稀に思い立ったように善行を働くこともある。
その数少ない善行の象徴とも言えるのが村の公園。世界の滅びを前に「村人(とカービィ)が喜ぶこと」として急ごしらえで作って以来、その後のエピソードでも取り壊される事なく残されている。
ただし、日頃の行いが行いだからか良いことをした時でさえ最後は悲惨な目に遭うことが多いし、公園の件が「唯一の善行」としてクイズに取り上げられても周囲の全員から「デデデは善行したためしがない」と言われる始末。

また大王を名乗ってはいるものの、例によって自称であり、由緒ある血筋であるという証拠は全く無い。
つまりは余所から勝手にやって来て、勝手に居座り、勝手に大王を名乗っているだけのただの物好きな金持ちである節も作中で散見される。(キャピィ族は一度ププビレッジ周辺を追い出された後戻ってきた歴史があるが、この追い出したのがデデデもしくはその先祖なのかは不明)


趣味

面白いもの好きの道楽者、かつ飽きっぽい気質もある。税金を投じながらも城の一室で使われないままの巨大な天体望遠鏡が良い例。
一時のブームに流されやすい所はあるが、基本は己がブームを仕掛けて村人を踊らせる側である。
ナイトメア社と契約して魔獣販売サービスを利用しているのも、危険なモンスターである魔獣を便利な道具兼退屈しのぎのオモチャとしか思っていないようで、たびたびしょうもない理由で購入しては悪だくみを働く。
それだけならまだしも、送り込まれた魔獣やナイトメア製商品を結局扱いきれず、自らが被害を被る事も多い。

ゴルフ好きという一面もあり、中庭でハンマーをゴルフクラブ代わりにして遊ぶほど。曰く「アイアンよりハンマーの方が良い」とのこと。よくそれで打てるな
それが行き過ぎてウィスピーウッズの森を切り倒し、自分専用のゴルフ場「デデデロイヤルカントリークラブ」を作ろうとあの手この手で何度か企んだが、成功したのは最初の一回のみで*13、後は全て未遂に終わっている。

周囲との主な関係

  • ププビレッジの村人達
一応は大王を名乗るだけあり、村人たちにも「陛下」と呼ばれている。
…が、実際には全くといっていいほど尊敬されておらず、危険なスナック菓子でブクブクに太ってしまう、料理番組の生放送で顔面にパイを食らった等の時は容赦なく皆から笑い者にされている。また、デデデが一時期姿を消していたときは借りにも国王なのにもかかわらず「死んだんじゃないの〜?」「このまま永遠にいなけりゃ静かでいいじゃありませんか?」と厄介者が居なくなって清々した旨の発言をされてしまっている。というより、悪事が失敗に終わった後のオチで酷い目に遭っては村人達から笑い者にされて終了、という流れが多い。
…まあ毎回のようにデデデの口車に乗って、時には仲良く問題行動に走る彼らも大概ではあるが。

「陛下」と呼ばれる件については、デデデはゲリラ的にププビレッジにやってくる為、呼び捨てにする所を聞かれて不味いことにならないよう陛下呼びしている可能性も否定出来ないし、メーベルからは呼び捨ての為、皮肉を込めての敬称の可能性もある。(メーベルはむしろ言いたいことをズバズバ言うタイプだし)
また、どこぞのテレスクリーンと違いデデデ製テレビの監視用カメラは視聴率集計の目的でしか使われていないことと、見ていない所はスイッチを切っていることから、「監視されているから陛下と呼ばなきゃ処刑される」という訳でもない様子。

当然デデデ側も民を慈しむ心などほとんど持ち合わせておらず、公然と「愚かな人民共」「貧しき人民共」と呼んで見下している。

  • カービィ
カービィのことは彼が第一話で魔獣を倒して以来、一方的に敵視し続けている。特に番組初期は度々カービィを追い出そうと策謀を巡らせることが多かった。
話の流れで魔獣を送り込んでは倒そうと目論むが、殆どは倒されて失敗に終わっている。
一方、心の底ではカービィを良きライバルとして認識しているようで、カービィの葬式(本当は村人が仕掛けたドッキリ)では本気で大泣きした挙げ句に自分が騙されていたことを知った後ですらそのことへの怒りよりもカービィが生きていたことへの喜びを見せたり、ペンギー一族によってプププランドがピンチに陥った際はカービィと息の合った連携プレーをしたり。

一番の側近であるが故にいつもこき使っており、悪質なイタズラを仕掛け続けたせいで日頃の恨みを晴らす逆襲に遭うこともある。
しかし、悪い面ばかりでもない憎めないバカであるためか、エスカルゴンはデデデに悪態をつきつつも従っている。
車の運転は基本的には彼に一任しているらしく、エスカルゴンが不在もしくは運転出来ない状態の時のみデデデが自分で運転している模様。

…というか、むしろデキてる疑惑もあり、「永遠に離れないと誓ったあの夜をお忘れでゲスか!?」と言ったり、OPの替え歌で「愛してるよ陛下〜♪」と歌ったりと、過去にナニかあったらしい。ちなみに前者の件は案の定忘れ去られ「我が身大事ぞい!」ときっぱり言われている。

エスカルゴンと同様にこき使っているが、一宿一飯の恩義からどんな思い付きにも文句一つ言わずに付き合い、主のピンチを救う働き者達。
ただし限度というものはあり、命令であってもプレゼントをデデデに送ることは拒否している。…その割にはカービィの無実を晴らす事の妨害や、カワサキ憎悪の旗を立てる事は平気で行っている。デデデに物をあげることは嫌なのかもしれない。
だが、デデデの不正工作に加担しておきながら不正が発覚すると手のひらを返して制裁を加える等根っこの方は「愚かな人民」である村人達と大差ない描写も散見されている。
デデデが彼らを雇ったのは口が見当たらないから食事代なんてかからないだろうという安易な考えによるものだったが、実際は普通に物を食べる事*14ができ、食事環境が劣悪すぎるとクーデターを起こす。

いつでもカービィに味方して自分の悪事を妨害し、何かある毎に語気強く「デデデ!」などと呼び捨てにしてくることもあってかフームのことは邪魔者と認識している。
星のフームたん回では(オタキングが自分を題材にアニメを描いてるかもと言った)フームに対して「醜い少女はアニメヒロインにはなれんZOY★」などとデリカシーもへったくれもなく言い放つ辺り、彼女に可愛げや魅力を全く感じてもいない様子。
フーム側も、デデデが悪事を働いて人々を巻き込んだり、カービィを虐げようとしたりすることもあって強い敵意を返しているのでもはや犬猿の仲。
デデデの突発的な気まぐれにはまず乗らないし(普段乗らない反動か、魔獣に洗脳された際には洗脳された村人たちやブン以上に暴れていた)、プププランドに異常気象が起きたらデデデの仕業だろうと食ってかかるぐらい。*15
悪だくみをしていない時ですら疑われるのは哀れだが、普段のデデデの行動を考えると、真っ先に怪しまれるのも仕方無い部分はある。
ただ、非常に身勝手なデデデの行いにガチギレすることはあるものの、機会があるならまともな王様として更生させたい思いはあるようで、前述のニセ葬式も彼を本気で反省させるために仕組んだものである。

弟のブンについては姉と概ね同じ認識・対応だが、内面が同じお子様レベルゆえにか歯医者からの逃げ道を見つけた際は一緒になって喜んだことも。
他の住民達ほどではないもののデデデの悪だくみには乗せられやすい。

「現役を引退した安く雇える老いぼれの元戦士」というメチャクチャ失礼な印象を抱き、二人の従者ともども部下に迎え入れて現在に至るが、
その実彼らは本気で大王に従ってなどいない。
デデデの車を坂道で蹴落とすのは序の口、デデデが呼び出した魔獣との戦いで平然とカービィに助言・助太刀するのも当たり前。
しかも終盤で分かることだが国家予算を横領して戦艦ハルバードを秘密裏に建造していたのだから、もはや忠臣と呼べるかさえ疑わしい。
それだけ何度もカービィの利になる=デデデの不興を買う行動ばかりしているのに、全くクビにしない辺りはある意味で懐が深い……かも。忘れっぽいだけかもしれんが
なお戦力として見た場合、作劇的な事情もあるとはいえ割と評価は正しかったりする。

魔獣の商人としてのみに留まらず、言えば何でも用意してくれる便利屋と認識している節がある。
当のカスタマーやナイトメアからみれば会社的に得意先ではあるが、顧客としてはあまりのアホっぷりにつけ込み口八丁のセールストークで高い買い物をさせたり、カービィ狙いの爆撃に平然と巻き込んだりで完全にナメきっている。
尤も、デデデからは借金を始めとして、誰も読まなくなった新聞の山や城のゴミを大量に送りつけられる、チャンネルを電波ジャックされる等々の被害も受けているので、正直お互い様といったところ。

  • パーム大臣
大臣とは言いつつも実質的なNo.2がエスカルゴンである為、具体的に彼に何を任せているかは不明(海外版では国務大臣とされている)。
弱気そうに見えてデデデをのらりくらりとやり過ごすしたたかさを持ち、時には娘のフームからの忠告を受けて出し抜くような動きを見せる彼をどう思っているかもイマイチ分かりづらい。
一応、デデデからは「良識者」と評価されている面もあり、城内の上等な部屋に一家全員を住まわせ、地下牢の隣にワインセラーを置くことを許すぐらいの優遇はしている模様。
ペンギー一族襲来の際、フームがデデデを助けたのは親の雇い主があのザマだと困るからと考えた可能性も否定出来ない。
…が、「どうせ陛下の気まぐれだから」と分かっていながら自分からデデデの口車に乗るのはどうなのか(一応「陛下の部下だから」と言ってはいるが)。

余談

  • ゲームの彼からして元々そうなのだが、本編以前の過去には謎が多い。
    • 実は幼少期に何かトラウマがあったらしく、それにより注意力が散漫になったという(83話のチップ先生の台詞より。そのトラウマの詳細は不明。また誤解されがちだが、それが原因で頭が悪くなったとは言われていない)。
      デデデが心底震えるほど怖いものとしては幽霊が挙げられるものの、関連性は明かされていない。
    • 更に、8話ではまるで数百年も生きていたかのような台詞が飛び出していた。
      まず作中世界の一般的な平均寿命がどれ程なのか*16という疑問もあるが、仮に人間と同程度の平均寿命だとしたらとんでもなく長生きな種族と言える。
      ……まあププビレッジの中ではメタナイトという最高齢のおじいちゃんがいるわけだが。

  • 作中では中の人の演技も手伝って、やけに印象の残る迷ゼリフ、問題発言がかなり多い。以下にその中から幾つかリストアップ。


小説版のデデデ大王

レギュラーキャラとして毎回登場。
一人称は「オレ様」。時折語尾に「~わい」とつける。
ちなみにゲーム版の彼がそうであったように敵に操られる耐性が全く無い(第414弾)。

人物像(小説版)

その性格を簡単に言い表すなら「(ゲーム+アニメ)÷2=これ」。
ゲーム版の食いしん坊と怪力に、アニメ版の自己中心的で怒りっぽい独裁者気質を足して2で割った人物と化した、本作のもう一人の問題児
初期はアニメの方が強いが巻数を重ねるにつれ、ゲーム側で薄められていくような感覚である。

自己顕示欲が強く、目立ちたがりで、いつも偉そうに振舞うワガママで捻くれ者な王様。
プププランド中に「デデデ山」や「デデデ湖」など自分の名前を冠した地名を付けているのだが、
住民は皆その名前を使っていない*17し、そもそも「自称」大王のデデデを誰も王様とは認めていない。故に他のメディアミックス同様、求心力は皆無。
が、知ってか知らずか当人はワドルディ以外にもプププランドの住民を勝手に子分扱いしており、自分が大王扱いされないとカンカンに腹を立てるため、そんなデデデのペースに周囲は仕方なく合わせている。
しかも捻くれ者が高じてか、周囲を目下に見てる証拠として「デデデ城は友達禁止」とまで宣言したことまであった(第6弾)。

ちなみにどれぐらい偉そうにするのかと言うと、自称の立場もわきまえず、他国の王様相手に無礼な口をきく程
たまたま心優しい王様だったから良いようなものの、相手が悪けりゃ投獄モンである。

カービィのことを一方的にライバル視しており、自分の城に入れたがらないほど嫌っている。そのせいでワドルディも初期は、彼の前でカービィと友達関係にあることを伏せていた。
ぶっちゃけ人の話の聞かなさと食欲ではどっちもどっちなのだが。
しかし、似たもの同士ゆえに気が合うことも度々あり、カービィが城を訪れてもあまり邪険にしない時がある等、割と険悪な関係ではない。
後発の作品ではカービィへの対応も多少マイルドになってきており、ワドルディの事をカービィが心配して手伝っても「なんで着いてくるんだ」と言うだけでガチギレする程ではなくなってきている。

ただ、カービィと違い、食欲以外の欲望(ワドルディ曰く「偉くなりたいとか、人望が欲しいとか」)もあるためか、その欲望を増強するガリックの洗脳にはあっさりやられる。*18

ゲーム版、アニメ版同様に根っこの部分は良い奴。ワドルディ曰く「情に厚い部分はある」。
本人が素直じゃない性格のために、恩着せがましかったり、ストレートに表現しようとしない(できない)ことも多いが、例え大ゲンカした相手であっても病気と知れば見舞いに行くなど、面倒見も良い方だったりする(第18弾)。

打算的思考

本シリーズにおけるデデデの特徴その一。

シリーズ初期によく見られる傾向だが、こちら側のデデデは他人の困りごとに対して「自分が得を出来るかどうか」の損得勘定を強くプラスしており、
自分の利益に結び付かない、タダ働きでしかないと判断した案件には冷たく、自ら関わろうとする気が無い。
「他国の姫を助ければたっぷりお礼が貰える」や「アンチキショウの友達は金持ちで気前がいいから助けたらごちそうくれるかも、行かないならごちそうはカービィが独り占め」といった食い物関係のお礼だと尚更。しかも後者は嘘だったため実質タダ働きである。

そんな訳で、人助けの裏にはたいてい自分の利得や見返りありきの下心を伴った動機が多く見られる。
ゲーム版のような映画ジャイアン的正義感や、アニメ版のような時折見せる心からの善意*19を期待すると大いにガッカリさせられるかも。
もっとも、損得で動いた結果某がめつい太眉ガニ股ポリスマンのように損をする方が多いのだが
とはいえ、利害さえ一致すれば、腕っ節の強さでこの上なく頼もしい味方にもなる。
その逆もまた然り、大事な時に思わぬ障害として邪魔をすることも有りうる。が、結果的には彼の建てた行き当たりばったりな作戦が成功することも。
事実、本気を出した時のパワーはカービィ、メタナイトの両名にも決して引けを取らないほど。
二人もその事は十分承知しており、強さに関してはある程度認められている様子。


ただし、欲の皮が張りやすいのは事実だが、本来はカービィ同様に打算抜きの正義感も宿している。
単純に事の成り行きだったり、のっぴきならない危機が迫っていたり、手を付けられなくなったメタナイト関係の場合は利得や見返りなしで自分から協力し、いざとなれば危険な敵に立ち向かうことも厭わない。
コック行方不明事件では黒幕の独りよがりなご高説に共感を示さなかったり、魔神官が狂乱して三魔官を道具のように振り回した時は部下を持つ身として怒りをあらわにしたり、人並みの真っ当な倫理観はしっかり持ち合わせている。
完全な別世界となるダイヤモンド・タウンのデデデも同様で、当初は賞金目当てに歯車を捜索していたが、支配者のフーゴーが住民を犠牲に私欲を叶えようとしているのを知ってからは陰謀を阻止せんと立ち上がっている。

観察眼

本シリーズにおけるデデデの特徴その二。

やや難のある性格に反して、実は人を見る目は確かに優れている。
本人の気質も手伝って積極的に披露されることはそこまで多くないが、彼の人物評からは周囲をどう思っているかがうかがい知れる。
時には把握している人物像をもとに推理力を働かせ、それが問題を進展させる一押しになることもある。

数人を例に挙げても……

料理人として正しく評価を置き、自身も彼の料理を気に入っているので他人の料理との違いはすぐに分かる。
彼を含むコック達が行方不明となった時にはこれが事件解決の糸口となった(第1弾)。

  • ワドルディ
普段はワガママに振り回してばかりだが、彼の働きぶりはよく見ており、それ故に大事な部下として重宝している。
なので、赤の他人にワドルディを貶されれば一気に機嫌を損ねる。
また最も信頼する存在故かバンダナワドルディ(=最初からいた個体)の言動や人柄は誰よりも把握していると思われ、とある事情からバンダナだけ付け替えて成り替わった別のワドルディを色んな意味で無茶なほど大量の食事を要求したときの反応から見破ったことも(第12弾)*20

「卑怯なマネだけはしない」と、義賊として良い評価を出している(第4弾)。
所詮は泥棒などと一括りにせず、こうした評が出てくる辺りは流石というべきか。

  • メタナイト
デデデが一番性格を把握していると言っても過言ではない人物。
「正義の剣士」「仮面が割れたぐらいでへこたれるような弱虫じゃない」と信頼を置く(第4弾)一方、「頭の良さそうなふりをしてるが、実はバカなのだ。暴走し始めると、周りが見えなくなるんだわい」と、強さを追求し過ぎて視野狭窄に陥りやすい本質も見抜いている。
更には彼が失踪した時も、メタナイツから事のいきさつを聞いた上で「同じ失敗を繰り返さないよう、自分をきたえ直すに決まってる」と推理した結果、本当にその通りの行動を取っていたなど見事に的中させたこともある(第8弾)。
不思議な流れ星の力にあてられた時は自覚がないまま、逆にメタナイトが流れ星の力に呑まれているのではないかと疑ってしまったが(第19弾)、色々あって誤解が解けた後はそこから互いの理解をより深めることになった。

このように、自己中な態度の裏では周囲の人となりをちゃんと観察していることがうかがえ、ただ強欲で騙されやすいだけの馬鹿では決してない。

余談(小説版)

  • 観察眼以外にも意外な一面を持っており、チェスの腕前が強かったり(第7弾。ゲーム中でもチェスはしてるが試合中に襲撃された)、なぜか女装用のドレスや化粧品を城に隠し持ったりしている(第1弾、本人曰く何があっても慌てないように準備してあるとのこと)。

  • 今でこそゲームに比較的近い「根は良い奴」のキャラクターとなっているが、これは巻数を重ねるにつれて欲張りなだけじゃない多様な面が描かれていき、相対的にマイルドに調整された結果でもある。
    • なんせ開始当初は「欲張り、ワガママ、打算的、そして自己中」という、決して万人ウケすると言えないとっつきづらい人物像が前面に出ており、原作との人物像乖離が最も大きいキャラとなってしまったのだ。
      それ故、ゲーム版のデデデに慣れた一部のファンからは難色を示され、批判点に挙げられることも無いわけではなかった。
      最初から独立した世界観・設定が前置きされたアニメ版と違い、本シリーズが原作のゲーム版を下地にしていたのも悪目立ちに拍車をかけていた。
    • ただ一応擁護しておくと、ゲーム版デデデに「良い奴」のイメージが本格的に根付き始めたのは、2000年代終盤からの熊崎信也氏がシリーズのディレクターに就任して以降(大体wii以降)の所謂熊崎作品での話であり、1990年代のシリーズ黎明期に溯ればゲームの彼も善人一色だった訳ではない。夜空の星を盗んだりとか。
      • また、そんなに悪い奴じゃないデデデのイメージを作り上げたともいうべき上記『デデププ』のデデデも、初期の頃は私欲のためにスターロッドを盗む等完全な悪役だったが、連載が進むにつれて段々と変わっていき現在のイメージへとなっていった(そもそもスターロッドを戻したこと自体私欲の為でもあるのだが)。
        カービィ作品においてデデデの性格が善人寄りにシフトしていくのはある意味、原作ゲームからメディアミックスまで広く続く王道ともいえる。
        そういう意味では、初期の人物像に基づいたキャラ付けと見れなくもなかった。

  • 性格に難のある小説版デデデだが、実は作中の限りでは初期から一貫して「悪役」として振る舞ったことは一度もない。
    環境破壊を行ったり嘘の報道で住民を洗脳したりするような、アニメ版デデデみたいに極端な悪事は行っていないどころか自分を悪と自称する事もしておらず、せいぜいカービィと(食い)意地の張り合いをする程度。
    同じ性格に問題があるデデデ同士でも、この辺がアニメの彼と一番の相違点であろう。

  • なお、プププ王国では彼は存在しないらしく、カワサキやメタナイトが同名の別人として登場する中、デデデだけは他のメンバー達が名前を聞いてもピンと来ない様子だった。




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最終更新:2024年04月08日 11:07

*1 ナイトメアウィザード、ダークマター、マルク、ゼロツー、ダークマインド、ドロッチェ、マホロア

*2 叩いた物を巨大化させることが出来るハンマー。ハンマー屋に売られていた。対に当たる「うちでの小ハンマー」というものもある

*3 恐らくFC版夢の泉の物語のホバリングのグラフィックがフグに似ていたからだろう

*4 ウィスピーウッズのみ、苗木を軽く叩くことで召喚している。

*5 そもそも夢の泉の物語発売と共に連載開始した為、原作通りスターロッドを奪う役回りとなっていた。その後「プププランドを時代劇の世界にしたい」というしょうもない理由で、願いを叶える代わりにスターロッドを返却した。リメイク版の宣伝漫画では再びスターロッドを盗んでいたが、漫画も終盤に差し掛かった時期なので普通にツッコミに走っていた。

*6 本人曰く「昔ボーイスカウトに入っていた」

*7 誤ってカービィを死なせてしまい、あの世からカービィの魂を連れ戻す為にデデデが幽霊になってあの世に赴く必要があった。

*8 本作はギャグマンガなので、他のキャラも大概不死身である。主人公であるカービィもさることながら、体を真っ二つに切られてもテープでくっ付けただけで治ったポピー等。

*9 ただしカタログ番号の件はホーリーナイトメア側の失態で間違えてボーキャックが転送されてきたという可能性もある。どちらが悪いにせよ間違いで送られてきた事には変わりないのだが。

*10 おまけにそのシーンで表示されている桁数は一桁多く、実は2億どころか20億デデンも請求している。それに気付かないことを利用したぼったくり演出か、作画ミスの可能性もあるが。

*11 侵略の為魔獣を送り込む為のデリバリーシステム、かつそもそも魔獣はノーコストでホイホイ生み出せる為代金は二の次とはいえ、表向きは企業の体となっている以上ツケにも限度というものはある。

*12 もちろん実際にそれが行われたことはなく、地下牢に置かれている骨も雰囲気を出すために作った物らしい。

*13 しかも成功したとは言っても、開会式でカービィを打ち据えようとしたらウィスピーウッズからの思わぬ反撃に遭い、ゴルフ場は再生した森に埋もれてしまった。

*14 皮膚から吸収するというなんとも不気味な食べ方をする。

*15 実際そうなのだが、二回目の異常な寒冷化に関しては上記のペンギー一族が元凶だったのでこればかりは濡れ衣である。尤もエスカルゴンが「陛下の親戚」とジョークを飛ばしていたりもしたので、一族ぐるみの悪事と考えた可能性もあるが。また、疑いが晴れた後には本性を表したペンギー達にこき使われているデデデ達を珍しく助け、共闘もした。

*16 作成秘話でも「純粋な人間が登場しない」アニメと記載されていた。

*17 元の地名を消して描いたようだ。

*18 一方のカービィは「食べること、もしくは楽しいことしか考えてない為に心に付け入る隙がない。だから操られないのかもしれない」と14弾で説明されている。

*19 「メーベルの大予言!」のエピソード等

*20 本物ならお腹を壊すことや夕食に響くことを咎め、かつ心配するであろう所を、偽物は素直に食事を持っていこうとした。